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5月10日に雌が巣で座り込み時間が長くなってきた光景を目撃、18日には巣の大きさが少し大きくなっており、青葉も搬入し、23日には巣の周囲に白い毛が付着するようになり、翌24日には雌が体下面をしきりに気を配るような仕草を見せていました。昨日、今朝と朝から雨が降り、気温16度前後と低い温度で推移しています。雨の日は、雌が姿勢を低くして巣に座りこみ、卵の温度が下がらないようしているのがよくわかります。また、雄は巣から離れた枝にとまり、外敵のカラスの動向を監視している姿は雨の日でもかわりません。降りしきる雨を避けられる林ですが、それでも冷たい雨の中、ガードを続ける姿にエールを送り林を後にしました。(抱卵温度と孵化の関係)低い温度でも孵化には影響しないと思っていたのですが、植田(2012)が、文献の報告に「抱卵温度の低かったカモの子は初期の体重は軽く、孵化20日たってもより高温の抱卵温度で生まれたカモの子の重さには追いつかない」と記されていることを紹介しており、ツミではどうかと気をもんでいます。5月10日頃に産卵したと仮定すると、抱卵後25日前後で孵化を迎えます。理屈上では6月初旬頃が誕生ということなります。その光景を目にするまで心配はつきません。(写真)2025年5月31日撮影(引用)植田睦之.2012.抱卵温度が子の将来を決める ?~抱卵温度の低さが成長や免疫能力に影響するアメリカオシ.野鳥の不思議解明最前線#76.バードリサーチ.pp1
2025.05.31
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鳥友から手賀沼流域のヨシゴイが急激に減少した原因として考えられることについて質問をもらいました。(手賀沼でのヨシゴイの生息)我孫子市(1995)は、我孫子市内および手賀沼の鳥類について文献に報告されている内容を整理し報告し、同時に調査を行った結果を報告しています。それによると、1975年以降にヨシゴイの記録が認められるようになったと記されています。1965年にヨシゴイが生息していたとの報告が見受けられるが、その生態と一致せずミゾゴイの生態と一致するため誤認の可能性があるとしています。(1975年以降2023年までの観察記録)1975年から2023年の間、手賀沼とその流域ではヨシゴイが5月以降9月頃まで継続して観察されてきました。個体数が最も多かったのは、1998年7月12日の13羽、次いで1999年7月11日の11羽、2009年7月5日の10羽の順で、最も少なかったのは2023年6月1日の1羽との結果です。(水生植物の分布と変化)千葉県(2022)手賀沼では、ヨシ、ハス、ヒメガマ、ナガエツルノゲイトウ、オオバナミズキンバイが、下手賀沼と手賀川では、ヨシ、マコモ、ヒメガマが、それぞれ繁茂面積の上位を占めていたと報告しています。しかし、2015年にハスの群生地は消滅し、ヒメガマも消滅したと思われます。ハスは枯れたハスの葉が水底に堆積され土に蓋をする格好になり枯れてしまったものと考えられます。また、ヒメガマは、2001年に北千葉導水路運用が開始されて以降、水位が高くなったこと、流れの強さが生じたことでヒメガマの根が影響を受け消失したものと思われます。(ヨシゴイとヒメガマ)上田(1996)が「ヨシゴイはあきらかに巣をかける植生としてはアシよりヒメガマを選ぶ」と述べています。手賀沼沿岸でも同様でヒメガマの群落に集団で営巣する傾向がありました。さらに、上田(1996)は、単独巣の多いアシ原では巣は高い位置(*)につくられるがヘビなどの捕食率は高く、集団で巣がみつかるヒメガマの沼地では、巣の位置はアシ原とくらべて相対的に低い(*)が,捕食率も低いと述べています。(*)水面からの巣の高さと捕食率ヘビなどに捕食されなかった巣の高さは76.5~67.7cm、捕食された巣の高さは99.9~68.8cm但し、巣下の水深が浅いと捕食されやすく、深いと捕食されにくい。(手賀沼流域の営巣地の消滅)1975年以降、複数のヨシゴイが集団で営巣していたヒメガマ群生地が、2010年頃から衰退し始め、この影響を受けてヨシゴイの繁殖個体が急激に減少し、2023年6月1日に1羽を観察したのが最後で、2024年には群生地は完全に消滅しました。(ヨシゴイの習性とヒメガマ)ヒメガマは、葉がやわらかく、折り曲げやすい傾向があります。ヨシゴイが葉を束ねて座ったり翼を広げて日光浴をする光景を観察していますが、ヒメガマの柔らかな葉はそうした習性に欠かせないものと考えられます。(引用)我孫子市.1995.我孫子市自然環境調査 鳥類調査報告書.p61.上田恵介.1996.ヨシゴイはなぜ集団で繁殖するのか:巣場所選びと繁殖成功.Strix Vol. 14, pp. 55-63.日本野鳥の会.千葉県国道事務所.2022.手賀沼流域の水生植物の現況.pp33.(写真)一枚目:2019年6月2日(成鳥雄:頭上が濃紺色)二枚目:2019年7月21日(幼鳥)三枚目:2020年7月12日(巣:ヒメガマなどの抽水植物を折り曲げて作った巣)四枚目:2021年6月13日(成鳥雄:クチバシ基部が顕著に赤くなった雄)五枚目:2022年6月17日(成鳥雄)六枚目から八枚目:(若鳥:孵化後20日程度で巣立ちとなります)
2025.05.30
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吉川美南駅西口と東口の調整池沿岸を探索しました。今日のテーマは、飛来しているオオヨシキリの成鳥雄と成鳥雌、若鳥の姿の観察。成鳥雄の口の中は赤色なのに対して、成鳥雌はオレンジ色、成鳥雌は全体が小さく嘴は華奢で眉斑は不明瞭、若鳥は成鳥より色が淡く、嘴の淡色部が広いと教えてもらったことがあります。それをなんとか観察しても見たいと思っています。一羽ごとに口の中の色を確かめていると、あっという間に時間が過ぎていきます。しかし、今回も見つけた個体はすべて成鳥雄でした。なかなか、思うようになりません。西口の調整池では2羽のキジ成鳥雄がなわばりの境界で睨み合っている光景からスタート。岸辺にはアオサギ、カワウ若鳥、浅瀬にはコチドリの姿を見つけました。また、スズメ成鳥(喉が黒色で耳羽が黒色)と若鳥(嘴の基部が黄色、耳羽の黒色が小さめ)が登場。若鳥はなわばりが持てないので群れで遠距離を移動することが標識調査でわかっていると研究者から教えてもらったことがあります。西口では成鳥が多く、東口では若鳥がほとんどでした。西口は住宅街となっているのに対して東口は造成中の土地が多く草地が多いことが影響しているのでしようか。(写真)2025年5月29日撮影
2025.05.29
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そろそろ、夏鳥のヨシゴイと出会える頃となり、印旛沼沿岸を訪ねました。葦原を冷たい風が吹いていたので観察にはつらい条件でした。それでも葦原の上を3羽のヨシゴイが飛翔し、うち一羽は葦原に降り立ちました。沼の水面の杭にはミサゴ2羽の姿があり、捕食した魚をついばむ姿を目撃。このほか、カルガモ、モモイロペリカンの姿、沿岸に電線のあちこちにホオジロの姿があり自慢の囀りを観察できました。沼の探索した後、近郊の坂田ヶ池総合公園に移動し、園内を探索しました。マガモ、小島で産卵・抱卵していたアオサギに待望のジュニアが誕生していました。冷たい風からジュニアを守るように枝を整えていた親鳥のこまやかな愛情に出会えてよかったです。(写真)2025年5月28日撮影
2025.05.28
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二週間ぶりに柏の葉キャンパス駅近郊の調整池と周辺を探索しました。今日はツバメとイワツバメの動きの観察に重点を置いて観察をしました。イワツバメは、調整池の斜面と遊歩道で巣材の泥と枯草を採取する姿を目撃しました。採取するとすぐに北西方向に渡去しますが、造巣している場所は把握できていません。(ツバメとイワツバメの巣材の違い)ツバメとイワツバメの巣に使われている材料は、泥と枯草ですが、泥はツバメは水分を多く含んだ泥を採取するのがほとんどですが、イワツバメは水分を含んだ泥にくわえて乾いた泥を採取しているのを観察しました。イワツバメは、巣内側に敷物として蘚苔、枯草の茎、少量の枯葉、羽毛、毛,、草の根などを使っている資料を閲覧したことがあります。目撃した乾いた泥は巣の内側に使用しているひとつと思われます。(ツバメの造巣状況)昨シーズンは3箇所の巣が作られ、雛16羽が誕生し7月下旬に無事巣立ちました。抱卵は16日前後、育雛は27日前後とされていますから、昨年の産卵は5月下旬、6月が育雛と推定されます。これに対して今シーズンは巣はまだ1箇所のみで抱卵中が観察されるのみです。(夏鳥の観察情報)・商業施設前の調整池で、カイツブリの親子の姿、巣に出入りするバンを見かけました。カイツブリは、成長した3羽の姿がありましたが、その羽毛の状態は、成鳥の羽毛に近い状態の個体から幼羽がかなり残っている個体までいろいろです。・例年、飛翔している姿を見かけるヒメアマツバメは姿を目撃できませんでした。・草地上空ではホバリングしていたチョウケゲンボウの姿を目撃・・国道をはさんで反対側の調整池は草丈が高く、ダイサギ、アオサギの姿を観察したのみ(写真)2025年5月27日撮影
2025.05.27
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筑波山麓の神社を起点とする林道を探索した後、山麓にある建物に営巣しているコシアカツバメを観察しに出かけました。林道では、ウグイス、キビタキ、ホトトギスの夏鳥の鳴き声を聞き、山麓の建物ではコシアカツバメが飛翔する姿を観察しました。営巣場所の巣を観察すると、入口がとっくり型をした巣、入口の間口が広いタイプ、造巣したのにスズメに乗っ取られている巣といろいろのタイプを目撃しました。また、コシアカツバメを観察していた際に頭が小さく、下雨覆、下面が暗色で尾羽、初列風切の横斑が細いタカを目撃ました。ピェーという鳴き声は確認できなかったもののハチクマ成鳥暗色型と思われました。(写真)一枚目、二枚目は2024年5月26日撮影、その他は2025年5月26日撮影コシアカツバメの営巣場所は、撮影者が殺到すると市民の方に支障があることから地名などは非公開とさらてもらいます。
2025.05.26
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(ブラインドから見た巣の変化)5月10日に雌が巣で座り込み時間が長くなってきた光景を目撃、18日には巣の大きさが少し大きくなっており、青葉も搬入したことを観察しました。その後、23日には巣の周囲に白い毛が付着するようになり、翌24日には雌が体下面をしきりに気を配るような仕草を見せていました。白い毛は雛の綿羽ではないかとも思っています。ただし、ブランドの小窓からの短時間の観察ですから観察に限界があり、雛が顔を出すまでは把しきれない側面があります。(成鳥ペアの動きの変化)5月8日までは成鳥雄が獲物の小鳥を持参すると巣から離れた枝に止まり、雄は餌を雌に与え別の枝で雌のガードを行うパターンでした。それが、18日を境に餌を持参した雄が雌に餌を受け渡してすぐに巣に入り座り込むパターンに変化しています。さらに、21日以降は晴れで日光浴日和の朝は巣の外に出た成鳥雌は羽繕いと日光浴をしている間は、成鳥雄が巣に座り込んでいるというパターンに変化しています。抱卵期のタカ類は、ほとんどが雌が担当し巣付近の決まった枝で餌の受け渡しを行うとの報告が多いのですが、抱卵をパートナーと分担しあっている姿を目撃しています。(写真)一枚目:2025年5月3日、二枚目:同5月5日、三枚目:同5月8日、四枚目:5月18日、五枚目:同5月23日、六枚目同5月24日、七枚目・八枚目同5月25日、九枚目:5月21日成鳥雌、十枚目:5月24日成鳥雄
2025.05.25
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今シーズンはじめて野田市のコウノトリの里を訪ねました。昨シーズンまで子育てに使われた巣台は、接する市道が生活道路として一般車両の通行や散歩などで周辺住民に毎日利用されており、巣材の落下などによる事故の懸念があったので2024年12月10日に撤去されました。今シーズンは、大谷津の人工巣塔でヤマト(雄:JO155)とひなた(雌:J0424)が造巣、産卵し抱卵中です。ひなたが市民農園に降りて採餌している模様です。コウノトリの里のあるエリアし、地区全体約90haあり、保全管理エリア、ブランド米エリア、樹林地区などのゾーニングがされており里山の特徴的な生き物が記録されています。今日も周辺の林上空をホトトギス、サシバがンなども飛翔し、田んぼでコチドリの雌雄が鳴きながら移動、管理棟の軒下でツバメのヒナが誕生していました。(写真)2025年5月24日撮影(足環情報:愛称の次は上部、下部の順)ヤマト:右 黄色・黄色、左 黄色・黒、ひなた:右 青・黄色、左 緑・緑
2025.05.24
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21日から22日にかけて夜行バスを使って長野県戸隠高原に出かけました。22日朝、戸隠奥社入口からスタートし、カラマツの小路、小川の小路、モミの木園地、水芭蕉の小路を探索。スタート地点周辺ではアカハラ、ウグイス、ホオジロ、キビタキ、アカゲラ、ホトトギス、ツツドリの鳴き声でいっばいでした。その後、ノジコのチッチッと前置きした声でスタートしチョンチョンピピツピー、ピッピッ(私は信州そばとろろ入と聞きなしています。チュンチョンがゆっくりの入りで後半のピッピッは声を転がすような印象)と自慢の声を披露。その直後、クロジがホィーッチョチョチョチクイチリリと澄んだ高で囀っていました。ノジコ、クロジは戸隠では雑音が少なく、囀りが楽しるので楽しみのひとつです。朝8時すぎになると、今度はクロツグミ、ツツドリ、コルリ、ヤマガラ、アカゲラ、アオゲラ、ホトトギス、センダイムシクイの囀りと姿を目撃できました。さらに9時すぎになると複数のサンショウクイがピリー、ピリー、リーリーと鳴きながらカラマツの小路上空をいったり来たりを繰り返す姿、キバシリが木を下から上に登る姿、ピッピッと連続音とぴりぴりと連続した早い声を出していたゴジュウカラの姿を観察。頭部を下にして幹を回り降りていくゴジュウカラと木を螺旋状に登っていくキバシリの対照的に動きの目撃できました。(観察した鳥類)カイツブリ(2羽の成鳥が造巣中)、キジバト、コゲラ、アカゲラ、アオゲラ、ハシボソガラス、ハシブトガラス、コガラ(ヒーホー、ヒーホーと囀り)、ヤマガラ、ヒガラ(ツピ、ツーピンと早口で囀り)、ヒヨドリ、ウグイス、センダイムシクイ(チヨチヨ、ビーと囀り)、メジロ、キバシリ、ミソサザイ、クロツグミ(キョロン、キョロンの囀った後にチョコキョコの声が入りました)、アカハラ、コルリ(ヒッヒッと前奏の声の後にヒンカラカラカラとコマドリ似の囀り)、コサメビタキ(白いアイリングがあり体下面が白く縦斑はなし)、キビタキ、オオルリ(尻下がりにヒーリーリー、ジッジッと囀り)、ニュウナイスズメ(チュンとスズメ似の声にチーと声を出していた)、イカル、ホオジロ、ノジコ、アオジ、クロジ(写真)2025年5月22日撮影(ツキノワグマ情報)今回はツキノワグマとは遭遇しませんでしたが、5月13日に発見情報があり、森林植物園内では複数箇所に足跡が認められました。高谷園地周辺は特に警戒が必要です。また、モミの木園地周辺は人通りが少なく単独で同一ポイントで長時間滞在するのは避けたいところです。
2025.05.23
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出口(2017)は、ノジコの分布や生息環境などについて知見を整理し報告しています。その中で、日本では冬にはいないが、繁殖地は豪雪地帯の新潟県と重なっていることを紹介しています。ノジコが多雪地特有の低木を中心とする雪崩植生が存在し、豊富な雪解け水によって湿潤な環境が形成されやすいという点が可能性として考えられると記しています。さらに、残雪のある頃に繁殖地に渡来し、限られた利用可能な環境でつがい形成を行った後に雪解けによる利用可能環境の拡大に伴ってなわばり分散を行うのではないかと報告しています。本種の局地的な分布は、多雪地など独特な環境を選択している結果かもしれないと指摘しています。戸隠も全国有数の豪雪地帯と知られており、戸隠神社も何とも被害にあっており、出口(2017)の報告のように、残雪のある頃に飛来した後、番形成、なわばり分散をしていると考えられます。5月21日から22日にかけて戸隠を訪ねます。今シーズンのノジコの様子を含めて23日にリポートさせてもらう予定です。(引用)出口翔大.2017.ノジコ 雪国育ち.Bird Research News Vol.14 No.6.p1-2.(写真)2020年7月2日戸隠にて撮影
2025.05.22
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今朝、早朝4時頃、オフィス近郊をホトトギスが鳴きながら移動していきました。(なお、手賀沼では19日に鳴き声を聞いています)柏市と手賀沼とその周辺地域の初鳴き日の推移を振り返ってみました。(1998年から2024年の初鳴き日:2000、2005は観察できず)・5/20までに観察した年:2008/5/18、2013/5/17・5/21-/31までに観察した年:1999/5/24、2001/5/23、2002/5/22、2003/5/28、2010/5/21、2014/5/31、2021/5/24、2024/5/27・6/1-6/10までに観察した年:1998/6/4、2006/6/4、2011/6/3、2023/6/1・6/15以降に観察した年:2007/7/9、2009/6/18、2017/7/2(ホトトギスの初鳴き日の変動の大きさ)植田(2020)は、ウグイス、ツバメ、オオヨシキリ、カッコウ、ホトトギスといった春の鳥類について初認の進み方や年変動に異なるパターンがあると報告しています。報告で「初認の遅いものほど年変動が小さくなる傾向がありました。気温の年変動が大きい 春早い時期の鳥の初認もそれに応じるように年変動が大きくなり,遅い初認の鳥たちは小さくなるのだと思われます。(中略)初認時期が最も遅いカッコウは年変動がほとんどなくなることが予想されるのですが、興味深いことにウグイスやツバメに負けないほど年による差が大きいのです。そしてホトトギスも同様の傾向がありまし」と述べています。ホトトギスは主にウグイスを相手に託卵を行うと言われています。ウグイスの動向に大きく影響を受けているのか、それともほかに要因があるのか興味のあるところです。(写真)ホトトギス:2023年10月13日松戸市で撮影ウグイス:2022年2月4日都内で撮影
2025.05.21
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越谷市中島3丁目付近の中川右岸にサギの集団営巣地(通称コロニー)があります。今年の様子を現地を訪ねました。コロニーに飛来しているサギ科の鳥類は見える範囲では100羽前後と思われ、ゴイサギ、アマサギ、アオサギ、ダイサギ、チュウサギ、コサギを観察できました。(観察できたサギ科の鳥類)・ゴイサギは、つがい形成期に脚がサーモンピンクとなっている成鳥、成鳥の下面かげオリーブ色味が濃い個体、白い個体を観察。・アマサギは気温30℃以上の暑さとなったこともあり、嘴を思い切り開けて熱を放散している姿を観察しました。(鳥類は脇の下や嘴、足などの羽のない部分から熱を放散)・アオサギは孵化して間もない個体が巣の中に姿がありました。・ダイサギは眼先の緑青色が鮮やかな個体を観察しました。・チュウサギは眼先が黄色で嘴は黒色の夏羽個体を観察しました。・コサギは、飾り羽のある成鳥個体が水際で巣材に使う枝を何度も採取していました。(不思議なものが木々に結んでセットされていた)不思議なものが越谷市中島3丁目先の水辺近くにセットされているのを発見しました。レジ袋のようなものが、従来サギが餌をとるために飛来する木々に人為的に結ばれているのです。明らかにサギの採餌を邪魔する印象があります。埼玉県では久喜市と越谷市の2地区が営巣地として現存しているのみと言われ、営巣地のある河岸を掘削する⽅針が出されながらも生態系の保護の観点から結論は出ずの状態です。流域住民からの苦情は特段出されておらず、セットされているものが何の目的なのかわからないところです。これまで、集団繁殖地であること、コロニーを観察できる吉川市保健センター側の岸辺には遊歩道もなく、県道葛飾吉川松伏線も片側1車線で往来も激しいので地名を明記せずにリポートしてきましたが、サギの繁殖に支障がでる可能性が高いことから今回より記すこととしました。(写真)2025年5月20日撮影
2025.05.20
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昼過ぎに牛久沼沿岸を訪ねた後、手賀沼沿岸の谷津田でサシバの様子を観察しようと立ち寄りました。林の中では複数のキビタキが囀り、上空をオシドリ雌雄各1羽が鳴きながら移動していく姿、ホトトギスが鳴きながら飛翔する姿に出会いました。圧巻だったのは、その後のサシバとノスリの熾烈なまでの縄張り争いでした。鳴きながら谷津田の地面に降りようとしていたセグロセキレイも一時的に電線に止まり静観せざるを得ない激しいものでした。ノスリが足に巣材らしきものをぶら下げて巣のある個所に運搬しようと降下した時、サシバがそれを妨害する行動を目撃しました。ノスリは全体的に淡色で、若鳥と思われました。その後、斜面林の一角に新緑をバックに白い点のような見える鳥影を発見し、確認するとノスリ若鳥でした。サシバとのバトルの後、斜面林に退避していたものと思われました。今回ノスリ若鳥を見かけた谷津田では、過去に複数回若鳥の姿を見かけています。三枚目(2021年5月30日撮影)、四枚目(2024年5月2日撮影)の写真を参考としてアップしました。(写真)一枚目、二枚目のノスリ、五枚目のセグセキレイは2025年5月19日撮影その他は前出。
2025.05.19
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昨日雨が降り続きツミの様子を確認できませんでしたが、今日は曇りで蒸し暑い朝。現地を訪ねてみると、巣に雄が座り込んでおり、雌は巣の外にでかけていました。巣の大きさが少し大きくなっており、青葉も搬入していました。青葉は造巣している時期に搬入するのですが、今年はパターンの違いがあります。到着直後に雌が巣の下方向からすーと巣に入り、雄と巣の番を交代。いつもは巣に雌の姿、餌を持参した雄が雌に餌を受け渡した後に巣に入ります。それがいつもとは逆で、交代が瞬時に行われたのはなぜと思い、林の中を確かめるとオナガの巣が地面に落ちていて、卵も破壊されている状態を見つけました。たぶんカラスが襲撃して巣を破壊した可能性が高いものと思われました。カラスからの防御もあり、より俊敏に追尾できる雄が巣を見渡せる枝に移動したのだと思われました。その後、接近してくるキジバト、オナガ、カラスを全速力で追尾し追い払っていました。(ツミの捕獲している餌について)鳥友からツミが捕獲している獲物について質問をもらいました。今年の造巣場所ではまだ未確認ですが、従来見かけた獲物は、スズメが最も多く、ついでシジュウカラ、ムクドリ、オナガの順でした。ただし、シジュウカラは雛の成長期に多く捕獲し与えているのを見かけています。誕生から生育期は、誕生した雛に均等に量を与える必要があるので多く捕獲し与えているのではないかと思われます。アップした写真のうち、七枚目はスズメの頭を削ぎ落としてから解体していた時のもの、八枚目はオナガを捕獲し羽毛をむしりとり解体していた時のものです。(写真)一枚目から四枚目はツミ、五枚目、六枚目はオナガと巣と地面に落下していた卵の一部(写真の画面中央)です。いずれも2025年5月18日撮影
2025.05.18
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先週から今週にかけてのツミの様子のリポートです。雌が巣に座り込んでいる時間がほとんどですが、雄が小鳥を捕獲して帰還すると短く小さな声でクックッと鳴いて雌を呼び、巣から離れた枝で餌を受け渡して雄が巣に移動し雌にかわって座り込む姿を見かけます。ただし、ほとんど鳴き声は出しません。雌は、餌をたいらげた後、羽繕いをした後にしばらく枝で休憩しています。ただし、カラス、オナガが巣に接近した時は、雌が猛スピードで追い払っています。しばらくすると、雌が巣に帰還し雄と交代して、今度は雄が周囲の警戒にあたると周囲の雰囲気が一変します。巣の周囲10m前後の範囲であれば、猛スピード(*)で対象の鳥を襲撃しています。(写真)2025年5月15日撮影(*タカの飛翔得度について)なお、小型のタカ類の飛翔速度について、水平飛行時は時速約80km、急降下時に時速約130kmに達すると記述しているweb情報や文献を目にしますが、エビデンスが示されておらず、実測のデータなのか、計算上の速度なのか不明です。たとえば、ハヤブサの飛翔速度ギネス記録が389km/hと紹介されていますが、黒澤(2008)が「米国のデューク大学の研究者がおよそ294 km/hという実測値を出している」と引用文献とともに紹介しています。さらに、太田黒(2024)が「ハヤブサの急降下については多くの研究があるが、いずれも空気密度を⼀定と仮定した終端速度近似であり,大高度差の降下に対しては実大気との乖離が大きすぎる。高度差が2000mを超えるような急降下を現実的な飛行環境のもとで再現した数値実験を行い、この記録が力学的に妥当なものか検証する」と報告していることを考えると、実測の速度ではない可能性があります。(引用)黒澤 隆.2008.ハヤブサ Bird Research News Vol.5 No.12.p4-5.(Enderson, J. 2005. Peregrine Falcon: stories of the Blue Meanie.University of Texas Press, Austin, TX.)太田黒俊夫.2024.ハヤブサの速度記録のシミュレーション.バードリサーチ鳥類学大会2024 講演要旨集 ポスター発表 P-39.
2025.05.17
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かつて水戸街道の宿場町として賑わった街の橋梁で長年チョウゲンボウが営巣・子育てをしています。周辺には小動物、昆虫類が多く生息しているのでオオヨシキリ、ホオジロといった鳥たちの餌場でもあり、餌を捕食しては巣に運搬している姿をよく見かけます。チョウゲンボウは複数のペアが営巣していますが、うち2つの巣穴から雛たちの鳴き声が聞こえています。食欲旺盛の雛に与える餌の捕獲のため、雄は餌探しで大忙し、その留守を預かる雌は巣の近くで見張りをしておりカラスが接近してくると警戒の構えをみせ、場合により追い払っていました。チョウゲンボウたちの子育ての直下の草はらではあちこちでオオヨシキリ雄がソングポストで大声で鳴き、縄張りを主張していました。注目だったのがそのうちの一羽が枝に止まり行々子と泣き叫んでいました。オオヨシキリといえば葦原のイメージがありますが、この個体の行動を見ていたらその謎は解けました。囀っていた枝から斜め45度の角度に巣の存在があり、囀り後巣に帰還する姿を目撃しました。(写真)2025年5月16日撮影
2025.05.16
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ウサギのような長い羽角(飾り羽で聴覚機能はありません)が特徴のトラフズクを観察しに埼玉県、栃木県、群馬県にまたがる渡良瀬地区まで出かけました。お目当てはヒナの目の色。2022年5月に観察したヒナの虹彩は黄色、2018年4月に観察したヒナの虹彩は橙色、そして今日観察した個体はすべて橙色でした。以前にも紹介させてもらったようにメラミン色素の蓄積(*)に違いがあり、虹彩の色に違いが出ると考えた方が一番納得できると思っています。(*)太陽の光が強い暑い国ではメラニン色素が大量に蓄積されて黒や茶色などのひとみになり、逆に太陽光が弱い条件ではメラニン色素の量が少なく、グレーや青色のひとみになるといわれています。トラフズクのヒナは、2羽以上の姿がありましたが、綿羽で覆われている部分の大きい鼓隊と幼羽が少し見てきた個体をそれぞれ観察しました。しばらく羽繕いをしていたと思ったら、今度は止まっている枝で寝落ちしている様子も披露してくれました。(写真)2025年5月15日撮影
2025.05.15
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JR成田線下総松崎駅から北へ約1キロメートルの地点にある坂田ケ池総合公園内と印旛沼北部調整池北側に広がる水田地帯を探索しました。坂田ケ池では、ハシビロガモ雄2羽、アオサギ、園内のあちこちで囀るウグイス、芝生広場の地面で餌探しに余念のないハクセキレイ、セグロセキレイ、林の中で囀る複数のキビタキとの出会いを楽しみました。その後は、印旛沼北部の水田地帯を探索し、餌を物色しているカルガモ、ダイサギ、ソングポストの葦に上り、行々子と囀るオオヨシキリを観察しました。オオヨシキリは葦原のあちこちに姿があり盛んに囀っていましたので、また雌が縄張り侵入していない状態でした。(雄は雌が渡来しなわばり内に入ると囀りをやめ、産卵前まで雌のガードを行い初卵前後にまた囀りを囀りを再開することがわかっています)(写真)2025年5月14日撮影
2025.05.14
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千葉県北西部に姿のあるチョウゲンボウの様子を見に出かけました。長年営巣してきた場所周辺には親鳥が一度旋回した姿があったのみで、北方向に移動していったのでその方向を探索してみたところ、商業施設最上階の一角に親鳥が複数回出入りしていました。しかもピィーピィーと声が聞こえました。帰宅後、調べてみると、蒲谷(1996)に「ひなに給餌するときはピィーピィーピィーとやさしい声を出す」と報告されていました。前回、4月17日に立ち寄った折には、成鳥雄が餌を持参し営巣場所に入ってしばらく出てこなかったので抱卵中の雌に餌を与えていたものと思われると報告しましたが、その後カラスなどに襲撃されたなどして営巣場所を変更したものと思われます。産卵後、抱卵から孵化するまでの期間は27日から31日程度と言われており、抱卵開始は4月下旬頃と考えられます。営巣場所の変更はそれ以前と思われます。今日、成鳥が出入りしていた箇所は、これまでと違い親鳥の様子は見えないので、ヒナが成長してから姿を登場するまでお楽しみといったところです。(過去記録してきたチョウゲンボウの若様の羽毛の変化)2001年以来、観察してきたうち、若様の羽毛を観察・記録しました。綿羽から若鳥の羽毛となるまでの写真の一部を紹介します。チョウゲンボウの第一綿羽は白くてやや短くてまばらとされています。また、第2綿羽は長くて密であり約8日齢で現れ、上面は灰褐色で下面は淡色とされています。一枚目と二枚目の写真は、第二綿羽の状態と思われます。三枚目の写真は、一番先に誕生した若鳥とそれ以外の若鳥を記録したものです。体の大きさが違うのがわかります。四枚目から六枚目の写真は、成長し頭部に少し綿羽が残っている状態です。今シーズンは、若鳥の成長と羽毛の変化が観察できるかは不透明ですが、どの段階で観察できるやら。(写真)一枚目:2014年5月6日撮影、二枚目:2021年6月6日撮影、三枚目:2021年6月9日撮影、四枚目:2024年6月10日撮影、五枚目:2018年6月6日撮影、六枚目:2016年5月25日撮影
2025.05.13
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水田に飛来しているムナグロを観察するために、牛久沼、旧藤代町、手賀沼沿岸を探索しました。全体的黄色味のあるムナグロ冬羽から成鳥夏羽までさまざまな羽衣を観察することができるからです。(ムナグロの羽衣のいろいろ)(1)成鳥冬羽から夏羽に換羽中の個体その1一枚目の写真は、手賀沼沿岸の水田の畔で休んでいた群れの中に冬羽を見つけて記録したものです。黄色味の強さか際立ち、換羽中は下面に黒い羽が認められます。(2)冬羽から夏羽に換羽中の個体その2二枚目、三枚目の写真は、牛久沼沿岸で記録した個体です。頭から体下面の汚白色の羽先が擦り切れて内側の黒い羽が出始める段階です。(3)冬羽から夏羽に換羽中の個体その3四枚目の写真は、牛久沼沿岸で記録した個体です。(2)の段階の個体が夏羽にさらに換羽している段階です。下面の黒い羽が目立つようになっています。(4)夏羽に近い個体五枚目、六枚目の写真は牛久沼沿岸で記録した個体で、夏羽に近い羽衣となっています。(5)夏羽七枚目の写真は、牛久沼沿岸で記録した個体です。顔、胸、腹が黒く、上面の斑は黄色となっています。(ムナグロ以外の鳥たち)牛久沼沿岸では、ムナグロのほか、コチドリ、タシギの姿を見つけました。あわせて、婚姻色となり脛から跗蹠がピンク色のダイサギ、日中の気温が15℃前後で風も吹き体感は冬並みのためか寒さの苦手なスズメが道路の上に腹ばいとなって体を温めていた姿を目撃しました。(写真)2025年5月12日撮影
2025.05.12
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皐月に入ってはじめて柏の葉キャンパス駅近郊の調整池と湿地を探索しました。4月8日に商業施設で巣作りをスタートしたツバメ、ようやく一ヶ所目の巣が完成し、巣の中に雄が座り込んでいる姿を観察しました。あわせて、調整池の斜面で巣を作るペースとなるドロ玉をついばみ何度も巣に運搬していました。ドロ玉を運搬しているのは雄がメインで、巣の完成までは雄の仕事のようでした。このほか、カイツブリに3羽のヒナが誕生し親鳥のそばから離れず水面を移動する姿を見つけました。その後、湿地帯に移動して探索をスタート。草丈が高くなっていて一見鳥がいないように見えますが、何か所かある浅瀬にはタシギが姿を現して日光浴と羽繕いをする姿がありました。頭長の2倍以上の長さの嘴、眉の前で太くなく後方でも等幅の眉斑、下列肩羽の外縁は内弁のほうが外弁より細く赤褐色が強い点を観察しました。(写真)2025年5月11日撮影
2025.05.11
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昼まで雨が降り続いていましたが、昼過ぎに上がりツミの様子を見に出かけました。5月になってから雌の姿が巣にあることが多くなり、7日以降、腰をおろしてじっと静止する時間が多くなっています。例年でしたら、枯れ枝の搬入で巣のサイズが大きくなり雄が青葉を搬入するのですが、今シーズンはその光景が目撃できません。しかも、今日は小一時間は雌雄ともに巣に姿がありませんでした。その後、その原因が同じ林にハシブトガラスが止まっていたためであることが判明。ツミ雄とオナガと共同で追い払い行動を活発に行っていました。雌はその間は、離れた林の枝にとまり様子を傍観していました。雌が巣に入ったのは、カラスの追い払いが完了した小一時間後のことでした。平野(1999)が産卵前のツミの雌雄間で観察された尾上げディスプレイと翼震わせたディスプレイについて報告しており、一度遭遇できたらと密かに期待をしています。(写真)2025年5月10日撮影(引用)平野伸明.1999.産卵前のツミのディスプレイについて.日本鳥学会誌.1999年第48巻第2号 p.157-160
2025.05.10
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今年もササゴイが飛来したと鳥友から情報をもらい、都内の公園に足を運びました。到着直後は、ブイの上に成鳥が止まり、水中の獲物を狙っている素振りでした。ベンチに座って待機していると、小島の葉が揺れているのに気づき、確認するとササゴイが枝を折り、巣があると推測されるポイントに運搬していました。全長をこえる長さの枝を折っていたと思うと、小枝をおって運搬していました。三上(2014)が造巣について「小枝を組み合わせて雑な皿型の巣をつくる。産座に松葉などの葉っぱを使うこともある。主にオスが巣材運びを行ない、メスがそれを受け取って巣の形を整える」と報告しています。しかし、目の前で展開されているササゴイの行動は、それとは違う仕草。他地域ではどうかと興味を持ちました。このほかは、カルガモ、水中で抵抗が少ない後肢が体後方についているカイツブリ、公園の縁の林周辺で見かけたツミのペアと見ごたえのあるフィードでした。(写真)2025年5月9日撮影(引用)三上かつら.2014.ササゴイ Bird Research News Vol.11 No.7.p4-5.
2025.05.09
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浮島の広大な蓮田エリアにシギチドリの姿を探索しに出かけました。4月に姿を観察したツルシギ2羽の姿がありましたが、多くのウォッチャーがその姿に魅了され座り込んで撮影をしていたので遠目に観察して別の蓮田を探索。オジロトウネン夏羽とヒバリシギの姿を見つけて羽衣をじっくりと観察しました。オジロトウネンは肩羽の軸斑は黒く、羽縁は赤褐色で嘴は細めの印象でした。ヒバリシギは、頭上、体上面が赤褐色でした。写真ではわからないと思いますが、背と肩羽の境にV字模様がありました。その後、浮島、甘田干拓地を訪ね、オオセッカ、オオヨシキリ、コジュリンの姿を観察しました。オオセッカは背のベースが褐色の黒斑、尾が長くくさび形をしているのを観察。コジュリンは頭が黒頭巾で嘴は黒色で、ジュッ、チュピィチュリチュという鳴き声を堪能しました。(写真)2025年5月8日撮影
2025.05.08
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一昨日茨城県、千葉県手賀沼沿岸にシギ・チドリの姿を求めて探索し、ムナグロ、チュウシャクシギと出会えたので再び手賀沼沿岸の水田を訪ねました。水田はかなりの深水の状態でシギ・チドリの姿はありませんでした。そこでサシバが飛来している谷津田の探索に切り替えて移動しました。複数の谷津田でサシバを観察できました。渡来初期やペアの求愛時期にはキンミーとよく鳴いていたのが、この時期は鳴くことは逆にカラスなどの外敵に巣の位置を教えてしまうことから、鳴き声はゼロ。いずれの谷でも雄が電柱に止まり、畔などを移動する小動物、ヘビなどを捕食し、巣を見渡せる木から巣の方向を確認し、外敵の存在がないことを確かめた後、獲物をぶらさげて巣に帰還にパターンでした。谷津田近郊の水田では、ダイサギ冬羽、夏羽(婚姻色個体)、複数のキジが畔の上を移動する姿、全体に緑色が眼立つ亜種カワラヒワ雄、緑色味の乏しい亜種カワラヒワ雌の姿を観察できました。(写真)2025年5月7日撮影
2025.05.07
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4月28日に手賀沼遊歩道でコムクドリがさくらんぼの実を食べていた光景を観察しました。他地域ではどうかを調べてみました。あわせて、これまでの観察で雄の頬の茶色に大小があるよう思えたので文献を紐解いてみました。(さくらんぼを食べるコムクドリ)山本(2008)は、上越市高田公園でのコムクドリについて繁殖を観察した結果を整理し報告しています。その中で、「コムクドリの巣立つた巣箱の中には多くのサクラの種子が残されていた。これは親鳥がサクラの実をヒナに与えて、ヒナは外側の柔らかい部分(しよう果) を消化して、種子を吐き出したものである。雑食性のコムクドリは勿論親鳥もサクラの実を食べている」「繁殖期間中の高田公園のコムクドリの餌は、相当量をサクラの実に依存している」と報告しています。さくらんぼについては、手賀沼遊歩道のものは高さがあり、手にとって見ることができなかったので、オフィス近くの公園の河津桜の実を確かめてきました。この写真もアップしました。なお、人間が食べるさくらんぼは西洋品種で、河津桜のさくらんぼは酸っぱくてとても食べるのには向かないことがわかりました。(雄の頬の茶色の羽毛による個体識別)小池(2008)は、新潟県で観察したコムクドリ雄の頬の茶色の羽毛について記録した結果を報告しています。その結果、雄の頬の茶色い羽毛は、1/4以下、1/3程度、1/2程度、3/4以上が茶色の羽毛に覆われるとの区分を述べ、個体識別が可能なレベルと記しています。手賀沼沿岸では、渡りの時期に姿を見かけますが、今回4月28日は雄の頬の1/3程度が茶色(写真一枚目)、2023年7月は3/4程度程度が茶色の個体(写真二枚目)と1/2程度が茶色の個体と茶色の部分は1/4以下の個体(写真四枚目)でした。また、2013年7月に葛西臨海公園で観察した個体のうち1羽は3/4程度が茶色の個体でした。鳥友から栗色部分が少なく、頬に笑窪(えくぼ)のような班があるほうが、一夫二妻になるケースが多いと研究報告をみたことがある聞いたことがあります。野外で確かめたいテーマです。(引用)小池重人.2008.コムクドリの生活史を調べる~1~.日本野鳥の会新潟県支部報.p2-4.山本明.2008.高田公園でのコムクドリの巣箱による繁殖.日本野鳥の会新潟県支部報.p7-10.
2025.05.06
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水田地帯でのムナグロをはじめとするシギ・チドリを観察するために、牛久沼沿岸、取手市郊外の水田、手賀沼沿岸の水田を探索しました。スタート地点の牛久沼ではムナグロの群れ、コチドリ、タシギの小群と出会い、取手市郊外の水田ではチュウシャクシギの姿、手賀沼沿岸ではムナグロの群れを観察できました。ムナグロは、上面の黄色味が強い若鳥、腹部が淡褐色で胸に縦斑のある冬羽から夏羽に換羽中の個体と実にいろいろな羽衣で見ていても飽きることがありません。チュウシャクシギは2羽を観察し、一羽は喉から脇に褐色斑があり眉斑がはっきりし側頭線のある雄、もう一羽は眉斑と側頭線は前記個体と同様ですが、上面の白斑と黒褐色の軸斑のコントラストが強い印象があるので幼羽と思われました。例年5月2週目に入ると、キョウジョシギ、ウズラシギなどの姿を見かけます。次回もその羽衣をしっかりと観察したいと思います。(写真)2025年5月5日撮影
2025.05.05
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二ヶ月ぶりに吉川美南駅東口と西口の調整池を訪ねました。東口はあちこちで土地造成工事が行われており、平日は工事車両や関係者の姿があり落ち着いて探索ができませんが、土日は工事がストップしているので鳥たちのリラックスした姿を観察することがてきます。今朝は、コガモ、アオサギ婚姻色個体、バン、コチドリ、ヒバリ、オオヨシキリの姿を観察しました。このうち、オオヨシキリは今シーズン初でギョギョシケケシケケシと自慢の声を披露。時折、強い風が吹き抜ける中でもバランスをとり鳴き続けていました。このほか、駅前の工事中の一角の空き地でコチドリがどうも産卵している模様で、観察をしていると鳴きながら威嚇をしているように接近してきました。記録写真だけとらせてもらって現場を立ち去りました。その後、違う工事現場の盛土の上では、ヒバリが地面にいながら囀っているもの、高い場所で周囲を見渡している個体と実にいろいろです。その後、西口の中央公園前の調整池に移動し、周囲を探索。キジが縄張りを移動しながらケッケーンと鳴き声を出している姿を発見。このほか、公園の一角の植え込みの木にモズ雄を見つけました。どうやら近くで営巣している模様でこちらも記録写真を取らせてもらい退散。駅に向かう帰り道、電柱の上でイソヒヨドリがヒーリーリーと涼し気な声を披露していました。その姿を観察すると、上嘴先端が下方向に垂れているのに気が付きました。(写真)2025年5月4日撮影
2025.05.04
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ツミのペアが暮らす林に出かけました。今日は、いつも雌が止まっている見張り台の枝に雄がとまり周囲を監視。えっどうして?と思ったらペアが造巣中のポイントに雌の姿があり、座り込むような気配を感じたので木陰から様子をみていたら座り込みました。巣の大きさはあまり変化がないのと青葉の搬入が見られていませんので、産卵となるかどうかは流動的です。(雄の下面の色で気がついたこと)ほとんどの図鑑がツミ雄の体下面は赤褐色か橙灰色を帯びると説明していますが、ベースの褐色の横縞のある羽毛の上に赤褐色の薄い羽毛に覆われていることに気がつきました。(ツミの造巣場所はカラス類の利用しない空間)今シーズンを含み、造巣場所に注目してみると、主にハシブトガラスの採食場所や巣の位置、なわばり行動が展開されない場所にツミが造巣している年がほんんどです。なお、カラス類が独占しているような林では、ツミが営巣した年はありません。(オナガの存在)これまでのツミが営巣してきた林では、オナガを必ず見かけます。オナガは、ツミがカラス類から巣を防衛する行動を利用し卵やヒナの捕食を避けている印象があります。しかし、オナガとツミの協力関係が何らの理由で崩壊すると、ツミがオナガを襲撃する行動を複数年で見かけています。(獲物の鳥たちとの共存関係)これまでの観察で、獲物として捕獲して運搬してきたのは、スズメ、シジュウカラ、ムクドリがメインカワラヒワ、ホオジロ、オナガ、ヒヨドリなどでした。このうち、ヒナが孵化してからはスズメ、シジュウカラが大半でした。(写真)2025年5月3日撮影
2025.05.03
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オフィスの最寄り駅近くの商業施設で毎年子育てをしているイソヒヨドリの様子を見に出かけました。雨が降ったりやんだで観察には不適の条件でしたが、雨宿りをしていた場所の目の前の構造物の上にぴょこんと止まってくれてラッキーでした。体上面全体が青色、雨覆・風切に黒みがあり羽縁は青く、体下面は赤褐色で成鳥雄と思われました。ただし、雨覆先端に白い斑があり成鳥中間羽の特徴も見受けました。小雨の降る中でもその行動は活発で、駅の反対側のビル屋上や集合住宅のアンテナに止まったり、営巣場所に近づくハシブトガラス、ハクセキレイを追い払う姿も見かけました。雌の姿は確認できずでしたが、3月には姿を確認していますので抱卵している可能性が高いものと思います。産卵から孵化まで約14日程度、育雛に20日程度ですから、早ければ5月半ば前後に孵化の可能性もあり、注目しています。(写真)2025年5月2日撮影
2025.05.02
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皐月ではじめて我孫子市側遊歩道と柏市側の谷津田を探索しました。我孫子市側遊歩道近くでセイタカシギの姿を観察しました。背が青黒色、頭の黒色部が大きく、胸がピンクがかっており成鳥雄個体でした。このほか、コガモ、カワウ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、バン、オオバン、ヒクイナ、ウグイス、オオヨシキリ、ホオジロの姿がありました。その後、柏市側に移動し、コブハクチョウ、サシバの姿を観察しました。サシバは、電線に止まって耕起している田んぼの畔のいた小動物を捕食。写真は、電線が映り込んでますが、獲物を狙っている姿はこの一枚なのであえてアップしました。なお、シギ・チドリの姿を探して沿岸の水田地帯を印西市側から柏市側まで探索しましたが、今日は姿は見つけられず次回のお楽しみとなりました。(写真)2025年5月1日撮影
2025.05.01
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