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夏ももうすぐ終わりですね。さてこの夏から秋に移り変わる時期なんですが、「このところ急に目がかゆくなった」という患者様が意外にも多いんですね。 実は今は、キク科・ブタクサ属の1年草であるブタクサ による花粉症が始まる時期なのです。スギ・イネ・そしてこのブタクサが「世界3大花粉症」の原因で、日本でも花粉症の原因の第3位なのです。 しかも今の時期は花粉症原因2位のイネ科の雑草(イネ・オオアワガエアリ・メヒシバなど)による花粉症もまだ残っているので、それでイネとブタクサのダブルパンチで非常に花粉症の多い時期なんですね。 目薬・内服薬で速やかに改善しますので、症状のある方は我慢せず早めにお近くの眼科専門医を受診されてくださいね。
2012.08.23
今日は7月に参加した、「フォーサム2012横浜」 参戦記の続きです。 さて7月15日(日)の学会プログラムも全て終了しました。「何か横浜らしい、美味しいもの食べたいなあ。」と思いながら街を散策します。 ところが偶然、仙台名物の牛タンのお店に通りがかり、 私は遭えなくそこに吸い込まれてしまいました。以前から自分の中で「いつか仙台の学会に行ったら、名物の牛タンをお腹一杯食べよう。」という目標があったのですが、いつまで経っても仙台でメジャーな眼科学会が開催されないまま潜在意識の中に仙台牛タンへの渇望があり、それで気付いたら牛タン屋さんに入ってしまったのだろうと思います。 早速メニューを眺めると、 シュワシュワ祭り、、、、何と魅惑的な日本語でしょう。感動してすぐに注文します。 これは肉厚で美味しい。。。。横浜の夜は、またも楽しく更けて行きます。(続く)
2012.08.20
当院では昨日からお盆明けの通常診療を再開しました。 さて、視力検査室では開院時に白の革張りのスタイリッシュなイスを導入していたのですが、それがほつれて痛んできてしまい修理不能ということだったので、新しいものに買い換えました。 左が従来のもの、右が新しいイスになります。検査室全体の配色のバランスを考えて今回は緑色にしました。 ついでに、この間の「まるお眼科」の見学の時に見つけて「なかなか便利だな」と思った、机にも変身する便利イス も購入しました。 これからも少しでも良いクリニックになるよう、スタッフ一同知恵を絞って頑張っていこうと思っています。
2012.08.17
今日は「フォーサム2012横浜参戦記」の続きをお送りします。 さてランチョンセミナーが終わった後はしばらくプログラムが無いこともあり、ブラブラと会場内を散歩します。器械展示場には無料のドリンクコーナーがあるので、足は自然とそちらを向きます。 器械展示場ではスタンプラリーが開催されており、 集めると商品を貰うことができます。 今回は、 うちわとヨコハマキャラメルを戴きました。このスタンプラリーというのは、集めて回るうちに眼科関連企業の最新の動向に自然に触れることが出来るので一石二鳥の素晴らしいものなんですね。(続く)
2012.08.11
毎日暑い日が続きますね。さて今年の当院の夏休みの予定ですが、8月11日(土)までは通常通り診療いたします。 そして8月13日(月)~15日(水)までがお盆休みとなります。この週は手術もお休みです。8月16日(木)からは再び通常診療となります。スタッフ一同しっかりとお盆休みで精気を養い、お盆明けには再び元気全開で頑張ります。
2012.08.08
さて午前中のセッションも全て終了しました。4時間ほどぶっ続けで勉強したのでお腹もペコペコです。お昼は美味しいお弁当を食べながら勉強できる一石二鳥の「ランチョンセミナー」です。今日は「ベーチェット病」のセミナーを選択しました。 お弁当の内容は、 エビフライ、ハンバーグ、ナポリタン、ポテトサラダなど、ハイカラな港町横浜らしい小粋な洋食でとっても美味しかったです。 さて、ベーチェット病というのは「ぶどう膜炎」というジャンルの病気の一つです。このぶどう膜炎というのは、 「目の中に炎症を起こす病気」の総称で、皆様にはあまり馴染みがない名前でしょうが、実はその患者様の総数は膨大です。そしてベーチェット病は1937年にトルコの名門イスタンブール大学のベーチェット博士が発見した病気です。 このベーチェット病、トルコと同じ緯度のシルクロード沿いに多く(そのため、別名シルクロード病)、日本にも多くの患者様がいらっしゃいます。しばらく前には人気グループのEXILEのメンバーの方がこの病気であることを告白して大きな話題にもなりました。 口の中の潰瘍、皮膚の炎症症状、外陰部の潰瘍、そして急性症状を繰り返しながら悪化していく目のぶどう膜炎症状の4つが主症状なのですが、予後不良なことが多く以前から恐れられてきました。1970年代には我が国のぶどう膜炎原因疾患の第1位であり、必死に治療しても発病から5年以内に半数の患者様は視力が0.1以下になってしまうと言う状況でした。 その後1980年代の後半になって免疫抑制剤のシクロスポリンが導入されて治療成績はかなり良くなりましたが、重い副作用が生じる場合もあり相変わらず難治性の病気であり続けてきました。 ところが2007年になって世界に先駆けて、インフリキシマブ(抗TNF-αモノクローナル抗体)という新薬が日本で承認され、これが劇的に効くことからベーチェット病の治療は驚異的な進歩を遂げました。 今回のセミナーでは、近年劇長足の進歩を遂げたベーチェット病治療の最前線を勉強することが出来ました。 以前は、サルコイドーシス、原田病、ベーチェット病が3大ぶどう膜炎と言われていたのですが、 治療法の画期的な進歩により、既にベーチェット病は3大ぶどう膜炎ではなくなったと言う事がデータと共に示されました。余談ですが、最近、上の表で6位のポスナー・シュロスマンにはサイトメガロウイルスというウイルスが関係しているらしいことが分かってきており、それも含めて3大ぶどう膜炎はベーチェット病の代わりに既に「ウイルス性ぶどう膜炎(ヒト単純ヘルペスウイルスHSV、水痘帯状疱疹ウイルスVZV、サイトメガロウイルスCMV)」が入賞したものと個人的には考えており、疫学の変化を強く意識しながら毎日の患者様の診療に当るように心掛けています。 次に画期的な新薬、インフリキシマブの症状改善率は92%にもなること、40~50%の患者様では眼発作が完全に消失した状態まで持ち込めること、ベーチェット病の病巣部位、重症度、罹患期間などに関わらず有効であること、副作用は30~50%に出るが、そのほとんどは発熱や皮膚症状等の軽度なものでポララミンやアレジオンなどの抗アレルギー薬でコントロール可能なことなどの説明がありました。 また、このインフリキシマブ、無効例や投与中の効果減弱例があることが知られていましたが、実はそのほとんどは「血中濃度の不足」によるもので、個別の患者様に合わせて投与間隔を短縮したり、薬剤を増量すれば、眼炎症を抑制していくことが可能であることが分かりやすい資料と共に提示されました。 私が研修医だったほんの10年近く前にはまだこのベーチェット病は非常に難しい病気で、実際に受け持った患者様の中には何度も重篤な目の発作を繰り返して結局失明されてしまった方もいました。私はその時の悔しさを思い出しながら、「ベーチェット病の治療は、ここまで来たんだなあ。」と感動し、セミナーを後にしました。(続く)
2012.08.06
さて眼内炎のセッションで勉強になったことのメモ書きの続きです。今回も眼科専門医向けのやや特殊な内容となります。以下、箇条書きで。 眼内レンズ毛様溝逢着後に発症する遅発性の眼内炎では、その誘因として逢着糸の結膜上への露出が原因として考えられるが、長期間経過後に急性の眼内炎として発症する事があり、発見次第結膜による被覆が必要である。 緑内障手術後の眼内炎は白内障術後に対して4~100倍!と桁が違う危険率があるが、その発症には遅発性のものも多いので、緑内障手術後の患者様はとにかくしっかりとフォローしておいた方が良い。→私も絶対に月に1回は診せて頂くようにお願いしている。 最近発売された 高濃度の抗菌剤のレボフロキサシン点眼液1.5% は凄い。(当院での実際の使用経験についての日記は こちら ) 白内障術前の減菌療法で使ってみるとやはり予想以上に効いている。ただ、強力すぎて菌の陽転化、交代化を引き起こした事例もあったので、これが白内障術後の眼内炎対策としてベストかどうかは、今後の検討を要する。 PAヨードによる白内障術前の洗眼消毒は術前減菌法として最も一般的だが、その微生物不活性化にはいくつかのポイントがある。それは、低濃度は無効(4~8倍希釈でOK)、菌接触時間は60秒以上必要、ということである。→要は消毒してから少し時間を置かないと効かない・意味がない、ということ。私もいつも気をつけている。 ヨーロッパでは ESCRSスタディ(この内容について私が以前言及した日記は こちら ) 以来、白内障手術終了時の抗菌剤前房内(ぜんぼう:目の中のこと)投与が一般化しつつあるが、日本ではまだほとんど普及していない。具体的な数字で言うと、今回のアンケート調査では日本(2011~2012)では1%!、ASCRS(2007)では16%、イギリスでは(2008)14%、同じく2年後のイギリス(2010)では普及が進んで42%となっている。 前房内投与を選択しないヨーロッパでの術者の理由は、誤投与、汚染、毒性のリスクなどを懸念してのものであるが、日本国内では手技そのものがほとんど認知されていないのが問題である。 白内障手術終了時には前房内は10~40%の率で汚染されていることが知られており、抗菌剤前房内投与は安全性・有効性の評価、信頼できるプロトコールの作成等の課題はあるが、もっと認識・議論されるべき手技である。→今回の全ての一般講演の中で最も素晴らしい演題で感銘を受けた。私自身もこの手技に対しては分析、検討を続けており、以前の日記でも その具体的なやり方と有効性について考察 をしているが、少なくとも破嚢などの合併症があった症例では絶対に採用すべき手技であると、個人的には考えている。 毎年のことですが、この日本眼感染症学会の「眼内炎」のセッションはべらぼうに面白くて勉強になります。来年もまた絶対に参加したいと思っています。(続く)
2012.08.02
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