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今回出動するバイクはフェリー料金を勘案してカブ90の出番となる。キャンプ道具は中止になった時から積みっぱなしになっており、追加で数点用意するだけなので朝一番で近所の会社に用事に出掛け、コーヒーの接待を受けていたら、妻から「クロスカブさんがもう到着して待っている。」との連絡を受け慌てて帰宅した。予定より20分も早い。
あたふたと用意を済ませ、予定より5分早い9時15分、小豆島リベンジツーリングキャンプの幕が華々しく切って落とされたのである。
今日はカブ2台なので、信号が少なく二輪しか通れない道を交えながら山火事の痕が生々しい飽浦を通る最短ルートで新岡山港に到着。クルマの他にスクーター2台が乗船待ちをしていた。早速券売機で小豆島までの往復切符(原動機付自転車3,920円)を買って目前の高島の説明をしていたその時、クロスカブさんが財布に仕舞おうとしていた往復切符が突然の疾風に煽られ、手から離れ防波堤の上を転がった。2人とも「あっ!」という声を上げながら硬直したが、クロスカブさんの矢のような手さばきで海まであと10センチの所で捕まえた。ドキドキである。もう少しで3,920円が泣き別れとなる所だった。
船上では、以前何回も試したが繋がらなかったB+COMの設定を試みるが、なかなか繋がらない。繋ぎ方をネットで調べていたら、いきなり圏外。船内でヘルメットを被ったおっさんが2人で、あーでも無い、こーでも無いとやっていたらいきなり繋がった。これでクロスカブさんに指示が送れる。
予定通り11時20分土庄港に到着。今回は初めて訪れる場所が多いので、予め全て調べておいた住所を、ハンドルに取り付けたiPhoneのカーナビソフトに入力してインカムと画面で確認しながら、先ずは昼食場所の「喫茶よしの」を目指す。看板はあったものの、休みなのか、閉店しているのか分からないような荒廃ぶりに怖じ気づいて、土庄に引き返すも飲食店が無い。やっと見つけた喫茶店は昼前というのに客は1人もいない。恐ろ恐ろ焼きめしとカレーを注文して食す。
来た道を引き返し、最初の見学地「重岩」を目指す。喫茶店のおばちゃんの話では、二輪だと石段の下まで行けるとの事なので急な細い道をインカムで話しながら進んで行くと、クロスカブさんが今夜使用するシュラフの話しを振ってきた。そこでハッと気づいた。フロントステーに括り付けている筈のシュラフが見当たらないのである。何故?どういう事?インカムから聞こえて来るクロスカブさんの脳天気な話しはもう上の空で聞き流している。よくよく考えたら、小豆島行きが中止になってから、カブを使う事があり、いくら何でもみっともないので、冬用の大きなシュラフをフロントステーから降ろしていたのだ。それを今回は装備は全て整っていると勘違いをしてそのまま出掛けてしまったのである。何と言う大失態。明日の朝は10°前後まで気温が下がる予報なので、このままでは凍え死んでしまう。
石段の下の小さな駐車場に着いてから、この緊急事態を何とかしなくてはと、色々と考えを巡らす。ネットでスポーツ用品店を探すと、幸運にも1件ヒットしたので、電話を掛けてみるが休みでもないのに出ない。仕方がないのでここは一旦諦めて重岩に向けて長い石段を登って行く、足をガクガクさせながらやっと御堂のある展望台まで来たが、そこからは設置された鎖を持たないと登れない難所が続く。息を切らしながら登った頂上には、見事な重岩が鎮座していた。コバルトブルーの海の向こうには四国や瀬戸大橋まで霞んでみえる。絶景である。
駐車場まで降りると、クロスカブさんがポツリと佇む小さなカフェの女店主と話し込んで、スムージーを注文していたので、仕方なく追加で注文。シュラフを忘れてキャンプに来てしまった話しをしていると、女店主が土庄にホームセンターDCMがあるとの有り難い情報をくれた。
再び来た道を引き返し、エンジェルロードに向かうと、フェリーで一緒だった隼がいたので、声を掛けて少しバイク談義を行い、カップルや若者だらけの展望台でおっさん2人が混じって写真撮影。場違いも甚だしい。こんな所には来ては行けない。そそくさと駐車場に帰り、DCMに電話するとご丁寧にも売り場に見に行ってくれた。電話での回答は如何に。「…3ヶあります。」ありがたやありがたや。早速DCMに向かうと、そこは夕食の食材を調達する予定だった、オリーブタウンだった。
ホームセンターの安物シュラフは1種類のみ、しかも使用気温は15°以上なので夏用だ。これだけではきっと寒いだろうが、死ぬことはないだろうし、幸いにも使い捨てカイロをリアボックスの中に忍ばせているので何とか凌げる算段である。シュラフ代2,728円の特別支出を計上。
隣接したマルヨシセンターで夜の宴会用であるアヒージョの食材と朝食の買い物を済ませ、発泡ケースに収納し、出発しようとしたその時2つめの事件が起こった。今度はカブのキーが見当たらないのだ。ジャケットには8つのポケット、ズボンには6つのポケットが付いているのだがどのポケットにもキーが見当たらないのだ。ヘルメットや手袋の中、発泡ケースの中まで探したが見当たらない。
レジに戻って、買い物カゴの中まで捜索して貰ったが見当たらない。最後の手段で、イグニション配線の直結を行おうにも今回は工具を持って来ていない。冷静になってよく考えたら、キーは確かにポケットに入れた。と、思う。たぶん。他に入れる所は無い。筈である。ジャケットのポケットを再度捜索。すると一番使わないポケットの一番奥に押し込まれていたキーを発見。やれやれである。これにてキー紛失事件一件落着。
次は最後の見学地大阪城残石記念公園だ。島の北側の県道26号線は海岸線を通る道で、海に浮かぶ小島や本土を眺めなら走れる快走路だ。この公園は道の駅も兼ねており、大阪城築城に用いられた残石が展示されているのだが、無料の資料館もあり、巨石の運搬方法や歴史が具に紹介されている。大阪城大手門の正面にある石垣の巨石は豊島産で、巨石のベスト⒈、2は小豆島産である事が記録で分かった。
本日のキャンプ地は島の東北にある福田港手前の福田キャンプ場なので、海岸線のワインディングを走りながらディアベルが一緒なら何処にも止まらずコーナーを高速で抜けていくだろうなぁとインカムで話しながら無事到着。
このキャンプ場は県道から海側に進んだ海岸沿いに細長く作られており、綺麗なフラットな芝生にフェニックスやシュロ系の南国植物が植えられ、気分は宮崎のリゾート地のようだ。非常に良く整備されており、ゴミ1つ落ちていない。炊事棟と水洗トイレもあるのだが、管理棟は無く、定期的に管理人が来て受付を済ませるようだ。薪場が無いので宴会用の薪を頼むべく電話をしてみたら、1時間後に持って来ると言うので、テントを設営していたら、姫路からバイクキャンパーが1台やって来た。
クロスカブさんは前回の天神峡キャンプでコンクリートの上にテントマット無しで寝ていたので、テントマットを買うように教えていた。なのでクロスカブのリアボックスから誇らしげに4,500円の値札が付いたままのゴリラマットなる物を取り出し、「どうだ」と言わんばかりに広げて見せたのだが、どうも少し変だ。エアーを入れる口が無いのだ。よく見てみると、それはグランドシートであった。クロスカブさんにあれほどテントマットとグランドシートの違いと、使用方法を嚙み砕いて教えたのにこのザマだ。この人は人の言うことを全然聞かない。
それなら、このマットをテントの下に敷くと言い出したので、折角打ったペグを抜かないと敷けんよ!と言ったら、それならテントの中に敷いてその上で寝ると言い出した。もう勝手にして下さい!
続いてシュラフを取り出したのだが、話しに聞いている今冬新たに間違って2個も購入したという噂の極寒用の毛が付いたシュラフではなく、何時もの夏用シュラフだったので、何でこんな物持って来た。と尋ねたら、極寒シュラフは嵩張るのでリアボックスに入らないと言うではないか。何の為に極寒を買った?今使わなければ何時使う。明日の最低気温は見た?と尋ねたら、「知らん」との返事。これだったら、私が買った夏用ホームセンターシュラフと一緒じゃん。この人の頭を開けて一度脳味噌を見てみたい。
そうこうしている内に約束の5時になったので管理人のオジサンがカブに乗ってやって来た。ノートに住所と名前、電話番号を記入し、宿泊代1人600円と薪代400円を払って雑談タイムに入る。このキャンプ場は島で一番安い上に、クルマの乗り入れも可と言う事で結構人気らしく、連休には満員となり、溢れたキャンパーは海岸にテントを張って貰ったようである。
管理人は、若い時に水島で働いていたと言う事で、当時の華やかな夜の水島について、疲れるまで激論を交わしてお開きとなり、温泉に行く事にした。吉田温泉ふれあいの湯は県道を挟んで山側の吉田ダムの下に広がるオートキャン場、小豆島オートビレッジYOSHIDAの中にあり、歩いても行ける距離だが、カブで出動。何区画もある広いオートキャンプ場には本日キャンピングカー1台のみ。
温泉好きのクロスカブさんは入浴料600円を払い、1時間の入浴宣言をして温泉に突入した。湯温は丁度良く、これなら1時間でも付き合えそうだと思っていたら、20分もしない内に上がると言い出した。クロスカブさんは気変わりが早く嘘ばかりだ。
外の休憩所で漁師のオジサンから寒霞渓に行く最短ルートは吉田ダム越えだが、幅員が狭くカーブで膨らんで来るクルマが多いので、交通事故が多発している事や、若い頃モンキーで6時間掛けて高知へ行った話しなどを楽しく聞かせて貰った。
やることは全て終わったので、いよいよお待ちかねの宴会に入る。その前に凍らせて発泡ケースに忍ばせていた缶ビールで乾杯。焚き火台に火を入れて、マルチグリドルを掛け、ニンニク、鷹の爪を入れたオリーブオイルを熱する。熱が入ったところで、イカ、エビ、ホタテ、ブロッコリー、シメジを投入し煮る。何時もの事だが、クロスカブさんは料理が一切出来ないので、傍らで見ているだけで何の役にも立たない。
アヒージョをつまみに、今回もクロスカブさんが倉吉のスナックのママさんから貰った大吟醸の4合瓶2本とマルヨシセンターでいつの間にか買った何故か山梨産の白ワインを飲み進める。次はアマゴの塩焼きを食し、酒2本とワインが半分空になった所で、余った食材に水を投入し、スパゲティを煮る。水分が無くなったところでオリーブスパゲティの完成である。
酔っ払い2人は簡単に片付けを済ませて、夏用シュラフに潜り込むのだが、クロスカブさんに予備のカイロを使うよう進めたのだが、断られた。寒くても知らんで!もう勝手にして下さい!私はカイロをお腹と背中に入れて眠りにつく。長い大失態の一日が終わった。
小豆島行きフェリーにロープで縛られたバイク
フェリーと遠くに見える岡山の山火事痕
昼食にありついた小さな喫茶店
作れる食事は焼きめしとカレーとスパゲティーのみ
重岩に続く急な鎖道
山頂の見事な重岩
山頂から望む四国方面の眺望
チョコレート付きスムージー600円ナリ
本日一番人の多かったエンジェルロード
絶景ロードが続く県道26号線
大阪城残石記念公園の石柱とオリーブの木
大阪城築城に使用する予定だった残石群
県道
県道26号から本土側を望む
南国を想わせる風景
絶好のツーリング日和りとカブ2台
吉田キャンプ場
マルチグリドルで作る大量のアヒージョ
忘れていたアマゴを焼く
〆のスパゲティー
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