偐万葉田舎家持歌集

偐万葉田舎家持歌集

2015.11.18
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カテゴリ: 銀輪万葉

 本日は栃木県佐野市に来ています。万葉集に詠われている三毳山 (みかもやま) などを巡ってみようという銀輪万葉の旅であります。

下野 (しもつけの)  三毳 (みかも) の山の こ楢のす
             まぐはし兒ろは 誰
(た) が笥 (け) か持たむ
                            (万葉集巻14-3424)
<下つ毛野の 三毳山のコナラのように愛らしいあの娘は誰の器を持つのだろうか。>
 (注)三毳山=JR両毛線の佐野駅と岩舟駅とのほぼ中間、南側に広がる山。県営
        公園が広がり、三毳神社里宮境内にはこの歌碑がある。
     こ楢=コナラのこと。ナラ(ミズナラ)も含むかも知れない。
        ハハソともいう。
        なら(万葉集巻12-3048)
        ははそ(同巻9-1730、巻19-4164、巻20-4408)
        古今集でもハハソとして登場。
        秋霧は けさはなたちそ さほ山の
              ははそのもみぢ よそにても見む (古今集266)

 高崎で新幹線から両毛線に乗り換え、佐野駅下車。ホテルに荷物を預け、銀輪散歩出発。先ず、佐野駅北側の城山公園に立ち寄る。

佐野城趾 (1) (佐野城跡)

佐野城趾 (2) (同上説明板)

 万葉の里城山記念館というのが公園内にあるので、立ち寄ってみたのだが、万葉とは関係ないようなので、パス。

佐野城趾・万葉の里城山記念館
万葉の里城山記念館

 県道67号を東へと自転車を走らせていて目についた「耳うどん」に惹かれて、この店で昼食。耳うどん、なるものを初めて食べました。

野村屋本店・耳うどん
(野村屋本店・ 耳うどん

 耳うどんを食べた後は「目」をしっかり使って、三毳山へと銀輪を走らせる。浅沼町交差点で右折、県道16号を南下。途中で適当に左折、東方向へと走る。もう三毳山が見えているので、その山影を目指して走るだけ。

鐙塚公園 (鐙塚公園)

 途中立ち寄った公園には星田妙見宮を連想させる名の星宮神社があった。栃木県内には星宮神社が散見されるという。

鐙塚公園・星宮神社 (1) 鐙塚公園・星宮神社 (2)
(星宮神社)<参考> 星宮神社 星宮神社とは

 はい、三毳山です。
  <参考>​ 三毳山 ​・Wikipedia

三毳山 (1) (三毳山・西側からの眺め)

 山麓の公園に立ち寄るが、自転車乗り入れ禁止。

三毳山 (2)
(三毳山公園)<参考>​ みかも山公園

三毳山公園 (1) (同上・万葉亭)

 園内の万葉亭は無料休憩所。ロードトレインが園内を周回していましたが、乗客の姿はなく、寂しそうです。

三毳山公園 (2) 三毳山公園 (3)
(同上)

三毳山公園 (5) (三毳山・北西側、東北自動車道佐野IC付近からの眺め)

 山麓をぐるりと北側に回り込んだ北麓にあるのがかたくりの里公園。下調べではそこに万葉歌碑があるとのことであったので、それを目指す。
<参考>​ 万葉自然公園かたくりの里

かたくりの里公園センター (三毳山北麓のかたくりの里公園・管理センター)

 センター建物の裏手に万葉歌碑はありました。

かたくりの里公園 ・万葉歌碑 (かたくりの里公園・万葉歌碑)

 歌碑を撮影していると雨がぱらつき出しました。
 ザックから雨具を取り出し、上下共に着用、完全防備のスタイルで、今度は三毳山の南麓、反対側にある三毳神社里宮を目指す。そこにもこの歌の歌碑があるからです。
 東北自動車道に沿うように走る道を南へと走る。雨は本降りになって来ました。
 国道50号に出て東へ。
三毳神社里宮は「道の駅みかも」の少し先にある。国道はすぐに栃木市へと入る。道の駅も三毳神社里宮も佐野市ではなく隣の栃木市の市域にあるのでした。三毳山付近には古代には東山道「三鴨の駅家」があったそうだが、今は道の駅である。

三毳神社里宮 (三毳神社・里宮)

三毳神社境内万葉歌碑 (1) (境内地の万葉歌碑)

 帰途は国道ではなく一つ北側の間道を走りましたので、道の駅の敷地の北西隅にこのような可愛い少女の石像があることに気付きました。
 台座には本日の万葉歌が刻されていて「こなら娘像」とある。雨中の酔狂な銀輪散歩をねぎらってくれでもするように、ご登場遊ばされました。

道の駅みかも・こなら娘像・万葉歌碑 (1) (道の駅みかもの北西隅にある「こなら娘像」)

 三毳山万葉歌碑が三つ登場で、この日の銀輪散歩は切り上げることとしました。
 明日は、安蘇の川原の万葉歌碑やその安蘇の川の候補地である秋山川や旗川を訪ね、また、もう一つの万葉歌(赤見山の万葉歌)の「赤見山」の候補地である、東山、赤見町萱場の山を撮影して来ようと思って居ります。では、皆さま、おやすみなさいませ。( つづく






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最終更新日  2019.11.13 19:05:50
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Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
ろまろ さん
「下野(シモツケ)の夏に訪ねた歴史旅 足利・新田の足跡知る」

「輪輪輪~♪ 輪が三つ 懐かしCM思い出す 三毳の山は毛毛毛のケ~」

http://rolingwest.exblog.jp/ (2015.11.18 23:01:58)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
ふろう閑人  さん
遠くまでの遠征ですね。
この辺りの地理が不案内のためグーグルマップで辿らせてもらいました。
埼玉とも近く、ここに至る交通の便も多方向から色々あるのですね。
三毳山はルビうってもらわないととても読めませんでした。
毛の国の毛と関係ありそうな山の名前ですね。
ご安全に!! (2015.11.19 05:03:50)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
英坊3  さん
けん家持さんは「万葉の故地」を遠路まで訪ねる意欲に敬を抱きます。常に知識の確認と発見は楽しいことですね。
三毳山の姿は高岡の「二上山」に似ていますね。

*ピラカンサ*のこと、この木の実が私の隣家との境に生えていました。今までは「南天」?と思っていたのですが、先日の貴方のブログの写真で知ったので、それと判りましたよ。それを私のブログに載せましたよ。 (2015.11.19 10:09:50)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
こんにちは(^^♪

『耳うどん』初めて聞きましたので 検索。
『厄払いにきく』とありました。
しっかり 旅の初めの厄払いですね(#^.^#)

厄払いされたにもかかわらず、雨とは 残念でしたね。
18日の大阪は 一日中 雨でした。
今日19日は、曇りながら 雨は降っていません。

栃木も 今日は、銀輪散歩 決行でしたでしょうか?(#^.^#)
道路が滑るでしょうから、大変でしたでしょう?
  (2015.11.19 14:59:33)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
万葉歌碑を訪ねて栃木へですか
万葉歌碑って、日本中どこにでもあるのかな。(ボクの知識はこの程度)

耳うどん、初耳ですがそちらに行かないと食べられないようですね、残念!
(2015.11.19 20:35:32)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
小万知 さん
東をのことなりて銀輪駆けされておられるのですね。
栃木県の小山市へは埼玉県に住んでいた頃、子供達が小学校の遠足で出かけた所、佐野市とも近くて何となく身近に感じます。
耳うどんの事は知らなかったです。
関東のお出汁の濃い色は大丈夫ですか?
私は20年余り、うどんのお汁だけは最後まで馴染めませんでした。
こなら娘像、優しいお姿でねぎらってくれましたね。
素晴らしい歌碑との出会い、旅のご安全を祈っております。 (2015.11.19 22:00:27)

ろまろさんへ  
けん家持  さん
>下野(しもつけの) 夏に訪ねた 歴史旅
           足利・新田の 足跡を知る (呂麻呂)
>輪輪輪~♪ 輪が三つ
 懐かしCM 思い出す
 三毳の山は 毛毛毛のケ (呂麻呂)

上野(かみつけの) 旅は春なり 三碑ゆき
 花咲く多胡の 夕焼けぞ知る (偐家持)
下野(しもつけの) 旅は冬なり 三毳山
 こならの兒ろにも 雨にも逢ひし (偐家持) (2015.11.20 07:52:31)

ふろう閑人さんへ  
けん家持  さん
 三毳山万葉の旅は途中から雨になってしまい、山にも登らずでありましたので、次回の宿題となってしまいました。
 三毳山は確かに初見では読めない字ですね。毛の国らしい名ですが、みかみ山が訛っただけのようにも思えます。
(2015.11.20 08:34:37)

英坊3さんへ  
けん家持  さん
 >三毳山の姿は高岡の「二上山」に似ていますね。
確かに仰る通りです。高岡の二上山を彷彿とさせる眺めで、小生の第一印象も同様のものでした。高岡が「ふたかみ」でこちらは「みかみ」とも似た「みかも」ですから、まあ似ていて当然「かも」ですが(笑)。
 ピラカンサはごくごく身近にあったのですね。まあ、小生のブログでそれと知って戴けたのは光栄なことであります。
(2015.11.20 08:47:13)

ひろみちゃん8021さんへ  
けん家持  さん
 「耳うどん」のことは以前に何かで知って記憶に残っていましたので、そうそうこれこれ、と昼食に採用でした。
 厄払い云々の効用のことは存じ上げぬままに食しましたから、信じない者には効き目なしという相場通りのお天気であったと言う次第。それにしても、耳うどんはそのようなものではないと分かっているのに「うどん」というものの先入観は恐ろしいもので、ついついあのいつも通りの「うどん」を箸で探っている自分に気がつき内心で苦笑するのでありました。
 翌19日は好天気で快適な、少し暑い位の銀輪散歩でありましたが、これは本日中に記事アップします。
(2015.11.20 09:02:27)

ビッグジョン7777さんへ  
けん家持  さん
 >万葉歌碑を訪ねて栃木へですか
 >万葉歌碑って、日本中どこにでもあるのかな。
万葉歌碑は全国にありますね。万葉に詠われた土地は、新潟県、宮城県を極限とし以北は当時は蝦夷地ということで万葉にその名を残すことは出来なかったのですが、歌碑の方はお構いなしにて、札幌など、北海道にもあります。全国にどれ位あるのでしょう。2000~3000位でしょうか。
 >耳うどん、初耳ですがそちらに行かないと食べられない
  ようですね、残念!
そのようですね。まあ、団子汁みたいなもので、「うどん」のあの「すする」というプロセスがないので、「うどん」を食った気には全くなりませんですね。
(2015.11.20 09:12:17)

小万知さんへ  
けん家持  さん
 >栃木県の小山市へは埼玉県に住んでいた頃、子供達が小学
  校の遠足で出かけた所、佐野市とも近くて何となく身近に
  感じます。
若い頃、工場が古河にあり、工場財団の組成やその登記手続きのため上野から東北本線で古河まで出向くことが何度かありましたが、その古河駅の先に小山駅がありましたので、小山市は小生にも馴染みの名でした。東北新幹線小山経由で佐野という方が近いのかも知れませんが、毛の国への訪問となると上野国・下野国と行くのが順序かと高崎経由両毛線で佐野へというコース設定と致しました。
 >耳うどんの事は知らなかったです。
 >関東のお出汁の濃い色は大丈夫ですか?
うどんの出汁の色はノ-サンキューですが、耳うどんの場合は違和感がなかったですね、浪花男・河内男からすれば、あれは既に「うどん」ではないからでしょうね。

(2015.11.20 09:30:26)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
下野万葉歌の解釈は平安〜室町頃の歌人によって解釈された和歌が何首か詠まれている。 さん
歌人の解釈や地形や歴史は一切無視ですね。

東京オリンピック頃の解釈ですか?
いつ頃の解釈ですか? (2019.11.13 17:10:44)

Re[1]:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
けん家持  さん
下野万葉歌の解釈は平安〜室町頃の歌人によって解釈された和歌が何首か詠まれている。さんへ
 そうですか。存じ上げませんのでご紹介いただけると有難く存じます。
 解釈は色々あるのでしょうが、一般的な説に従っています。
(2019.11.13 19:19:06)

Re越奈良の須 :三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
老舗の銘菓に千鳥饅頭が・・・。 さん
◆千鳥まんじゅうは三毳山の裾野に広がる越名沼の千鳥の群を甘さを押さえた白黄味あんで味わいのある素朴な焼きまんじゅうに表現しました。
とのこと (2023.01.27 17:40:57)

Re:Re越奈良の須 :三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
けん家持  さん
老舗の銘菓に千鳥饅頭が・・・。さんへ
  >千鳥まんじゅうは三毳山の裾野に広がる
   越名沼の千鳥の群を甘さを押さえた白黄
   味あんで・・・
 千鳥饅頭は、越名沼の千鳥の群れを表現しているのですか。
 仰っている「千鳥まんじゅう」というのは、千鳥屋宗家の千鳥饅頭のことなんでしょうか。
 安蘇沼も越奈良沼(越名沼)も訪ねていませんので、機会があれば訪ねてみたいものです。
(2023.01.27 23:22:33)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
我が家(ウリチプ) 誰が家(ヌガチプ) さん
我が家の起源は誰が家
 (世界共通認識)

※ウリナラファンタジー地域を除く (2025.07.12 08:13:02)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
小ナラッペ大将 さん
「楢の雑木(ならのぞうき)」が和歌に詠まれた場合、どれくらいの距離にある楢の木がその歌の内容に関係あると考えられるか、ということですね。

これは歌の時代背景や詠まれた状況、そして比喩や象徴の使い方にもよるため、一概には言えませんが、以下の観点から考察できます。

1. 視認可能な距離:数十メートル〜数百メートル
和歌は自然の情景を詠むことが多く、視覚的に見える範囲の対象を詠み込むケースが多いです。楢の木が「雑木(ぞうき)」として詠まれる場合、山のふもとや里山、林などの景観の一部として登場することがあり、視野に入る距離(たとえば50〜300メートル程度)が自然です。

2. 象徴・比喩として:距離は関係なし
和歌では、楢が特定の感情や季節感(例えば、秋の訪れ、侘しさ、人生の深まり)を象徴する場合、実際に近くに楢の木があるかどうかは関係なく、「心にある風景」として詠まれることもあります。この場合、距離は詠み手の心象次第で、物理的な距離の制限はありません。

3. 地理的・生活圏的な距離感:数百メートル〜1キロ圏内
里山的な風景を想定すると、暮らしの場から徒歩で行ける範囲、つまり数百メートルから1キロ程度の距離にある楢の林が詠まれている可能性も高いです。昔の人々にとって、自然は非常に身近で、日常の移動範囲にある風景がよく題材になりました。

結論(要約):
用途・文脈 想定される距離
視覚的に詠まれた場合 50〜300メートル程度
比喩・象徴的な詠み方 距離は問わない
生活圏・地理的に詠まれた場合 数百メートル〜1キロ程度 (2025.08.11 18:17:40)

小ナラッペ大将さんへ  
けん家持  さん
  >視覚的に詠まれた場合 50〜300
   メートル程度
   比喩・象徴的な詠み方 距離は
   問わない
   生活圏・地理的に詠まれた場合
   数百メートル〜1キロ程度
 なるほど、まあ、挙げて居られる数字については異論もありそうですが、そういう視点での考え方には概ね納得できますね。
 コメントありがとうございました。
(2025.08.11 20:47:43)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
渚のオールスターズ さん
新 伊香保、新 安蘇、新 伊奈良、新 許奈良の須、新 許我 なら

・奥日光 中禅寺湖畔
・八丁出島

・谷中湖畔💙谷中の洲
・谷中の関
・谷中の河原
※現在は恋人の聖地 (2025.09.06 19:32:42)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
ジャパーマンネット❗ さん
下野の渚万葉歌二首
阿蘇川原並美加保乃関

AIの見解
結論:万葉集における「楢(なら)」の扱いについて

● 「楢の木」関連の語句

確認される表現:

「楢柴(ならしば)」

「柞原(ははそのはら/ならはら)」など


詠まれている歌数:2首程度

全体の比率(約4,500首中):約0.04%

⇒ 非常に稀な存在


● 「小楢(こなら)」について

明確に詠まれた例はなし

詠まれた確率:実質 0%

---

解釈と補足:

万葉集における植物モチーフの中でも、「梅」「松」「桜」「萩」「薄(すすき)」などに比べ、「楢」は明らかにマイナーで詠まれる機会が極端に少ない樹種です。

「楢柴」や「柞原」は、どちらかというと**実用的な文脈(薪や原野の描写)**で登場しており、叙情的な中心モチーフにはなっていません。

「小楢」は分類上はコナラ属ですが、古代語としては使用例が確認できず、歌語としては存在感がほぼないといえます。

---

まとめ:

「楢」や「小楢」は、万葉集においてはほとんど詠まれなかった植物モチーフです。
よって、歌の題材や象徴として選ばれる確率はごくごく低いと結論づけられます。 (2025.09.12 20:25:59)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
ルパン三毳嶺不二子 さん
AIさん見解
「山(やま)」と「嶺(みね)」の語の区別、すなわち「山=単独峰・丘山」「嶺=連山・稜線」のような意味的な区別が曖昧になったのは、はっきりとした時期を一概に断定するのは難しいですが、中世から近世にかけて徐々に曖昧化していったと考えられています。

以下、時代ごとの変遷を簡単にまとめます。

---

■ 古代(奈良・平安時代)

「山」や「嶺(嶺・峯)」は明確に使い分けられる傾向がありました。

例:

「山」=地形としての山全体、または単独峰的なもの。

「嶺/峯」=山のてっぺん・稜線・山脈・神聖な場所としての山頂など。


『万葉集』や『古事記』などでも、山の中の特定の「みね(嶺)」を詠む表現が多く見られます。

---

■ 中世(鎌倉〜室町時代)

仏教や修験道の影響で、「峯」や「嶺」が宗教的な意味を持つ言葉としても使われ始めます(例:大峯山、大菩薩嶺)。

一方で、「山」という語はより一般的な用語として定着していき、地理的な用語としての「嶺・峯」との区別がやや緩やかになってきます。

---

■ 近世(江戸時代)

地誌や和歌、随筆などで「山」と「嶺・峯」の使い分けはまだ存在していましたが、口語的・日常的な言語では「山」に統一されていく傾向が強まりました。

また、江戸期の地図や地誌でも、「嶺」「峯」を「山」と併記するなど、混用が見られるようになります。

例:「八ヶ岳嶺」と書かれていても、実際には「八ヶ岳山系」と呼ばれるなど。

---

■ 近代(明治以降)

明治の地名整理・地図製作(陸地測量部など)によって、多くの地名が「○○山」と統一的に表記されるようになり、「嶺」や「峯」は特定の例外を除き、一般地名からは減少していきます。

この時期に、行政的・教育的な標準語化の中で、「山」と「嶺」の区別が一般的に失われていったと見られています。

---

■ 現代

現在では「嶺」「峯」は主に地名や山名(例:瑞牆山=みずがきやま、白馬岳の稜線=白馬嶺など)に残っているが、一般的な話し言葉ではほぼ「山」に統一されています。

国語辞典などでも、「嶺」「峯」は「山の上部」や「稜線」などとして記載されるものの、使用頻度は低くなっています。

---

■結論(簡潔に)

「山」と「嶺・峯」の語の区別が一般的に失われ、「山」に意味が統一されていったのは、江戸時代後期から明治時代にかけての言語の標準化・地名の整理が大きな要因と考えられます。
(2025.09.21 18:20:49)

Re:三毳山銀輪万葉(その1)(11/18)  
夢ナラ🇯🇵ジャパネット♪ さん
AIの見解
結論

「美可母の山の許奈良の須」が、麓に形成された沼の橋立(砂州)あるいはそれに類する湿地性の洲 を指すという解釈は、

地形学的証拠(砂州・洲の形成条件)

言語史・語義(「須」「洲」「洲處」などの通用)

歌の文脈および場面描写
のいずれとも矛盾せず、 現代の研究動向とも整合的である。


総合的に見て、この解釈はきわめて妥当性が高い。


---

推定される確率(信頼度評価)

現在得られる証拠に基づく推定としては、

> 85〜90% 程度の高い確率で、この「須」は橋立状の砂洲/湿地性の洲を描写している


と評価できる。


---

備考

「橋立」を比喩として読む場合は若干確率が下がるが、

「砂洲」「洲」「湿地に形成される細長い洲」 としての理解はきわめて確実性が高い。

歌語としての「須」に複数の可能性があるため 100% の断定は避けるべきだが、
地形的イメージとしてはほぼこの方向で確定的 といえる。 (2025.11.23 20:33:27)

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