星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2025.08.12
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テーマ: 読書(9636)


 4 月にNHKの「土曜ドラマ」で放送された「地震のあとで(全4回)」の原作の「神の子どもたちはみな踊る」をやっと読み終えました。6つの短編からドラマとなったのは「UFOが釧路に降りる」「アイロンのある風景」「神の子どもたちはみな踊る」「かえるくん、東京を救う」で、個人的には焚火のシーンが物語に彩りを添えた「アイロンのある風景」が一番好きです。

残り2つの短編のうち文庫本刊行のために書き下ろしされた「蜂蜜パイ」は村上春樹氏の実際の経験が反映されたもののようで作風も他の作品とは一味違い(最後が分かりやすいハッピーエンドになっています)読後も余韻に浸っています。物語の主人公「淳平」は神戸出身で早稲田大学文学部に在籍中に同学部の「高槻」に声をかけられ同じく高槻に声をかけられた「小夜子」と親密な交友関係を築いて行きます。その関係に変化をもたらしたのが在学中に高槻と小夜子が交際を始めた事でした。淳平の小夜子への想いをそれぞれが受けとめながら卒業後に2人は結婚「沙羅」という女の子も誕生します。

 結婚後も変わらず3人で、子供が生まれてからは4人で定期的に会って親交の絆を深めて行きます。卒業後は短編小説家となり独身を続ける淳平の作品作りに欠かせない役割を果たす小夜子の存在(書き上げた作品はまず小夜子に読んで貰います。そして村上氏自身もまず奥さんに読んでもらうそうです)は精神的な核の部分の繋がりの貴重さを痛感させられます。3人の出会いからほぼ10年が経って3人が選んだ道は・・。時間をかけて大切な事に心を砕き守り続ける事の意味を感じさせてくれます。

因みにタイトルの「蜂蜜パイ」は淳平が地震の後の沙羅の気持ちを落ち着かせるために沙羅に語る自作のお話しです。人間に育てられた日本語も話せる熊の「まさきち」と乱暴者で日本語が出来ない熊の「とんきち」がギブ&テイクと信頼の精神でお互いに助け合って生きるという結末です。この2頭の熊と4人の生きる姿が重なって「自分にもこの先何か良い事があるかも」と思わせてくれる作品です。





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最終更新日  2025.08.12 10:13:41
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