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さて第5回東京眼科アカデミー2日目で一番勉強になったのは、「ドライアイを訴えたがドライアイではなかった症例」という講演でした。 ドライアイは今や日本人の国民病とも言われるありふれた疾患ですが、その患者様数が多くかつ症状が多彩であるために、「何でもかんでもドライアイ」と診断してしまいがちな側面があります。また、マスコミでもドライアイに関する情報が溢れかえっているので、患者様自身が最初から「自分はドライアイ」と思い込んで受診される、と言う部分もあります。 ただ実際には、調節異常による眼精疲労が原因だったり、瞬目不全(しゅんもくふぜん)といって、まばたきが弱くてちゃんと目を閉じていないために、 ドライアイのような症状が生じていることもあります。この場合は「強くまばたきをする」ことを心掛けるだけで症状が改善することもあります。 我々眼科専門医は「一見ドライアイ」の中に隠れている様々な疾患を見逃さないように、常にたくさんの鑑別診断を念頭において患者様の診察に当たらなくてはならないな、と気持ちを新たにしました。 これで「第5回東京眼科アカデミー参戦記」は終わりです。皆様、お付き合い戴き有難う御座いました。(完)
2012.03.31
さて第5回東京眼科アカデミー初日のプログラムも全て終了しました。懇親会に一瞬顔を出して、 良く冷えたシャンパンを飲み干した後は、 地下鉄に乗って表参道駅へ急ぎます。 この日偶然、マライヤ・キャリーさんや先日急逝してしまったホイットニー・ヒューストンさんのプロデューサーとして知られ、自身もドラマー兼ヴォーカリストである、ナラダ・マイケル・ウォルデンさんのライブがブルーノート東京であり、その開催時間が迫っていたからです。 この日のライブは世界的なスーパープロデューサーのナラダさんに加えて、日本を代表するギタリストの高中正義さんがスペシャルゲストということもあり、会場は超満員、凄い熱気です。 ブルーノートの愉しみはライブが始まるまでの時間にもあります。 きりっと冷えたビール 美味しい食事 そしてブルーノート名物のクルクルポテト ライブへの期待感を高めながら、極上の時間が過ぎていきます。そろそろライブが始まるかな?という時間になってちょっとビールを飲みすぎたのかトイレに行きたくなり席を立ちます。 客席に戻ろうとすると、突然会場の照明が落ちブラックアウトされます。係員に制止されその場に留まっていると、ナラダさんが登場し目の前を通り過ぎていきます。 思わぬアーティストの登場に喜んで、「パチパチパチ」と一生懸命拍手をしていると、アーティストとほぼ同時に、暗闇に紛れるように美男美女のカップルがスルスルと入ってきます。 「うん? どこかで見たような、、、?」と思ってジーっと見ていると、、、、、、、 なんと芸能人の石田純一さんと東尾理子さん御夫妻でした。 その後偶然私の席の近くに座られたのですが、どうやら石田さんの方がナラダ・マイケル・ウォルデンさんのファンのようで、ノリノリで楽しんでおられました。東尾さんはそんな石田さんの方に頭を持たれかける感じでくつろがれており、いかにも仲の良い新婚さんと言う感じでした。 私は、「うーん、やっぱり首都東京は凄いなあ。芸能人の人が普通にライブに来ているんだもんなあ。」と感心しながら素晴らしいライブを堪能しました。東京の夜はこうして印象深く更けて行きます。明日の勉強会も楽しみですね。(続く)
2012.03.27
さて2月4日(土)、初日に非常に勉強になったのは「強膜炎の薬物療法」、「強膜炎の外科的治療」という2つのプログラムでした。 強膜というのは、眼球そのものを形作っている丈夫で文字通り「強い膜」で、普段は白い色をしています。そして、この膜に炎症が起きている状態を強膜炎といいます。 症状としては、強い充血と痛みです。強膜炎の充血は比較的深いところで発生してるので、黒っぽい赤色に見えるのが特徴です。充血している部分は押すと痛みを感じます。この「痛い」というのが強膜炎の最大の特色であり、しかもその痛みは患者様によっては「鉛筆を目に刺されたよりも痛い」と言うほど激烈です。具体的に実際の患者様の状態を見て頂きましょう。 この強膜炎はリウマチなどの自分で自分自身を攻撃してしまう自己免疫疾患に合併することが多いですが、色々調べても結局原因が分からないことも良くあります。 そして、これだけ医学が進歩した現在でも治療に難渋することが多く、最悪の場合は強膜が溶けて(壊死して)穴が開いてしまうことさえあるのです。そのためこの強膜炎と言うのは、我々眼科専門医にとってはその知識量・経験・状況判断力・決断力を問われる非常に厳しい病気なのです。 今回のプログラムではこの強膜炎について様々な角度から勉強することが出来ました。 ↑ このように強膜炎の原因疾患というのは無数にあり、それがこの病気の治療を難しくしています。 ↑ そして、上のスライドにあるとおり、「とにかく痛い」こと、これが困るんですね。 ↑ そして、目薬だけであっさり治る症例から、内科的・外科的治療を総動員して何とか治った症例、どうしても治せない症例まで、その予後は本当に千差万別です。 ↑ 治療法は一応のフローチャートはありますが、これがまた一筋縄ではいかないのです。 ↑ これは重症例の写真ですが、激烈な炎症で強膜が溶けてしまい、その奥のぶどう膜という茶色い組織が出てきてしまっています。 ↑ こうなると、強膜パッチ術といって、他の方の献眼された目を持ってきて弱いところに貼るという外科的な治療をするというのが教科書に書いてある定説なのですが、 ↑ うかつにこのパッチ術に手を出すと、パッチをしても次から次へと溶けてしまってまた穴が開き、「合計したら数個分の目をパッチに使ってしまった!」というような凄まじい状況におちいることがあるので、「うかつに外科的治療に踏み切らないことが大切である」ことが解説されました。 重症例の治療法の実際を聞くことが出来て、本当に勉強になりました。(続く)
2012.03.23
さてこの「第5回東京眼科アカデミー」は東京国際フォーラムで開催されました。宿泊した新橋のホテルからは、道に迷わないように山手線のガード下沿いにトコトコと15分くらい歩きます。 途中、東京電力の本社ビルがありその物々しい警備体制にびっくりしたり、日本を代表するホテルの「帝国ホテル」の壮麗さを眺めたり、と楽しく散歩しているとあっという間に到着です。 それほど参加者の多い勉強会ではない(愛媛からは私以外にはもう1人の先生を見ただけでした)ので、会場はホール1つです。 さて、この東京眼科アカデミー、「学会では聞けない眼科医療最前線」というキャッチコピー通りの、本音トーク全開でかつかなりマニアックなテーマの講演が多くて物凄く面白かったです。全体的に学会で良く聞くようなありふれた話が少なくて、ストライクゾーンど真ん中の話は全然無く、外角低めのストライクか、そうでなければボール球という感じでした。(笑) 次回からは、印象に残った話をいくつか取り上げて行きたいと思っています。(続く)
2012.03.20
少し前のことになるのですが、2月4日(土)、5日(日)に開催された、「第5回東京眼科アカデミー」という勉強会に参加してきました。本当はもっと前に日記に書きたかったのですが、この東京眼科アカデミーの週から4週連続で週末は東京で眼科関連の勉強会に参加しており、全く休日のない状態でどうしても書く時間がなかったのです。 さて、2月3日(金)に外来を夕方5時で早期終了させて頂いた私は最終便の飛行機で東京に向かい夜遅くにようやくホテルに到着しました。 泊まったのは「第一ホテル東京」です。新橋というエリアにあるせいか、良いホテルの割には宿泊料が安くて最近お気に入りなんですね。 軽く夕食は取っていたものの小腹が空いたのでホテルに荷物を置いてフラッと外に出ると、 山手線のガード下に魅惑的な輝きが見えます。「紅とん」という豚の串焼きのお店です。店内を覗くとお客さんがぎっしりと入っており、私もついつい引き込まれます。 メニューを見ると、看板通り「焼きとん」ばっかりです。私の地元の四国にはこの手のお店がほとんど無いので新鮮ですね。早速注文します。 うーん、美味い。焼鳥より個人的には好きかもしれない位ですね。 一息ついてメニューを見渡すと、 名物ガツ(豚の胃)ポン、レバテキ串あたりの少し珍しいものにも心惹かれ注文してみます。 どのメニューも抜群です。 豚と言うのはどの部位も美味しいんですね。店内には豚の解剖図がありましたが、全身ムラ無く料理に利用されているようで感心しました。ちなみに上の解剖図では目だけは料理に使われていないようですが、 豚の目は、「豚眼(とんがん)実習」といって、医学生や眼科の研修医が手術の練習をするのに使用します。私も研修医の頃には多分100匹以上の豚さんの目にお世話になっています。 「うーん、豚って本当に捨てるところの無い役立つ生き物なんだなあ」と感心しながらホテルに戻ります。明日からの勉強会が楽しみですね。(続く)
2012.03.16
毎年この時期は、NTTのタウンページへの広告出稿の最終調整の時期です。タウンページというのは知名度は抜群ですが、その分広告料も目が飛び出るほど高いと言うのが実情であり、私も開院以来その広告内容について様々な試行錯誤を繰り返してきました。 開院直後は頑張って2分の1ページ(モノクロ)の広告を出していましたが、 あまりにも高額なため、費用対効果が悪いと判断してタウンページへの広告は縮小し、その後は地元の八幡浜民報という地域新聞 野立て看板 消火栓広告 などへの広告を優先してきました。 ただ、今年は開院後5年目を迎えることもあり、再び頑張ってタウンページ広告の内容もボリュームアップすることにしました。昨年の6分の1ページ(フルカラー)から、4分の1ページ(フルカラー)に変更します。 その予定原稿は最終的に、 この2つのどちらかに絞りました。 最終的にどちらになるのか、うーん、悩みどころですね。
2012.03.13
私が軒を借りているこの楽天ブログはしばらく前にブックマーク機能が廃止されました。それまでは様々なリンク先を登録していたのですが全て消えてしまいました。 そこで今回、どうしても必要な重要なサイトをブログのトップページにリンクとして貼りました。その内容を簡単に解説しておきます。 にしわき眼科クリニック iタウンページ これは当院の所在地・電話番号・診療時間などの基本情報が載っているNTTのiタウンページです。 まるお眼科 香川県で今年の6月に開業予定のまるお眼科のホームページです。私の親友であり、その白内障手術戦略・知識は間違いなく全国トップレベルの知性派の先生です。きっと近隣の皆様に末永く愛され頼られる、力のあるクリニックになることでしょう。 坪井眼科ニュース 私が勝手に尊敬している大阪の坪井眼科のブログです。院長先生の切れ味鋭い眼科トークだけでなく、スタッフの方の日替わりでの様々な話題も楽しいです。 眼科手術開業医の戯言 手術メインで開業されている先生のホームページです。我々白内障手術専門医は、その結果が視力という形ですぐに明らかになるだけに毎日を高い緊張感の中で過ごしているわけですが、その努力や日々の喜び・苦悩が率直にかつ明瞭で読みやすい文章で綴られており、毎回非常に楽しみに拝読しています。 稲亀石の、田舎目医者日記 深い洞察力ときわめて高い文章力を併せ持つ、稲亀石先生の面白いブログです。眼科の話ばかりでなく世の中の様々な出来事を新鮮かつ的確な視点から分析されており、毎回勉強になります。 眼科医フォーチュンクッキー日記 テイスト的には私のこの日記に近い感じで個人的に親近感を感じています。 皆様も良かったら各リンク先を覗いてみて下さいね。
2012.03.10
さて第35回日本眼科手術学会のプログラムも全て終了しました。お腹が空いたので名古屋の中心地、栄(さかえ)に移動します。 名古屋には美味しいものがたくさんありますが、私は「1つだけ」と言われたら迷わずここを選びます。 味噌煮込みうどんの「山本屋本店」です。とにかく抜群に美味しいんですね。 上記のメニューの中から今日は、 スタミナもつを選択しました。 このようにフタにとって食べるのが名古屋流です。 最後は御飯を入れて雑炊風にして味の変化を楽しみます。 あっという間に完食です。あー美味しかった。 昼食の後は少し街を散歩し、次はまたもや名古屋の有名店 コンパルという喫茶店にやって来ます。 ここのエビフライサンドがとにかくうまいんですね。なので、テイクアウトして帰りの飛行機で「空弁」にしようと思いついたのです。 帰りの飛行機も、行きと同じ「ちびちびボンバルディア」。 先ほど買ったコンパルのエビフライサンドがテーブルにぴったりです。(笑) その中身は、、、、、、 こんな感じでエビフライがぎっしり。今思い出してもよだれがでるくらいの美味しさでした。 と、こんな感じで名古屋尽くしで第35回日本眼科手術学会は終わりました。皆様、長い間学会参戦記にお付き合い戴きどうもありがとう御座いました。 第35回日本眼科手術学会参戦記 完
2012.03.06
さて学会は最終日の1月29日(日)を迎えました。最初に参加したのは、 「難症例に対する白内障手術」という教育セミナーです。白内障手術というのはテレビでいわゆる「スーパードクター」が盛んに取り上げられる影響等もあり、「簡単・安全ですぐに済む手術」と認識されがちですが、散瞳不良(瞳が薬で広がらない)、浅前房(手術をするスペースが狭い)、過熟白内障(進行が激しい)、チン氏帯脆弱(水晶体をつないでいる筋肉が弱い)など、安全に合併症無く無傷で切り抜けることが至難の業という方も一定の確率でいらっしゃいます。 我々白内障手術専門医はそういったピンチの時にこそ本来の実力が試されるわけで、だからこそ毎日毎日様々な勉強を続けているのです。 そういった意味からこの 「難症例に対する白内障手術」 という教育セミナーは、毎年の眼科手術学会の恒例の人気セミナーになっています。今日はここで勉強になったことを自分用のメモ書きとして書いておきます。 開瞼器(まぶたを開く器械)を開きすぎると、眼を閉じようとする力でかえって硝子体圧が上がって浅前房になることがあるので、必要な術野を確保できる範囲で程々にすべき。 硝子体の液化が高度な場合は、術中のBSSが前房内と硝子体内を行き来するため深前房(いわゆる逆瞳孔ブロック)と浅前房を繰り返す。この場合はボトルを下げることで対処する。 グレード5に迫るような極端な過熟白内障では、確実に核を分割できる「クレーターDivide&Conquer」法がお勧めである。(→ちなみに私は基本的に全ての手術をこのクレーターD&C法で施行しています。少し時間はかかりますが、極めて成功率と安全性が高い手技だからです。) 角膜径の10%以上を占める翼状片は術後の乱視度数・球面度数に影響するので術前の切除が望ましい。 今年も非常に勉強になるセミナーでした。(続く)
2012.03.03
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