全26件 (26件中 1-26件目)
1
先日,虎ノ門方面へ出張となり,うれしいことに随分早い時間に晴れて自由の身となりました。せっかくのチャンスなのでこれまで行きそびれていた老舗有名店を訪ね歩くことにしました。 立飲み屋を数軒まわり,向かったのは駅北側のガード下の名店「羅生門」。昭和33年創業と古い店。ヤミ市時代を髣髴とさせる貫禄さえ感じさせる佇まいのお店です。変形コの字の広いカウンターがいいですねえ。2人掛けのテーブルもあるようです。木の椅子も座面が赤く染められていて独特の風情があります。壁には「バッカスが/夜警をつとむ/羅生門」と掛かれS.の署名がありますが,名のある方の筆によるものでしょうか。ビール大:650円と煮込:580円,しのえ焼2個:400円を注文。煮込みは,鳥と豚の両方がが入っていてなかなかおいしいですね。しのえ焼は手羽ギョーザを焼いたようなもの,これもうまい。そうする間にも次から次へと客が入って,15分ほどでかなりの席がふさがってしまいました。さすがになかなかいい店ですね。残念なのは,値段が高いのと観光客風アベックが多いこと,チューハイが缶で出されることあたりかなあ。他の品書:酒(両国):350,チューハイ:380,ねぎま2本:360,砂肝南蛮漬:580,とりこま焼:360。 次は太田和彦氏がお気に入りの「均一軒」。こじんまりとして上品な構えが好ましいです。狭いお店で,コの寺カウンターも12名ほどで一杯になりそうです。初老の夫婦で切り盛りしておられます。酒燗器であっためられた酒もちょうどばっちりのぬる燗。お通しのじゃこをつまみながら呑む雰囲気は格別である。なんとはなしに風情がありますねえ。ホタルイカ酢みそ:630円をもらいます。むっちりした身はこの季節のお楽しみです。丁寧に目玉をとってあって(まあ店なら当たり前だが),うまい。飲んでる最中もご主人は味噌を練ったり料理の準備に余念がありません。いい店でした。値段はけして安くないが適正価格ですね。他の品書:ビール大:650,酒:380~,お新香:380,いわし塩焼:580,きぬかつぎ:480。 ニュー新橋ビルは案外高いお店が多くて,しかも中国人の可愛い娘さんたちの呼び込みがすごくて敬遠しがちなのですが,ようやく「酒蔵 ダイヤ菊」に入店。屋号にあるダイヤ菊は蓼科のお酒。映画監督の小津安二郎が好んだ酒としてよく知られています。脚本執筆の合間に野田高悟と盃を交わしたのでしょう。有名店なので広い店をイメージしていたのですが,案外こじんまりとしていますね。居心地いいです。原節子と有馬稲子のプロマイドが貼ってありますね,小津にちなんでのことでしょうか。昭和46年創業というからかなりの老舗店ですね。当然酒(ダイヤ菊 本醸造)2合:760円をもらいます。お通しは鳥を炊いたもの,煮汁は煮凝り状になっていて,うれしいですねえ。ポテトサラダ:580円もまたちゃんとした量でなかなかのおいしさ。なかなかの良店でした。他の品書:ビール中:580,焼酎(二階堂):550,刺盛:1,580,サンマ塩焼/豚しゃぶサラダ:680。 6時ちょい前になったので,烏森神社境内前の昭和34年創業の「王将」に向かいます。何度目かの正直でようやく入店が叶いました。3席だけある椅子席には大常連のじいさんとばあさん。カウンターはびっしり詰め込んでも10名が限界でしょうか。すでに3名が入ってますね。危ない危ない。酒をもらいます。焼物を頼むと3種類しかないので,カシラとツクネをオーダー。カシラは硬かったけど,味はいいし,ツクネは単純にうまい。オヤジさんも思ったほどは頑固もんではない感じ。あっという間に店は満員。ひとしきりムードを味わって店を後にしたのでした。いやあ思った以上にいい店だったなあ。他の品書:酒:300,ビール大:600,冷酒:700,もつ焼:100,つくね:200。
2012/04/30
コメント(0)
その夜は知人のK氏と池袋駅周辺で飲むことになっていました。待合せ時間まで「三兵酒店 立ち飲みコーナー」でじゃがカレーとチューハイで時間を潰してから合流し,早速お目当ての店に向かいました。 池袋駅北口をしばらく歩き,ソープランドが立ち並ぶトキワ通りを越えると平和通りとその線路側にあるラブホテル街を除くと街は一気にの薄暗くなります。そんなはずれにある「おつかれちゃん」という店に入ってみました。造りは新しくて,きれいなどうってことのない居酒屋の構えです。クーポンを持ってきたので8時までは酒が半額。生中を飲んでからウーロンハイに移行,半額だから気楽ですね。お通しは大根,卵,鶏肉の煮付ともう一皿。ふたりで分けて食べられるのがいいですね,味もよくて肴も期待できそうです。ホルモン焼:580円とどかん焼の豚肩ロースを本場韓国焼肉だれ(鶏ももまたは豚肩ロースのでかいのを焼いた物,5種類のタレから):680円でもらいます。どちらも野菜もたっぷりでボリュームがあってなかなか旨かったなあ。店としての魅力はまだまだってところですが,肴もうまくて気に入りました。他の品書:ビール中:500,サワー:350~,ホッピー:450(中:250),酒2合:550,ホルモン焼/スタミナ焼/チヂミ:580,コロッケ:150,ポテトフライ:280,やきとん:150~。 トキワ通りを進み劇場通りを越えて少し歩いた脇道にある「やきとん もつやき 木々家」に向かいます。こちらは最近食べログで評判になっている店です。平成20年創業で店はよく見掛けるようになったテーブル席がメインのもつ焼屋そのもので,やはり面白みはありません。カウンターもあるのでひとり使いは可能です。チューハイ:350円ともつ焼(レバー,カシラなど):各150円。値段が高めですが,特にレバーのボリュームはすごい。量だけでなく味もなかなかのものです。確かにいいですねえ。女性客が多いのもうれしいことです。他の品書:生中:450,ホッピー:450(中:250),チューハイ:350,焼とん/焼鳥:150~,母の玉子焼/酢もつ/ポテトフライ/ラビオリ:450,もつ煮込:350。
2012/04/29
コメント(0)
新橋はまだまだ地の利がないので,先日じっくり散歩してみました。ひとまずは,ニュー新橋ビルと新橋駅前ビルをじっくりと観察することにしました。 それぞれ地下の飲食店街はそれなりに回っていますが,上のフロアーはあまり歩いていなかったので楽しいですねえ。喫茶店もいい雰囲気なのがいくつもあったんだなあ。 ニュー新橋ビルは4階まで商店があるようですね。地下は飲食店,1階は金券ショップと洋服の青山,2階はマッサージにファッションヘルス,アダルトショップにゲーセン,3階は渋い喫茶店に雀荘,4階は鉄道グッズショップに古銭ショップなどがあり,バルコニーがいい雰囲気です。 駅前ビルは2号館は地下だけが商店となっていて1号館は2階まで店が入ってます。地下は飲み屋が主流,1階はあらゆる飲食店があり,2階は雀荘がメインですね。並びで2軒スナックがあります。その一軒はスナックといってもえらく安いみたいですね。しかもまだ午後の3時だというのにやっていますね。 というわけで入ったのが「スナック 壹番館」。重厚な木造りの扉が往時を偲ばせる,いい感じの店です。店の前には「飲物:300,おつまみ:250」とはっきり値段も銘記されているのがうれしいですね。スナックとはいうものの実際は立飲み屋。壁の黒板にびっしりと品書きが書かれている。ハイボール:300円をもらう。先客1名。渋い店ですねえ。ここはなかなか面白いです。何度か通って思い出話など聞き出せたらと思います。
2012/04/27
コメント(0)
池袋のロサ会館界隈は,飲み屋を中心とした飲食店をはじめ,多種多様な風俗店が立ち並んでいますが,いまや中国人向けの食材店や飲食店が目覚しい進出を果たしており,新たな中華街として注目を集めています。駅北口を出てすぐピンク映画館のシネロマン池袋の裏手辺りからかつて暴力団の抗争により銃撃戦を含むカーチェースも繰り広げられたという平和通りにかけて数多くの本場そのままの中華料理店が数多くあります。「永利」,「阿里郎」,「中南海」,「知音食堂」などなどどこも日本人客以上に中国人客でにぎわっています。で,今回話題にしたいのは中華料理ではなくバーなのでした。 そのバーの屋号は「バー・イレブン」。たまたまロサ会館方面にのみに行った際うろついていたら,ひっそりと看板が出されているのに気付きました。看板にはsince 1956と書かれており,にわかに興味が沸いたのでした。そのときは見送ったものの常に心に引っ掛かっており,飲んだはずみで先日とうとう行ってしまいました。 暗く細い階段を上がり扉を開くと思いのほか明るい店内です。カウンター10席にテーブル2卓で,テーブルが使われることはあまりなさそうです。衣類がハンガーに吊るされていたり,力士の手形色紙が張られていたりいささか雑然としているのが残念です。改善してもらえるとうれしいんですが。バックバーをじっくり眺めているとアンクルトリスの楊枝入れなどが並ぶ中,「十一屋」のシールが置かれています。これは気になるなあ。 ということでこのシールについて伺いました。昭和31年創業ということで今年で55年目とのこと。もともとは現在ビックカメラ西口店のある場所で「十一屋」という屋号で酒屋として創業したということです。ところで『十一屋』という屋号,いろいろな業種でよく耳にし目にします。明治になって武士が刀を捨てて商人になった際,武士の「士」を分解した「十一」を屋号にし,武士の出身である矜持を保つために付けられたという風に聞いていましたが,三代目(このバーだけに限定すると二代目)の話では酒の勘定は十を単位としているので,その上をいきたいからということを話されました。だから「バー・イレブン」なんですね。当時はかなり大きな酒屋として知られていて,角打ちも当然のようにやっていたとのこと。 ダイキリ,ハイボール,マティーニをいただきました。ここのカクテルなかなかおいしいですね。バーテンダーさんによると客のほとんどがウイスキーを飲むため,一晩で多くてせいぜいに10杯しか出ないようです。ぼくのようなカクテルファンもいるので,ぜひおいしいカクテルを提供し続けてくれることを望みます。
2012/04/26
コメント(0)
松戸駅と京成津田沼駅間を結ぶローカル路線,新京成線の沿線を飲み歩きの第2弾です。前回は上本郷駅と松戸新田駅を訪ねましたが,居酒屋が少なく残念な思いをしました。しかし,これだけの住宅街が広がるのだから飲み屋さんがないわけがないと改めて散策することにしました。ただし,同じ場所では芸がないので思い切って一歩足を伸ばしてみることにしました。 まずま五香駅周辺をうろうろします。思いがけずなかなか立派な街です。面白そうな商店街が駅前にあります。じっくりと散策してみたい街です。しかしこの夜の目的の店はここにはありません。さらに一足先の本山駅を目指してぶらりぶらりと線路沿いを進みます。 やがて本山駅が見えてきます。新京成線によく見られる橋上駅舎をもつ駅で南側の出口はすごくわかりにくいです。では,お目当ての酒場に移動します。「もつ焼 おくやま」という昭和46年創業の老舗店に行くのが今回のお楽しみ。ところが店の前に着くと休みではないですか。張り紙によると月火金はお休みだって,がっかり。 そしたら向いに「昭和酒場 おでん物語」なる新しいが場末感満点の店があります(っていうか,この駅前界隈はすべて場末)。これがなんとなんと滅茶苦茶安いのです。ビール中:380円,酒と焼酎が280円,で,チューハイとハイボールが190円! 肴もポテトフライやらお新香やらが180円,食事メニューも充実しており讃岐うどんやカレーライス等が350円で食べれるのです。お勧めのもつ煮込:350円(これまたすごいボリューム)とこの店の売りのおでん(季節は終わったけどおでんの店だからおでんをちゃんと出せと常連に指摘され,盛合せで用意しているとのこと,一晩8皿限定)盛合せ:350円?をもらいます。お通しにもおでんが付きました。大層安くて値段なりに肴も安っぽいけど悪くなかったなあ。楽しかった。ちなみに店内はカウンターは2席だけで,あとはテーブル4卓ほどだったでしょうか。おばちゃん一人で,客も常連一人だけ。どちらも人はいいけど声がでかすぎて会話ができないくらいだったのが残念。 続いて暗闇をぶらぶらしていると「ひょうたん」という看板が見えてきます。これが雰囲気だけでなく,味,価格共に抜群のすばらしい店だったのです。店自体は枯れた感じの外観ではありますが,世間にありがちなよくあるタイプの一軒家の居酒屋さん。ところが店内はカウンター10席,小上がりが3卓に小上がりの手前に座敷を椅子席に改良した6人掛けほどのスペースがあって,ここは居心地良さそうです。しかもしっかり壁や天井もさびれており,うらびれた感じが心地よくものすごく気持ちがいいのです。老夫婦とその息子さんでやってるのでしょうか。客の入りは大層良く,活気もあって孤独を楽しみたい夜にはあまり相応しくはないかもしれません。カウンターが一杯なので座敷に上がります。ビール大:500円,日本酒2合:500円,酎ハイ:400円(ジョッキに並々で濃い)と酒も安いのですが,肴もいかげそ焼:300円をはじめとしてさまざま,しかも他の客の注文した焼きそばや玉子チーズ焼を見るとものすごいボリュームですごいうまそう。でも腹いっぱいなので手羽先焼3個:300円ともも焼3本:300円,ピーマン焼6切:300円をオーダー。巨大なジョッキでウーロンハイをすすりながら,いただきます。どれもうまいが,特に焼鳥は恐ろしくでかいのです。びっくりするくらい。これほどの名店に出会えるなんて思ってもみませんでした。 こんな辺鄙(近隣にお住まいの方,すいません)な土地の居酒屋に感動できる幸せをかみ締めつつ帰宅したのでした。「もつ焼 おくやま」にはまた行きたいし,松戸駅前にもある「鳥幸」の支店もあったので,いずれ遠からず来ることになるでしょう。
2012/04/25
コメント(0)

純喫茶めぐりをしていて、驚くべき店に出会ってしまいました。その内装の奇抜さと迫力には、これまで訪ねまわったどんな酒場にもないようなすごさを感じました。もちろん酒場めぐりへの興味は純喫茶めぐりと同列で語れるようなものではありませんが、これほどまでに衝撃を受けたことはなかったと言ってもいいかもしれません。 そんな強烈な純喫茶はなんと千葉県の松戸市にあります。松戸駅西口からすぐ、これまで何度かこのブログでも紹介させていただいた、お気に入りの酒場「上州屋(ニュー上州屋)」や「ノグチ屋」、カレースタンドとして知られる「カレー専門店 印度」がある高砂通り商店会の飲み屋横丁の真正面にある「純喫茶 若松」です。写真撮影が苦手で外観はともかく店内で撮影するのに抵抗があるため、これまでまったく写真は掲載しませんでしたが、あえて掲載することにします。 「お好み焼 鉄板焼 もへじや」の2階が「若松」になります。「もへじや」のテント看板の隣りの小さなテント看板に店名がなんとか読み取れます。これまで気がつかなかったのも無理がありません。さらに写真を御覧ください。 お好み焼屋の隣にこれほどまでに豪奢な階段が誂えられているとは驚くばかりです。シャンデリアもさることながら壁面に貼られた鉄平石に目を見張ります。 フラットな店内の奥はステージのように一段高くなっており、美しく面取りされたガラス越しに階段と小さな岩造りの和風庭園があり特等席となっています。 撮影が下手っぴではっきり御覧いただけないと思いますが、天井の白いシェード部分には黄金色の家紋が描かれています。窓のない店内の壁面は大谷石でしょうか、木材も一枚板を基調とした大変立派なものです。ソファはゴブラン織りの美しい仕上げ。圧巻です。 女主人からお話を伺いました。創業して約50年になるというこのお店は、御両親から2年間の休業期間をおいて23年前に受け継ぎ、その後、床の改修やソファの張替えは行なったもののほぼそのままの状況を維持しているそうです。床は当初は段差が多くあり起伏のある造りだったようで、当時はさらに個性的な店内だったのだろうなと想像が膨らみます。高齢者のお客さんが増えたためフラットにしたのだそうです。 女主人は窓一つない店内が好きになれず店を引き継ぐことに決めた際は大幅なリフォームを加えるつもりだったそうですが、石材をふんだんに使った店内であるため、窓を作るだけでも400万円以上の必要がかかるとのことで断念されたそうです。御主人には申し訳ないのですが、このままの姿を止めてくれたことに感謝せずにはおれません。 丁寧に入れられた400円のコーヒー(和風なカップも上品です)でこれほどまで贅沢な気分を味あわせてくれる、このすばらしい純喫茶、機会があればみなさんに訪れることをお勧めしたいと思います。 写真があまりにも下手くそなのでネットで調べるとお一人の純喫茶をお好きな方のブログに記事と多くの写真が掲載されていました。エムケイさんとおっしゃる方のページですが、狂喜乱舞されたことがひしひしと伝わり嬉しくなりました。
2012/04/24
コメント(0)

広く世間に知れ渡る喫茶店は基本的にはここでは紹介しないつもりです(例外もあるでしょうし、単に知識がないためたまたま知らずにいたのかもしれませんが)。ともかくできる限りネットなどによる情報があまり流通していないお店を紹介するつもりです(酒場もできればそうしたい)。 先日,北松戸駅に素敵な喫茶店を見つけました。北松戸駅といってもピンとこない方も多いのではないでしょうか。JRの常磐線各駅停車の駅なのでさほどマイナーというわけではないのでしょうが,よっぽどの用がない限りは下車する機会の少ない駅だと思います。あっ,そういえば松戸競輪場が駅の西口からすぐにあるので,競輪客には知られているのでしょう。ギャンブル場がすぐそばにあることが特徴の駅です。 競輪場とは逆側の東口の階段を下りるとロータリーになっており,その周辺にぱらぱらと飲食店があります。そんなロータリーにあるビルの2階が今回行った「COFFEE & WINE 微巣登路」です。昼間でも暗い店内と「微巣登路」の文字のどことなくヤンキーっぽい字面に少し躊躇いつつ扉を開きます。もともと広い印象のある店内はやはり想像以上に広くて10人位掛けられそうなソファも2つあって,実に広々としています。 お客さんは3名だけで,1人はビールを飲んでおり,あとの男女2人組はコーヒーを手に激論を交わしています。店主夫婦は手持ち無沙汰な様子。窓際の席について,コーヒーをオーダーします。店内を見回すとTVゲーム機や電話BOXなどが置かれていて,懐かしい雰囲気です。よくよく見るとジュークボックスらしきものもあります。トイレに入ったついでにチェックするとまぎれもなくジュークボックスそのものです。1曲:50,3曲:100とありますが,なぜかコイン投入箇所はテープでふさがれています。 支払いの際,溜まらずジュークボックスのことを奥さんに伺うとちゃんと音はなるけれど選択したレコードが掛からないので使用できないようにしているのだそうです。お尋ねしたことが嬉しかったそうで,このジュークボックスは創業当時から使用しているもので,店の歴史として大事に守っていきたいということでした。修理も考えたようですが,費用が大変掛かるため断念したようです。チェッカーズなどの曲が収録されていました。この店の由来などを楽しそうに語っていただきました。もともとこの店はコンパとして開店したそうです。「コンパ」っていうのはすっかり馴染みがなくなりましたが,昭和40年頃に流行った業態で,・カウンター席が基本・安価な価格設定・カウンターには男性バーテンダーがいる・バーテンダーに女性客が集まる・女性客目当ての男性客が集まるというシステムのようです。現在「コンパ」として営業を続けているのは,西武池袋線の江古田駅そばにある「江古田コンパ」だけになったようです。コンパが下火になった昭和53年頃に喫茶店として内装をリフォームし喫茶店としての営業を始めたということです。以前は「コンパ」に特有のぐねぐねとしたカウンターもあったようでぜひ見てみたかったものです。それにしても北松戸駅というあまり繁華ではない地で商売が成り立っていたのが不思議に感じられます。 このお店は朝の9時から深夜2時30分までは営業を続けているそうで,その頑張りには頭が下がります。このお店は人気のない北松戸の街を見守り続けており,これからも長く続けていかれることを祈っています。
2012/04/22
コメント(0)

『一杯のむときの事典 酒のみ特集 現代生活のバイブル NO.35』自由国民社発行なる小冊子をたまたま読みました。なかなかそそられる誌名ではないですか。発行は昭和三十一年とありますので、約60年近く前の文献ということになります。 表紙は清水崑。『フクちゃん』で知られる横山隆一や政治風刺漫画の大家である近藤日出造ら大物漫画家たちも参加する新漫画派集団に加わって、内田吐夢によって監督された『東京千一夜物語』や近年再刊された『吉田茂諷刺漫画集』で人気を博し、何といっても『かっぱ天国』の連載を目にした、黄桜酒造の社長が見初めたことによりキャラクター化されたのがよく知られています。 長くなりますが、まずはざっと目次を眺めてみます。--世界の酒場・十七景(1)世界の酒場と名士の酒場めぐり・どの国の酒が一番うまいか 河西六郎・政界・財界・文壇・映画・演劇・高座歌手などの酒量くらべ 堀田金四郎・アメリカ風景 富田英三・ソビエト風景 渡辺善一郎・イギリス風景 吉田健一・メキシコ風景 福沢一郎・赤い中共風景 高木建夫・仏国独逸風景 坂口謹一郎・好きな酒場・さかな・呑み友だちなど……百名士回答(2)日本酒とビール・焼酎の知識・わしが国さの自慢の名酒一らん表・三級酒論 広川弘禅・清酒の知識 山田正一・合成酒の知識 飯田茂次・焼酎の知識 外池良三・ビールの知識 松山茂助・麗肴の四季 佐藤垢石・保存法と腐った酒の利用法 田中終太郎・地酒のはなし 吉村孝一郎(3)洋酒・ウイスキー・カクテルの知識・世界と日本の洋酒とウイスキー価格表・酒税・早わかり・洋酒の知識 朝井勇宜・ウイスキーの知識 中村豊雄・カクテルの知識 小田瑞基・日本のウイスキーと洋酒について 笠原正勝・バーテン修行 長谷川幸保(4)一番うまいのみ方とエチケット・宴会の幹事になったら 稲宮又吉・中国の酒のいろいろ 魚坂善雄・中国人の酔い方について 内山完造・酒場のエチケット 馬鹿さわぎは嫌われるモト 筒井計男・居酒屋のエチケット 右コ左ベンをしないことです 草野心平・お座敷のエチケット 註文はまとめてするといい 中沢喜泉・ホテルのエチケット 廊下は戸外であると心得る 高田賢・ビヤホールのエチケット 共同便所的・銭湯的な性格 高橋義孝・レストランのエチケット 音を立てるのをやめましょう 福島慶子・カクテル・パーテイのエチケット 自由に帰れる気楽さがある 杉本国助・屋外では 金山忠一・バーでは 水谷長二郎・酒蔵では 小高源三・葡萄酒をうまくのむには 北川岩三郎・カクテルをうまくのむには 古川緑郎・ビールをうまくのむには 浮田国彦・焼酎をうまくのむには 富岡安二(5)家庭でのむ・おんなとのむ・ビール料理など〈最近の外誌から〉・家庭でそろえたい器具の値段しらべ・来客のとき便利な酒のつまみもの一〇〇種 黒田初子・図解による四季向ホームカクテル表〈おふせっと〉(・春向の4種・夏向の4種・秋向の4種・冬向の4種・婦人向4種・閨房酒・薬酒など) 杉田米蔵・手軽るにできるホーム・カクテルの作り方 大阪登章・女に酒をのませる技術 東郷青児(6)酒のみのための医学事典・酒のみの最新薬・早わかり 橋爪恵・女ののみ方についての注意 押鐘篤・酒党はガンを恐れなくてもいい 田崎勇三・酒をのんだらどんな順序で酔うか 杉靖三郎・手つとり早く酔う法と絶対に酔わぬ法 原三郎・医者のすすめる上手なのみ方 高野六郎(7)一杯一杯一句また一章・フランスの歌〈杯をふくめばチすじみな…〉 井上勇・イギリスの歌〈恋の酒は音楽 恋の宴は歌…〉 西村孝次・ソビエトの歌〈ぶどうは黙す幾とせの暗き穴蔵…〉 井上満・俳句と酒〈花に風かろくきてふけ酒の泡・酒はもう懲りた人あり遅桜〉 石塚友二・短歌と酒〈めづらしき光さし添う盃はもちながらこそ千世もめぐらめ〉 佐藤佐太郎・漢詩と酒〈何ぞ必ずしも神仙を求めん三盃大道に通じ一斗自然に合す〉 鎌田正・各頁のカットとマンガ 辻まこと・表紙と扉の構成 清水崑-- ふ~っ、どうでしょうか。なかなか愉快な内容ではないですか。しかも執筆陣には大物も数多く見受けられます。 特に気になるのは「・好きな酒場・さかな・呑み友だちなど……百名士回答」でした。作家や映画監督など著名な人たちから、(1)好きな酒とつまみもの、(2)好きなのみ屋・酒場、(3)のみ友だちを回答させているというもので、特に(2)が気になるところです。ざっとピックアップすると、尾崎士郎(新橋驛前小川軒)、山本周五郎(銀座の「ルパン」と横濱の「ボルトン」)、大井広介(銀座「はちまき岡田」)、服部良一(銀座「ボルドー」)、学者 滝川政次郎(浅草「神谷バー」)や画家 志村立美(銀座「ライオン」)、自民党 北村徳太郎(駒形「どじようや」)といったところでしょうか。現在でも残っている店がありますね。他に銀座「ルパン」「エスポアール」「はち巻岡田」、新宿「五十鈴」「樽平」、渋谷「とん平」、文藝春秋クラブのバーなどが複数の回答者から支持されています。当時の文化人たちの交流関係などを知る手掛かりにもなりそうです。 転載するだけでひと仕事終えた気分なので他の内容については、後日報告します。
2012/04/22
コメント(2)
昨夜に続いて残りの6軒を紹介します。町屋 ときわ食堂 サンポップ店 酒小:300,メルシャン梅割:250,しゅうまい:300,いわしみりん干:200,塩辛:150,ごぼう香味揚:250 雑居ビルの地下1階にあって,東京メトロに直結しています。ちゃんぽんの「りんがーはっと」など多くの店舗が入っている中で,圧倒的に繁盛しているのがこの「ときわ食堂」。100名以上は入れそうなオオバコ。近所の有名店「ときわ食堂 町屋」より入りがよく,活気もあり,酒場っぽさもある。入口すぐにカウンターがあったので座ると,そこは寿司のカウンターでした。テーブル席に移動。酒小:300円としゅうまい:300円をもらいます。酒は全般にやや高めですが,しっかり量が入っているし,燗の付け方も悪くない。しゅうまいは大振り4個で満足感高し。オオバコの気分を感じたければいい店だ。他の品書:メルシャン梅割:250,いわしみりん干:200,塩辛:150,ごぼう香味揚:250。京成高砂 ときわ食堂(食事処 ときわ) きれいなお店で比較的早い時間帯にお邪魔したので,酒を飲む客はおらず恐らく夜勤の労働者や夜の商売をしている方たちでそこそこの入り。店は新しくて情緒はありませんが,肴の味はなかなかでした。品書:ビール大:560,サワー:330~,酒:270,目玉焼:200,焼肉:400,ホルモン炒:420巣鴨 ときわ食堂 巣鴨店 町屋店についで知られていると思われますが,それは単に巣鴨には飲み屋が少ないから紹介されているんじゃないかな。確かに安いし,活気もありますが,「ときわ食堂」としては標準的なお店ではないでしょうか。品書:ビール大:450,酒1合:250,ポテトサラダ:300,ハムエッグ:350千駄木 ときわ食堂 動坂 昭和43年創業のいかにも食堂然とした食堂。テーブル10卓程度にはそれぞれ1,2名埋まっており,まずまずの繁盛ぶりです。系列店にしては,値段,味ともにレベルはやや低いのではないか。内装にタイルを用いているのがちょっとユニークでした。品書:ビール大:580,酎ハイ:350,お新香盛合:150,ぶつ切:350,肉どうふ:350千住大橋 ときわ ここは「ときわ食堂」の系列なのでしょうか。他店が食堂然としているのにくらべると,ここはまったく居酒屋風です。店内もいい具合に枯れており,肴もボリュームたっぷり。もっともお勧めの一軒です。配膳を担当するのが若い女のコというのも店の雰囲気からすると意外といえば意外でちょっとうれしかったりします。品書:ビール大:490,酒(剣菱):310,ウィスキハイ:290,レモンハイ:280,イカ鍋(冬季のみ):750,〆さば:500,牛すじ肉どうふ:450,さつま揚:350,こはだ酢:350浅草 大衆食堂 ときわ(東京都台東区浅草2-27-12) 言問通りにひっそりとあります。行ったはいいのですが,すっかり酔っ払ってほとんど記憶なし。ただL字の狭いカウンターがあって,老夫婦がふたりでやっていて,客がひとりしかいなかったというぼんやりとした記憶があるだけです。ネットで見た品書:豚肉生姜焼/とんかつ/まぐろぶつ切/〆さんま:470,なすのから揚:280,いかげそ/トマト:250 少なくとも南千住,亀有,武蔵境,新小岩,亀戸,亀戸,赤羽,浅草2店舗,入谷,葛西,下板橋,大山,押上2店舗,五反野,お花茶屋にもあるようなので,ゆっくりと通ってみたいと思います。
2012/04/18
コメント(0)
ぼくが実際に行ったのはたった12店舗にすぎません。それにしてもどこに行っても店舗があるということが,書いているとしみじみ感じられます。巣鴨 ときわ食堂 庚申塚店 ビール大:450,酒1合:250,ポテトサラダ/ちくわ天:300,ハムエッグ:350 建物にはまったく歴史が感じられずつまらないが,15卓程あるテーブルはほとんどふさがっている。酒2合:480円とちくわ天:300円をもらいます。酒2合は量も溢れるほどでやや熱めではあったもののお得感があります。ちくわ天も値段からするとかなりの量。良心的ではあります。他の品書:ビール大:450,酒1合:250,ポテトサラダ:300,ハムエッグ:350。駒込 食堂 ときわ(ときわ食堂 駒込店) アザレア通りをまっすぐ。建物も新しいし,入口も狭くてちょっと敬遠していました。ところがガラス戸を開くと中は案外広くてテーブルが8卓ほどあり,3人組のやはり地元のじいさんたち以外はほとんどの席が一人客。のんびり本や新聞を眺め,ビールなどすすりながら思い思いのおかずを並べています。ゆったりとしていい店。酒(白雪):300円,チーズのせハンバーグ:250円をもらいます。サービスのお通しはがんもの煮付。うん,まずまずおいしい。ハンバーグはレトルトっぽいけど大きくて味もまずまず,チーズを乗っけるちょっとした心配りがうれしい。ただし,店のおばちゃんはちょいおっかないです。他の品書:サワー:350,ビール大:600,酒(白雪):300,ハイボール:380,ホヤの塩辛:200,ホルモン炒/まぐろブツ:350,ハムエッグ:300,チーズのせハンバーグ/揚ギョーザ:250,イカ塩焼:150綾瀬 ときわ食堂 ビール大:530,酎ハイ:310,酒小:290,ベーコンエッグ/いかげそ焼/熱やっこ/ハムサラダ:260 テーブル3卓に小上がりにもやはりテーブル3卓。酎ハイ:310円,ハムサラダ:260円をもらいます。食堂系は酒が高めのことが多いがここは総じて安いのがうれしいですね。ハムサラダはなんと千切りキャベツの上にハムが2枚,さらにそこに並の一人前以上のポテトサラダが乗っかっています。他にも安いメニューがいっぱい。ちょっと使いに便利な店です。他の品書:ビール大:530,酒小:290,ベーコンエッグ/いかげそ焼/熱やっこ:260。亀有 ときわ食堂 亀有店 東口をまっすぐ進むと店が見えてきます。店内は広く,テーブルも大きいのでゆったりと飲むことができます。値段の安くて,女性の従業員さんも感じよく,非常に使い勝手の良い店です。品書:ビール大:550,酎ハイ/酒小:300,目玉焼:250,コロッケ:280,肉どうふ/かつなべ:500金町 ときわ食堂 金町 広い店内ですが,所狭しとみっちりとテーブルが置かれているため少し窮屈な印象があります。客の入りは非常にいいし,野菜炒もたっぷり。ひとり客が多く,どことなくわびしい感じがするのも現代の食堂のイメージどおりで楽しめます。品書:酎ハイ:330,野菜炒:350町屋 ときわ食堂 町屋 数ある「ときわ食堂」でも昭和26年創業の町屋店はもっとも知られる存在です。けっこうなオオバコで大きなテーブルがどーんと置かれて,相席が当たり前というのも一昔前の大衆食堂然としています。佇まいのよさはさすがの貫禄でした。品書:ビール大:500,チューハイ:280,ホッピー:380,肉じゃが:280,しめさば:300,ままかり酢:250
2012/04/18
コメント(0)
痛飲の日々でなかなか投稿できなかったので,意識のあるうちに書き溜めていたものを上げておきます。 実際に調べが付いているのは29店舗です。浅草店と合羽橋店にある名札掛のものと付き合わせてもどうにも判然としません。巣鴨(*) ときわ食堂 巣鴨店 東京都豊島区巣鴨3-14-20山谷(*)? ときわ食堂 東京都台東区日本堤1-24東和 ときわ食堂 東京都足立区東和4-1-1武蔵野 ときわ食堂 東京都武蔵野市境南町3-11-13亀戸? ときわ食堂 東京都江東区亀戸5-14-12亀戸? ときわ食堂 亀戸駅前店 東京都江東区亀戸6-61-7赤羽 ときわ食堂 東京都北区赤羽西1-7-1動坂 ときわ食堂 動坂 東京都文京区本駒込4-37-5町屋東口? ときわ食堂 町屋 東京都荒川区荒川7-14-9町屋西口? ときわ食堂 サンポップ店 東京都荒川区荒川7-50-9 サンポップ町屋B1雷門本店(*)?or西浅草(*) 浅草 ときわ食堂 東京都台東区西浅草2-23-8合羽橋or入谷 合羽橋 ときわ食堂 東京都台東区入谷1-1-2業平 ときわ食堂 東京都墨田区業平2-14-2十間橋 十間橋 ときわ食堂 東京都墨田区文花1-1-5千住(*) ときわ 東京都足立区千住河原町1-7高砂 ときわ食堂(食事処 ときわ) 東京都葛飾区高砂3-8-2 といったところでしょうか。谷中,錦糸町,千葉,掘切(質),堀切(*),雷門入口(*),雷門(*),雷門酒寮(*),いろは通(*),北千住(*)はどこにも該当する店がありそうにないですね。ときわ食堂 庚申塚店 東京都豊島区巣鴨4-33-2 藤川ビル1F食堂 ときわ(ときわ食堂 駒込店) 東京都北区田端4-1-1 長沢ビル1Fときわ食堂 東京都足立区綾瀬4-8-ときわ食堂 亀有店(ときわ) 東京都葛飾区亀有3-11-13ときわ食堂 金町 東京都葛飾区東金町1-19-10ときわ食堂 東京都葛飾区新小岩4-14-12ときわ食堂 東京都北区赤羽西1-7-1大衆食堂 ときわ 東京都台東区浅草2-27-12ときわ食堂 東京都江戸川区東葛西4-14-16ときわ食堂 東京都豊島区池袋本町4-36-8ときわ食堂 東京都板橋区大山東町38-4ときわ食堂 東京都足立区西綾瀬2-18-14ときわ食堂 東京都葛飾区お花茶屋1-29-7 これらの店舗は浅草店と合羽橋店の名札掛にはなさそうなので,東京いろは会には属していないのかもしれません。
2012/04/18
コメント(0)
東京の各地で飲み歩いていると実にしばしば「ときわ食堂」を見掛け,実際ちょくちょく利用させてもらっています。かほど身近な店であるのにその歴史は不明な点ばかりです。 浅草店のHPには「元来ときわ食堂は明治・大正と浅草・上野近辺で隆盛を誇った料亭である常盤花壇から出た食堂」とあります。「ときわ食堂」は,フランチャイズシステムによるチェーン店のような強い縛りがない,暖簾分けにより店舗を増加させてきました。暖簾分けによる店舗はのれん会を組織することが多く,「ときわ食堂」は「東京ときわ会」を発足し,会を継続させています。この東京ときわ会は「常盤花壇」がそのルーツとなっているようです。http://mt-rokko.at.webry.info/200609/article_4.html このサイトでは「常盤花壇」の歴史に証言を交えて触れられていますが,「ときわ食堂」へ移り変わっていく様子は見えてきません。http://enmeshi.way-nifty.com/meshi/2006/10/post_2a7e.html--都内各地にある「常盤(ときわ)食堂」というのは、いろいろな系譜があるようで、紋もちがったりするが、その一つは、もしかすると常盤花壇の「常盤」と関係あるのではないかと、なんの根拠もなく推測していたが、昭和6年に東京に「常盤花壇」という料亭があったということになると、その推測も現実味をおびるか。でも、単に権威の無断借用にすぎないこともあるからな。とにかく、戦前の昭和の東京に常盤花壇があったというのは、チト気になる。--と食堂研究の大御所,エンタツも語っていますが,どうもはっきりしません。「ときわ食堂」の由来については,後日の宿題にするとして,現状はどうなっているのでしょうか? ネットで調べる限りにおいて「浅草 ときわ食堂」と「合羽橋 ときわ食堂」にはそれぞれ「東京ときわ会」加盟店が名札掛(武道などの道場で使われる道場名札のようなもの)に標示されているようです。浅草店のものには「合羽橋,亀戸,町屋西口,町屋東口,入谷,十間橋,赤羽,高砂,業平,谷中,錦糸町,東和,動坂,武蔵野,千葉,掘切(質),雷門本店(*),巣鴨(*),堀切(*)」の19店舗,合羽橋店のものには「合羽橋,亀戸,町屋西口,町屋東口,入谷,十間橋,赤羽,高砂,業平,谷中,錦糸町,東和,動坂,武蔵野,千葉,掘切(質),山谷(*),雷門入口(*),雷門(*),千住(*),雷門酒寮(*),西浅草(*),いろは通(*),北千住(*)」の24店舗がこの名称で掛けられています。(*)付きの店舗は一方にあってもう一方にはない地名を指しており,この地名の店があるとすれば27店舗あるということになるはずですが,この出鱈目さもますます謎を深めています。 「その中でもときわ食堂総本店からの支店でつくる「東京ときわ会」に当店は参加しております」(浅草店のHP)ということで会への参加の有無は自主的なもののようです。同会で会報誌を発行しているとは考えにくいので,参加店同士が連絡を取り合う機会もあまりないのではないでしょうか。そもそも「ときわ食堂総本店」というのがよく分かりません。 結局わからないことばかりなので,実際にお店で飲むことにしましょう。次回は,まだ行ったことのない方の参考になることを期待して,現在まで判明している調査報告をしたいと思います。
2012/04/18
コメント(0)
仕事を終えてホット一息つく時間は心安らぐものです。むしろそのひと時を味わうために仕事をしているのだとも言えるかもしれません。常にゆとりだらけで,開放感だらけだとありがたみはまるでなくなるんでしょうね。 一息つく場所で代表的なところというとやはり酒場ということになるでしょうか。帰宅までのほんのひと時を酒場で過ごす時間は至福の時といっても大袈裟ではありません。では酒場以外に憩える場所はないのでしょうか。ようやく見つけることができました。いわゆる純喫茶と呼ばれるクラシカルな喫茶店です。 もともと“純喫茶”には興味もありましたし,気に入った喫茶店もあったのですが,酒場めぐりを凌ぐほどの魅力は感じていませんでした。いくつかの“純喫茶”に立て続けに出会えたことが“純喫茶”の魅力にどっぷりとはまり込むきっかけとなりました。これらの“純喫茶”については,改めて書きたいと思っています。 “純喫茶”ってどういう店なのでしょうか? 知られているように“純”が付く喫茶店は,酒を提供しない喫茶店というのが一般に言われています。でも現実には,“純喫茶”を標榜しても,酒を出す店はたくさんありますし,それはそれで一向に構わない。こうなると酒場の喫茶店の境目があいまいになってきますが,それはそれで全然問題なし。看板に“純喫茶”とあればそこはやっぱり“純喫茶”ですし,あえて“純喫茶”を謳っていなくても自分が“純喫茶”だと感じればやはりそこは“純喫茶”です。くつろぎの時間に瓶ビールを飲みながら漫画雑誌などを眺めたりするというのも喫茶店での贅沢で楽しい時の過ごし方です。 酒場と喫茶店のもっとも大きな差はここにあるのかもしれません。酒場というのはどうしても酒と肴を頼んで,それを飲み食いしてさっと立ち去るというせわしないイメージがあります。一方で喫茶店だと1杯のコーヒー,1本の瓶ビールで満足できるまでいくらでも自由にくつろぐことができます。必然的に空間や家具なども趣が違ってきます。大雑把に言うと酒場はカウンターに丸椅子,床は三和士に壁は板張りといった造りが定番ですが,喫茶店では豪華なソファに個性的なテーブル,床には絨毯が敷かれて,シャンデリアによるセピア色と言われたりもする照明が店内を彩ります。でも,仮に行った店が酒場と喫茶店の境界すれすれの店であっても,入店したときにそこが“純喫茶”であると感じることができれば,酒場で過ごす時間よりもきっとくつろげるものになりそうです。 まだまだ御紹介できる“純喫茶”は数少ないのですが,酒場以上に閉店が相次ぐ現状を少しでも抑える手助けになればとの思いからすばらしい店を少しづつ紹介していきたいと思います。酒場で写真を撮るのには抵抗があるため,文章だけの寂しいページですが“純喫茶”では思い切って写真も少しづつ撮っておりますので,掲載していければと思っています。
2012/04/17
コメント(0)
先日の夜は知人O氏とS氏の3人で神田を巡ることになりました。O氏の到着まで少し時間があるので,軽く立ち飲みで呑んでおくことにしました。 まずはご存知「味の笛 神田店」。御徒町駅前にある食料品などを扱うデパート,吉池の系列で御徒町に本店があります。酎ハイ:200円と若鶏唐揚:200円を。肴は発泡スチロール製の皿,酒はプラカップと合理的なシステム。非常に繁盛しています。どうってことはない店ですが安いから重宝します。 続いては安さが売りの「味香房 花羽」。安いといってもサワー系が安いだけであとはむしろ高い感じ。まあサワー中心の飲みスタイルなので問題なし。かけ・ハイ:115円に300円のお勧め肴から白子,〆さば,一人一品オーダーしてもらいたいとのことなのでカレー風味の揚げシュウマイをもらいます。お通しは筍と牛肉の煮付けですがこれだけで315円取られました。厨房もホールも係が1名づつなので,サワーさえ出されるのが遅い。肴もあまり旨くないためか,客の入りも悪いですね。安いだけでは客は来ないということでしょうか。 そばにある今川小路に向かいます。東側は残念なことに店舗がなくなってしまいましたが,西側には,「神田(じんた)」,「里」,「耕(たがやす)」,「があどした」,「大松」,「柳水」などの居酒屋さんが残されています。この日たまたま持ち歩いていたのが藤木TDC著の「昭和酒場を歩く 東京盛り場今昔探訪」で,この今川小路のことがばっちりと書かれています。「 駅から少し離れると、さらなる混沌が現れる。高架西側をひたすら南下すると、細い路地にほの暗く浮かぶネオン看板がある。「今川小路」。名前の由来は今川焼にその名を残す今川橋、その橋が架けられていた龍閑(りゅうかん)川が戦後復興事業で埋められて、できた土地に神田駅東口から露店業者が移転したのが昭和二六年。以来、知る人ぞ知る飲み屋街として、今日まで永らえた東京の昭和遺産である。かつてガード下に十六軒並んでいたという酒場は、現在、半数ほどに減った。山手線高架と東北新幹線高架の閲に建設される高崎・宇都宮・常磐線東京駅乗り入れの高架線路建設のため、立ち退きとなったからだ。それでも高架下西側半分には、煤けたのれんもそのままに、古い居酒屋、小料理屋が並ぶ。」 われわれが暖簾をくぐったのは「まり世」(まりせと読みます)です。まったくの偶然ですが,これまた先著に記載があったのでそのまま引用させてもらいます。「ガラガラガラ、引き戸をあけてお邪魔したのは小料理の店「まり世」。ここで開業して二八年、印刷屋だった店を改造して小料理屋にしたのだそうだ。手作り風の質素な店内はなんとも言えない味がある。近隣の店から響くカラオケさえも、空間では妙にせつなく叙情を誘う。」 まったくもってこの文章のとおりの情緒あるいい酒場でした。88歳のおばあちゃんが一人でやっている酒場です。L字のカウンターは7,8人で一杯になるほどの狭さ。ビール大をもらいます。いや~,実にいい気分だなあ。お通しのこんにゃくをつまみつつ,おばあちゃんとお喋りします。トマトの添えられた手作りのポテトサラダも量もたっぷりで酒の肴にぴったりとした味付けでした。 お店がNHKの取材を受けたという会話が常連さんたちの間で交わされていましたが,見たかったなあ。ふと気づくとカウンターの隅に「荷風!」が置かれています。おやっと思いお伺いすると以前紹介されたのよと答えてくれました。そう,先ほどから引用させてもらっている「昭和酒場を歩く 東京盛り場今昔探訪」は「荷風!」の連載記事をまとめたものだったのです。偶然読みかけだった今川小路とこのお店が出ていたのには,あまりに出来すでびっくりしました。おばあちゃんも興味津々。図書館で借りた本だったので,差し上げられませんでしたが書名などをメモしてお渡ししました。ちなみに金曜日は娘さんが肴の盛合わせを用意してくれるようで,ぜひまた来てと言ってくれました。ただこの日はいつも以上に繁盛しているみたい。3人でそこそこ飲んで値段も2,700円,適正だなあ。 興に乗って今度は神田小路に向かいます。神田小路の説明も藤木TDC氏にお願いします。この章を読んでいたら,紹介されている「佐々文」に入ったのになあ。「夕方五時、「升亀」隣の「神田小路」の看板にぽつりぽつりと灯がともりだす。天井にアーチを残すガード下に、コマ割りされた飲み屋がひしめく魔窟的な一画である。通路は変形のF字型、奥にある二店は店と店の境界すら定かでない。店の大きさはどこも一坪強。店の店主が入るカウンターの内側はほぼ一畳という、およそ日本にしかありえない超コンパクトな営業形態だ。ここまで読み進んでこられた方ならもうお分かりでしょう。そう、神田駅萌にあった屋台飲み屋が昭和二四年、東京都の露店撤去令をうけてガード下へ移転したのがこの一画なのである。」 われわれが入ったのは「大安」。2区画を使った店舗で片方は閉められていました。団体予約が入ったら使うようです。こちらはおばちゃんの押し出しがちょっと強すぎましたな。酎ハイ,ぎんなんを食べたのは覚えていますが記憶があいまいです。 それにしてもうっかりすると見逃してしまいそうな酒場がありすぎてやはり神田界隈は面白いなと再確認した夜だったのです。神田駅も現在大規模な改修工事中でこの先どうなってしまうのかまるで想像も付きません。今のうちにせっせと行けるだけ訪ねたいと思います。
2012/04/15
コメント(0)
引き伸ばしみたいですが,ついでに調べた範囲での店舗情報を掲載します。全店制覇を目指す剛の者が現れることを期待しています(もうとっくに達成している方もいそうですが)。 なお,「シュワ!美味しい飲料 秀和物産」では48店舗が紹介されていますが,ぼくの調べた範囲ではその2で紹介した13店舗に加えて,47店舗が見つかっています。閉店していたり,まったく系列ではない店舗も含まれている可能性もありますので,間違いなどありましたら御指摘ください。 それにしても全店制覇はまだまだ先のことになりそうです。ゆるゆると通っていきたいと思います。取り急ぎ東十条の「ニュー加賀屋 東十条店」がかなり北千住店に似たいいオーラを放っているので行ってみたいなあ。五反田 加賀屋 五反田店目黒 加賀屋 目黒店新宿 加賀屋 西武新宿店新宿 加賀屋 西新宿店鶯谷 加賀屋 鶯谷店御徒町 加賀屋 上野広小路店御徒町 加賀屋 御徒町店秋葉原 加賀屋 秋葉原駅前店神田 加賀屋 神田店有楽町 ニュー加賀屋 有楽町店新橋 ほのぼの料理の かがや(加賀屋/KAGAYA)新橋 加賀屋 新橋1号店新橋 加賀屋 新橋2号店新橋 ニュー加賀屋 新橋店水道橋 加賀屋 水道橋店中野 加賀屋 中野店荻窪 加賀藤西荻窪 加賀廣 西荻窪店三鷹 加賀屋 三鷹店船橋 加賀屋 船橋店西船橋 加賀屋 西船橋店錦糸町 ニュー加賀屋 錦糸町店両国 ニュー加賀屋 両国店浅草橋 加賀屋 浅草橋1号店浅草橋 加賀屋 浅草橋2号店板橋 ニュー加賀屋 板橋店十条 加賀屋 十条店大宮 加賀屋 大宮店北浦和 加賀屋 北浦和店東十条 ニュー加賀屋 東十条店築地 加賀屋 築地店中野坂上 加賀屋 中野坂上店茗荷谷 加賀廣早稲田 加賀屋 早稲田店護国寺 加賀廣 護国寺店(旧店名:もつ焼 太郎)江戸川橋 江戸川橋 加賀廣飯田橋 加賀屋飯田橋 加賀屋 神楽坂店神保町 加賀廣 神保町店神保町 加賀廣 神保町ときわ台 加賀屋 常盤台店朝霞台 加賀屋 朝霞台店西新井 加賀屋 西新井店竹ノ塚 加賀廣 竹ノ塚店谷塚 加賀廣 谷塚店草加 加賀廣 草加店練馬 加賀屋 練馬店
2012/04/14
コメント(0)
昨夜は警戒していたのですが,やはりべろんべろんになってしまい書きそびれてしまいました。すいませんでした。 というわけでお気に入り「加賀屋」を紹介します。通い続けることで,各店とも多くの共通点を持ちながらも,それぞれに個性があることが分かってきました。こうしたさまざまに表情を持つところもチェーン店にはない,「加賀屋」の楽しさだと思います。似ているけどやはりどこかが違う,その微妙な差異を味わうのも,「加賀屋」の楽しみ方のひとつではないでしょうか。 とは言え創業から日の浅い店舗は,どうしても個性が出にくい面があるようです。本郷三丁目 加賀屋 本郷店 驚くほどのオオバコ。どこまで続くのか長テーブルが延々と続いたかと思うと,その先には広い座敷が舞っています。本郷界隈では珍しく早い時間帯から呑むことができるのも魅力。他店に比べて魚介系に力が入っているのも特徴。西船橋 まる福 船橋加賀屋支店 こちらもかなりのオオバコ酒場。活気は系列店の中でも随一でしょう。いい具合にくたびれた店舗が酒場らしくて魅力的です。白山 加賀屋 白山店 打って変わってひっそりとしたムード漂う店舗。店構えもカウンターがしっかりしていて,細長いテーブル席がメインの印象がある系列店の中では特徴的。カウンターでの独り呑み派にはお勧め。北千住 加賀屋 北千住店 「加賀屋」でも一際知られているのがこの店舗。バラックのような錆びれきった店構えが魅力的。こちらもすごい活気で,独りくつろいで呑みたい向きにはやや辛いですが,価格も安いのがうれしいですね。大塚 加賀屋 大塚店 こちらは店のくたびれた風情が心地よく感じられます。くつろげるカウンターもあり,全般にバランスの取れたお店です。北千住店とは違った意味で寂れた風情を楽しめ,北千住店が若者向けとすれば,こちらはオヤジ世代に相応しく思われます。松戸 もつ焼 煮込鍋 かがやす 松戸の「かがやす」は新興店でありながらなかなかの健闘振りを見せていて気に入っています。池袋 加賀屋 池袋店 もっとも典型的な「加賀屋」。いかにも「加賀屋」に来たぞという気分になれるので落ち着けます。「加賀屋」にはカウンターよりもむしろ長テーブルが似合っていると思われます。池袋 加賀屋 南池袋店 こちらは同じ池袋でも幾分静かに飲みたいときに便利なお店です。巣鴨 ニュー加賀屋 巣鴨店駒込 加賀屋 駒込店東京 加賀屋 東京駅前店 以上3店も系列の平均的なお店でその平凡さを求める向きには案外いいのかも。綾瀬 綾瀬 加賀廣五反野 加賀廣 五反野店亀有 加賀廣 亀有店 JR常磐線沿線や東武伊勢崎線沿線には屋号が「加賀廣」の店舗が多いようです。新しい店が多いので,佇まいを重視するムード派にはちょっと物足りないかも。年季の問題ではなく,地域性が店のムードを近しいものとしているのかもしれませんが。 以上,おおよそお気に入り順に紹介しました。
2012/04/13
コメント(0)
日も暮れて酒が呑みたくなる頃,行きたい酒場が見つからず,といって財布も相変わらず軽い場合にも安心して入ることができる店のひとつに「加賀屋」があります。昨夜もそんな調子で「加賀屋」のとある一軒にお邪魔しました。 東京都内を中心に数多くの店舗がある「加賀屋」ですが,その全貌はなかなかつかめません。ホッピーなどの商品を扱うネット通販会社の「シュワ!美味しい飲料 秀和物産」(http://www.syu-wa.co.jp/default.html)のサイト内に,かなり充実した店舗情報を掲載していて参考になりますが,まだまだ遺漏も多いようです。 一説によると本郷店がもっとも古い創業と耳にしたことがあるのですが,実際のところははっきりしません。各店の関係がチェーン店として密接に繋がっているわけではなく,「ときわ食堂」などと同様に暖簾分けという緩い縛りによってグループを拡大していることが全体像をいっそう分かりにくくしているようです。大串もつ焼(スタミナ焼,ホルモン焼があるのが特徴)と煮込み鍋,ホッピーという商品が共通していることと「加賀」が屋号に含まれているのがその共通点になるでしょうか。 さて,これまで随分と「加賀屋」で呑んできたという記憶があったのでこれまで行ったことのある店舗をチェックしてみたらなんとたった13軒しか行っていなかったのですね。あまり自分の行動範囲にない町に行った場合は,「加賀屋」系列は避けてなるべく地元の他店に行くようにしているので,しょうがないのでしょうけど。 明日は,これまで行った限りにおけるお気に入り店を紹介します。ベロンベロンになっていなければ。。。
2012/04/11
コメント(0)
千葉県市川市は,戦前から東京の富裕層が別荘を構える高級住宅地です。永井荷風や幸田露伴,北原白秋などの文人が暮らし,歴史ある町であることから千葉の鎌倉などと呼ばれたりします。 そんな市川市に八幡地域は含まれます。京成線の京成八幡駅とJRの本八幡駅の周辺には多くの酒場があります。 まず本八幡駅の南口方面に向かいます。「サラリーマンの味方」に入店。ここは面白味のないがらんとした小奇麗なお店です。テーブルもなく,周囲の壁に張り付いたカウンター(20名程は入れるかな?)で孤独を味わう店です。まだお客さんは1名だけ。酎ハイ:200円とシューマイ:150円をもらいます。どちらもちゃんとした量で味も悪くない。近場にあると重宝しそうですね。トイレなしが欠点と言えば欠点でしょうか。長居せずさくっと引き揚げましょう。他の品書:生中:300,サワー:250,もつ煮込/チキンフライ:250,おでん:100~,紅しょうが天:200,しめ鯖:300。 「サラリーマンの味方」のすぐそばに「昭和のロマン亭」なる店があります。似非昭和風の造りですが,上手に装飾されていて不快感はありません。地デジチューナー内蔵のブラウン管テレビも画面がぼんやりなるように工夫されており,案外いいものです。カウンター5席程に4人掛けテーブル2卓(だったかな?こちらには椅子有)でちょうど居心地のいい広さです。店主とその奥さん?も感じ良く,4人いたお客さんも楽しげでした。酎ハイ:250円と里芋とイカの煮物:200円をもらいます。どちらもGOOD。なかなかいい店でした。他の品書:生中/ハイボール:300,串カツ:400,チーズピザ:300,アジの南蛮漬:200。 しばし北口方面を散策,ここで知り合いと合流,「大衆割烹 平ちゃん」に向かいます。駅前のビルの中を通り抜けると風俗街があり,その一帯にこの店はあります。外観から実に渋い。店内はまっすぐの白木のカウンターで実に立派。15席がまっすぐに並んでいるのは壮観です。カウンターの中には74歳になるというオヤジと息子のような年ごろのおにいさん。お二人とも石川県七尾市の出身だそうで,青柏祭でか山というお祭り自慢を聞かしていただきました。昭和33年創業ということのようです。ビール大:700円,ウーロンハイ:500円,酒小:500円と値段の高さがネックになっているのでしょうか,がらがらです。焼鳥/もつ焼:5串400円とこれだけは安いですね。もともとはもつ焼屋さんだったようです。味もなかなか。ただ,串から肉をはずして食べると軽く嫌味を言われるので注意が必要。ともかく味わいのあるいい酒場でした。これで飲物が安ければ申し分ないのだけど。他の品書:湯豆腐/柳川鍋:800,らっきょう/トマト:200 続いて「飲み食い処 ふるさと」。外観から,実に怪しげな雰囲気。扉を開くとカウンター10席ほどが目に入ります。かなりのオンボロ具合。奥にも不思議な造りの島型のカウンターとちらかり放題のやはり島になっている小上がりがあります。繁盛していた頃はこうした席も一杯になったのでしょうが,この日は4名程のお客さん。初老の夫婦もんが切り盛りしていて,案外気さくでした。茄子味噌煮/銀ダラアラ煮付:350円でウーロンハイをいただきます。料理が思いがけずおいしくて酒が進みます。これまたいい酒場だなあ。場末レベルの高さはかなりハイクラスです。他の品書:チューハイ/緑茶ハイ/コーヒーハイ:300,ホッピー:330,山かけ/アスパラサラダ/かき揚:350。 最後に京成八幡の北口ホーム沿いにある「竹千代」へ。広い店を想像していたのですが,実際はテーブル2卓にカウンター5席の狭い店。ここもなかなかよい風情ですね。酎ハイ:230円,もつ焼:2本150円,馬たたき小:220円,おでん:250円,もつ煮込:400円という価格のためかお客さんもいっぱいでようやく潜り込めました。おじちゃん一人でやっているのだが,肴の質も高く立派なお店でした。 というわけで,八幡地区の酒場は,どの店も個性的で味わいがあり,良い点が悪い点を上回っていて,大満足でした。けど,この5軒がこの町の最高峰で,あとはどうでもないという予感も同時に感じているのでした。
2012/04/10
コメント(0)
西武池袋線の秋津駅は,JR東日本の武蔵野線,新秋津駅との乗換駅です。駅間は歩いて約5分と距離があり,接続もイマイチで不便です。連絡通路の設置がかねてより計画されているものの地元商店街の反対などの理由で実現されていません。せめて商店街のアーケード化だけでも実現されればいいのに。 たまたま所沢に出張となったので,これ幸いと仕事はさっさと終わらせて,15時前には秋津駅に到着することができました。 最初にお邪魔したのは「もつ家 本店」。本店というからには支店があるのかなと思ったら店の壁に張り紙がありました。ひばりヶ丘にあるようです。ここは駅のほんとに目の前で12時から営業してるんですね。新宿や浅草には昼間から飲める店がいくらでもありますが,東京のどん詰まりのこんな場所で真昼間から客が入るのが不思議でしょうがないですね(近くにお住まいの方,すいません)。せいぜい10名も入れば一杯の店内では,すでに3名程が飲んでおられます。店自体はさほど古びておらず,清潔な感じ。店主のオヤジときれいなおねえさんがいます。チューハイ:300円をもらうと炭酸は瓶で出してもらえます。かなり濃い目です。ホッピー同様に中:150円をもらうスタイル。牛すじ串(1本150円,アキレス2本:120円)をもらってみます。これがなかなかうまい。なかなかいいけど,立飲みとしてはやや高めですね。他の品書:ビール大:500,ホッピー:400(中:150),モツ焼:110~,ポテトサラダ/湯どうふ:150。 続いて「やきとり 野島」,「もつ家」から10m程の場所にあります。こちらはすでにすごい客の入り。店はかなり脂が染込んでいていい雰囲気です。ここは15時開店。立飲みカウンターには10数名は入れるかな。こちらはほぼ埋まっているので,奥に2つほど広めのテーブルが見えたのでそちらに潜り込ませてもらいます。やはりチューハイ:300円と焼鳥(もも・皮・ハツ):90円をいただきます。チューハイは濃いし,焼鳥はでかくて,うまい。なるほど繁盛するわけだ。サラリーマンやジャンパー姿のおっちゃんたちに混じってリタイアした夫婦もんが目に付きます。秩父辺りを散策した帰りなのでしょうか? 会計後,おばちゃんがポイントカードをくれました。通い詰めると割引サービスがあるようです。値段ではなく通った回数でスタンプを押してくれるようですね。わいわいがやがやと明るく楽しい雰囲気で陽気に呑みたい人向けのお店でした。他の品書:ビール大:500,酒:300,焼鳥:90,牛焼き:300,モツ煮込:350,ポテトサラダ:200。 「大漁船 秋津店」に入ります。この日行った中では一番居酒屋っぽいお店。けっこうぼろい外観と店内の造作は悪くないのですが,カウンター15席に奥の小上がりにテーブルが6卓で,単なるテーブル席がないのが不便といえば不便かも。生しらす刺身:472円とどじょう鍋:?を肴に飽きもせず酎ハイを呑みます。恐らくこの「大漁船」は西船橋に本店,八柱や亀有に支店がある小規模チェーンと思われますが,武蔵野線沿線にぱらりぱらりとかなりの距離を隔てて店を出しているのがおもしろいですね。他の品書:ビール大:472,ホッピー:399,中:262,生クジラ刺:682。 最後は「サラリーマン 新秋津店」。いかにも横着な,脱力系のネーミングですが,店はちゃんと大衆酒場といった感じで堀切菖蒲園の「小島屋」のような複雑な変形カウンターで楽しめます。とりわけすごい店ではありませんが,身近に一軒位こういう店があると重宝するかも。この後の記憶が吹っ飛んでいるので何を呑んで食べたかは不明です。他の品書:ホッピー:400(中:250),焼物:2本240,刺盛/貝盛:500。 本当はもう1,2軒行っときたかったのだが,昼間から飲んだせいか,けっこういい具合に回ってしまいました。秋津は確かに昼から飲める店が充実していて面白いのですが,酒場そのものはさほどディープな印象はなくて,むしろあっけらかんとした明るさが印象的でした。
2012/04/08
コメント(0)
浅草橋はその名のとおり,かつて浅草寺の門前橋でした。江戸時代の明暦の大火では2万人を超える犠牲者を出したそうです。現在の浅草橋は,1930年に建設されたものです。浅草橋界隈では,人形やビーズアクセサリーを取り扱う問屋が多く,賑わいのある町です。 駅東口からすぐの「浅草橋名代 酒寮 むつみ屋」。外観こそ普通のこじんまりしたビルに見えますが,引き戸と暖簾の趣きあるたたずまいがまさに酒場の王道です。店内はカウンター6席に広めのテーブル4卓といった感じで,末枯れた店内の様子が心地よく感じられます。厨房にはオヤジと若者,配膳には思いがけず若いのおねえさん,客は常連が3名いるばかりでいささか寂しい感じです。ビール大:530円をオーダーし,お通し:50円のほうれん草おひたしをつまみつつ,小肌刺身と豚肉キムチ炒:共に420円を待ちます。小肌刺身は厚めの切り身を立てて盛りつけているのがユニーク,しかも新鮮で程よい酢加減で締められ非常においしい。豚キムチにはマヨネーズが添えられ酒が進みます。いい店だなあ。他の品書:酒:220~,焼酎タンサン割:340,さくらさし:730,牛煮込:500,とんかつ:550,にら玉:480,あじたたき:300,にこごり:350。 続いて,「酒蔵 住吉(樽平)」。外観もかなりくたびれており,ぞくぞくするほどいい感じ。入口には「しっかり飲んで食べられない人はお断り」といった張り紙が。覚悟して扉を開きます。店内は案外きれいですね。カウンター5席に,広めのテーブル2卓,奥には小上がりがあって掘りごたつ形式になっており,20名は入れそうです。店名に敬意を表し,酒(一生住吉):500円×2をオーダー。「おひとり様一品おとりください」とあるので,ウインナー炒とギョーザ団子:各500円を頼みます。おばちゃん2名で切り盛りしていますね。そうこうしているとゆるく燗された酒が供されます。うまい。お通しには大量の煮物(大根,にんじん,さつま揚ばかりでなく卵まで入っている),これだけで十分呑めそうです。ここはボリュームある肴を出す店かなと話していたら思った以上の大量盛りつけのウインナー炒,キャベツがたっぷりでうれしい。これなら高くないです。ハイボール:300円を追加。ギョーザ団子も手作りでシューマイのような形状ながら独特の風味でおいしい。これまた結構なお店でした。 勢いがついたのでもう少し呑むことにしました。駅の西口にある「立飲み ろくでなし」に向かいます。改札をでてすぐのガード真下にある店。立飲みとありますが,しっかり椅子が有ります。店からはみ出したテーブル4卓と店内はカウンター12席位。便所までの動線がユニークですね。全席のんべいでびっしり。大変な人気店のようです。サワー:280円をもらいます。サービスのお通しはキャベツ。串揚げも実にうまそうだなあ。けっこう満足していたので,舞茸天ぷら:250円ともう一品(忘れた)を頼みます。これまた量が多くて,味もよし。こちらも安くてうまいといううれしい酒場でありました。 「西口やきとん」も楽しい酒場ですが,まだまだいい酒場が埋もれていそうなので何度でも通わないといけないですね。
2012/04/07
コメント(0)
この夜は知人と約束して,さくら新道の現状を確認するため昨夜は王子に向かいました。 明治通りを北上して「やまに(ヤマニ)」で一息着こうということです。。うっかり見逃しましたが暖簾に「やまにバー」と書かれていたようです。建物は立派なビルに入っているため味気ないものになっていますが,店内の造りが変わっています。カウンターが10席ほどあり,中でおばちゃん2名が立ち働くのですが,その後ろに2名用のテーブルが3卓置かれた小上がりがあって障子越しに注文の品を受け渡すようになっています。ホッピー:380円をもらいます。ずらりと短冊の品書きが貼られていて何を食べるか迷ってしまうほどです。レバー唐揚:350円とどじょう丸鍋:450円をオーダーします。どちらも量も味もばっちり。なかなか使い勝手のいい酒場らしい酒場でした。カウンター奥にも扉があって,そちらから出たので暖簾をチェックし忘れてしまいました。他の品書:ビール大:550,酒(日本盛):260,サワー:330,クジラ刺:800/マグロトロ:450,ハムカツ:320,イカ天ぷら:420,トンカツ:480,ポテトサラダ:200。 さくら新道(さくら新道飲食街)は昭和27年,王子駅前の闇市(後に柳小路となる)がバラックから木造に立て替えた際,許可出店数11店舗に対して土地が狭隘であったことから,抽選に漏れた一部店舗が移転したことにより作られた横丁です。1月21日の午前5時50分頃に,店舗兼住宅から出火したことにより,2棟(約620平方メートル)が全焼しました。この火災の影響でJR東日本の京浜東北線などが最大約5時間に亘り運転を見合わせる程の大惨事でした。 飛鳥山の桜も八部咲き程度となっており,焼鳥などの屋台が4,5台新道に並んでいます。飛鳥山によって日差しを遮られいつも暗い新道も幾分か明るく感じられます。一方で,本来新道を構成する3棟ある木造二階建長屋では,2軒だけが営業を続けるのみでうら寂しい気分になります。この2軒と細い通路を隔てた長屋は以前お邪魔した「バー リーベ」を含め,ほぼ燃え切ってしまい壊滅状態になっています。特に2階部分は真っ黒になった骨組みのみが残され無残です。火災発生前には営業していたと思われる「音路」,「さつま」,「三楽」,「忍」(一部資料によると火災の発生する直前には6軒が営業をしていたとのことなので,このうち1軒は閉店状態だったのかもしれません)など,行っておくべきだったかと今となって悔やまれます。 それでも「スナック まち子」(飲食街の最古参らしい)と「小料理 愛」は営業を続けています。前者はにぎやかにカラオケの音が漏れ聞こえてくるので,静まり返った後者に入ってみることにしました。引き戸を開くと正面に10席程度のコの字カウンターがあり,右手にはテーブル3卓の広い座敷があります。座敷はあまり使われることがないのか,照明が消されていてかなり薄暗くなっています。客は一人も入っていません。そんな暗い中でママさんはひとり雑誌を眺めています。早速カウンターに腰掛けて,瓶ビールを注文。きんぴらごぼうのお通しも出されます。ママさんに火災時の様子を伺うと堰を切ったように喋っていただけました。早朝,雪も舞い散る中,突然叩き起こされて逃げ出したらしいが,その間の記憶がほとんどないということ,お一人がいまだに怪我をして入院中であることなどを語られました。暗い話ばかりなので王子にかつてあった酒場のことを伺います。以前太田和彦氏の本で目にしたことがあります。ママさんは「とうわ」とおっしゃっていたような。早い時間から大層な繁盛で路上まで人が溢れていたようです。この横丁も近いうちに退去命令が出される(この土地は国有地だか都有地なので,毎年7万円程度を支払っているということ)というもっぱらの噂であるが,ぎりぎりまで頑張りたいということでした。例年桜の季節には花見客が寄り道して一杯引っ掛けていくらしいので,お言葉通りに土日には賑やかになることをそっと祈ったのでした。ぬる燗2本を追加して,お勘定。2,700円也。 しんみりしてしまったので,閉店まであまり時間もなくなりましたが「山田屋(山田屋酒場)」でもうひと呑みすることにしました。やはりここはいいなあ。ついつい呑みすぎてしまいます。すっかりご無沙汰してしまったので焼酎と炭酸を別に頼むことも忘れてしまっていました。いつもの半熟玉子にハムカツ,やはりいい。その後追加した牛もつ煮込は味がなかったなあ。砂肝香り揚げはちょっと量が少ないかなあ。値段を考えたら文句なんて言えませんが。都電の巣鴨新田から自転車で通っているというオヤジは人恋しいのか,マージャン仲間が足りないのかやたらと話しかけてきてうっとおしくはありましたが,それも酒場には付き物だからそれなりに楽しんだのでした。
2012/04/06
コメント(0)
足立区にある綾瀬は都東部を南流する綾瀬川の東側にあたり,広大な都立東綾瀬公園が広がっています。また,綾瀬駅前には,複合商業施設や商店街が広がっており,常磐線高架橋下やその周辺には飲食店を中心とした多くの商店が立ち並びます。 綾瀬駅周辺で,酒場通によく知られる店として筆頭に上げられるのが「大松」です。よほどの老舗かと思いきや昭和49年創業ということで特別に古い酒場というわけではありませんが,もつ焼の煤や油がじっとり染込みしかるべき年季は十分に感じられます。綾瀬駅にはもう一軒の「大松」があり,そちらはすでに店を畳んでから久しく感じられます。 され,これまで入ったことのない酒場を求めて駅周辺をぶらりぶらり。見つけたのが,「居食屋 炭旬 綾瀬店」。いかにもチェーン店ぽいと思ったら,やはりチェーン店だったですね。平成22年創業ということで,従業員のみなさんも若くて,歴史はまるで感じられません。期間限定で角ハイボール:304ということなので,注文。お通し:?はもやしに蒸し鶏をのっけたものですが,ちょっとちゃちだなあ。焼鳥は94円からです。カワ,ナンコツ,砂肝を各1本塩でオーダーします。こちらはうってかわってサイズも立派で味もそこそこです。ナンコツはちょっと焦げ目が付いていましたが。角ハイボールをお替りしてお勘定。勘定の最中,トイレに行ったら財布発見。さまざまな思いが胸中をうずまいたのですが,邪な勘定をぐっと抑えて正直に店の人に届けました。 さらに線路沿いを進むと,「串揚げ 典」があります。この間近にあるのがにずっとシャッターが閉まりっぱなしの「大松」があります。この夜,様子が変わっている事にいつの間にやら営業を再開したのでしょうか。明かりが灯り,暖簾が出されていまず。早速の入店。厨房側と壁側にカウンターがそれぞれ8席づつある。お客さんは地元のおっちゃんたちが3名,白髪のオヤジさんが店主のようだ。土地柄,しっかりとボール:250円があるのがうれしいですね。さほど腹が減ってなかったので,もつ焼2本(カシラ):200円をもらいます。肉が大振りで油がしたたるほどなので,甘いタレとのバランスがいいですね。他の客の注文でわかりましたが,ミソもあるようです。酒場本や散歩の達人などが置かれており,登山絡みの書籍もちらほら。吉田類みたいだなと思ったら酒場放浪記のチラシも貼られていました。オヤジさんに店のことを尋ねると平成24年3月に開店したばかりだそうです。看板もまだ取り替えておらず,店名すらまだはっきり決めていないようです。登記上は「もつ焼 あらちゃん」とのこと。いつの間にやらこうした良店ができているのが綾瀬の面白いところです。また来たいなあ。他のメニュー:サワー:300,ビール中:450,にこみ/ガツさし/シロさし/もつなっとう:300。
2012/04/05
コメント(0)
ちょっと前の話になりますが,ふと思い立って北綾瀬駅方面で呑んでみることにしました。なんとなく節約心が芽生えて,綾瀬駅から歩いてみることにしました。環七通りに至るまでの道中があまりにも退屈なので,途中,広い駐車場付きの郊外型の大型食堂「味安」に立ち寄ります。ここ以外にも系列の飲食店を数店舗持つ地元住民には知られたお店のようです。あまり期待していませんでしたが,広い座敷に加えて長いカウンターもあり,案外居心地がいいです。酎ハイ:300円,ポテトサラダ:320円などをもらいさらに歩き続けます。 10分程度歩く。街道沿いにはファミレスなんかがあるばかりで酒場の気配はまるで感じられません。やがて環七にぶつかり右折,警察署があります。ここまで来るとファミレスを含めさまざまな郊外型店舗が立ち並びある意味にぎやかにはなります。東京メトロ千代田線の盲腸線の駅である北綾瀬駅も見えています。居酒屋は「庄屋」か「やるき茶屋」と小奇麗な店があるばかり。しばし散策しますが住宅街にまじってそば屋や中華屋,小料理屋がある位。警察署がある場所って大抵警察官御用達の酒場がような気がするんですけどね。。 とりあえずのども渇いたし,散策は打ち切って予定通り「丸福」に向かいます。酒場放浪記で紹介されていますね。外観も内装も際立った点はなにもありませんが,いかにも居酒屋という店構え。ぼくの先に入った客はいかにも酒場マニア,携帯でしきりにメールを書いています。ボール:300円と煮込:500円をいただきます。煮込は値段に見合った質と量。ボールはやや薄い。なかなかにいいお店です。 店を出て未練たらしく歩きまわりますが,酒場らしき店はどうにも見当たりません。くたびれたので,諦めて引き上げることにしました。後日,アド街で北綾瀬が特集されましたが,そこでは自宅兼居酒屋が何軒か紹介されていました。田舎ではちょくちょく見かけるスタイルですが,都内のしかも23区内でこうした店がいくつもあるというのはやはりユニークです。今度はそうした店を目的に出向いてみたいと思っています。
2012/04/04
コメント(0)
「土手の伊勢屋」に5時ちょい前に到着。何てことだ,すでに店内はかなりふさがっています。2階も使ってるのかと思ったら1階だけで営業しているようですね。見事な建築を眺めるまもなく入店します。なんとか座敷に上がることができました。テーブル席が窮屈そうに置かれて12名ほど入れるでしょうか。奥には座敷があって8人くらいまではなんとか上がれるようです。外観の立派さに反して店内は案外手狭な感じですね。「大林」同様立派な神棚が飾られているのが伝統を感じさせてくれてうれしくなります。若いおねえちゃん2名がホール係のバイトをしていてちょっとムードとそぐわない感じがします。 お腹が空いていないなので一番お手頃な天丼のイ:1,400円となめこおろし:450円,酒:400円?をもらいます。なめこおろしはかなりたっぷり。わさびがちょこっと添えられています。メインの前の軽いおつまみのつもりだったのですが。肝心の天丼ですが,思った以上にうまい。えび天2本にきす1枚、それと面白いのが1cm程のさいの目にカットされたイカのかき揚げが乗っています。油に弱いのですが油酔いしやすいぼくでもぺろりでした。 その後,「遠太」に向かいましたが残念ながらこの日はお休み。ジョイフル三ノ輪をひととおり眺めて荒川線で帰宅の途に着きました。
2012/04/03
コメント(0)
土曜日に暴風雨に見舞われつつ山谷方面に強行軍。常磐線快速も各駅停車も運行を見合わせているということで,結局東京メトロ日比谷線で三ノ輪駅から向かうことにしました。この日はぼくのもっとも気をつかう相手と一緒。 風に煽られて傘はあっという間に吹っ飛んでしまい,雨にぬれながらなんとか辿り着いたのは,「土手の伊勢屋」です。1時55分に到着。なんとか2時の休憩時間には間に合いそうです。ところがなんと準備中の札が出ていているではないですか。あまりのことに怒り出したい気分になりますが,そこはぐっと堪えることにしました。気をつかう人はあまり興味がないようです。遅れた原因が自分にあるのでさすがに気を使ってくれます。 やむを得ず悪天候の中をぶらぶらすることにします。「丸千葉」の通りを歩きます。ここは日の出会商店街というようで,渋い喫茶店も見受けられます。ただ商店街というにはやや寂しい通りで,あっという間に通過してしまいます。続いて,その先に接続されているアサヒ商店街を散策。この商店街には,おもしろいお店があります。老舗っぽいお稲荷さん屋の「稲荷寿司 まつむら」で助六を買ったり(味はフツー)、パン屋「ブーランジェリー マルフジ」でたまごパンなど(思いがけずうまい)を買ってみたりしながら歩きます。渋いカレー屋(「ニューダイカマ」、けっこう知られたお店のようです)さんや「喫茶 ラブ」なんて店もあったりします。 気をつかう相手のもっとも気になるお店に向かいます。有名店「自家焙煎珈琲屋 バッハ」です。すごい混んでいて外国人数名が取材なんかもしています(この連中は取材なのだろうが、連中ばかり優遇しているのは見ていて気分のいいものではない)。店自体は新しく居心地はいいけどさほど魅力はない。コーヒーはさすがにうまいですねえ。つい300g程豆を購入。30分ほどまったりして店を出ます。 うれしいことにまだ3時15分位なのに「大林」が開店しています。すぐに入りはせず、「あしたのジョー」で売り出す商店街「いろは会商店街」をのんびり歩きます。雨のせいか、まだ早い時間なのにホームレスのじいさんたちがでれでれたむろっています。商店街には2軒のパン屋(「パン工房 匠」、「手づくりパン ぶれ~て」。どちらもけっこううまかったなあ)があったので、それぞれで購入。お土産にします。で、向かうは「大林」。 すでにおっちゃん一人がが飲んでいます。すでに3杯目(カウンター下に引かれるチョークの線の数でわかる)。ぼくは酎ハイ:320円、気を使う人は本直し:320円をオーダー。本直しってみりんを煮切ったものを日本酒に加えて甘味を付けたもののようです。肴はホタルイカ酢味噌:350円とねぎぬた(まぐろも入っている):330円だったかな。相変わらず素晴らしい店だ。お勘定のタイミングで思い切ってこの店の歴史を尋ねてみました。そしたらおやじさん、これまで見たことのないような照れたようなちょっとうれしそうな表情でお客さんと同じで明治、大正の次だよとか半端なことを言うのだった。昭和でも戦後かしらと尋ねたけどはぐらかされてしまった。あんまり喋りたくないんでしょうか? まあまたいずれトライしてみよう。ぼくはちょっとコミュニケートできただけでそこそこ満足である。 まだ時間があるので、日の出会商店街の喫茶店「メルシー」で時間つぶし。いい店だ。増築したように大きく2つのスペースに分かれていて、テーブルゲームの麻雀も残っている。付く席によって雰囲気が変わりそうでたからものです。この喫茶店、ものすごく渋くて大いに気に入りました。もちろんゲーム機あり。「いろは会商店街」の「田口玩具店」もすでにおもちゃの小売はしていないようです。古びたアーケードゲーム機が4台並んでいます。もちろん誰一人遊ぶ姿はありませんでした。(眠いので続きは後日)
2012/04/02
コメント(0)
三鷹市は自然豊かな都市です。この街を歩くといつも上京してはじめて住むならこの街がよかったなあと思います。2001年に開館した三鷹の森ジブリ美術館や山本有三記念館,太宰治文学サロンなど多くの文化施設があります。交通網が発達していないな印象があります。JR東日本の中央本線,三鷹駅や京王電鉄井の頭線の三鷹台駅や井の頭公園駅があるだけです。といってもお隣の武蔵野市にある吉祥寺駅や武蔵境駅は歩いても15分程度の距離で不便な印象はありません。むしろ小田急バス・京王電鉄バス・関東バスが多く乗り入れており,その他にも武蔵野市が運営する「ムーバス」や三鷹市と小田急バスの共同運営の「みたかシティバス」といったコミュニティバスが運行しています。 三鷹市の中心である三鷹駅南口を歩きます。さくら通りという通りをとぼとぼと歩いて5分程,朝の6時から営業の「いしはら食堂」に到着です。10時30分過ぎだったので,もう朝の客もいなくなって空いています。カウンター10席にテーブル3卓。外向きのカウンター3卓もあって,奥も仕切られているがテーブルがあるようです。さほど趣のある店ではありません。おっちゃんがひとりコップ酒をやってますね。こちらもぬる燗を注文。燗をするなら2本飲むならまとめて注文して欲しいとおばちゃんが言うので勢いで2本もらいます。キンピラ:70円とメンチカツ:150円をもらう。こりゃ安いなあ。キンピラは量は少なめだが味はいいなあ。しょっぱめなのが酒にぴったり。メンチカツは揚げたてホカホカでしかも肉屋で売ってるようなサイズが2つ,味もいい。のんびりと本を読みつつ,ゆったりとした時間を過ごします。こんな時間に晴れた良い天気の中だらだらと酒を飲むのも背徳的でいいものです。 昭和49年創業の「扇家食堂」に寄り道したり,ぶらぶらと武蔵境駅まで歩いて「にな川」でBランチ(焼肉+ハンバーグ):650円と生中(250円[1杯目],400円[2杯目~])をもらったりするうちにお腹も一杯で,ほんのり酒も回ってきたので,武蔵境駅南口前の公園でお昼寝します。三鷹に引き返しがてら北口のパン屋さん「ポリーヌ」でいくつかパンを購入します。クリームパンやミートパイなどどれも安くてかなりのおいしさ。武蔵境は「ニヴォ」もうまいし,パン屋が充実していますね。三鷹までの道のりにはブルーベリーの果樹園や木材店などがあって武蔵野を歩いていることを実感します。「元祖 ハルピン」に向かいます。お隣は「餃子のハルピン」。もともと一緒の店だったのがいざこざがあったようで袂を分かったようです。勿論創業店であった「元祖 ハルピン」に入店。古いと言っても,昭和57年創業だからさほど歴史があるわけではありません。ちなみに食べログでは,「餃子のハルピン」が評価が上(値段も上)。まだ昼時なのに両店ともがらがら。サワー:350円と小籠包:680。これが6個入りでかなりでかめでうまい。ジュースもたっぷり。さすがに腹一杯。冷凍のお土産もあるのでニラ餃子:480を購入,いいお土産ができました。「大島酒場」に向かいます。昭和8年酒屋として創業,昭和25年頃から立呑屋開始した老舗店です。いまでも両立して営業中。しかし建物はきれいなビルに建て替えられて味わいはまったくないですね。腹一杯なのでチーズ:150円とチューハイ小:350円だけをもらうことにしました。入口付近が10人程度用の立飲みスペースで奥にはテーブル・椅子もあるようです。あんまり面白味がなくてちょっと残念。吉田類氏が気に入っているようですがそこまでの店ではないかな。 帰りはせっかくなので,三鷹駅からバスに乗ってみることにしました。関東バスの鷹21系,西武池袋線の保谷駅を通過して天神山停留所行きです。経路は大きな道路ばかりであまり面白味はありません。うとうとしながら揺られていると特に見どころもなく案外早く到着。保谷駅周辺をぐるりと散歩していくつか飲み屋をチェック,いずれ来てもいいな。 三鷹駅周辺の酒場では,「第六力酒蔵」と「婆娑羅」が気になりました。こちらもいずれお邪魔したいと思います。
2012/04/01
コメント(0)
全26件 (26件中 1-26件目)
1


