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2026.08.26
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ドジャース山本由伸が証言「先生は僕を作った人です」伝説的リリーフの“重要人物”、矢田先生とは何者か? ドジャース球団社長「信じられなかった」山本の練習法



「いま、遠投をやっている投手は珍しいと思います。その意味でも、バファローズにいる時から山本君のトレーニングは特殊だと思ってました」

そうした“奇異なアプローチ”をドジャースのスタッフはこう捉えた。

 Something Special. 

 山本の能力に特別なものを認め、メジャーリーグで1球だって投げていないにもかかわらず、12年で480億円の投資を決めたのだ。

 山本由伸がドジャースに移籍するにあたって、帯同したのが「矢田先生」こと、大阪で接骨院を営む矢田氏である。接骨院のホームページを開き、スタッフ紹介を見ると、映画『007』をもじった矢田氏の写真があり、こんなメッセージが書かれている。

<「世の中は夢か現か幻か」

 夢の外へー目覚めていく→超えて行く

 夢の内へー夢中になる →深さを求める



 現実を受けとめ、一緒に夢を追いかけましょう。>

 ワールドシリーズ第6戦が終わってから治療にあたり、第7戦当日にも山本の状態を確認、連投に太鼓判を押したのはこの矢田氏である。

「先生は僕を作った人です」と山本は語る。おそらく、入団交渉の過程で矢田氏がどの程度、山本、そして球団にコミットするかということも交渉のテーブルに挙がったと推測される。

 山本の移籍が決まってから、矢田氏はドジャースのスタッフに治療哲学を話す機会があった(こうした機会を設けるドジャースもまたユニークだ)。そこで矢田氏は、

「山本は『ドラゴンボールZ』の孫悟空や、『ワンパンマン』のような存在です」

「自らの行動と存在は分かちがたいものです。由伸は自然界が持つ力を自らの内に取り込み、それを超越する存在になろうとしているのです」

 これは上位概念、哲学だろう。加えて、各論として次のようなアプローチをする。

「ひとつの筋肉を使うことは簡単です。由伸が目指しているのは、600の筋肉をそれぞれ10パーセントずつ使うことです。もちろん、600の筋肉を一度に意識して投げることは不可能です。重要なのは、どの動作を優先すべきかを学ぶことです」

バーベルを使ったトレーニングをせず、可動域、バランス、しなやかさ、そして呼吸を意識する。

「自然界には自然なものがあり、スポーツ界には常識的なものがあります。世の中にはニュートン力学で説明できるものがたくさんありますが、由伸がやろうとしていることは東洋哲学で説明されるべきものです。だから共通言語を見つけるのが難しく、理解し合うのも簡単ではありません」

矢田氏は、自らの哲学がスポーツの常識とはかけ離れているため、外から見れば突飛に思われることも理解している。



 矢田氏は山本由伸の特質をこう説明する。

「彼は誠実であり、責任感が強く、真っ直ぐな人間です。そして、夢を見失うことがない」

 パッサン記者は矢田氏の説く「夢」の意味について、こう書く。

 夢とは単なる希望や願望ではない。

 アスリートが自らの内側に眠る素材を掘り起こすために到達すべき『霊的な場所』へとつながる窓――。



 フリードマン球団社長は、山本の投球を見て、こう思ったという。

「(9回途中から)3イニングを投げ切って、第6戦とまったく変わらない内容の投球を見せた。私がこれまで見たメジャーリーグの試合のなかで、最も感動的な光景だった」

予断を持たずに山本由伸、矢田氏を受け入れたドジャース。

 この球団には、進取の精神が宿っている。

 黒人初のメジャーリーガーであるジャッキー・ロビンソンとの契約。

 1958年には先陣を切って西海岸にフランチャイズを移転。

 1995年、いまから30年前に野茂英雄と契約を交わし、日本人への扉を開いた。

 革新、先進、そして寛容の球団である。

 2025年、深淵な哲学を持つマスターと歩みを進めてきた「小さな大投手」が歴史に名を残した。

“ヤダセンセイの教え”でベッツも別人化 ド軍同僚が目の当たりにした天才の変貌「たった2週間で、とんでもない送球をするようになった」
4/4(土)

日本からやってきた革新的なメソッドは、スター軍団であるドジャースに小さくない影響をもたらしている。山本由伸がオリックス時代から師事してきた矢田修氏の独自トレーニングだ。

 米球界の常識とはかけ離れたと言っても過言ではない教えが詰まっている。「立つ」「歩く」「走る」の動作から身体が持つ本来の自然な動きを取り戻させるという矢田氏のメソッドは、筋肉を強くするためのウエイトトレーニングに頼らない、まさに異端。ストローを用いた呼吸法や、柔軟性を重視するブリッジ、やり投げなど、その手法も独特で、何かと話題となっている。

 山本がドジャース入団時から矢田氏が帯同していることから、球団内で「ヤダセンセイの教え」は急速に拡大。今オフには、「チームの顔」とも言えるムーキー・ベッツが、山本と一緒にゴルフに行った際に 「何か違うことをした方がいい」とアドバイス を受け、トレーニングを開始。とりわけ、やり投げには手応えを感じているようで「 グラウンドを横切るボールを投げられるというだけでも、去年までとは全然違う」 と実感を語った。

 そんなベッツの現況は、同僚の目にも、まさに別人のように映っている。米野球専門YouTubeチャンネル『Foul Territory』に出演したドジャースのマックス・マンシーは、「 ムーキーは送球を良くしたくてやり投げを始めたんだ。そしたら、たった2週間ぐらいで、内野を横切るとんでもないボールを投げられるようになっていたんだ 」と証言。

 見違えった仲間の姿を目の当たりにし、「 『うわ、俺もやった方が良いのか』って思った。本当にそれぐらい一塁への送球が凄まじく良くなったんだ 」とも打ち明けたマンシーは、矢田氏のメソッドに対する自身の考えを明かしている。

僕の理解では、ヤダセンセイの教えは、要するに体幹を正しく使うことなんだ。そして、自分が本来持っているバランスを見つけること。それを知ってほしいから、彼は選手の肩に乗るんだ。ムーキーの送球を見ていると、なんだか本当に『自分も始めてみようかな』という気持ちになるんだ

 無論、選手によって効果はまちまちだろう。しかし、山本に続き、ベッツまでも効果を実感していることで、その反響はより大きさを増しているようだ。

山本由伸らトップアスリートやドジャースを支える矢田修が挑む“スポーツ科学の民主化” 新デバイス「KINETIC LAB-LINK」に込めた40年の知見

柔道整復師の矢田修(やだ・おさむ)さんは、1959年香川県生まれ。1980年に大阪府大阪市で「矢田接骨院」を開業し、院長を務める傍ら、1988年には教育・研究機関「キネティックフォーラム」を設立。全国各地で勉強会を行いながら、治療家の指導にあたってきた。

トップアスリートも数多く師事。一例を挙げるだけでも、筒香嘉智(横浜DeNAベイスターズ)、北山亘基(北海道日本ハムファイターズ)、高橋宏斗(中日ドラゴンズ)、尾方剛、桐生祥秀(陸上)、平野早矢香(卓球)、那須川天心など、競技の枠を超えたサポートを行っている。

矢田さんは柔道整復師としてのキャリアを通じて、接骨院を訪れる一般患者やアスリートへの指導を行いながら、自身の理論を伝えてきた。また、「キネティックフォーラム」では、30年以上にわたるデータをもとに確立した独自の身体調整メソッド「BCトータルバランスシステム」を学び、実践する場を提供。指導者や治療家の育成にも関わるなど、業界全体の発展や活性化を目指して長年尽力してきた。

「BCトータルバランスシステム」は、一般的なトレーニングや単なる筋力強化などと異なり、細胞レベルから身体のリズムを回復させ、運動連鎖(キネティックチェーン)を最適化することを目指す理論だ。

40年以上にわたるキャリアを築いてきた矢田さんだが、柔道整復師やトレーナーとして過ごす中で、業界全体に対してどのような課題を感じているのだろうか。矢田さんは、自身が大切にしているものは「言語化できないもの」だとしながらも、現場で感じてきた問題点について次のように語る。

「現場では分析やデータの研究がどんどん進んでいるにもかかわらず、ケガ人はどんどん増えています。そこに対して正直に僕が思うのは、“分析する方向が間違っているんじゃないか”ということ。結果が出ていないのに、結果が出ない方向へどんどん進んでしまっている気がするんです」

また、自身が提供する「BCエクササイズ」についても、山本らトップアスリートへの指導プログラムとして注目を集める一方で、適切な知識に基づいた理解と実践が伴わなければ、競技者に対して本来の効果を発揮できないと指摘する。

「BCエクササイズは、身体を動かしながらも日本の芸道の型のような要素を持ち、動いていながら瞑想しているような状態を要求されるトレーニングです。形だけなら簡単に見えますが、テーマを深めていくと多くの人が難しさを感じます。こうした取り組みを通して、 “自分の内側に目を向けること” が重要になります。 一つのことに取り組むと、その先にある三つ、四つのことが見えてくる。一つ一つのことを聞かないがゆえに、自分で気づく機会が失われていく こともあると思っています」

「人間には、目に見えるものと目に見えないものがあります。パソコンでいうと、ハードとソフトのようなもので、フリーズを起こしてもハードは壊れていない。機械であればクリーンインストールして再起動すれば元に戻ります。でも人 間は、人のことは分かっても、目に見えないものが自分の中にもあるにもかかわらず、自分のことは気づきにくい んです。そこにいかに気づいてもらえるか、ヒントになってくれないかと思って作ったのが、今回の『KINETIC LAB LINK』です」

「ゴール地点というものはないんです。正直、その日暮らしなんです。僕の周りには明確な夢を追いかけている人がたくさんいます。それぞれ夢は違いますけど、一人一人と同じ夢を見ながら、命が続く限り続けていきたいと思っています。ゴールというよりも、毎日やっていることをずっと続けていきたい。それだけなんです」





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最終更新日  2026.08.26 08:00:48
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