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年に1回くらい届く謎の振込用紙。 タウンページから切り抜いた当院の広告が「見本欄」に貼ってあります。 「株式会社 日本電話広告」からで、請求額はなんと262600円!という超高額です。 よく読むと、 『裏面に参考貼付(同封)しましたのは日本電信電話(株)本年発行の電話番号広告簿に掲載されている御社の広告ですが、今年度は当社発行の全国官公庁電話広告枠(地域版)にぜひお申し込みをお願いいたします。』 中略 『又、この郵便物は当社発行の全国官公庁電話広告枠(地域版)の広告申込案内ですので、日本電信電話(株)発行の職業別電話帳と混同なさらぬ様お願いします。 尚、印刷後はご解約に応じられませんのでご容赦ください。』 と書いてあります。 NTTのタウンページの広告とは何の関係も無いことが明示されていますが、それならこのような紛らわしい切抜きを貼り付ける必要は全く無いわけで、要は「錯誤」を利用したやや悪質で振り込み詐欺に近いビジネスのようです。皆様も十分に注意してくださいね。
2012.01.26
さてJSCRSウインターセミナー最後の第5部は、「IOL(眼内レンズ)最新情報」でした。 この中では、度数計算装置ではドイツのカールツァイス社のIOLマスターがやはり測定率が一番高いこと、日本のトーメー社のOA-1000(当院で稼働中)は測定率ではIOLマスターに僅かに及ばないこと、また前房深度の測定方法が他社のマシンと異なるので第4世代の計算式(HaigisやHoliday2)を使うときには注意が必要なことなどが説明されました。 レンズの度数計算には多くの式があるわけですが、眼軸長22.5~26.0ミリの通常症例では結局普遍的なSRK/T式で良いとのことでした。(ただ私の開業している地域では眼軸22.0ミリ以下の短眼軸の方がザラにいるのですが、、、、) また、短眼軸や標準眼軸の方は正視を希望することが多いが、24.5ミリ以上の長眼軸の方は約半数が近視を希望するので注意が必要、との指摘がありました。とにかく手術前に患者様の希望をしっかりと確認することが大切であり、その際「テレビが好きですか?、それとも新聞が好きですか?」と質問し、テレビと答えた方は正視を、新聞と答えた方は近視を狙うと良い、とのことでした。 次に乱視矯正用の「トーリックIOL」については、「乱視度数が大きい、左右差が激しい、斜乱視」が良い適応であること、正しい角度で眼内に入れることが大切で、30度ズレると矯正効果が0になってしまう、ことなどが勉強になりました。 更に最近急速に広まってきたと言われる「多焦点(遠近両用)IOL」については、2010年末の段階で全白内障手術に占める割合は日本では未だに1%未満であり、アメリカでも6~7%に過ぎないということが説明されました。これはやはり多焦点IOLは術後のグレア(光がまぶしくてにじむ)、ハロー(光の周辺に輪がかかって散乱して見える)などが多いことや、暗いところで見えにくいという弱点、また価格が高額であることがネックになっているのだろうとの事でした。 このようにして「JSCRSウインターセミナー2011」が終了しました。全体を通して非常に勉強になりました。初めて知ったこともたくさんありましたし、知っていることでも改めて聞いて復習・確認できて良かったです。来年も出来る限り再参戦したいと思います。 皆様、学会旅日記にお付き合い戴き有難う御座いました。 (JSCRSウインターセミナー2011参戦記 終わり)
2012.01.23
さて今日もJSCRSウインターセミナー参戦記の続きです。セミナー2日目は、第4部 「マイマシン・マイモード このマシンをこう使え」から始まりました。以下は眼科専門医向けのやや特殊な内容を含みますので御留意下さい。 ここでは各メーカーの白内障手術機械について、各演者がその長所をアツく語りました。 まず累計売上世界一の日本アルコン社のインフィニティ については、吸引圧&還流圧のダブルセンサー搭載で前房がとにかく安定していること、吸引の立ち上がりはコントロールパネル上でコントロールできるのでわざわざベンチュリーマシンを買わなくても良いこと、等が語られました。 次にアボット社のシグネイチャー に関しては、溝堀り、分割、その後の処理でペリスタとベンチュリーを使い分けることによって効率のよい手術が出来ることが語られました。 3番目のボシュロム社のステラリス に関しては、合うドクターには物凄く良いということが語られました。具体的にはそれまで他社のマシンで15~20分かけて恐る恐る手術をしていた先生が、マシンがステラリスに変わった途端「水を得た魚」のように生き生きと伸び伸びと手術が出来るようになり、手術時間も突然7~8分に短縮された、という事例が紹介されていました。このステラリスの凄さの秘密はやはりその「ステーブルチャンバーシステム」にあり、ボシュロム社が特許を取ったので他社は真似が出来ないということでした。ただ、このステーブルチャンバーは柔らかい核で5例、固い核だと2例で詰まってしまうという弱点も合わせて紹介されていました。 4番目の唯一の国産、二デック社のフォルタス に関しては、APS(オートパルスシステム)とUS自動停止システムで、とにかく安全に手術が出来るということが強調されていました。 しばらく前に私自身は上記の全てのマシンを実際にデモさせて頂いた上で、どのマシンも素晴らしい仕上がりではあったものの、その中から最終的にインフィニティとステラリスのどちらを買うか死ぬほど悩んだ末にインフィニティを選びました。 その際決め手になったのは、グレード4.0を超えるような固い白内障を手術する機会が田舎に立地する私のクリニックでは多く、固い核を処理するにはステラリスよりもインフィニティがやはり頭一つ抜けて強いことと、インフィニティは登場後8年が経過しその間絶え間なく進化してきたので、極めて完成度が高く欠点の少ない、例えるならば「モデル末期のドイツ車」のような隙のない円熟のマシンになっているということでした。総合力ではインフィニティの方がステラリスをかなり上回っていると判断したのです。 ただグレード3.5くらいまでであれば、率直に言って既にステラリスの方が優れている部分があるとも感じました。ハイドロダイセクションを確実に回し、核の2分割さえ出来ていれば、後はステラリスが魔法のように核を安全に確実に処理してくれるからです。6クリスタルの滑らかな超音波発振、ステーブルチャンバーシステムがもたらす驚異の前房安定性は一度体験するとやみつきというか忘れられない鮮烈な体験でした。お金があれば本当は両方とも買いたかったくらいです。 私だけでなく、インフィニティとステラリスでどちらのマシンを買うべきか悩んでいる先生と言うのはきっと全国にたくさんいると思うのですが、私の個人的な考えでは、インフィニティは横発振がないとその魅力を存分には発揮できないわけなので、その独特のケルマンチップに違和感がないかどうかが最大のポイントになるのだろうと考えています。ケルマンに馴染めるのであればインフィニティは最高に素晴らしい選択肢に成り得るでしょうし、そうでなければステラリスの方が上という判断もあり得ると思います。いずれにせよ、両者共にエクセレントな仕上がりのマシンですし、どちらも間違いではないのだろう、と今回の講演を聞いても思いを新たにしました。
2012.01.19
さて今日は昨年の12月に参加したJSCRSウインターセミナー2011参戦記の続きです。 1日目のプログラムも全て終了しました。懇親会で軽くビールを飲んで喉を潤して会場の外に出ると、 街は綺麗なイルミネーションで溢れています。東京の街は凄いですね。 通りかかった小粋で素敵なお店でクリニックのスタッフへのおみやげを買った後は、 ブルーノート東京と言うライブハウスへ急ぎます。この日偶然「世界ナンバーワンのサックス奏者」と言われるデイヴィッド・サンボーンさんのライブがあり、楽しみにしていたのです。私はパッと家のCDラックを見ただけでも、 ↑ このようにたくさんのCDを持っており、以前から大ファンだったのです。 実際のライブも素晴らしい内容でした。ただ、私はちょうどステージ正面に対して真横側の席に座っていてサンボーンさんの横顔が見える位置にいたのですが、サックスを吹く度に半端なく頸動脈(けいどうみゃく)が怒張するのが、眼科専門医として少し気になりました。「トランペッター緑内障」という言葉もあるくらいで、慢性的に「いきむ(眼圧が10mmHgくらいはすぐに上昇する)」状態が続くと、視神経が痛んで緑内障を引き起こすことがあると言われているんですね。 ちなみに、たまにテレビで目の玉を自分で飛び出させることができる方が「びっくり人間」として登場することがありますが、 あれは絶対に眼に悪い(極端な眼圧変化によって緑内障になりやすい)ので、良い子の皆様は絶対に真似しないようにして下さいね。(笑) すいません、話が大幅に横道に逸れました。 美味しい食事・アルコールに最高のグットミュージック、東京の夜は楽しく過ぎていきます。明日のセミナーが待ち遠しいですね。(続く)
2012.01.14
当院では本日より今年の白内障手術を開始しました。毎年のことですが最初の手術はかなり緊張します。手術は全て「自分の両親の手術」をするようなつもりで、1つ1つの手順の全てに細心の注意を払って行っています。また、同時に常に自らの手術手技を厳しく見つめ直し、改善点があれば迅速に微調整を続けています。 今年も1人でも多くの患者様に視力回復で喜んで頂けるように、丁寧で確実な手術を心掛けて行こうと考えています。
2012.01.10
さて今日は昨年からの持ち越しとなっている、JSCRSウインターセミナー参戦記の続きです。第3部は「知っておくと役に立つ屈折矯正関連の話題」でした。この中で勉強になったのはオルソケラトロジーの話でした。 オルソケラトロジーとは、特殊な高酸素透過性のハードコンタクトレンズを夜寝るときに装用し、朝起きてはずすと、視力が一時的に回復し日中は裸眼で過ごせると言うものです。 このオルソ、最近「眼軸長の変化を抑えた」というデータがボチボチ出てきていると言うことでした。これは分かりやすく言うと「近視の進行予防が出来る」ということになります。我々眼科専門医のコンセンサスでは今まで「近視は予防できない」ものだったのですが、この常識が覆される日が近い将来やって来るのかも知れないですね。実際、お隣の韓国や中国ではこの近視進行予防の目的で学童対象に既にガンガンこのオルソが処方されています。 ただ同時にこのオルソケラトロジーは、そのレンズ形状の複雑さ に起因する洗浄不良(細かいところは綿棒でこすり洗いする必要がある)や寝ている間の目の中の酸素濃度の低下により、緑膿菌やアカントアメーバによる角膜感染症が起こりうることも指摘されていました。ただこのオルソによる角膜内皮(黒目の透明性を維持するために必要な大切な細胞)障害の報告は過去1例も無い!ということで、これはかなり意外でしたね。(続く)
2012.01.09
新年明けましておめでとう御座います。今年2012年も進化の激しい眼科学のスピードに負けないように、毎日の勉強・努力を欠かさず、全国レベルの眼科医療をここ八幡浜地域の皆様にお届けできるように頑張ります。 学会出張による臨時休診・代診などで皆様に御迷惑をかけることがあるかもしれませんが、常に最先端の臨床・研究を学び続けることは眼科専門医として非常に大切なことですので御了承下さい。 なお、新年は本日1月4日より通常診療を開始しております。それでは皆様、今年も にしわき眼科クリニック をよろしくお願い申し上げます。
2012.01.04
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