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十条駅前が再開発でしっちゃかめっちゃかになっていて、こういう混沌とした状況も嫌いじゃないけれど、なぜかこの夜はしんみりと呑みたい気分だったので、寂寥感を求めて駅に背を向けて夜の町を歩き出したのでした。慣れ親しんだ町というのは存外見落としている箇所が多いようです。気持ちがが緩んでしまうからなのかもしれません。町歩きをする際は出来る限り通り抜けたことのない路地に入ってみたり、自分とは縁のなさそうに思える店を覗いてみたりと、日常の自分がおよそ行わないような行動をあえて実行する位の気構えがないと程よい緊張と期待感を引き出すことは難しそうです。といったことを思ったか全く思いもしなかったかはともかくとしてやがて商店よりも住宅へと町並みを構成する物件が移り変わってくるのですが、これまでここまで足を運んだことはなかったかもしれません。幸いなことにまだポツポツと飲食店も見受けられ、その一軒は居酒屋だったから入ってみても良さそうです。 お邪魔したのは、小奇麗な構えの「つか乃」でした。すっかり居酒屋巡りから身を引いていたので、かつてなら選択肢から零れ落ちたであろうタイプのごく有り触れたお店だったのですが、今はこういうのが心地良く思えます。店内も小奇麗で一見すると小料理屋とかちょっと敷居の高い風情ですが、すぐにそんなに気取ったお店でないことが感じ取れるのでした。お客さんが女性の一人客もいたり、若夫婦風のカップルが酒なしで食事だけ楽しんでいたりと至って気軽でまさに家庭的なムードなのです。店のご夫婦の人柄も女性だったり一人だったりしてもすんなりと店に溶け込める要因となっているようです。T氏、A氏が一緒だったのでビールなどと一緒に300円(?)程度から揃うお手頃な肴から好きなものを一品づつ選びました。普段は神経質とは真逆なT氏がこんなご時世だから各々で肴を頼もうかなどと言い出します。そのT氏はレバーの煮付けを注文しましたが、なんとお通しがレバーの煮付けだったのです。しっかりと量もあって何より美味しいのです。ぼくならこれだったらお通しにプラスしても構わないけどなあ。感じがいいと思った女将が指摘してくれなかったのがショックだったのかT氏は慌てて注文を変更したのですが、代わって頼んだのはナポリタンでした。ちゃんと1人前を3等分してくれてそれぞれに小鉢に盛り付けてくださる気付かいです。T氏の思惑はまたも外れたようです。家庭料理でありながら家庭では出せないところが不思議でありますが、これこそ居酒屋料理の醍醐味です。酒場巡りなどという業の深い趣味がないのなら第2の茶の間にしたいところです。
2022/01/31
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「浪花家食堂」 飯倉「殿」 飯倉「ふじや菜館」 飯倉「あいや」 飯倉「きん八」 飯倉「居酒屋 峰」 飯倉「百木屋」 八日市場「居酒屋 和」 干潟「たからや」 干潟「又兵衛 旭店」 旭
2022/01/30
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ぼくが出不精なことは、すでに何度も書いていますが、当然、やむを得ず出掛けることもあります。仕事がその典型ですが、それ以外でもどうしても生きていく上で欠かすことのできない衣食住を巡る各種必需品を補給せざるを得ないのでした。しかし、今ではネット通販ばかりでなくネットスーパーも簡単に利用できるようになったから買い物で出掛ける必要などほとんどないじゃないかと言われるかもしれないけれど、そんなことはありません。やはり現物を見なけりゃ買う気にならないものもあるのです。例えば肉。ふるさと納税の返礼品で送られてきた肉が脂身ばかりだったといった話もあったはずですが、商品を見比べて自分で選択したものであれば納得せざるを得ないけれど、選択の余地もなく受け取ってみたら脂身だらけの肉だったとあってはネタとしてはありかもしれぬけれど、ぼくならネタとしてよりも遥かに肉そのものの品質に価値を認めたいのであります。まあ、自身の経験としては現物であっても蓋を開けてみたら大外れだったという出来事に遭遇したことがあります。ひよこ豆の缶詰を買ってきていざ調理しようと空けてみたら中身はなんと茹で汁だけだったのであります。それなりの珍事であると思うのだけれど泣き寝入りしたばかりでなく写真すら撮らなかったのだからどうにかしている。肉にしても見た目は立派な赤身なのにパックから取り出してみると死角となる裏側が脂身だらけだということは少なくないのです。ロール状に冷凍されたラム肉などはその半分量が脂身だったりすることもあって、店側の騙しのテクニックには消費者として常に対峙する準備を万端整えておく必要があるのです。現物買いの話から野菜売り場の楽しさに移行するつもりでいたのだけれど、うっかりここまでで尺を稼いでしまったので続きは次回へと持ち越すのでした。
2022/01/30
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自作でチーズ作りにチャレンジした人ならきっと同じことを思うのではないでしょうか。前回も書きましたが、牛乳を温めて酸化させることで凝乳すると、フレッシュチーズとなるカードという沈殿物とホエイ(乳清)という液体に分離されます。カードは当然チーズとして食べるとして、ホエイをこのまま捨ててしまっていいものかと迷う人も少なくないと思うのです。ぼくは迷いました。薄っすらと黄ばんだ乳白色の液体は、まだまだ栄養も豊富でそのまま捨てるのはもったいない気がするのです。酸味が残っているかもしれぬとちょっぴり味見すると酸っぱさはなく味気もほとんどないのですが、濃厚そうな風味は留めています。スープにでもすれば出汁の代わりになりそうですが、他にどうにかして処理する方法はないものだろうかと調べてみると、リコッタチーズが作れるようです。Wikipediaによると「リコッタ(伊: Ricotta 羅: recocta)は、南イタリアで作られる乳清チーズである。再び(ri)煮た(cotta)という意味のとおり、チーズ生成過程で生じたホエーを再加熱して作ったものである」とホエイを再利用しようとするもったいない精神は古来も同様だったようです。リコッタチーズというと最近ではこれを加えたパンケーキなんかが人気であるようですが、乳糖を多く含みながらも脂肪分が少なくヘルシーな、かつほんのり甘くてさっぱりとしたチーズという印象です。早速試してみました。【材料】リコッタチーズ[代替品]ホエイ(乳清)・牛乳 400cc/レモン汁 大さじ4【作り方】1. ボウルにホエイ、牛乳各400ccを耐熱性の入れる・電子レンジで500W8分加熱する。レモン汁を大さじ4杯入れて混ぜる。ザルにキッチンペーパーを敷いて漉す。 手順はとても簡単でした。しかしキッチンペーパーで濾そうとすると目が詰まってしまうせいかいつまで経っても水切りが完了しないので、ぼくだけでなくせっかちな人は待ち切れなくなるかもしれません。ポタリポタリとタレ落ちる水分は舐めてみるとほぼ味も風味もなくて、なるほど無駄なく乳の栄養を使い切ったと思えます。ペーパー上に残ったフェイクリコッタを摘まんでみると確かにリコッタチーズの風味が感じられます。 リコッタのレシピを調べてみても、デザート系のものが多かったので、思い付きで菜の花とリコッタチーズの温サラダを作ってみました。作り方は以下のとおり。旨味の弱いリコッタにはパルメジャーノを合わせるのが定番みたいです。【材料】菜の花(4cm) 2束/オリーブ油 小さじ1/パルミジャーノ 大さじ2//リコッタチーズ(砕く) 30g/オリーブ油 大さじ1/レモン汁 小さじ2/塩 小さじ1/4/胡椒 適宜/卵(ポーチドエッグ) 1個【作り方】1. フライパンに油を熱して菜の花を焼く。2. 1.を皿に盛ってパルミジャーノ、リコッタチーズを散らす。オリーブ油、レモン汁、塩、胡椒をふる。ポーチドエッグをのせる。 うん、悪くないですねえ。でもリコッタがさっぱりし過ぎていてなくてもそんなに味に変化はなさそうに思えます。 リコッタチーズとズッキーニのフリッタータも同様でした。【材料】ズッキーニ(おろす) 3本/卵 6個/パルメジャーノ 40g/リコッタチーズ 100g/小ねぎ 1本/乾燥オレガノ・塩・胡椒 適宜/バター・オリーブ油 大さじ1【作り方】1. ボウルに卵を割り入れる。ズッキーニ、パルメジャーノ、リコッタチーズ、小ねぎ、オレガノを加えて混ぜる。塩、胡椒で調味する。2. フライパンにバター、オリーブ油を熱して1.を流し入れ、焼く。 間違いのない美味しさではあるけれど知らなければリコッタが入っているとは思わなかったと思います。 やはりリコッタはこんな風にはちみつを垂らしたりしてデザートっぽく食べるのが美味しさを感じやすい気がします。でもこれならヨーグルトを水切りすれば似た感じになりそうだなあ。 さて、今回はリコッタを手作りしてみましたが、フェタと違って入手も比較的容易ですし、値段もフェタほどには高額ではないから、手間を考えたら市販されているものを購入してもいいかもしれません。フェタを2回目に作った際には豚汁のスープとして用いてみましたが、コクと旨味のある汁が案外気に入ったので、今後はリコッタは手作りはしないかもなあ。
2022/01/29
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中国人料理人が日本人の味覚におもねることなく現地の味を忠実に再現して提供するような中華料理店が池袋駅北口などで大いに盛況となっており、乱立してきているようなのです。まあ池袋駅の北口にはずっと以前から中国人たちが跋扈していたけれど、現在の様子を眺める限りでは当時より明らかに中国度数が上昇しているように思えるのです。池袋のみならず蕨だったり日暮里だったりでも中国人の経営する大陸そのものといったお店が増殖の一途を辿る、そんな暗澹たる未来へのとば口に現在日本は立たされているのではなかろうか。そんなネオ中華街の中華料理店はガチ中華なんて呼ばれていることをつい先だって知ったのでありますが、ガチという単語への嫌悪はあるものの、分かったようでちっともイメージが湧きにくい日本人の中華料理人による料理店を称する町中華などよりは遥かに合点のいくネーミングに思えます。端的に料理だけを考慮するとぼくにはどちらも甲乙つけがたく美味しかったりするのでありますが、やがて老いていく未来を想像するとガチ中華とはそう遠からず決別することになりそうです。老境に至ると味覚はとかく原点回帰するもののようですから。 ならば、食べられるうちにせっせとガチ中華を食べておけばいいのではないか。そういった意見はごもっともであるし、実際一口に中華料理といっても驚くほどに多様で、それはWikipediaで「菜系」や「中華料理」をキーワードに調べていただくと一目瞭然であります。インドもそうですがやはり大国ともなると単純に中華料理と呼ぶことが躊躇われるほどです。せめて中国本土で分類された各料理の代表的なものだけでも食べておきたいとは思うのですが、それだけでも残り少ない人生の少なからぬ時間と予算を費やさねばならぬでしょう。一方で世界のありとあらゆる料理を食べようなんていう野心は放棄してしまうべきとも思うのだ。いずれは本場の味など食べつけぬものを受け付けなくなるのであれば、知らぬままで済ませた方が未練が湧かぬというものです。ましてや町中華の灯が日々消えていっていることを考えたなら今のうちにせっせと町中華の味を舌に焼き付けておき、いざとなれば自宅で再現できるように備えておくのもありではないかと思いもするのです。北松戸の「中華料理 天津」もそうした一軒です。聞く及んでいるところによると緊急事態宣言下でたまたまビールを出していたところを喜んだ客がネットでそのことを触れ回ってしまったため、店も大変な迷惑を被ったというのです。その実態は知らぬけれど、ようやくここで安心して呑めるようになったとなれば訪れるだけの価値はある店です。ということで久々にこちらの和式中華料理をいただいたのですが、なんということか、ここの少なからず日本人の口におもねている料理すらもが重く感じられたのです。この重さは店の料理人のせいだとは思えぬから、恐らくはぼく自身が和式中華料理にすら持て余すようになってしまったと思われるのです。食いたい時に金はなし、食える時に金だけはあるといった逆転が生じてしまったようです。旨い物を食べ続けられるように体調には万全の注意を向けておくべきですが、健康であろうとすれば旨い物を節制する必要があって、やはりとかくこの世はままならぬものなのです。
2022/01/28
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「越後屋」 取手「いそ前食堂」 竜ケ崎「珍華」 安食「酒らん童」 成田湯川「居酒屋 としちゃん」 成田「米倉食堂」 東成田「栗原軒」 東成田「やまかわ食堂」 東成田「花むら」 東成田「みなとや食堂」 東成田
2022/01/27
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またもフェタチーズの話題ですが、ご勘弁いただきたいのです。ぼくにとっては高級品のフェタですから、なるべく素材の持ち味をいかしたシンプルな調理法で頂きたいと思ってしまうのでした。高級な鮪などの魚介を入手したらそのまま食べたいと思う貧乏性なぼくにとっては、鮪同様にフェタを加熱して食べるのはかなりの冒険に思えるのです。でもこれがフェイクフェタであればほんの少しの手間を掛けることを厭いさえしなければ、好きなだけ食べられるのです。ということで、早速フェタの定番の加熱した料理を試してみることにしたのでした。 まずは、野菜にフェタをのせて焼くだけのベイクドフェタです。ギリシャ料理らしいシンプルな食材です。【材料】ミニトマト(薄切り) 15個/ピーマン(細切り) 1個/青唐辛子(粗みじん切り) 1本/カラマタブラックオリーブ 16個/フェタチーズ 100g/オリーブ油・ドライオレガノ・胡椒 適宜【作り方】1. 耐熱皿にトマト半量を並べる。フェタをのせる。ピーマン、トマト半量、オリーブをのせる。オリーブ油をかける。オーブンで180℃25分焼く。 トロリとなったフェタが野菜と混然となってやはり美味しい。けれど、サラタで食べた場合と比べるとどうも味がぼやけてしまうようです。オレガノの複雑な香りが食欲を増進してくれます。レシピにはカラマタのオリーブとありますが,普通のブラックオリーブを散らしました。これはカラマタオリーブが絶対美味しいと思います。オリーブ油だってギリシャ産のものの方がきっといいんでしょうけど、まあこれでも十分楽しめるはずです。 さて、こちらもギリシャでは定番らしいスパナコピというパイになります。ギリシャのパイはフィロシートなる薄っぺらな生地を使うのが本式のようですが、春巻きの皮で代替しました。ギリシャのごはん(URL:https://girisyagohan.blog.jp/archives/52001358.html)に書かれているようにフィロシートにも色々あるみたいなので、あまり拘らないことにします。【材料】ほうれん草(茹でる) 250g/フェタチーズ 150g/フィロシート(代替:春巻きの皮) 10枚/オリーブ油 適宜/バター(溶かす) 大さじ3/水 適宜 【A】イタリアンパセリ・ディル 1枝/玉ねぎ(みじん切り/炒める) 1個/にんにく 1片/卵 1個/塩・胡椒 適宜【作り方】1. ボウルにほうれん草、フェタチーズ、【A】を入れて混ぜる。2. 耐熱皿にオリーブ油を塗った春巻きの皮を敷き詰め、1.を載せる。春巻きの皮を載せバターを塗り、さらに春巻きの皮を載せてバターを塗る。水を振る。3. オーブンで180℃45分焼く。 ザジキというディップを添えることも多いようですが、これがなくても十分に満足のいく出来栄えとなりました。一応サジキのレシピも書き留めておきます。【材料】ヨーグルト(水切り)・きゅうり(すりおろし)・にんにく・塩・オリーブ油・胡椒・ディル・レモン汁・イタリアンパセリ・ミント 適宜【作り方】1. 全ての材料を混ぜる。 パイ風の料理は面倒でしかもカロリーオーバーになるような気がして敬遠しがちですが、これは是非食べてみたい料理でした。シンプル極まりないフィリングなのに実に満足度の高い一品となりました。こんなにシンプルなのにいかにもギリシャの料理って感じに仕上がるのが不思議ですねえ。
2022/01/27
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ぼくは今でこそ散歩しながら音楽を聴くこともありますが、幼少期から青年期にかけての多感な(?)頃には全くといっても大袈裟ではないほどに音楽とは無縁の生活を送ってきたのでした。それがコンプレックスとなることもなかったし、振り返ってみても音楽に伴う無駄な時間と金銭を投資しなかったことは間違いではなかったと思っています。その代わりに映画に莫大な時間と金銭を費やしてしまったけれど、そのことに必ずしも後悔はしていないません。結局、音楽であろうが映画であろうが、真剣に向き合いさえ出来たならばきっと弄した時間や金銭に代え難いかけがえのない財産として自身の根柢に留まり続け、この先いかなる苦難に見舞われたとて自信を支える礎となるものと思うのです。なんてことは決してないのであって、映画を見るとか音楽を聴くとかいったことはどこまで極めようとも生きる上では無駄で余剰な行為でしかないのでありまして、でもその無駄や余剰を全う出来たならそれが人間としての幅を広げることに繋がることは多少なりとも当たっているような気がするのです。いやそうじゃなきゃさすがに虚し過ぎるじゃないか。ってなことはどうでも良くて、例えば1980年代に活躍したロックバンドのBOØWYのことを好きとか嫌いとか以前にぼくはほとんど知らないわけです。だからどうしたというのか。 居酒屋好きにはすっかりお馴染みとなった「ほていちゃん」ですが、この店名は、BOØWYの布袋寅泰氏から名付けられたというのです。久松秀樹氏が代表取締役を務める株式会社フォートップスは、当初ラーメン店として開業し、「ひむろ」をチェーン展開。また、炉端とおでんの店「きょうすけ」も開店しているようです。ぼくは両方とも知らないのですが、氷室京介氏がBOØWYのボーカルであることは知っていました。久松氏はBOØWYが好きで好きで仕方なかったんでしょうね。もしかすると音楽好きの人というのは映画好きよりはずっと正直で真っ直ぐな性格なのかもしれません。例えば映画ファンなら当然知っている(?)具流八郎という脚本家がいます。いや正確には鈴木清順とその7名の助監督たちからなる脚本家グループで、清順をはじめ木村威夫、大和屋竺、田中陽造、曽根中生、岡田裕、山口清一郎、榛谷泰明の8人からなります。ぼくも映画好きの端くれで具流名義の脚本による『殺しの烙印』を愛してやまぬわけですが、だからといって自分で酒場を出店したとして店名を「せいじゅん」とか「ちゅうせい」とは命名することはないと思うのです。なんてことを店名の由来を知ったとある夜に「ふれあい酒場 ほていちゃん 松戸店」で思いを巡らせたのです。とまあこれだけを書きたいがためにすでに何度か訪れている「ほていちゃん」を再訪したのでありますが、こちらのことお好きな方が多いようですが、ぼくはどういうわけかいつだって消化不良というか不完全燃焼で店を去ることになるのです。どうしてかなあ(写真が見当たらないので以前のものを転用します)。
2022/01/26
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昨年、最も強い感銘を受けた食材はフェタチーズです。このブログでは今年の公開分でその興奮振りをお伝えしているかもしれませんが、フェタチーズこそが2021年のベスト食材だったのでした。今更断るまでもありませんが、フェタチーズはギリシャで古代から食べられている素朴なチーズです。このチーズを用いたギリシャの代表的なサラダ、というか料理としても最高の一品ではなかろうかと個人的には思っているホリアティキ・サラタも昨年の下期にハマって以降何度となく食卓に上っているのでした。ただ難点もありまして、お察しかもしれませんが、お値段が高いのです。いつも価格のことばかり気にするのは気恥ずかしいことではありますが、背に腹は代えられないものなのです。現時点、ネットなどで底値を見てみてもコストコの300g(30g×10個)で858円が底値のようです。実際にはコストコは近くにないので、成城石井の200gで970円の商品を購入しています。デパ地下などで扱っている店もありますが、成城石井での購入が現実的なのです。サラタには200gのものを6等分したものをのせてますから、1回分で160円位となります。こうして書くと格別に贅沢しているとも言えぬのかもしれませんけど、サラタの食材の一つと考えると安くはないお思うのです。だったらまあ騙されたつもりでフェタを自作してみることにしたのでした。 フェタチーズの製法は世界最古のチーズのひとつと言われる―ホメロスの『オデュッセイア』に言及されているようです―こともあって製法そのものは非常にシンプルなようです。本来であれば羊あるいは山羊の乳から作られる訳ですが、日本では入手が困難です。手作りしている人の述べるところを信じるなら牛の乳でもほぼ変わらない風味が出るとのことです。安価に仕上げることが目的なので、当然その言を信じます。まずはフレッシュチーズを作らなければなりません。フレッシュチーズを作るには、乳酸発酵とタンパク質分解酵素による凝乳が本式のようですが、酢やレモン汁を直接加えて酸性化し、加熱により沈殿生成により手早く作ることが可能とのこと。凝乳すると、乳はカードという沈殿物とホエイ(乳清)という液体に分離され、このカードがフレッシュチーズとなります。カッテージチーズ[代替品]【材料】牛乳 1L/レモン汁(または酢) 大さじ3【作り方】1. 鍋に牛乳を入れて60℃に熱する。2. レモン汁を少しずつ入れて混ぜる。3. ザルで濾す。 具体的にはこれだけの作業でチーズはできてしまうのですね。とても慎重に作業しないと失敗しそうだと思い込んでいてこれまで避けてきましたが、実際やってみると何のこともない実に簡単だったのでした。何事も試してみて損はないようです。さて、この段階でも色々な料理に用いることはできるのですが、フェタに近付けるはもう少し作業があります。塩に漬けて熟成させる作業が必要なのでした。といっても作業は以下だけです。フェタチーズ[代替品]【材料】カッテージチーズ[代替品]/塩 適宜【作り方】1. タッパーにカッテージチーズ[代替品]を入れて、被るまで粗塩をまぶす。2. タッパーを冷蔵庫に入れて3日置く。塩を除き、水に浸けて塩抜きする。 ちょいと摘まんでみると、少しホロホロと崩れやすいけれどフェタとほとんど変わらない出来栄えに仕上がっているではないですか。これで心置きなくフェタを使ったレシピを試すことができそうです。手始めにチーズと相性の良さは折り紙付きのナスと合わせて食べてみようと思います。 作ったのは、プシティ・メリジャナというギリシャ料理で、焼ナスにチーズを散らしたサラダのようなものです。【材料】ナス・塩・胡椒・フェタチーズ・ドライオレガノ・レモン汁・オリーブ油 適宜【作り方】1. ナスを黒くなるまで焼く。皮を剥く。皿に盛ってフォークで押さえ平たくする。塩、胡椒、フェタチーズを散らす。オレガノ、レモン汁、オリーブ油をかける。 うん、間違いのない美味しさですね。夏場ならこれときりりと冷えた白ワインなんかがあればそれだけでもう幸福です。色々とアレンジを効きそうですが、ここはギリシャ料理らしくシンプルに頂くのがベターだと思います。
2022/01/25
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近頃、呑み歩く気力が減退し切っています。呑むのはいつだって大歓迎です。しかし、外で呑むのことが御法度になったり早く店が終わったりする状況が続いたことで加齢のせいもありとても酒が弱くなった気がするのです。いやいや、酒量は確かに落ちたけれど、それ以上に感じられるのが二日酔いに弱くなったということです。元来、酒は弱くはないけれど格段に強いということもないから一定程度を呑むときっちり翌日に響いていました。端的には二日酔いで強烈な吐き気に呻き苦しむといったことが頻繁にあったのですが、以前はそれでも平日の日中を凌ぎ切ることは二日酔い状態を耐え忍ぶことはそれ程の苦行ではなかったように思えるのです。でも正直、近頃は二日酔いを乗り切るのがとても困難になってきたように思うのです。知らない土地を歩くのも気候さえよければ幾らだって歩いてみたい気分です。でも歩き回って目ぼしい酒場を見掛けてしまってはせっかく遠くまで足を延ばしたんだから立ち寄らずにいかぬだろうし、呑んでる最中はよもや二日酔いに見舞われるとは思ってもいないのです。この頃、二日酔いの症状を自覚するのは翌日のことなのです。それも寝起きにはまだ自覚しておらず、いざ仕事を始めようと思った頃になってようやく現れ出すのでした。発症が遅いということは回復も遅くなるのが道理でありまして、なんとか勤務時間をやり過ごしても体調は相変わらず不調のままだし、待ち遠しいはずの夜になっても気力が湧き上がらぬのも当然なのでした。つまり、呑み歩くと知らず知らずに呑み過ぎてしまい、二日酔いが翌夕にまで響いてしまい残り少なくなっている外呑みの機会が損なうことになってしまうから無理に遠出して呑むことを避けたいと思ったと自己分析している次第なのです。なかなか思い通りに大人の呑み方をすることができなくなっています。いやまあ呑み方を多少変えてみたところでそれ以上の速度で身体の老化が進行しているようだからいくら改善を試みたところで気持ちを老境に移行できぬ限りは中途半端な改善措置は無駄な足掻きに資かならないのでしょう。 さて、話はガラリと変わってようやく本題です。宮ノ前電停付近には軒数は多くはないけれど、呑み屋さんが点在しています。何度も訪れた町だからもはや収穫などあろうはずもないと思っていて、だからすでにお邪魔していようがいまいが構いはしないという軽い気持ちで「居酒屋 とんぼ」の暖簾をくぐったわけです。待ち受けていたのは見覚えがあるようなないような平凡といえば平凡な、しかし見ようによっては案外趣きのある酒場と見えなくもない内観であります。先客は二人組だけ、妙齢のカップルではありますがその関係を詮索する気にならない程度には枯れておられるのでした。そんなお二人も入れ替わりでお帰りになって―女性客の店に向かったのかもしれません―、店内は静まり返るのでした。でも女将さんとその息子-旦那なのかなあ-は元気いっぱいです。短冊の品書きには中華料理のメニューも少なからず揃っていて、御主人はもともとは中華の料理人だったのかもしれません。ピーマンと肉の炒め物を注文します。出てきたそれは中華料理というよりは家庭的なおかずといった感じの品でした。お通しのきんぴらもそうですが、近頃自宅では諸外国の料理っぽいものばかり食べているからたまにはこういう馴染み深い味わいにむしろ酒が進む気がします。単に塩分控えめとは無縁な酒の肴だからということなのかもしれません。どうってことはないけれど、でも他所のどことも違ったこういう店で呑める楽しみがまだ身近にも残っていたのだなあ。
2022/01/24
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前回、出不精だけれどスーパー巡りは好きというようなことを書きました。今回はしみったれだけど高級スーパーが好きってことを書きます。日常使いのスーパーももちろん悪くないのですが特売品なんかは見ていて興奮すら覚えるけれど、あとは決まりきった食材が陳列されるばかりです。近頃は生鮮食品にも余り旬の味覚だったりの季節感は乏しい感じがしエせいぜい年末年始に紅白幕の陳列がされる程度に季節を感じる程度となりました。調味料も決まりきったものばかりだし、肉も牛豚鶏にせいぜい羊肉がある程度と変化がなさすぎる気がします。それに引き換えると高級スーパーは需要があるのでしょう、日本の普通の店では余り見掛けることのない食材がちょくちょく陳列されていてこれは一体どのようにして調理するのだろうなんて想像するだけでも楽しい気分になるのです。そしてとっておきの楽しみが見切り品のチェックなのであります。やっぱりねえ。ケール、スイスチャードなどの葉物野菜や特に値引きの対象になりやすい。見切り品のコーナーには思いがけぬお宝が紛れ込んでいることもあるからまず最初に覗いてしまいます。多少傷んでいても手持ちレシピのお試しに漬かってみたい程度だから痛んだ部分を切り落として多少量が減っても構わないのです。だからこそ万年Bクラス(Cクラス?)の町、池袋ではありますが、それぞれのデパ地下の八百屋に加えて、オーガニック食材店もあるし、紀伊國屋に北野エース、ザ・ガーデン、成城石井などを一挙にみられるのがとっても楽しいのです。からついつい余計なものまで買ってしまうのです。コロナ禍で需要が減ったのか、近頃めっきり見かけなくなったアーティチョークやセロリアックが見切り品コーナーに並ぶ日が来るのが楽しみです。
2022/01/23
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つい先だって食には拘るけれど食費は渋るといったことを書きました。でも最近、フェタチーズを好んで食べるようになりました。どうして「でも」かというと、このフェタチーズってのが案外入手しにくいこともあるけれど、それ以上に結構高額なのです。といかにもメジャーなチーズのように書いてしまいましたが、案外実際に口にされた方は少ないんじゃなかろうか。ギリシャを代表するチーズで、羊ないしは山羊の乳から作られる世界最古のチーズとも言われているようです。食塩水に浸けて発酵させるそうで見た目には出来損ないの木綿豆腐のようでもあります。欧州委員会がフェタを名乗れるのはギリシャ産に限るとなったことも影響しているのでしょうか、シンプルなチーズながら値段が跳ね上がっているようも感じます。聞くところによるとモッツアレラチーズやカッテージチーズを塩蔵すると似たような風味になるとの情報もありますが、果たしてどうなんでしょうか。モッツァレラなら大分値段も手頃だし簡単なカッテージチーズであれば自家製も可能だから試してみる価値はありそうです。誰かに食べさせて気付かぬようなら試作してみてもいいかもしれません。さすがにヴィーガンのレシピにある豆腐をフェタチーズに見立てるのは敬遠したいところですが、それで満足する人もいる程度には淡泊な味わいなのです。実際昔、何度か食べたことがあるのですが、角切りされたフェタを口に含んでじっくりと味わってみても何だか塩味はそれなりに感じるもののあとはほのかな酸味と旨味が口中に広がるだけでさほど感心することはなかったのでした。でも以下のサイトでギリシャ料理の数々を眺めているうちに無性にフェタチーズが食べたくなったのです。ギリシャのごはんhttps://girisyagohan.blog.jp/ ここで紹介されている料理は大部分が果たしてこれで料理と呼んでもいいものかといっても過言ではないような簡素な調理によるものなのですが、アップされた写真を見ると間違いなく美味しそうなのです。その中でもホリアティキ・サラタと呼ばれるサラダやフェタを焼いたサガナキといった料理に特別な興味を惹かれたのでした。サガナキはもったいなくてまだ試せていませんが、ホリアティキ・サラタはすでにぼくの定番料理となりました。【材料】きゅうり(縦半分/5mm幅薄切り) 2本/ピーマン(5mm幅) 2個/ミニトマト(半切り) 16個/赤玉ねぎ(くし型切り) 1個/黒オリーブ 12個/ケーパー 大さじ1/フェタチーズ(2cm角) 80g/白ワインビネガー 大さじ1/オリーブ油 大さじ2/乾燥バジル 小さじ1/乾燥オレガノ 小さじ2/塩・胡椒 適宜/オリーブ油・パセリ 適宜【作り方】1. ボウルにきゅうり、ピーマン、ミニトマト、赤玉ねぎを入れる。白ワインビネガー、オリーブ油、バジル、オレガノ、塩、胡椒を加えて混ぜる。2. 皿に盛り付けて黒オリーブ、ケーパー、フェタチーズをのせてオリーブ油を振る。パセリを散らす。 野菜はどれも日本でも簡単に手に入るものばかり、というかこの料理は随分以前から知っていたのに馴染みがあり過ぎる食材ばかりで試す気にすらならなかったのでした。でもここにフェタを加えるだけでバラバラだった野菜が混然一体となってもう今晩の食事はこれだけで構わぬという気分にすらさせてくれるのでした。サガナキも試してみたくて仕方がないけれどもったいないからフェイクフェタで試してからにしようかな。
2022/01/22
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池袋で呑むことがすっかり少なくなりました。探せばまだいい酒場もあるんでしょうけど、混み合う町に足を踏み入れる手前の駅中から地上へと突破するだけで気分は滅入ってしまうのです。実際に足を運べば何のこともないことは分かっているのですが、事前に脳内イメージで人いきれにダメージを受ける自分を想像してしまうのです。結果を悪い方に据えて想像を膨らませることは必ずしもネガティブな思考とは思っていないけれど、それも程度問題で度が過ぎると行動を鈍らせる足かせとなりかねません。でもぼくには想像力の歯止めを効かせるブレーキペダルが欠如しているようです。その負の想像力を創作活動に活かすことができればそれなりに需要のある小説なりを執筆もできそうなものですが、想像はあくまでも想像に過ぎずそれを表現する術を持たぬのだから無用の長物でしかないのです。池袋程度の町で杞憂していては行動範囲を狭めるばかりだから余り計画したりせずに思い付きで行動に移す位のフットワークの軽さを是非身に付けたいものです。 久々にS氏とO氏の3人で呑もうということで、行き先を「うな達」に決めたのでした。なんたる不幸なことか、S氏はこれまで2、3度入り損ねているらしいのです。確かに繁盛しているけどぼくは入れなかったことはないんですけどね。時間に余裕のあるS氏が先乗りすることになり6時前にはアタックを掛けたようですが、時すでに遅し、入る余地など少しもなかったのであります。前回お邪魔して随分経っているぼくも必死で駆け付けたものの満席との報告を受けるとすぐに「ずぼら」に向かったのでした。しかしこちらもすでに満席でした。とにかくすぐにも呑みたいとなり、これもダメかなと訪れたのは、「ずぼら」のすぐ側にある「ふくろ 美久仁小路店」でした。あらら、ほとんど空席だし何だかかつての渋い内装がすっかりリニューアルされていますね。せっかくの風情を投げうってしまったから客も逃げたんじゃないの、なんて邪推したけれど、大いに間違いでした。なんたることか2階にも客席ができたんですね。改修前には2階で呑んだことなどなかったんだけどなあ、というかそもそも2階に客席などなかったんじゃないのといった疑問はすぐにどうでも良くなっていそいそと店の方に促されるままに2階席への階段を上がるのでした。遅れてO氏も到着。2階は卓席のみで相当に収容定員があるのにフロアーの担当者が2名だけなので焼酎はボトルで注文します。肴は以前からの定番が揃いますが、種類は減ったような気もします。料理は業務用のエレベーターで下の厨房から送られてくるようです。広々としているので鍋を突っつくお客さんがちらほらおりますが、ああ居酒屋で鍋を食べるなんてしばらくないなあ。この冬の内になんとか鍋で呑みたいなあなんて思うのですが、そうこうせぬうちにまた外で呑めなくなったりするのかなあ。
2022/01/21
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ぼくは買い物が嫌いです。面倒臭がりなものだから着替えることを考えただけでも気分は憂鬱になる程です。まあ出不精ということであればそう珍しい話でもないのですが、案外ネットでの買い物なら好きっていう人は多いみたいです。ぼくはそれすら嫌いで、どうしても必要な物があればさすがに買わざるを得ないからとネットで買い物することもあるけれど、送料なども含めての底値は幾らとかごちゃごちゃした作業をするのは面倒以外の何ものでもないのです。物欲というのも年々減退しているようで、最低限の衣住さえ確保できさえすればまあそれで十分なのです。この最低限というが相対的なものでしかないから安直に他人との比較は難しいけれど、衣住に関しては望外な欲求はない方だという自負があります。ですけど食(と飲)に対しては家呑みではそれなりに拘っている方なのかもしれません。だから食料品などが切れるとやむなく外出することになりますが、なるべく仕事後のついでで済ませるようにしたいと思っているのです。どうしても休みに出ざるを得ない場合には腹を括って複数の店を巡ることになるのです。高級スーパーのお肉だったり刺身だったりを買うことはまずありません。肉や魚介には余りお金をかけることはないけれど、ちょっと変わった野菜には興味があるので複数の野菜を取扱う店をハシゴすることがあります。よく行くのは池袋駅の地下の店で西武百貨店、東武百貨店、ISPなどにある八百屋さんなどで複数の売り場もあったりするから大体7、8軒をまとめて回ることになります。実際に東武の地下ではこれ、西武ではこれと買うものを決めていたりしますが、先日は西武でなかなか見掛けぬサボイキャベツなんかがあったりもして、一度来てしまうと案外楽しんでしまうのです。とある店では立派なリーキを見掛けて手が伸びそうになりましたが800円近い値段を見ると諦めてしまいぼくにとって適正な値段と思えぬ商品は購入を断念することしばしなのです。別な店に行くとやはりリーキがあってここはなんと300円程度の値が付けられていました。これならと生産地を見ると熊本産だったか。さっきのはオランダ産で持ってみると明らかに重量感が全く違っています。オランダ産が見詰まりの点だけでも格段の差があるのでした。といった感じで眺めているといつの間にやら結構な荷物となりひいこら言って帰宅することになり、買い過ぎた野菜の処理にまたも気疲れするのでした。
2022/01/20
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またまた松戸駅で呑みます。ここを地元にする方で酒を呑む人であれば好むと好まざるとに関わらずまず間違いなく訪れることになるであろう魚介酒場があります。ここも緊急事態宣言下では周辺の酒場が一切の躊躇なく店を開けていたので、こちらも恐る恐るの手探りで店を開け閉めしていたことを思い出します。これが思い出で終わればいいのですが、どうもそう思い通りに事態は推移しそうにありません。ところで今思ったのが松戸には案外多様なスタイルの酒場が存在していますが、いわゆるコの字カウンタータイプの酒場は余り思い当たらず基本的に松戸が仮にベッドタウンだとしたら一人でじっくり吞めるコの字の酒場があっても良さそうなものですけどね。まあ、松戸駅周辺にも近頃マンションなども建ち始めたから駅側に住む人も増えてきたとは思いますが、大概はさらに電車やバスを乗り継ぐのでしょうから松戸駅付近の酒場を訪れるのはこの町の勤め人が大部分なのかもしれませんね。 やってきましたのは松戸駅西口駅前すぐのビルの地下、ガールズバーのお隣にある「大衆割烹 大黒 松戸本店」です。店に入るとすぐに店内の熱気がむんむん充満しているのを感じます。ここはいつだって繁盛しているし、どの客も陽気で本当に楽しそうなのです。沈鬱呑みがベースのぼくにはちょっとばかり元気が良すぎるけれどちっとも変わらないのに安堵します。勘定場の台にはいつも揚げ玉のサービスが置かれていて、帰りにはもらっていこうと思うのですが、結局貰い損ねてしまうのです。ここは基本は予約をしないと入店できなくても仕方ないと思っておくのがよろしいようで、ここに来る際は大概常連に連れられてくることになるので、店の方も無理してくれて何とか席を用意してくれるのですが、やはりそうした場合は多少窮屈なのは仕方ありません。肴も豊富で量も多いから家族連れがいても不思議ではないのですが、どうしたものか子供どころか若い人も少なめでおっちゃんおばちゃんがメインなのです。ここの例えば刺し盛は駅の反対のやはり魚介系居酒屋に負けず劣らずですが、こちらの方がよりお値頃だからいつだって混んでるわけです。こちらのお店、開店が16時30分だから開店すぐに入った年配の人たちはすっかりいい気分で声量も大きくなります。だから我々も負けじと大きな声で喋るものだからコロナ禍などどこ吹く風というような活況を呈するのです。ここが賑やかなまま営業できる日がせめてもうしばらくでも続くことを期待します。
2022/01/19
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近頃、ケールを購入する機会がちょくちょくあります。青汁の原料として知られていますが、キャベツ、ブロッコリーなど多くの葉物野菜と同じアブラナ科の野菜になります。同じ科目でも原種に近いらしく栄養は豊富だけれど苦味が強いことで最近になるまで滅多に町の八百屋なんかで見掛けることはありませんでした。実際には江戸時代に日本に伝わっていて明治時代初期から栽培もされていたというから思いがけずも古くから作られている野菜なのですね。近頃の野菜が食べやすさばかりを追求して個性を失いつつある傾向はどんなものかと懸念するけれど、まあ農家も八百屋も商売だから仕方ないのかもしれません。その一方で野菜ソムリエなんて資格らしきものもあるようで、野心的な生産者も増えているようで、従来の販売ルートでは乗せることはできなくても今ではネットなどの直販なりの販路が開拓されているから、マニアック野菜も出回るようになることを期待したいのであります。と話がケールから逸れてしまいました。ケールは苦味が敬遠されることがあるらしいのですが、ぼくには程よい苦味に感じられるから無論もともと好きな野菜ですが、食感の固さが気になることはありました。お馴染みの樋口直哉氏の下記のサラダにも記載がありますが、何のことはない、キャベツ同様に千切りにすればそれなりの固さはありますが、とても食べやすくなります。最近は日本での生産も拡大しているのか高級スーパーなんかで目にする機会も多くなりました。でも高級スーパーを利用することの多そうな高齢者や高級食材嗜好なだけの似非グルメには不人気らしくてよく見切り品となっていて、ぼくにはとても有難いのでした。ぼくは栄養成分についてはそれほど注意を剥けないけれどβ-カロテンをはじめビタミンEなども豊富に含まれるのは健康にも留意するお年頃のぼくにはピッタリの野菜なのでした。今回は徳島県のものが手に入りました。結構なボリュームで399円が100円とは嬉しいですね。 ということで、まずはオーソドックスにケールのサラダを作ります。樋口氏もnoteにて紹介していますが、ぼくも以前から作っているのと大体似たようなレシピですが、相変わらずの懇切丁寧な解説がありますのでリンクを記載しておきます。ケールのサラダhttps://note.com/travelingfoodlab/n/nbd9566365b7e【材料】ケール(葉脈除去/千切り) 1袋/オリーブ油 大さじ2/白ワインビネガー 大さじ1/2/塩 1.5g/レーズン(水で戻す)・パルメジャーノ(代替:白ごま) 適宜【作り方】1. ボウルでパルメジャーノ以外の剤y労を混ぜ合せて皿に盛り、パルメジャーノを散らす。やはり見切り品のクレソンがあったので、合わせて そうそうケールには多くの種類がありますが、大まかには加熱用と生食用とがありますが、実はどっちも生食できるようです。これのせいでケールには毒性があるとぼくも実は思っていたことがあります。どうやら甲状腺の機能を低下させる可能性のあるゴイトロゲンが含まれているそうでこれが悪役になっていたのですね。でもアブラナ科の野菜や大豆製品にも普通に含まれているようですから馬みたいに食べまくらない限りは気にする必要はなさそうです。このレシピでは樋口氏はパルメジャーノがポイントと語られていますが、ぼくにはそれ以上にレーズンがよく合うと思っています。 お次はケールを炒めるレシピです。苦味のある野菜とナッツ類はよく合うので松の実と併せてみました。【材料】ケール(3cm幅) 1束/オリーブ油 大さじ1/にんにく 2片/チキンスープの素 適宜/水 大さじ2/松の実 大さじ2/塩 小さじ1/4/胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱してにんにくを炒める。ケールを加える。チキンスープの素、水を入れる。松の実を加えて、塩、胡椒で調味する。 非常にシンプルなレシピですが、さっと炒めたケールはサラダ以上に苦味が感じられて好みでした。松の実以外のナッツ類でも良さそうです。また、サラダ同様にレモンピールなどの甘味食材を少し足すのも良さそうに思えます。
2022/01/18
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どうもまだ酒場巡りへの意欲が回復し切れておらず、そうこうせぬうちにもオミクロンがじわじわと日本各地に浸透してきているようでこれがアップされる頃には結構な感染者が確認されたという報道が飛び交っているんじゃないかと素人考えを逞しくしているのです。だから酒場放浪記の放映も見所のひとつである常連たちとの会話もないままにお取り寄せとかでお茶を濁しだしたりするんじゃないかと懸念しているのでした。まあ実際には以前のようには番組を楽しめていないことを自覚しているからまあそれはそれで構わないのでありますが、普段の生活圏内にある酒場が放映されることが分かればそこへ出掛ける程度の好奇心はまだ残っていたようです。次なるネックとなるのはそのお店がちょっとばかりお値段の高め(普段行ってる安酒場と比較してといった程度でありますが)なので、できれば太っ腹なお供がいると心強い訳です。それも難なくクリアできたので、さあ勇んで訪れることにしましょうか。 田端駅から徒歩数分にある「家庭料理の店 伽羅」であります。ここら辺のお店は大概回ったつもりなのでこちらにもお邪魔しているものと思い込んでいましたが、メモを確認する限りでは未訪問だったようです。お邪魔している気もするんですけどねえ。まあいずれにせよ覚えていないから未訪問とさして変わらないのでしょう。ということでいそいそと店の戸を開くと後の放送で見ると笑顔を絶やさないという印象のママさんでしたが、訪れた時はご機嫌が悪かったのか放映目当ての客と見切ったのか分かりませんが胡散臭そうな眼付きで我々を見遣るのでした。まあこちとら慣れっこだから気にもせず店内へずかずかと踏み入ります。鰻の寝床のような奥に深い造りのお店で卓席がメインとなっています。内観は特筆すべきことは小奇麗であるという以外には語ることは何もありません。憮然としたママさんに比べてその弟さん(だったかな)は極めて人当たりよく応対してくれます。さて、店の造りには特筆すべき事項はないけれどこちらは酒肴には特筆すべき点があるのでした。品書きを眺める限りはお値段もそこそこするなあといった印象でしたがお値段を遥かに凌駕する室と量で圧倒されることになります。尿酸値を気にする酒呑み泣かせの鰹刺などぶっとい切り身がこれでもかと盛られていて、しかも新鮮で美味しいから酒も進んでますます痛風へのリスクは高まるのでした。メニューには白子、ウニ、あん肝などを盛り合わせた「痛風セット」なんてのもあって尿酸値の気になる年頃としては口福と苦痛との板挟みに悩まされるのです。その他にもつぶ貝のガーリックバター焼(?)などなど魅惑の品がズラリと揃っています。お隣の2人組は馬刺し、ローストビーフ、刺し盛、あん肝などなどをいずれも2人前でオーダーしていてそりゃいかにも頼み過ぎではないのと突っ込みたいところですが、みるみる皿が片付いていくのです。いやはや明らかにぼくよりも年長なのに驚くべきことです。といった訳で食いしん坊で小金持ちの誰かと呑む機会があったら番組視聴者が減った頃にもう一度チャレンジしてみたいと思いたくなるようなお店でありました。
2022/01/17
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御厨氏は寡作ながらも良質のマンガ作品を残したことは間違いありません。でも前回、真の傑作をものすることがなかったような感想を述べてしまったのですが、氏は書痙を患ったことが執筆を断念した理由であることをWikipediaで知り、うっかりしたことを書くものではないなあと反省しました。マンガ家が手指をダメにすることがどれ程に辛いことか、ぼくなどのような者には知る由もないことですが、有名な話ではちばてつや氏が若い頃にカンヅメされた宿屋でふざけて編集者に電気あんました挙句蹴り飛ばされてガラスで右手の腱を何本か切ってしまったというエピソードがあります。その時は幸いにもお隣の東大病院ですぐに治療を受けて無事後遺症もなく完治したとのことです。最近では『機動戦士ガンダム サンダーボルト』の作者、太田垣康男氏が腱鞘炎の悪化により画風を大幅に変えて連載を継続しておられるそうです。現代では紙とペンという往年の執筆媒体からCGなどの活用が当たり前になりつつあるようですが、やはり未だに手指の重要性は変わらぬようです。『イカロスの娘』(全2巻)(小学館, 1982)『ルサルカは還らない 第1,2,5巻』(集英社, 1996,97,98)『闇の伝説』(朝日ソノラマ, 1980)「キャピタル・ジャック」『裂けた旅券』(全7巻)(小学館, 1981-83)
2022/01/16
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「北の里」 神立「大衆食堂 やおせ」 神立「峰来軒」 荒川沖「まるこし」 牛久「力丸」 牛久「たきむら」 牛久「中華料理 将来」 牛久「大ちゃん」 佐貫「きくや」 佐貫「岬食堂」 佐貫
2022/01/15
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御厨さと美氏は、今ではすっかり過去のマンガ家となってしまった感がありますが、改めて読み返してみてやはりマンガ好きにとって見逃せないマンガ家さんであることを再確認できました。航空機などのメカ関係の誠意な描き込みや元気で可愛らしい女のコたち、そして能天気でいい加減だけどいざとなると火事場の活躍を見せるおっさんたち。どこまでもおっさんマンガ好きのロマンを満足させてくれるのでした。しかしいつの間にかマンガ界の表舞台からフェードアウトしてしまったのでした。代表作は『裂けた旅券(パスポート)』や『ノーラ』シリーズということになりそうですが、どちらもとても楽しい作品ではありますが、代表作とするには少し物足りなさが残ることは否めないと思うのです。というかぼくがマンガから距離を置いているうちにどうしたことか姿を消してしまい、『ルサルカは還らない』で復帰したことも最近になって知ったのでした。しかしこれも今となっては20年以上前の作品となっています。御厨氏が再び執筆活動を再開し真の代表作を発表するのを期待するのはちょっと無理があるのかなあ。『イカロスの娘』(全2巻)(小学館, 1982)『惑星ギャラガ』(双葉社, 1984)『ルサルカは還らない 第1,2,5巻』(集英社, 1996,97,98)『裂けた旅券』(全7巻)(小学館, 1981-83)
2022/01/15
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町の変化に振り回された酒場にはどうも依怙贔屓してしまいます。ぼくなんかは安直に当の酒場の方たちは元の酒場を立ち退かされる際には断腸の思い出あって未だに未練を断ち切れぬ人が大多数であったと想像したくなりますが、実際には快適な環境に移行できたことを素直に喜んでおられたりするのかもしれません。古い物件を身勝手に愛するのはむしろ客たちだけだったりすることが多いのかもしれません。南千住にもそんな酒場があります。駅前がすっかり様変わりしてからもう10年以上が経ってしまった訳ですが、残念なことに再開発前の南千住の駅前風景をぼくは全く覚えていないのです。不鮮明ながら記憶しているのは再開発工事も進んで今のロータリーのある場所にプレハブ物件がデンと据えられた頃のことになります。しかしそれが取り壊された今の様子に落ち着いて以降、町は余り様子を変える気配は感じられません。今後、この町は変わらぬ姿を保ち続けることになるのでしょうか。 再開発の際にはプレハブの仮店舗の2階に押し込まれ、今では日の当たらぬマンションの半地下に店を構える「鶯酒場(うぐいす酒場)」にお邪魔しました。ここに映ると聞いた当初は、ここで本当に商売になるのかと懸念しましたが、案外すんなりと馴染んでしまって、今では全く違和感を抱くことはなくなりました。ゆったりした造りのコの字のカウンター席の入口側は回転寿司店のような卓席となっていて、カウンター席がほぼ埋まっていたので、この夜はこちらに通されました。知人と一緒だったため、普段余り食べることのないいか刺しや煮込みなどの写真が記録に残っていますが、正直なところほとんど覚えていないのでした。でもこの夜も変わらず頼んだホイスだけは記憶に鮮明です。名物だからといつも頼んでしまいますが、常連たちは誰もホイスを呑んでいませんね。これを呑む客はここではもしかすると新参者と見做されてしまうのかとふと思うに至るのでした。いつものことですが、居心地がいいのでついつい長っ尻になってしまい呑み過ぎて翌日苦しむことになるのもお決まりとなっています。
2022/01/14
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トピナンブール(菊芋)の料理を紹介できるのも今年はこれが最後になるかもしれません。って、これを見てお試しになられている方がいらっしゃるのか手応えなく無駄情報を垂れ流しているような気もしなくもないのですが、自身の料理メモとしていつか役立つことを信じて書き進めるのであります。ということで、今回は出典なしのオリジナルレシピであります。なんていかにも料理研究家のように振舞ってみましたが、実のところは元となる料理の食材を置き換えただけのもしかすると邪道系レシピなのかもしれません。ちょっと料理が好きな方ならきっとご存じであろうヤンソンの誘惑というスウェーデン料理の食材であるじゃがいもをトピナンブール(菊芋)に置き換えたまでなのです。まあ、ヤンソンの誘惑という料理名で日本で知られているレシピが本場のレシピとは異なっているそうなのです。改めて調べるまでそこいらのスーパーでも簡単に入手できるようになったアンチョビを用いると思い込んでいたのですが、現地では小型のニシン、ヨーロピアンスプラットを加工したスウェーデン製のアンチョビ(ansjovis)を用いるのが本式のようです。また、キャビアの一種から作ったらしいペースト(orokt kaviar)を使うこともあるとか。いつかこれらが入手できればぜひ試してみたいと思うのですが、まあ日本式の食材の味に慣れっこになってるから、案外こっちが好みと思うのかもしれません。さて、どうしてじゃがいもをトピナンブール(菊芋)に置き換えようと考えたか、ですが、答えははっきりしています。この料理は大好きで毎週でも食べたいと思うのですが、材料を見てもらえば一目瞭然でカロリーが実に高いのです。こんなのばかり食べていては太る一方だからなんとか他の材料に置き換えられぬか常々思っていたのです。だから処理次第ではじゃがいもに近い食感の出せるトピナンブール(菊芋)は打ってつけの食材だと思うに至ったわけです。とにかく食べ出すと止まらなくなるのでカロリーカットは重要な課題だったのです。ヤンソンの誘惑(トピナンブール(菊芋)【材料】トピナンブール(菊芋)(マッチ棒程度の千切り) 8個/玉ねぎ(薄切り) 1個/アンチョビ(1cm幅) 10枚/生クリーム 200cc/パン粉 大さじ2/バター・塩・胡椒 適宜【作り方】1. フライパンにバターを熱して玉ねぎ、菊芋を炒める。生クリーム、塩、胡椒を加える。2. バターを塗った耐熱皿に1.を炒れる。アンチョビ、パン粉を散らす。3. オーブンで200℃30分焼く。" 分量はお好きなように加減いただいて結構ですし、生クリームが重いようなら牛乳を多少加えても良いと思います。さて、実食です。うん、若干風味が軽い気もしますが、じゃがいもともまた違ったシャリシャリした触感が楽しいですね。十分に代替として用いることができそうです。じゃがいもと半々の分量で作れば元のものとほとんど区別が付かなくなるんじゃないでしょうか。正直なところポタージュ以外の料理には改良の余地ありという感想でしたが、これはこのままでも十分に自分的には通用しそうです。これで心置きなくヤンソン三昧といきたいところですが、時すでに遅しのシーズンオフとなってしまいそうです。
2022/01/13
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田端にもぼくが知る限りでは1軒、国からの圧力に屈することなく営業を決行し続けた居酒屋があります。ぼくは世間のルールを逸脱するのは苦手な性分なので、ほとんど利用することはなかったのですが、何度か禁を犯しているから営業断行した店や少しも気にせず呑み歩いていた人たちをどうこう批判するつもりはないし、その権利すらすでに失しているのでした。まあ、ここであえて面倒な話はしたくないから話を切り替えます。ぼくがわざわざ途中下車までして禁を犯したのは、これからお邪魔することになる居酒屋のそばにある馴染みの酒場の現況を確認するためでした。もちろんそこは営業していないことは分かっていたのですが、店の方の安否とかが気になったから店内に照明が灯っているのを目にして安堵するということが何度かあったのです。それですんなりと家路を急げば良さそうなものですが、せっかく途中下車したのだからとつい寄り道したくなるのでした。以前1、2度お邪魔したことはありましたが、こういう機会でもなければ再訪することもなかったかもしれません。で、訪れてみたら案外悪くなかったのですね。いつもに増して人通りの少ない町にあってこの店内だけはそれなりに人の気配が感じられるのも悪くなかったのです。 「居酒屋 八天将 東田端店」ですが、先般は西日暮里店に再訪して落胆した旨を欠いたばかりですけど、こちらには概ね気分よく呑むことができました。酒も肴も値段は手頃で味もそこそこちゃんとしてるし量も問題なし。店の方たちも少ない人数なのに手際よくスピーディーかつ丁寧な対応で見ていて気持ちがいいのです。ぼくのここでのお気に入りがホッピーでお通しを摘まみながら、アジフライとメンチカツを待つというコースです。この揚げ物の値段がお得ということもありますが、味もいいし、何より自宅で揚げ物をしないので揚げ物に飢えていたということもあります。ゆったりと読書をしながらホッピーを呑むというのもしみったれた感じがありますが、ちょっとファミレスっぽさもあるこちらであれば気がねもありません。でもこのファミレスっぽさが客たちの気の緩みを助長することもあって、ぼくは居酒屋に客として子供を入れることに関しては不寛容な考えの持ち主であります。最大の理由は子供って周囲のテンションに影響を受けやすいらしく大人たちが酔って気勢が上がってくるとそれに応じるように騒ぎ出すことが多いように思います。これがまあ自分たちの客席で完結するならまだしも店内を走り回ったりしだしたらそれこそもう落ち着いて呑めやしないのです。で実際にそういうことがあったから、ぜひ善処を期待したい。それか子供をあくまで店に入れるのであれば居酒屋の看板を下げて欲しいとすら思うのでした。
2022/01/12
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トルコ料理のレシピを眺めているとその食材に時折ザクロシロップというのが登場します。業務用の食材を販売する肉のハナマサでは、1年ほど前からざくろ酢なるものが販売されています。これを使えばいいんじゃね、なんて軽く考えました。この商品については、以下のサイトに詳細なレポートがありますね。へっぽっこ 野良ネコぐれん隊!(仮) 目指せ!ノンフィクションなライター!「ざくろ酢 @ ハナマサ」https://blog.goo.ne.jp/koolgang/e/58a68d6df5d3a4da2a899556a02cc314 これを見るとりんご、パイナップルなどの他の果実や加糖などの添加物もいろいろと使われていますね。カクテルの材料などに使われるグレナデンシロップというのがあるらしく、Wikipediaにも載っていますね。ウィキペディア(Wikipedia)https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AC%E3%83%8A%E3%83%87%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%97 ということでグレナデンシロップを調べても見たのですが、大概の商品はやはり砂糖だったり少なからずの添加がされているようです。でも本場では、純粋にザクロ果汁を濃縮させた商品があるみたいです。MiSTANBULのルンルン♪トルコ日記https://ameblo.jp/mistanbul/entry-12293831047.html なるほど、ナルエキシシとうのが現地での名称らしいですね。でもカタカナで検索してもなかなか思ったような検索結果が帰ってきません。いっそのこと成城石井なんかで入手可能な100%のザクロジュースを煮詰めてしまおうかと思ったりもしました。さすがに生のザクロを絞って一から自作するのは避けたい。ザクロの処理って恐ろしく手間が掛かるしその鮮やかな色素は服などに付いたらしっかり染まってしまうという経験をかつてしたことがあります。 とまああれこれと苦労した結果、ようやく純粋なザクロ果汁のみの商品を手に入れたのでありました。【在庫限りで販売終了】Kemal Kukrer ケマルキュクレル 無添加 100%ザクロソース 250ml トルコ産 ザクロ濃縮液 ざくろソース ザクロエキス Nar eksisi Pomegranate Sour 楽天市場でも取り扱いがあるようです。到着後、すぐさま2種のレシピを作ることにしました。まずはシンプル過ぎて本当に美味しいのか不安を感じていたサラダです。以下のサイトを参考にさせていただきました。トルコ~スパイシーライフ♪「スベリヒユ(セミズオトゥ)」https://yokocan21.exblog.jp/13924907/【材料】トマト(角切り)・きゅうり(角切り)・青唐辛子(小口切り)・青ねぎ(小口切り)・イタリアンパセリ・ミント・スベリヒユ/【ドレッシング】ザクロシロップ・スマック・塩【作り方】1. 全ての材料を皿に盛って【ドレッシング】の材料をかける。 スベリヒユは、日本でもどこででも自生している植物だそうですが、植物の知識が全くといっていいほどにないからあきらめることにしました。ミントも節約して乾燥したものを用いました。でもこれが実に旨いのですね。トマト、きゅうりに青唐辛子はインドのカチュンバルと似たような組合せですが、ミントの爽やかさにザクロシロップのほのかな甘みと酸味、スマックのピリリとした酸味の組合せが実にしっくりときて絶妙なのです。途中、オリーブ油を足してみましたが、このサラダの場合、オイルなしでも十分だと思えました。 続いては、イランの料理、フェセンジュンであります。こちらはネットで調べると案外たくさんレシピが乗っています。以下の材料や作り方はそれらのいいとこどりしたものになります。【材料】鶏肉(ターメリックをまぶす) 2枚/ターメリック 小さじ1/4/油 大さじ2/玉ねぎ(みじん切り) 1/2個/水 2カップ/くるみ(水を加えてミルにかける) 50g/ザクロシロップ 大さじ2/砂糖 大さじ1/塩・シナモンパウダー 適宜【作り方】1. 鍋に油を熱して鶏肉を焼き取り出す。玉ねぎを炒める。水を入れて沸騰したらくるみ、鶏肉を加えて蓋をし、弱火で煮込む。ザクロシロップ、砂糖、塩、シナモンパウダーを加える。 サフランなどで風味を付けたライスを添えて食べることが多いようですがおなかいっぱいになりそうなので今回はやめておきました。基本的にはくるみとザクロにほんのりシナモンが香るという味付けなのですが、これも日本人の感覚ではとても肉と合わせるソースとは思えないのですし、実際にこれまで食べたことのない味だったわけですが、これが癖になる風味だったのです。甘くて嫌いということを書かれている人もいたから、もしかすると好き嫌いが明確に分かれる料理かもしれません。この料理を作るためにザクロシロップを買うのは、それなりの冒険なんだろうなあ。
2022/01/11
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久し振りの新松戸ですが、気分が盛り上がるなんてことはちっともありませんねえ。それよりか新型コロナの蔓延によってこの2年近くほぼ引き籠りに近い生活を送っていた獣医師の隠居じいさんと合ったということの方がずっと気持ちが上がりました。町は通い慣れると飽きてしまい間をそれなりの期間置いた程度では興奮するには至りませんが、人はむしろ親しく付き合った相手の方が2年振りとかで会うと感慨深く感じられるものです。町の寿命が人よりもずっと長いから変化の振れ幅が小さくて単調に感じられるのでしょうか。まあ、それはともかくとしてごくたまの買い出し以外は外出する機会もほとんどなく他人との接触もほとんどないというその隠居獣医師は、外観からすでに大いに変化を被っていたのでした。その変化は髪型に如実でした。というのが床屋に全くいかずに過ごしたから髪の毛は伸び放題に伸びてしまっていたのです。数年前から少なからず薄毛の傾向があったから見た目にはミッキー・カーチスのような風貌になっていたのでした。思ったより似合ってはいるけれど、前の控えめな感じの方が好きだったかな。とか新松戸駅前で落ち合って酒場まで向かう最中にあっさりとこの2年間の互いの経過報告は終えてしまったのでした。 辿り着いたのは「居酒屋 ここ憩」です。前回新松戸に来たのはいつだったかすっかり忘れてしまいましたが、前からこのお店あったかなあ。店名は「ここいこ」って読むんでしょうかね。シャレを効かせたつもりのように思われますが、どうも半端な印象です。でもまあ店名っていうのは客が思っている以上に思い入れが籠っている場合と案外いい加減に付けている場合があるらしいけど、こちらをいずれに当たるのかを邪推するのは止すことにします。さて、店内はカウンター席だけだったかなあ、もしかすると奥に小上がりもあったかもしれませんが、いずれにせよ手狭なお店でした。このキャパで若い方2名でやるのは売上的に大丈夫なのかなあ。と思ったらきっちり殻をむいた小エビの唐揚げだったり、なめろうだったりと手間の掛かる料理を出してくれるからそりゃまあ人手は必要なはずです。でもお値段も手頃だからさらに彼らの稼ぎは大丈夫なのかと杞憂してしまうのであります。失礼ながらさほど期待はしていませんでしたが、思っていた以上に素敵なお店ですねえ。と書きながらも肴よりも2年のブランクをちっとも感じさせぬほどにお喋りが弾んでしまい、酒は進むもののうっかり肴を摘まむのが疎かになってしまいました。次回はちゃんともっと色々な肴は味わいたいと思いました。さて、隠居獣医さんと次に会う時にはこのゴムで束ねた長い後ろ髪はなくなっているのでしょうか。
2022/01/10
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この記事を書いている12月中旬現在、まだトピナンブール(菊芋)を入手できました。そろそろ旬の時期が終わりを告げる時期だそうです。けしてこれが食べ収めだからというわけでもなく、これで作ったポタージュの旨さにすっかりやられてしまったから、食べられるうちに他の色んな食べ方も試しておきたいと思ったのでした。でも案外調理方法にヴァリエーションがないみたいで、触手の伸びるレシピはほとんど見当たりませんでした。でもしつこく検索を続けるとあるもんですねえ。というかgoogleなどの検索エンジンで調べてみると別に前回の検索したタイミングとのタイムラグがあったわけでもないのに、以前とは違った検索結果が表示される場合があるから粘り強く検索しているとその熱意に検索ロボットもほだされてくれてるようで何だかちょっと嬉しくなったりするのでした。それはともあれ、今回は以下のサイトのレシピを代替忠実に再現してみました。ワインノート「赤ワインに合う鶏肉と菊芋、ポルチーニ茸のクリームソースのレシピ」https://winenote.biz/786/【材料】鶏もも肉(一口大/塩、胡椒する) 1枚/菊芋(薄切り) 50g/マッシュルーム(薄切り) 5個/乾燥ポルチーニ(水で戻す/みじん切り) 15g/白ワイン 大さじ2/生クリーム 大さじ3/バター 20g/イタリアンパセリ・塩・胡椒・オリーブ油 適宜【作り方】1. フライパンにオリーブ油を熱して鶏肉を炒めて取り出す。2. フライパンにバターを熱して菊芋、ポルチーニ、マッシュルームを炒める。白ワインを加える。生クリーム、ポルチーニの戻し汁を加える。鶏肉を戻して蓋をして煮詰める。塩、胡椒で調味する。3. 皿に盛ってイタリアンパセリをふる。 オリジナルレシピとの相違点は以下になります。鶏もも肉は使用せずに、たまたま冷蔵庫に皮なしの鶏胸肉を低温調理したのがあったのでそちらを使いました。ポルチーニを炒める際に白ワインにプラスしてブランデーも加えてフランベしました。マッシュルームがなかったので、彩りを多少なりとも華やかにするためにほうれん草のソテーを添えました。食事中に慌ただしく調理に立ちたくないので、事前に調理を済ませて最終的にオーブンで火を通すようにしました。 で食べてみたのですが,ポルチーニとクリームの相性の良さは今更にぼくが語るまでもない訳で、トピナンブール(菊芋)に関係なく美味しく頂けました。トピナンブール(菊芋)は他の食材に旨味などが波及する類の材料ではありませんから、それ自体とソースの絡みを楽しむことになります。仕上がりは思ったよりは味が乗ってこなくてもうちょいしっかりと火を通した方がよかったようです。それとポルチーニとレンコンのような食感とゴボウのような風味をもつトピナンブール(菊芋)は相性がいいはずなので、もう少しソースの濃度を付けて味付けも強めにするのが正解だったかなあ。まあ、もう少しこのレシピも改良の余地がありそうです。
2022/01/09
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「居酒屋 つむぎ」 赤塚「夜桜」 内原「丸味食堂」 羽鳥「かまたや」 羽鳥「手打 二八そば」 羽鳥「灯」 羽鳥「春美食堂」 羽鳥「おけいちゃん」 石岡「焼鳥 たまり」 石岡「とみちゃん」 神立
2022/01/08
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世の中にゆかり好きは少なくないようです。よそ様の酒場ブログなんかをぼんやり眺めているとゆかり愛を熱く語って見せたり、さり気なく持ち歩き用のゆかりグッズ―ペンスタイルの携帯容器など―をさり気なさを装った見せびらかしで披露している人などもいたりして、それはそれでまあ微笑ましい感じもするのです。でもマニアを自負する人たちってのは大変だろうなあ。というのが、ゆかりといえば広島の三島食品ということになりますが、公式のHP(https://mishimashop.jp/shop/)を見ると実に様々な商品がラインナップされていて、それをいちいち購入したりしているんでしょうか。ぼくなどは、青菜ごはん用のひろしを買っても美味しいけれどあまりに呆気なく一袋が空くから二度目はなかったし、瀬戸風味は近頃は袋入りを見掛けることがめっきり減ってしまいあったとしても瓶入りで不経済だからやはり購入することはめっきりなくなりました。オリジナルギフトFURIKAKEなんてなかなか気が利いていると思うけれど、まあ買うことはないでしょう。というのもぼくが好きなのはやはりゆかりだけで、オリジナルをはじめ減塩だったりグルタミン酸ソーダ無添加のものなどどれも好きなのでありました。でも梅入りとか青菜入りとかは試したことはあるけれど、どうも気に入らなくて味を混ぜるなら自分で好きな具合に混ぜたいのです。ところで、大概の人たちはゆかりをどのように食べているのでしょうか。基本の食べ方はふりかけとしてごはんに掛けたりお握りにしたりということになるでしょう。でもそれだけではもったいない。好きな方はご理解いただけると思いますが、冷奴や漬物、サラダに卵焼き、野菜炒めなどなど、もとにかく何にだって合うのがゆかりの汎用性の高さであります。この酸味を好むのは日本人ばかりでなく、中東の人たちも同様らしくて向こうではスマックというそっくりな食材があります。スマックっていうのはシソではなくてスンマーク・シバーガインなる木になる果実を乾燥させて粉状にしたものでありまして、確かに食べてみるとゆかりとよく似ているのです。中東料理のレシピを見ているとよくスマックの代替品としてゆかりが挙げられています。ぼくの味覚が感じるところではスマックの方がゆかりよりも少し酸味が強い気がします。現在ではスマックもネット通販なんかで手に入るけれど、中東料理を作る方はケチってゆかりを使わぬようにしてもらいたい。そう困難もなく入手できるなら本物の方が気分が盛り上がりますからね。似たような食材にインド料理なんかによく登場するタマリンドを梅干しで代替するというものがありますが、これはかなり違いがあるからやはり本物がいいのです。もっと書きたいことがありましたが、長くなったのでここまでにします。スマック sumac 50g スンマーク シバーガイン 【 あっ、行きたい酒場は以下からです。
2022/01/08
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松戸にはそう愛着があるわけでもないのですが、色々な因縁があってなかなか縁の切れ目が見出せていません。なので松戸の酒場が面白みがないなどとぼやいてみてもどうしても結局は松戸の町で呑み続けることになるのでありまして、だったらとても好きになれそうもない新店舗-それ自体がそもそも少ないのですが-に無理矢理行くのもどうなんだろうなあという発想にようやく至ったのです。これまで行ったことがないからって、わざわざ未訪店を踏破することに執着しすぎると店舗ごとにさほど差異のあるとは思えぬチェーン店をせっせと巡るということにもなりかねないから、そこに労力を割くのはいかにも虚しい気がするのです。 せっかくなら好みの酒場に行くことにしよう。必ずしも旨い訳でもないし、安くさえなくとも、雰囲気が良ければそれだけで表で呑む楽しさを堪能できるのです。単に旨くて安いのがいいならテイクアウトで自宅で呑めばいいだけのことです。なんて気取ってみせるけど、家じゃあおちおち呑んでられないからやむなく外で呑む人もすくなくないのだろうなあ。それはともかくとしてこの夜は松戸では数少ないガード下気分を多少は味わえる酒場「酒処 立花」にお邪魔しました。ガード下と書きましたが、実際には駅に隣接直結の古いビルの1階に軒を連ねる飲食店の一軒でありまして、でもこの酒場を通り過ぎるだけでもどうしたものかガード下酒場であるかのような錯覚を覚えるのです。このビル自体が老朽化も目立っていてこの先そうそう長くはもたないんじゃないかなあ。でもまあそれも下衆の勘繰りでしかないのかもしれません。カウンター席が5つ,卓席2つ程度のこぢんまりした空間がアクリル板でさらに仕切られているのはどうも落ち着かぬけれど、こういうご時世だから致し方ないでしょう。初老のご夫婦でやっておられますが、卓席に通されたわれわれのオーダーがマスクやらアクリル板やらに遮られて聞き間違いが多発するのもいいコミュニケーションになります。焼鳥はTCBNの4つの選択肢があったりするのですが、ほとんどオチにもならぬのが滑稽ですが、ここの焼鳥はちゃんと普通に美味しいのです。焼き魚もししゃもにこまいなど呑兵衛好みのものがいつだって摘まめるのが楽しいのです。どうということのないお店かもしれませんが、これからこういうのがどんどんどうということのあるお店に変わるとすると酒場巡りなどもう先の短い遊びになるかもしれないですね。
2022/01/07
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アメリカ映画における西部劇というジャンルが衰退の一途を辿っているとよく言われます。実際その通りではありますが、それでも思い出したかのように製作されるのは僅かながらも熱烈なファンがいるからなんでしょうね。ところが意外なことに日本では数はそう多くはないけれど、ほとんど途切れることなく西部劇が発表されているみたいなんですね。それも映画からマンガという媒体に舞台を移して脈々と描き継がれているのです。思い付くだけでも、手塚治虫には『サボテン君』や『レモン・キッド』,日本の児童漫画で初のキスシーンを描いた『拳銃天使』がありますね。藤子不二雄にも足塚不二雄名義で『西部のどこかで』がありますし(『まんが道』に再録されたものを読んでいるだけですが)、その後には藤子・F・不二雄『ドラえもん のび太の宇宙開拓史』も藤本弘氏の西部劇趣味を反映した作品でした。そして松本零士の代表的なキャラクターであるトチローとハーロックの活躍を描く『ガンフロンティア』がありました。最近では村枝賢一『RED』もありましたし、秋本治『BLACK TIGER』、栗山ミヅキ『保安官エヴァンスの嘘 DEAD OR LOVE』なども連載中となっています。現在の若い読者たちは恐らく西部劇を映画どころかテレビ映画でも接したことのない世代だと思うのですが、そういう若い人たちが西部劇の教養もなしに楽しめていることがちょっと不思議に思えるのでした。一方作者の側に立ってみると日本のマンガ家の少なくない人たちは、西部劇に強い愛着があるようです。そんな一人が川崎のぼる氏でありまして、山川惣治氏が『おもしろブック』に連載した『荒野の少年』を原作として『荒野の少年イサム』を描きました。西部劇の大ファンというだけあって、原作に大幅に肉付けしており上記の作品群以上に本格的な西部劇マンガとなっています。でもまあ本格的である分、今読むと少なからず古びた印象は否めませんが、日本の西部劇マンガを語る上で(語る機会などそうはなさそうですが)外すことのできない作品であることは今でも変わりません。『いなかっぺ大将』(全5巻)(にちぶん文庫)『フットボールの鷹 第3巻』(ベースボール・マガジン社, 1989)『巨人の星』(原作:梶原一騎)(全11巻)(講談社, 1990)『新巨人の星』(原作:梶原一騎)(全6巻)(講談社, 1990)
2022/01/06
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松戸駅周辺の酒場は、コロナの酒類提供自粛に関してとてもルーズでしたが、北松戸駅周辺の酒場のほとんどは非常に真面目な対応をしてきたように思えます。まだまだこの先もどうなることか分からないけれど、現在までの対応は概ね以上が中らずと雖も遠からずと決算できるのではないでしょうか。でもそんな北松戸の酒場でも営業の継続か自粛するかで揺れる判断をし続けた居酒屋があります。本当なら営業するのは問題ありなんでしょうが、必死になって抵抗と妥協の狭間で揺れ続けたお店の苦悩と努力に対しては相応の態度で接するべきと思っています。なんて偉そうでありますが、こちらは自粛要請の期間も営業してみたり、時短にしてみたり、酒抜きの営業、弁当のみの営業にしてみたりと手探りの対応を続けてこられました。検温と手指消毒の徹底に努め、アクリル板による唾液拡散の防止策を導入したりと今では当たり前になることをいち早く始めたという点でも見上げた努力をしてこられたとぼくは評価しています。自粛期間中にここの赤い看板照明が灯っていたことでどれほど気持ちが軽くなったことか。 そのお店とは、「た古八」であります。北松戸駅の西側の階段を下りてすぐにあるから車窓からご覧になられた方もいらっしゃるかもしれません。入口は線路側にもあるけれど、裏の入口から入ると店主ともあいさつを交わせるから初訪時にそれがいいかもしれません。こちらにはそう頻繁に通うことはなかったものの手っ取り早く呑みたい時には重宝しました。オオバコだからそれなりの人数にも対応してもらえますし。ただまあこんなご時世だから以前よりも一人客が増えたようです。この2年位でこちらで晩酌するのが習慣化した地元の方も少なくないようです。そうなんですね、いい具合にほっぽらかしてくれるのが心地よいのです。特筆すべきは店の方たちがとても気持ちの良い応対をしてくれることです。若い人もみな笑顔で接してくれます。さて、ここでは思い切って焼酎のボトルをもらってしまうのがお得です。いやまあボトルがお得なのはここに限ったことではないけれど、水や氷が無料というのがいいですね。セコいけどこれでいいのです。肴は日替わりもあるけれど基本的には定番ばかりです。でも焼鳥って、極論すれば鶏肉を切って串に刺して塩かタレを付けて焼くだけなんですけど、これが美味しいのですね。お通しに小鉢とサービスですと言ってお新香を添えてくれるのも嬉しいですね。まあお新香もお通し代に含まれるだけなんでしょうけど。どうってことのない居酒屋で帰宅前にリラックスできることの幸せをしみじみ感じる日々でした。って最近ちょっと足が遠のいてますけど。
2022/01/05
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前回、川崎氏の絵について緻密であることを強調したけれど、実は荒々しく大胆な太線も効果的に用いていることを今になってようやくにして知るに至ったのです。スポ根、野球、巨人軍などのキーワードに嫌悪を感じてこれまで真剣に『巨人の星』と向き合ってこなかったことについ最近になって知ることとなったのです。何が凄いって実験的かつ美的な表現は、斬新で画期的でご覧になっていない方は好き嫌いなどという偏見は脇に置いてだまされたと思ってぜひ実作に当たっていただきたいと思うのです。これは余り認めたくないところではありますが、梶原一騎の原作には、マンガ家の作風や筆遣いにまで影響を及ぼすことは認めざるを得ないのかもしれません。それは『あしたのジョー』のちばてつやにも当たるところですが、川崎氏には豪快で大胆な太い描線と繊細で緻密な細い描線が同居する独特な絵として結実することになったのかもしれません。『いなかっぺ大将』(全5巻)(にちぶん文庫)『巨人の星』(原作:梶原一騎)(全11巻)(講談社, 1990)『新巨人の星』(原作:梶原一騎)(全6巻)(講談社, 1990)
2022/01/04
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次から次へと店子の入れ替わりが発生する店舗というのがあります。これがどうにも不可解なのです。この夜お邪魔したのも北松戸にあるそんな店舗の一軒でコロナ禍の隙間を縫ってオープンするはずだったのが延期延期で先頃ようやく開店にこぎ着けたようなのです。ここは取り敢えず置いておいて、もう一軒、駅西口の競輪場の少し先に1階部に各種店舗が5軒程度並ぶ集合住宅がありまして、雀荘、居酒屋、食堂兼居酒屋、そして先日閉業してしまったらしい立ち食いそば店(ただし椅子ありでした。コロナ禍中に店内にアルコール提供自粛の貼り紙があって酒が呑めることを知ったぼくは、自粛明けに必ずやお邪魔すると心に決めていたのでした、無念)、そしてもう一軒が中国人経営者による現地風中華料理店があるのでした。記憶にあるだけでもすでに4回は入れ替わっているような気がします。それ以前はどうだったかリサーチしてはいませんが、最初に知ったお店の主人はとても人当たりが良くて通り掛かると笑顔で挨拶をしてくれたりもして、そのうちに駅の向こう側にも支店を出したからとても頑張っていて好感が持てたものです。でもその後の店舗はそれなりに気合を入れてリフォームしていたのにそんなに商売熱心な感じもなく気が付くと次に入れ替わってしまっていました。そして、現在の主人はコロナ禍真っ只中の半年以上前から自らの手でリフォームを行っていてやる気がありそうに思えましたが、とにかく歩道で煙草を吸ったりとマナーが悪くて、最近営業を始めたのですが未だに客の姿を見たことはないのです。それでも少しも慌てず騒がずで奥さんらしき人とのんびり過ごしているのです。どういうつもりなんだろう。本業は別にあって、こちらは就労ビザか何かを得るための隠れ蓑としているのでしょうか。全くもって不可解だしこの集合住宅の住民も不安に思うんじゃないか。 とまあ根拠のない想像や知り合ってもいない人の人柄をあれこれ囁くのも品性下劣とそしられかねぬ。でももう一か所やはり不可解な位に店子の入れ替わりが頻繁に生じている物件があるのです。駅東口からすぐの路地にその物件はあるのですが、こちらはこれまでも何度か入れ替わりがあってもはや今回が何度目か思い出すことも困難です。しかもこちらはチェーン店にはうってつけのキャパと立地だからちゃんとしていさえすれば長く続けられそうに思えるのですが、そういや余りお客さんで埋まっていることはなかったように思えるのです。だとすれば駅近だから必ずしも良くないのではなかと意見もあろうけれど、そんなことはなくてお向かいのやはりチェーン店にはいつもそこそこにお客さんが入っているのだから立地はやはり良いようです。今回入ったのは「ちょうちん 北松戸店」です。こちらは南柏の総本店から派生した支店らしいのですが、運営母体のRafe株式会社はこの2店を含め7店舗を構えているようだから、それなりの勝算をもってチェーン展開したはずなのです。でも50人以上は入りそうな広さがあるのに一人として客がいないのはどうしたことか。ここで引き返すのが穏当な判断であるけれど、この夜のぼくは果敢に攻めの気分だったのです。肴も珍しく刺し盛なんかも注文して太っ腹なところを披露出来ています。ところが、ホッピーのナカの量がワンフィンガー以下で呑んでも呑んでも酒を呑んでる気になれないのだから虚しい。肴がたっぷり残っているから傷口を広げるばかりなのは分かっていてもしつこいくらいにナカを追加する羽目になったのです。店のホール担当の方は何事も面倒くさそうだったし、遅れて姿を見せたお兄さんはわずかの時間に煙草を吸いに行っていたし、それを見ても年長の男性は何も言えないみたいだし、なんだか困ったものです。魚介はけして悪くないのですが、まあ再訪する理由が見当たりません。現在の様子を見に行きたい気もするけれどそれも面倒でしかない。というわけで何故か分からぬけれど客が寄り付かない物件であることに加えて、色々と改善を期待したい点もあるのでこの先どうなることやら。案外立て直して大いに繁盛しているなんてことがあればいいのですが。
2022/01/03
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川崎のぼる氏のマンガ作品などを一望できる展示会「汗と涙と笑いと展」が三鷹市美術ギャラリーで開催されるなど、近年になって川崎氏の再評価の機運が高まっているように感じられます。かく言うぼくはどうかというと、正直ずっと川崎氏のマンガが苦手だったのです。いくつかの代表作をもっておられますが、やはり最も認知度が高いのは『巨人の星』に尽きると思われます。この作品がどうにも子供の頃のぼくにとっては拒否反応の対象であったのですね。理由は様々思い当たるのですが、スポ根物であることや重苦しいストーリーなどを抜きにしても川崎氏の描くところのキャラクターがどうにも耐えられなかったのです。それは『いなかっぺ大将』も同様です。劇画タッチと児童マンガタッチが同居したかのような曖昧なキャラクターの造型がどうにも耐え難かったのだと思います。今ではそうした自身の好き嫌い抜きにマンガを読めるようになって、これでようやく幅広いマンガを楽しめる基盤づくりができたと思っています。そうこうしてようやくのことで川崎氏のマンガを読もうと思い立ってじっくりと目を通して遅まきながら驚愕するに至ったのです。何に驚いたかって、特に描写の密度がとんでもなく濃密であることです。スポ根マンガというのは、それだけで拒絶反応を起こされてしまうので多分に思い込みもあったのですが、キャラクターが紙面の大部分を埋め尽くしていて背景だったりはないがしろにされていると思っていたのです。ところが川崎氏の紙面はとんでもなく精緻で執拗なまでの描き込みがなされていて、代表作の『巨人の星』と『いなかっぺ大将』の同時連載時に崩さなかったのは驚嘆のタメ息が思わず漏れ出るのを抑えられないのです。『荒野の少年イサム』(原作:山川惣治)(全12巻)(集英社, 1976-77)『巨人の星』(原作:梶原一騎)(全11巻)(講談社, 1990)『新巨人の星』(原作:梶原一騎)(全6巻)(講談社, 1990)
2022/01/02
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島旅をしたいと思ったけれど、日本に島は多過ぎる。闇雲に当たってもこれという島を見つけ出すのは無理そうだから、思案の挙句、人口の多い島を当たってみることにしました。ただ前回書いたように、余りにも大きな島だととても回り切れず酒場巡りどころではなくなりそうだから程よいサイズの島としたい。まあ、実際には酒場のあるような集落は島のごく一部に限られることが多いでしょうし、恐らくその集落には連絡船の発着場だったり宿泊施設も集中しているのでしょうから広さは余り気にしなくてもいいかもしれません。でもまあ、広くのっぺりした島よりは歩き回れる程度の島の方が良さそうです。島の酒場が朝からやってるとは思えぬし、昼間っからだらしなく酒など呑んでいても怪しまれるばかりです。といったことで、人口5千人以上で100平方㎞以下の離島をピックアップしてみました。彦島(山口)、因島(広島)、向島(広島)、倉橋島(広島)、沖永良部島(鹿児島)、大矢野島(熊本)、生口島(広島)、長島(鹿児島)、久米島(沖縄)、伊豆大島(東京)、大崎上島(広島)、八丈島(東京)、喜界島(鹿児島)、伊予大島(愛媛)、伯方島(愛媛)、大三島(愛媛)、生月島(長崎)、伊良部島(沖縄)、与論島(鹿児島)、大島(長崎) あまり欲張っても仕方ないからとりあえずはこれらの島の飲食店の分布状況を見てみることにしよう。と、まずは山口県の彦島。おお、食堂が中心だけど結構あるじゃないですか。いいじゃん,これだけあれば数日は過ごせそうな気がするぞ。続いては因島。こちらもありますねえ。こちらも数日滞在しても間がもたなくなることはなさそうだ。と書きつつも飲食店に目を奪われてしまい盲目になってしまったようです。何を言いたいのか。ズームアウトして眺めると彦島など本州とほぼ地続きみたいなもので、せいぜい川が過っているようなものじゃないか。これじゃさすがに島気分に浸れそうもないですね。因島にしたって尾道から向島を経由してほぼ歩いて渡れそうですしね。瀬戸内の島を渡り歩くというのもいつかやってみたいとは思っていたけれど、島の情緒というのはあまり感じられそうもなさそうです。さて、どうしたものか。って年明け初っ端の投稿がなんとも締まりのない内容になってしまいました。
2022/01/01
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