武蔵野航海記

武蔵野航海記

2009年01月01日
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私は臆病なのですが、兄は花火の火薬をビンに詰めて遊んでいて暴発し怪我をするなど、非常にエキサイティングな性格をしていました。

私の家は昔から浄土真宗の信者です。

信仰というのは本来個人的なもののはずですが、日本でも他の国でも家が信仰を持つということが往々にしてあります。

なくなった本人やその親がクリスチャンなのに、親類縁者が遺骨を代々の寺の墓に埋葬しないと収まらないというようなことが起きたらしいのです。

兄の遺骨は、その一部をはるかなたの京都の本山に納められたということを最近知りました。

兄の命日が近づいたので、今日思い立って墓参りをしようと思ってでかけました。

浄土真宗は戦国時代に信長と戦ってなかなか屈しなかったというほどの武力を持っていましたから、権力者に非常に恐れられた存在でした。

その浄土真宗教団が秀吉から徳川家康へ権力が移行するという戦国末期に、御家騒動を起しました。



戦国末期の浄土真宗の宗家に正妻が生んだ息子と妾が産んだ息子がいて、その両派が跡目を争っていたのです。

坊主に妻がいるだけでもおかしいのに、妾が子を産むという現象をお釈迦様はどう解釈するでしょう。

この跡目騒動を徳川家康は、浄土真宗の勢力を弱らせるチャンスと考え、浄土真宗を二つに分割してこの争いをおさめたのです。

二つの浄土真宗教団は当然ながら非常に仲が悪く、東本願寺は徳川幕府にピッタリと密着していましたが、西本願寺は反徳川でした。

だから幕末に西本願寺は討幕運動を大いに援助したため、維新後は西本願寺の方が優勢になりました。

私の家はこの勤皇派の西本願寺のほうなのです。

そしてこの教団の墓地が東山の清水寺の隣の鳥辺野にあります。

鳥辺野は昔から、死者を埋葬する土地で、親鸞聖人の墓地もここにあります。

そして親鸞聖人の墓地の近くが教団の墓地になったのです。

写真のように山の斜面が無数のお墓で埋まっていて壮観でした。

次回に続きます。





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最終更新日  2009年01月01日 18時08分51秒
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