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2022年04月16日
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カテゴリ: ウクライナ
駐日ジョージア大使「ロシアはまるで信用できない」 誘拐、薬物取引…支配地の惨状を語る


駐日ジョージア大使のティムラズ・レジャバ氏

ジョージアは人口400万人ほどの国で、ワイン発祥の地である他、シュクメルリなどの料理でも知られています。黒海とカスピ海の間に位置していて、コーカサス山脈を挟んだ向こう側がロシアになります。

 地理的な関係から、我々は常にその脅威にさらされてきました。1922年にソ連の支配下に置かれ、91年に独立したものの、ロシアとは緊迫した状態がずっと続いています。

 今から14年前には、ロシア軍が実際に国境を越えて、侵略してきたこともありました。私は当時、首都のトビリシにいたのですが、あれは人生観を変える大きな経験でした。自宅から数十キロのところまで軍が迫ったのです。まさに恐怖を感じる体験でした。

 あの時、ロシアは(ジョージアの一部)南オセチアにいる現地のロシア系住民を保護すると一方的に主張し、戦争を始めました。今回も、ウクライナ東部のロシア系住民を保護する名目で侵攻を開始しており、手法は酷似しています。

ただ違いは、私たちがロシアと5日間で停戦合意した点 です。もっとも その結果、我々が平和を取り戻せたわけではない。ロシアが合意後も約束を破って、軍を撤退させず、南オセチア及びアブハジアの両地域を実効支配した からです。あの国がまるで信用できない相手だというのが、お分かりになるはずです。



ロシアの支配地では、民族浄化をはじめ、人道に反するさまざまな犯罪行為が行われています。法律もきちんと機能していないので、誘拐、薬物取引などの犯罪が頻発している のが実情です。

 ウクライナ人はそうした実例を見ていますから、ロシアの占領地がどうなるのかよく理解している。 彼らが徹底抗戦を続けるのは、降伏してもかえって酷い状態に陥ってしまうと分かっているから です。

もちろん、命を懸けた抵抗は彼らにとっても苦渋の選択でしょう。それでも、自由と独立を守るために戦うという気持ちを強く持ち続けている。これは並大抵のことではありません。

 それなのに、 日本の番組出演者の中には“市民の犠牲が増えるから徹底抗戦しなくてもいい”などと言う方々がいます よね。 私は彼らの発言を理解できません。ロシアと利害関係があるとしか思えない のです。

 ウクライナ軍の健闘もあって、戦線は東部に限定されつつあるようですが、プーチン大統領が一度始めた戦争を簡単に諦めるわけがない。確かに大統領は過去の侵攻で味を占め、開戦を決断した節があり、これほど苦戦するとは思ってもみなかったでしょう。

 自軍の被害も顧みない彼は、日本語で言う“ヤケクソ”の状態なのかもしれません。しかし、だからといって、その 頭の中に“敗戦”という選択肢はない はず。我々はこれからも 一喜一憂せず、断固とした方針の下、ロシアと対峙していく必要がある

「週刊新潮」2022年4月14日号 掲載

エストニア首相「ロシアによる残虐行為は、ソ連が私たちに犯した過去の罪そっくりだ」
4/16(土)
エストニアの首相カヤ・カラス

私がこの原稿を書いているのは、ウクライナの首都キーウ近郊にあるイルピンやブチャの惨状を見て、世界が目を覚ました頃だ。ロシア軍によって殺害された市民や集団墓地の写真を私たちは目にする。

これらの写真は、ソビエト政権とその秘密警察であった内務人民委員部(NKVD)による殺戮をエストニアの人々に思い起こさせる。その国家によるテロリズムマシンは、まったく同じように市民を殺害したのだ。



民間人を狙うのはロシアの戦術だ。その証拠に、ウクライナでは兵士よりも市民のほうが多く殺傷されている。特に市民の人口の4分の1が自宅からの避難を余儀なくされていること、ロシアがマリウポリのような都市で人道的な大惨事を引き起こしたのが偶然ではないことからもそう言える。

国際法によれば、民間人を標的にするのは戦争犯罪だ。ウクライナは戦場ではなく、犯罪現場なのだ。ルワンダやスレブレニツァ(ボスニア・ヘルツェゴビナ)と同様だ。

これらの残虐行為の加害者は、その罪を問われなくてはならない。先月、国際刑事裁判所の主任検事が、戦争犯罪と人道に対する罪に関する捜査を開始したが、自由世界はこれを政治的にも実際的にも全面的に支援するべきだ。

これらの犯罪に時効はないが、捜査も期限を設けずに継続すべきだ。私たちはロシア軍が行った残虐行為についてほんの一部しか知らず、その全容はまだ明らかになっていないのだ。

ウクライナで何千人もの人々が命を落としているのを見ると、一人の母親として私の心は痛む。クレムリンは自国の若者を戦地に送って死に追いやり、罪のない人々を虐殺し、彼らの家を大量に砲撃している。

これらは何のためだろうか。ウラジーミル・プーチンの帝国主義的野心のためである。ソ連は崩壊したが、その帝国主義的イデオロギーはまったく失われていなかったことがはっきりした。

プーチンの戦略的目標が変わっていないため、ウクライナの苦しみと惨状はまだまだ終わらない。銃を突きつけた上での交渉はさらなる戦争を回避するための解決にはならないし、犠牲を払って平和をもたらしても残虐行為がなくなるわけではない。

私は、これを自国の経験から述べている。第二次世界大戦後、エストニアや他の多くの国々にとって、平和は、多大な人的犠牲を伴うソ連による占領の始まりを意味した。大量殺戮、抑圧、大量の強制追放、その他の人道に対する罪が行われ、新たな苦しみがもたらされたのだ。

エストニアの経験から言えるのは、ウクライナを占領軍から解放してその領土を回復し、ロシアの侵略を阻止するよう、私たちは今集中的に支援しなくてはいけないということだ。ヴォロディミル・ゼレンスキー大統領が勇敢な戦いを率い、彼が極めて困難な選択をしていることに対し、私は賞賛しかない。





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最終更新日  2022年04月16日 21時35分34秒


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