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Gママさん
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隠居人はせじぃさん
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先日、以前録画しておいた『元寇』に関する歴史番組を見ていたところ、私の住む市内に
元(モンゴル帝国)の使いとして日本にやってきた5人を龍ノ口で処刑し片瀬の常立寺に
埋葬し五輪塔が建てられ供養されているとの放送があったのでその常立寺を訪ねてみました。
自宅から海に向かい30分弱にて常立寺に到着。入口横の駐車場に車を停める。

参道入り口には『伝元使塚』の説明板が。

山門に向かって進む。

山門手前の右側には三体の地蔵様が。

山門を入ると右手の六地蔵が迎えてくれた。

常立寺本堂と手前にお線香を焚く香炉が。
本堂には本尊・一塔両尊が安置されているとのこと。

本堂の彫刻も見事。

境内に入ってすぐの左側に元使塚(げんしつか)が立っていた。
ここ常立寺は今は、日蓮宗の寺であるが、元は真言宗の寺であったとのこと。
近くの瀧ノ口の刑場で処刑された刑死者を弔う為に出来た寺であったと。
文永11年(1274)10月蒙古の王・クビライは3万3千隻の船で対馬・隠岐を襲い、
19日には博多湾に上陸をした。日本軍はたちまち敗走したが、台風により
蒙古軍の船が難破し1万余りの兵が水死し、蒙古軍は引き上げていったのだ(文永の役)。
資料によると翌年の建治元年(1275年)、再び元(モンゴル帝国)の使者・杜世忠ら5名が
日本を服属させるため渡来し、北条時宗の命によって鎌倉に連行され、この寺の近くで
処刑されたのだ。
その6年後、弘安4年(1281)5月に蒙古は兵力14万、軍船4400隻で再来したが、
再び台風に襲われ、蒙古軍10万人が水死。こうして北条時宗は日本の国難を切り抜ける
ことが出来たのであった(弘安の役)これが「元寇」、蒙古襲来とも。
大正14年(1925年),この元使650年記念に「誰姿森元使塚」が建立されたとのこと。

石碑には斬首を前にして「杜世忠」の辞世の句が。
『出門妻子贈寒衣 問我西行幾日帰 来時儻佩黄金印 莫見蘇秦不下機』 と刻まれている。
門を出ずるに妻子は寒衣を贈り 我に問う、西行幾日にして帰ると
来る時もし黄金の印を帯びたれば 蘇奏を見て機を下らざるなかれと
「家を出る時、妻子は寒さを凌ぐ衣服を自分に贈ってくれ、西行(日本)からいつ
帰ってくるのか、もし、首尾よく帰って来たならば、蘇秦の例のように機織の手を
休めないということことはないでしょうと」
日本との交渉に首尾よく成功すれば、故郷に残した妻子が暖かく迎えてくれるはずだったのに、
遠い異国の地で処刑されてしまう無念を詠んだのだと。
黄金の印を帯びるとは、日本との交渉に成功して出世することを言う。
http://www.hbirds.net/postgallery/%E5%B8%B8%E7%AB%8B%E5%AF%BA/4866 より

常立寺元使五人塚の見事な香炉が五輪塔の手前に。

上部に「誰姿森(たがすのもり)」の文字が。
『大正14年(1925年)と言えば、大正12年の震災から2年、ここ湘南地方でも
各地に被害を蒙った。
そうした復興途上でこうした寄進がなされたのはどう言う訳か、この寺の檀家で
97歳の古老の話によると
現住職の先先代が単独で日中友好を願って横1メートル高さ2メ-トルの碑を建てた。
又元寇記念館も開設し、元寇関係の遺品が陳列されていたと言う。(現在は消滅)
かってこの常立寺周辺は誰姿森と呼ばれ、蕃神堂が存在していたと[新編相模風土記]に
記されているが現在はない。73年前に片瀬の一隅にすでに、日中の友好を念願していた
僧侶がいたことに改めて注目したい。』 と下記に。
http://homepage1.nifty.com/shizshiz/ajisai/news/seichan/index15.html より転載。

モンゴルで英雄を意味する「青い布」が五輪塔に捲かれていた。
平成17年(2005年)4月7日、引退した元横綱の朝青龍や白鵬らモンゴル出身の
幕内・十両力士らが参拝し、青い布を巻いて700年前の元使の霊を弔ったのだと。
それ以来、毎年、この地への巡業の際にモンゴル出身力士による元使塚参拝が
行われるようになり、モンゴル式にハタクという青い布が新たに捲かれていると。
なるほど朝青龍の四股名に青の文字が入っていたのが理解できたのであった。

灯籠も歴史を感じさせてくれた。

この寺の名物の紅白の枝垂れ梅も開花を始めていた。

境内の仏像。

鐘楼。

十三重塔。

ハクセキレイ?が境内にノンビリと日向ぼっこ。

本堂横の社務所にて御朱印をいただきました。
「南無妙法蓮華経」の文字が中央に、そしてその右に「誰姿森元使廟」の文字が。

境内から六地蔵と山門を再び。

常立寺の白壁と鐘楼、十三重塔。

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