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プラン・ ジャパン 南陽高校 2008年1月17日 プラン名古屋の会 安藤良一 講義の内容 1 プラン・ジャパンを知る前。 1989年昭和が平成になった年。友達にフィリピン旅行に誘われました。『怖くて汚い国フィリピンなんか行きたくない。』と友達のさそいをいったんは断りました。でも行くことにしました。理由はフィリピンの人との交流が目的とのことでした。フィリピンの空港に降りたときから首都マニラのホテルに着くまでの光景はショックでした。1975年に初めてフィリピンに行った時と、今見ているフィリピンの姿は変わっていませんでした。貧しい光景の一言です。私達が泊まったホテルは1泊一万円のホテルです。でも沢山のフィリピン人が泊まっています。平均月収2万円、田舎は5千円。スラムでは日に50円の収入です。貧富の差がとても激しすぎます。5日間の旅でしたが、日本に帰った時、旅行から帰った気持ちになりませんでした。フィリピンで見聞きした事がいつまでも心に残りました。 2 プラン・ジャパンを知るきっかけ。 1990年家族で東京ディズニーランドに行きました。宿泊先のホテルで見た新聞にプラン・ジャパンの全面広告を見ました。『世界には家族全員が働いても1ヶ月5千円にしかならない家族もあります。 』 この記事を読んだ時ショックでした。今私達家族がディズニーランドで1日10万円使っている、でも10万円の収入を得る為に家族全員働いて、子供は学校にも行けなくて働いて10万円以下の年収しかない。私達は遊びで10万円を1日で使っている。フィリピンから帰った時にこの旅は終わりじゃなくて、旅の始まりと思った気持ちがよみがえってきました。生まれた所、住んでいる所が違うだけでこんなにも生活環境が違うんだ。 3 私に何が出来る。 プラン・ジャパンの援助活動は毎月5千円(今は3千円から)で発展途上国に住んでいる子供達の地域の発展の為にそのお金が有功に使われる事を理解して私は1990年プラン・ ジャパンの活動に参加しました。 プラン・ジャパンの活動で援助国の子供を紹介してくれます。その子はフォスター・ チャイルドと呼びます、援助する私達はスポンサーと呼びます。この村にも何人かのフォスター・チャイルドがいました。私達の援助金はフォスター・ チャイルドには直接行きません、援助金はこの地域の生活向上のために使われ、チャイルドは地域発展のリーダーになるように養成されます。チャイルドとは文通が出来ます。会いに行くことも出来ます。 4 チャイルド訪問。 1991年私は自分のチャイルドに会いに行きました。現地のプラン事務局員がチャイルドの住む村に案内してくれます。何度も文通したり、写真の交換もしていますのでチャイルドの家についた時には初めて会ったと言う感覚はなく、懐かしさが感じられました。村人達が大勢集まっていました、チャイルドの家は竹で出来ていました。台所と寝室兼客間のテラスに案内されました。この村には電気ガス水道のライフラインはありません。まず驚いたことは氷の入ったグラスが出てきたことです。冷蔵庫のないこの村にどうして氷があるんだろう。聞いたら私のために11キロも離れた所まで氷を買いに行ってくれたのです。そしてビンに入ったコーラが出てきました。ところが栓抜きがないんです、栓を抜くために大騒ぎです。栓抜きが無いと言う事はこの村の人達はビンに入った飲み物を飲んだことが無いんです。日本では氷の入ったコーラは当たり前ですがこの村ではそれは大変なことです。肉の入った料理も出ました。肉は特別な時にしか食べれません、 私のために氷の入ったコーラやお肉の料理は最高のもてなしでした。 チャイルド訪問して印象に残ったのは子供達の輝く目とゴミがまったく落ちていないことです。ゴミはある意味生活レベルをあらわします。日本では何かを買えば必ずゴミがついてきます。過剰包装がその例です。レジ袋廃止運動が盛り上がっていますが、ここではレジ袋なんてありませんし、過剰包装なんてありません。でも首都マニラはゴミがあふれていました。 5 日本がフィリピンにしたこと。 第二次世界大戦でフィリピンの国を破壊した日本、戦後森林伐採でフィリピンの国土を破壊した日本。日本の森林率は世界でもトップクラスです森林率は70%あります。フィリピンも以前は今の日本と同じ70%森林率がありました。日本と同じように緑の国でした。今ははげ山が目立ちます。大雨で埋まってしまった村もあります。森林が伐採され生活ができなくなり都会に出てきてスラムで生活している人が多くいます。どこまで日本は他国に迷惑をかけるのか。私は材木屋を経営しています。フィリピンの国土をここまで破壊した事も知らなくて、フィリピンの材木を販売してきました。気がついた時にはフィリピンには輸出する木がなくなっていました。フィリピンの人にとって大変迷惑をかけてきた事のお詫びがしたくて、フィリピンの子供達と地域の発展を願ってプラン・ジャパンの活動に参加しました。 友達にフィリピン旅行を誘われた時に『汚くて怖い国。』と言った事がとても恥ずかしく思いました。汚い国怖い国にしたのは誰なんだ、国土を壊した日本。怖い国にしたのは日本人が首謀者の犯罪。日本人がしてきたことは恥ずかしい事が沢山あります。 6 発展途上国とは、先進国とは。 発展途上国そして先進国と言いますが、果たして日本が先進国でフィリピンが発展途上国でしょうか。国会議員から地方の町村会議員まで合わせた数は日本は5%程なのにフィリピンは30%を越えています。 経済においては日本はフィリピンよりはるかに上ですが、議員の数からしたら、日本は先進国といえるでしょうか、フィリピンのほうが先進国ではないでしょうか。 近年企業のCRS(社会的責任)への関心が高まっています。プラン・ジャパンでは企業からの支援をいただくだけでなく、企業自らが社員、労働組合等が市民社会に国際協力への参加を呼びかけるためのご提案、連携を行っています。 7 プラン・ジャパンの援助活動をして。 プラン・ ジャパンで援助活動をしているお陰で沢山の事が見えてきました。 私は援助している人達(援助している人をスポンサーといいます)とプラン名古屋の会を作っています。会が出来て15年になります。同じ目的を持った人達との会ですから皆さんとの横の繋がりが素敵なお付き合いになっています。 プラン・ ジャパンを知った事で私の人生は大きく変わりました。仕事一途の人生だったのが、多くの人とのネットワークになり活動的になりました。プラン・ジャパンの活動以外にも木の講演会等をしています。多くの活動の基礎になったのが、プラン・ ジャパンのお陰であると思っています。 8 地球温暖化 地球温暖化問題これから年々深刻になってきます。もはや温暖化をとめる事は出来ないかも知れません。温暖化で一番被害をこうむるのは弱い国です。お金の有る国はお金で被害を救済します、お金の無い国は国民がモロニ犠牲になります。食料が少なくなってもお金の有る国は買えます。お金の無い国は買えません。困るのは貧しい人達です。レジ袋をなくす事は大切な運動です。割り箸をなくして資源を節約する事も大切です。でももっと大きな問題があります。私は木の消費を盛んに訴えています。木を消費することは環境破壊にはなりません。最初にフィリピンの木を切ってフィリピンの環境を破壊したことを話しました。環境を破壊する木の伐採は許せません。木は計画的に伐採植林をする事で永遠に資源になるのです。使い捨ての割りばしは資源の無駄使いとの『割りばし論争がありました』廃棄される未利用木材の有効利用も考えなければなりません。 木造の家を建てるとその面積の10倍の森林を育てる費用を出した事になります。鉄骨で家を建てることはやめてくださいと言いたい。なぜなら木造住宅の200 倍のエネルギーと50倍の二酸化炭素を製造中に出すからです。環境運動をしていても鉄骨で家を建てたらそれはとても矛盾した恥ずかしい行いだと思います。正しい事と思っていてもそうでないことが多々あります。私はプラン・ ジャパンの活動で気がつかなかった事が沢山見えてきました。沢山の仲間ができました。プラン・ジャパンの活動で、沢山の良き友と出会えて感謝しています。 どんなことでもどんな活動でも楽しく出来なければ真の活動とは言えません。人生は楽しく有意義に歩んでください。小さな事から始めてください。皆で行えば大きな成果が上がります。今後弱い国はますます貧富の差が開いていきます。お金があれば食料も輸入できます。食料を生産出来てもお金がなければお金のある国へ売らなければなりません。 我々の贅沢は貧しい国の人達を犠牲に成り立っている事をいつも考えていてください。 消費期限切れの食品偽装が沢山ありました、でも消費期限を守っているコンビニ弁当は沢山捨てられています。ルールを守ることは大切です、でも無駄に捨てられている食品の問題は解決しなければいけません。我々は貧しい国の人からお金で食料を取り上げているからです。 9 豊ってなんでしょう。 私達はほしいものは何でも手に入ります。それが豊かでしょうか。貧しい国の人達は助け合って生活しています。家族の事、苦しんでいる友達の事、助け合って生きています。チャイルド訪問をして感じたことは皆目が輝いていました。皆思いやりの心を持っています。貧しいから助けあっていかなければ生きていけないのです。半分半分て言葉を聞きました。持っている人は持っていない人に、自分の持っているものを半分あげます。半分半分の精神が助け合って生きているのです。
January 25, 2008
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トップ > 愛知 > 1月19日の記事一覧 > 記事 【愛知】発展途上国の深刻な現状学ぶ 南陽高で「国際貢献」授業2008年1月19日国際貢献の大切さを生徒に説く安藤良一さん=名古屋市港区大西2の県立南陽高校で 県立南陽高校(名古屋市港区大西2)で、1年生約200人が、発展途上国の子どもたちへのボランティアに取り組む中村区岩塚町5の材木業・安藤良一さん(57)から、国際貢献について学んだ。 安藤さんは、国際NGO(非政府組織)の「プラン・ジャパン」(東京)の一員として1990年からフィリピンやベトナムの子どもに手紙を送ったり、現地で交流したりして支援してきた。 生徒たちに「地球温暖化で最初に犠牲となるのは貧しい国の人たち」と現状の深刻さを説いた。 また、日本は先進国にもかかわらず、フィリピンに比べて国政・地方議会への女性の進出が遅れていることを挙げ「経済が強いというだけでうぬぼれてはだめ。物事を一つの方向から考えず、いろんな面から考えられる大人になって」とメッセージを送った。 (太田鉄弥)
January 22, 2008
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