きほんのき
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世の中には適材適所がある、どんなに優れたものであっても適材適所から外れると罪になる。 大きなビル、自動車、機械。 鉄は多くの分野で適材適所を発揮している、でも住宅はどうだろう。 なぜ鉄骨住宅が日本では多く建っているのだろう、私には理解できない。なぜ鉄で家を作る意味があるのだろう。 なぜ木造住宅ではいけないんだろう。 鉄で家を建てた人は言う。 『鉄は地震に強いけど木造は地震に弱いから。』 『鉄は火災に強いけど木造は火災に弱いから。』 誰がこんな間違った知識を何も知らない人に教えたんだろう。 専門家ならこんな非常識は言わないでしょう。 『環境にやさしい鉄骨の家。』何処が環境にやさしいのでしょうか。 鉄骨を作るには木材を作るより500倍のエネルギーと20倍に二酸化炭素が出るのになぜ環境にやさしいのでしょうか。 木造住宅を建てることは森林にあった二酸化炭素を建物の中に蓄えてくれます。 そして森林を維持するための新たな資金が入ります。 鉄で家を建てても環境に何ら貢献しませんね。 鉄は燃えないから火事に強いとは理解できません。 木は燃料にもなるから燃えます。しかし鉄は高温で曲がります。 火事の時、棟が木造より速く落ちます。 アメリカでは鉄の建物は火災の時危険だから建物内部での消化活動は禁止されています。木造は中に入っての消火活動をします。 鉄は大きな地震エネルギーで揺れて曲がります。曲ったものを直すのは大変です。 建築基準法は鉄骨であろうと木造であろうと強度の条件は同じです。 火災での死亡原因はほとんどがガス中毒です。 焼死以前に逃げ遅れてガス中毒で亡くなっています。 ガス中毒の原因は内装材や家具類にあります。 ビニールクロス等の新建材が燃えた時に出る有毒ガスが怖いのです。 建築基準法ではシックハウス症候群の為に化学合成物質の人体への悪影響を防ぐために合成物質の基準を厳しくしていますが、日本は先進国の中ではまだまだ甘いです。 それどころか、火災での有毒ガスの事はお構いなしです。 室内環境を良好な環境に出来るのは木材です。 最近の住宅を『ビニールハウス住宅』と私はなずけました。 高温多湿の国で内装材は湿気を吸わないものばかりです。 ビニールや塗料で仕上げたものばかり使っています。 その結果カビが生え、カビを餌にしてダニが繁殖します。 カビの胞子やダニの糞が室内に漂っています。冬になると乾燥します。 インフルエンザは乾燥しているときに流行します。喉が乾燥すると菌が喉から体内に入りやすいのです。 湿度調整の出来ない内装材はどんなに基準を厳しくしても意味なしです。なぜ調湿作用があり、危険な合成物質の含まれていない木材を使用しないのか不思議ですね。木材の良いところはまだまだ沢山あります。木材の優しさをもっとわかってもらいたいです。 3億年前に木は生まれたそうです。それから今日まで木は動植物の進化を見てきました。 自然を守り環境を守ってきました。 特に日本は世界的にも森林面積率の高い国です。 木に守り育てられた日本の文化伝統が今壊されています。 日本ほど内装に新建材を多用している国はないと思います。 昔日本の住宅を『兎小屋』と言って笑われたことがありました、今は『ビニールハウス住宅』と呼んで笑われているんではないでしょうか。諸悪の根源は大手ハウスメーカーです。 宣伝で大量に住宅を建設する為には熟練した職人さんを集めれません。だからちょっとだけの職人経験者に住宅を作らせているから、誰でも施工できる新建材を開発して使っているのです。 木材が輸入自由化されて日本の木が売れなくなりました。 日本では木の勉強を学校でほとんど教えていません。 それは建築関係の学校でも同じです。 建築のプロを育てる学校で木のことを教える先生がいないのです。 だから木造住宅が鉄の家やコンクリートの家になってしまうのです。 日本の産業構造は工業中心、輸出中心です。工業製品を輸出する為には当然輸出先から商品を買わなければなりません、それが農産物です。 『たとえばアメリカにトヨタが自動車を輸出します。アメリカは材木を買ってください』食料も買ってください。 だから日本は食糧自給率が低いのです。そして木材も。 日本は1年に1億m3の木材を使います。2千万m3 は国産材8千万m3 は輸入材を使っています。でも日本は1年に1億m3 の木材が成長しています。8千万m3あまります。全部がすぐに使えるわけではありませんがかなりの国産材が余っています。 そのため森林の管理ができず間伐もできず森林が荒れています。 立ち枯れしている森林がかなりあります。 とてもひどい現状です。日本の自然環境で育った木材は日本の高温多湿の気候になじんでいます。 ちょっとだけ高いかもしれませんが、日本の気候になじんでいない、乾燥地帯で育った木材では厳しい日本の環境にはなじまないと思います。 白アリが多くの被害を出しているのも外材を多用してからです。日本書紀には木の使い方が丁寧に書いてあります。たとえば建物には桧を使いなさいと書いてあります。 世界最古の木造建築物の法隆寺は桧でできています。 1400年も前の建物です。 もしケヤキで建っていてらたぶん現存していません。ケヤキの建物で残っているのは江戸時代までです。桧を化学的に分析した結果は切った時と1000年たった時と強度は同じなのです。100年かかって細胞が乾燥しながら固くなります、その後1000年かかってゆっくり元の強度に行くのです。それが古代人には法隆寺を建てる以前からわかっていたのです。 日本の木の文化歴史を知らない人達が日本の建築の中心にいるのです。 木造建築は学校で学ぶだけではわかりません。現場で身体で覚えなければ出来ません。でも建築を学ぶほとんどの人は学校だけの勉強でやめているのが現実です。なぜならそこまで勉強してもお金にならないからです。 今の住宅建築の『罰』は、戦後の日本の国策が工業優先、農林水産業を軽んじてきた結果だと思います。その結果食料の自給率は最悪、森林は荒れ放題。背伸びしすぎたせいで弊害が起こっています。もっと日本の国自体がゆとりをもった政策をとらなければいつまで経っても日本は二流国のままですね。工業では一流国になれたかも知れませんが。
February 18, 2008
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