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3月6日に行われるチャンピオンズリーグのベスト16第2戦を前に、リヨンのオラス会長がこうコメントした。「ローマとの第2戦の前に、サンテティエンヌ戦で我々がリーグ・アンで 最高のチームということを示す必要がある。 しかし、我々のプライオリティーはチャンピオンズリーグの制覇にあるし、 現在の日程ではチャンピオンズリーグで勝利を手にするために、 主力を温存してサンテティエンヌ戦に臨むことになるだろう。 リヨンがヨーロッパのカップ戦で上位に進出することは、 UEFAの定めるポイントの獲得にもつながり、 フランスのフットボール界にとっても非常に重要なことである。」リヨンは今週末の土曜日にアウェイでサンテティエンヌと戦い、火曜日にローマとの第2戦が控えている。国内リーグは5連覇中であり、今シーズンも残り12試合の時点で2位に勝点13差の首位を独走しているリヨン。プライオリティーがチャンピオンズリーグに傾くのも無理はなく、ベスト8に進出するためにはスコアレス以外の引き分けも許されない勝利が必要なのである。暗にサンテティエンヌ戦の日程変更を要求することで、意識をチャンピオンズリーグに集中させたいわけだ。強すぎるリヨンの国内軽視と取られてもおかしくないコメントであるが、後々のことを考えるとフランス・サッカー界の発展にもつながる可能性もある。その前にまず「UEFAの定めるポイント」だが、現在UEFAが主催する大会はチャンピオンズリーグとUEFAカップの2つがある。それぞれの大会に出場できる各国クラブ数は「UEFAの定めるポイント」によって決まっており、ポイントの高い国ほど多くのクラブを大会に出場させることができる。ポイントの獲得方法だが、それぞれの大会における勝ち、引き分け、負けに応じて獲得ポイントが決められており、勝ち進むぶんだけポイントが加算されていく。逆に初戦で負ければポイントは無いに等しい状態になる。過去5シーズンの各国トータルポイントに応じて出場クラブ数が決められるので、クラブ同士の戦いであると同時に、国同士の戦いでもあるのだ。そこでリヨンであるが、もちろんフランスのクラブである。フランスのポイントランキングは現在4位。上位3カ国(スペイン、イングランド、イタリア)がチャンピオンズリーグ出場枠が4に対しフランスは3である。あと1つ順位を上げれば出場枠が1つ増えるわけで、現在3位のイタリアは年々ポイント獲得数が減っている。今シーズンの結果如何では順位が逆転するかもしれないのである。仮に出場枠が1つ増えるとなれば、これまで何度も涙を呑んできたクラブには絶好の出場チャンスであり、その分国内リーグの競争は活性化する。シーズン終盤の消化試合も少しは減るだろうし、スタジアムに足を運ぶ観客は増え、機会も増える。チャンピオンズリーグに出るだけで賞金が手に入るのだから、クラブの懐は暖かくなる。もちろん国内リーグの順位に応じても賞金は出るだろうし、観客が増えれば入場料収入も増える。それでチームを強化したり、大物選手を獲得してクラブをさらにアピールできる。このようにリヨンの要求は自己中心的に見えて、それが成功すれば結果的には自国の活性化にもつながるのである。ここでリヨンの言動を暴走と捉え却下するか、それとも将来を考えて要求を呑むか、どちらが正しい選択なのかは言うまでもない。現にポルトガルはすでにチャンピオンズリーグ出場クラブの日程変更を協会主導で行っている。たかが1つの出場枠ではあるが、挙国一致で掴み取るには十分すぎるほどの1つである。フランスにとってリヨンは唯一の希望の光。そしてリヨンの相手はポイントランキングの直接の相手、イタリアのローマである。ほな、また。
2007.02.28
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やはりリールが上訴した。チャンピオンズリーグでのギグスのFKの不当性を訴えたリールだったが、UEFAは却下した。それでも納得のいかないリールは上訴に踏み切った。以下はセイドゥ会長のコメント。「試合を見た人々は我々がなぜ上訴という決定を下したのか分かってもらえるはずだ。 今回の件は慎重に判断を下してもらわなければならない。 UEFAにはそれをやる義務があるし、 審判にこの試合の結果に影響を及ぼしたことを分かってもらう必要がある。 道徳的な観点から訴えを起こさなければならなかったんだ。」「このような事態が起こってしまったのだからUEFAに訴えていくつもりだ。 これはリールだけの問題じゃないんだ。 全てのクラブのために我々は戦っていこうという決意を抱いている。 そして今回のことが2度と起こらないようにしなければならないんだ。」ぼくは試合を見た。何度もリプレイでも見た。だが、ぼくの考えは前々回書いたとおりで、このコメントを読んでも考えは変わらない。コメントのように、たまたま結果に影響を及ぼしたから、また自分達の過失を隠すために、訴えを継続することで引き換えに過失に対する罰を少しでも軽くするために上訴したのだろう。だからリールには早く訴えを取り下げて、アウェイの第2戦に心身とも万全の状態で臨んで欲しい。とリール側の意見を全否定するようなことを書いた(実際そうなのだ)が、見方を変えればリールの言い分に納得できる、賛同できる部分もあるのだ。おりしも先日行われたマドリー・ダービー。結果は1対1の引き分けに終わったこと、アトレティコは唯一のミスから失点したこと、2点目をオフサイドで無効にされたことなどを前回の記事で書いた。オフサイドの場面、テレビ越しでは分かりにくいがリプレイで見ると明らかなオンサイドだった。そのことについて試合を裁いた主審が試合後、誤審だったことを認めたのだ。自身の位置からは分かりにくかったのだろう、線審の旗が上がるのを見てオフサイドの判断したらしいが、試合後にビデオで見て誤審だったと気付いたらしい。誤りを認めることは勇気がいることなのでこれはこれで賞賛に値するが、ダービーでの誤審であり、アトレティコからすれば誤審がなければ勝っていた可能性が非常に高かったわけである。しかも勝っていればレアルと勝点で並んでいたのだから、誤りを認められても後の祭りである。そう考えると、審判のジャッジ1つ1つが試合結果に大きく影響を及ぼしているわけだから、審判に関する問題というものはリールに限った話ではなく、クラブ、代表と全関係者に関係する問題なのである。そして今回のダービーや優勝が懸かった大一番で試合に直接影響する誤審が起これば、今以上の論争が起こるのは必至である。問題が起こる前に出来るだけ予防策を講じる必要もあるし、問題提起しておくだけでも大変重要なことであり、この点に関してはリールに賛同できる。ただダービーでの出来事が偶然だったとはいえ、コメントのタイミングがあまりにも良すぎるのは気のせいだろうか。誤審に便乗して、あわよくば自分達の正当な失点も撤回できないものかと考えをめぐらせているリール関係者の顔が浮かぶのはぼくだけではないはずだ。審判のジャッジに関する問題は今後も続くだろうし、継続的に論議していかなければならない課題でもある。だがダービーでは明らかな誤審だったのに対し、ギグスのFKは明らかな正審なのだ。つまりは便乗するところを間違えており、これもまたある意味“すり替え”である。ほな、また。
2007.02.27
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昨日行われたマドリー・ダービー、アトレティコ対レアルの試合を見た。前半、試合を有利に進めるアトレティコがトーレスのゴールで先制し、なおもFKからペレアが決めるもオフサイドで無効に。レアルは後半開始から監督との確執があったカッサーノを投入すると、そのカッサーノスルーパスにイグアインが移籍後初ゴールを決め同点に。結局1対1での引き分けとなった。常に試合の主導権を握っていたのはアトレティコだったが、イグアインの得点後はレアルのペースだった。しかしカンナバロの退場後はまたしてもホームのアトレティコが攻勢をかけていた。そんな両クラブ関係者の試合後のコメントを見てみる。<アトレティコ>「われわれの方が明らかに良いプレーをしていただけに残念だ。 プレーが劣っていても勝つことだってあるからね。」「私達は90分間、常に相手を上回っていた。 レアルのチャンスは1度だけ。だが私達はもっと作っていた。 最初から力強くプレーし攻撃的に戦ったのだから、勝点3がふさわしかったと思う。」「レアルはレアルである。 素晴らしい選手がいて、僕らの1つのミスから同点にした。 僕らは試合を決めることができなかった。」「みんなレフェリーに怒っている。 なぜペレアがオフサイドだったのか理解できないからだ。」「最初から最後まで相手を上回っていたから、 スコアボードはピッチで起こったことを反映していない。 前半のアグエロに対するプレーは明らかにPKだし、 ペレアのゴールもオフサイドではなかった。 前半に追加点を決められなかったのは残念だし、 引き分けは公平な結果ではなかった。」<レアル>「チャンピオンズリーグの後でコンディションが難しかった。 それでもプレーには満足している。 引き分けは妥当な結果だよ。」「怪我に泣かされたが、試合を振り返ると公平な結果に終わったと思う。 前半はよくなかったが、後半のパフォーマンスは満足している。」コメントを見ても分かるように、両クラブの思いは両極端である。追加点を奪えず審判にも見放され、逆に唯一のミスから失点し落ち込むアトレティコ。かたやほぼ負け試合を引き分けに持ち込むことができたレアル。では今回の1対1という結果は両クラブにとって公平だったのだろうか。アトレティコは不公平だと嘆き、レアルは公平だと胸をなでおろす。そもそもこれらの基準はどこにあるのだろうか。結果だけを求めるのか。それとも内容に結果が反映されて始めて、なのか。はたまた全く別の基準点が存在するのか。答えは、全て正解であり、全て間違いである。監督、選手、関係者、ファン、全ての人にそれぞれの基準点が存在するのである。たとえシュート数が30対0でもシュートが決まらなければ引き分けになることだってある。たとえ審判のジャッジミスで得点が無効になっても、それ以外のチャンスを決めきれなかった自分達にも責任はある。それに別の機会で今回と逆の展開が起こっても不思議ではない。その時になればおそらく、コメントも今回と逆になっていることだろう。自分達は必ず、どこかに属している。それを前提として練習し、試合をし、コメントを出している。自身の所属が基準点なのだから、それに対して公平か不公平かを(あまり使いたくはないが)客観的に見る事はできない。今回の場合もどちらかが公平で不公平かなんて分かるはずもなく、ただ1ついえることは「これがフットボール」ということだ。ほな、また。
2007.02.25
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先日行われたチャンピオンズリーグ。我がユナイテッドはアウェイでリールと対戦。苦戦しながらもギグスのFKで0対1と辛勝を果たしている。この試合、いくつかの面でUEFAの審議及び調査の対象となっていた。まずは直接の、そして唯一の得点につながったギグスのFKについてだが、リール側は「審判がリスタートの笛を吹いていない」ことを理由に、得点の撤回と再試合の要求をUEFAに訴えた。しかしUEFAはこれを棄却し、試合は成立したという決定を下した。ぼくはユナイテッドファンであるが、この点についてはUEFAを支持する。FKの場面をよく見てみると、審判はギグスに近寄り何かを聞いている様子だった。そして通常見られるような、壁の位置を下げさせる様子もなかった。ということはギグスは「壁を下げさせなくても良い」ということを審判に主張したのであり、審判はこれを尊重し、そのままプレーを続けさせたのである。似たような場面で例を挙げれば、ファウルをもらった攻撃陣がすぐに開いている選手にパスを出し攻撃を始めるプレーをしばしば見かける。守備を混乱させる意味で、守備隊形が整っていないなかで有効なプレーであるが、このような場面を思い返して、リスタートの笛は果たしてなっているだろうか。もちろんファウルを宣告する笛はなっているものの、リスタートを意味する笛はなっていないはずである。ということはたまたまギグスの場合は直接得点につながっただけで、プレーそのものは有効である。実際にイングランドでは、特にアンリがFKの際にしばしば使うプレーであり、なぜそんなに抗議をするのか理解に苦しむところだった。それよりも失点直後に試合を放棄するような行動を取ったリールに何かしらの罰則が与えられるべきであり、リールの監督はギグスのFKを「不公平だ」と批判したようだが、だからといって試合を放棄してもいいわけではない。おそらくその前の微妙な判定で、オフサイドで得点が取り消しになった場面があったのだが、それに対する不満もあったのだろう。しかし、時間はまだ多くはないものの残っていたし、ホームでの戦いである。会場につめかけたファンに対して失礼であり、そもそもサッカー、スポーツに対して失礼である。そんな人間に不公平どうのこうのを言われる筋合いはない。もう1つ調査の対象になっているのが、前半途中にユナイテッドのファンがフェンスをよじ登った件である。イタリアでの事故からまだ20日ほどしか経っておらず、UEFAのプラティニ会長がチャンピオンズリーグ出場全クラブに署名入りで通知を出したほど、この手の問題には敏感になっている。リール側の言い分は「ユナイテッドが試合の1ヶ月前にチケットを配ったことで容易に偽造チケットが作られた。もし当地で試合前に配っていれば、このようなことは起こらなかった。」らしい。しかしぼくに言わせれば、これも試合放棄未遂と同様、“すり替え”的論理に思える。コメントどおり偽造チケットが出回っていたのであれば、そんな簡単に偽造を作れるチケットを作ったリールにも責任はあり、偽造チケットを見逃しスタジアムにファンを入れた責任も大きい。またリールのホームなのだから、その場の運営や監視はリールの責任である。つまりは責任の所在はほとんど全てリールにあり、それをユナイテッドの責任にするのは間違っている。またリールはチャンピオンズリーグのみ、ランスのホームスタジアムを間借りして試合を行っている。リールのホームスタジアムがUEFAの規定を満たしていないという理由からだが、だからといって運営や監視に慣れていないという理由も、今回の事件の言い訳には当てはまらない。チャンピオンズリーグだけをとっても昨シーズンは3度、今シーズンも今回で4度目の使用であるし、UEFAカップを含めるとその数はもっと増える。もっといえば、昨シーズンもユナイテッドはリールと対戦しているのである。しかし前回はこのような事件は起こらなかった。つまりはリール側の言い分は全てが自分達の対応の稚拙さを隠蔽し、批判の矛先を別に向けるための良い逃れなのである。もう1度言うと、ぼくはユナイテッドファンである。そして今回の責任はほぼリール側にある。しかしそれを踏まえても、ファンの愚行については、直接関係はなくともユナイテッドというクラブにも責任が生じるはずである。それはこれまでのファンの行動に対する処罰の例が示している通りであり、何度かこのブログでも書いてきたとおりだ。フェンスを登ったのはユナイテッドファンであり、そのファンにチケットを渡したのは、リールからチケットを送ってもらったユナイテッドだ。イタリアでの事件を向こう側のことと思わず、自分達にも起こりえることだという思いで運営してほしいし、UEFAからの処罰に対しては素直に応じてほしいと思う。ほな、また。
2007.02.24
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チャンピオンズリーグがいよいよ再開した。これからの試合はノックアウト方式となるだけに、文字通りのサバイバルが期待されるところであり、今シーズンは強豪クラブが順当に勝ち上がったこともあって、全ての試合が見逃せない戦いになるであろう。まずは明け方に行われた4試合の結果は以下の通り。セルティック 0-0 ミランPSV 1-0 アーセナルリール 0-1 マンチェスター・ユナイテッドレアル・マドリー 3-2 バイエルン・ミュンヘン中でも注目だったのが、共に不振を極めているレアル対バイエルンの一戦。監督問題がメディアをにぎわし、国内リーグでも結果がついてこない両者は、このチャンピオンズリーグを境にして調子を上げていこうと目論んでいた。結果だけを見ればレアルの勝利だが、試合内容はお粗末極まりないものであり、個人頼みのプレーでしかチャンスを作ることはできなかった。後半43分のファンボメルの得点が第2戦にどのような影響を及ぼすかが注目されるところだ。いわば似たもの同士のビッグクラブの対決だったレアル対バイエルンだが、このあと行われるバルセロナ対リバプールにも似通っている部分がある。レアルとバイエルンが監督問題に揺れ結果が出ていないのに対し、バルセロナとリバプールは選手に問題を抱えているのである。リバプールは16日、ベラミーに対し罰金処分を科すことを決めた。リバプールは今回のバルセロナ戦に向けてポルトガルでキャンプを張っていたが、打ち上げパーティーの際に、ベラミーが同僚でもあるリーセをゴルフグラブで殴るという事件を起こしたのである。幸いリーセは軽症で済んだようなので一安心だが、なぜベラミーがそんな事件を起こしたかについては分かっていない。ただ1つ考えられるのは、シーズン終了後の移籍がベラミーを追い詰めていたのではないかということだ。リバプールは先頃、今シーズン終了後にレバークーゼンからヴォローニンを獲得することを発表している。とはいえ正式な合意はまだなのだが近日中には契約が成立するらしい。ウクライナ代表としてもシェフチェンコのパートナーとして昨年のワールドカップにも出場したヴォローニンのポジションはもちろんFWである。現在リバプールにはベラミー、カイト、クラウチ、ファウラーの4人がいるが、体格やプレースタイルなどヴォローニンにタイプが1番近いのがベラミーである。そうなるとベラミーの気分はあまりいいものではない。同じタイプの選手が来るのだから自分の将来について考えてしまうのは当然である。しかも最近ではおとなしくなったものの、すぐにカッとなってしまう性格の持ち主だから、リーセになにかしらの、ベラミー以外なら、あるいは1ヶ月前のベラミーなら気にもしない些細なことを言われ暴発してしまったのではないだろうか。一方バルセロナのほうはご存知のとおり、例のエトー問題である。昨年9月に膝を怪我し、ようやく復帰したエトーだったが、監督との意見の食い違いから復帰戦の出場を拒否。ロナウジーニョなどチームメイトを巻き込んでの騒動となったが、プジョル曰く、デコ曰く問題は解決したようだ。先週末のバレンシア戦は今回のリバプール戦に備えるという理由でメンバーから外されていたエトーだったが、どうやら今回のリバプール戦のメンバーからも外されたようだ。本当にライカールト監督がいうようにコンディションが整っていないだけなのか、それとも他にクラブ外には言えない別の理由があるのか。ただコンディションが悪いのなら騒動の発端となった試合には出れなかったのではないだろうか。さて選手の問題については似通っている両クラブだが、ここ最近の状況は似て非なるものである。リバプールは先週末、既に敗退が決まっているFAカップが行われた関係で試合がなかった。それで試合勘を落とさないためにポルトガルでキャンプを張っていたのだが、10日間も試合が無かったため休養は十分であり、コンディションは悪くない、むしろ良いといっていいのではないか。対するバルセロナは先週末、上記の通りバレンシアとの上位対決があった。後半ロスタイムにロナウジーニョのFKが決まるも、鮮やかな2発のカウンターに敗北を喫した。バレンシアの基本戦術は守備を固めて相手のミスを誘い、それに付け込みカウンターから得点を奪うというものだ。バルセロナはまさに相手の代名詞といえる術中にはまったわけだが、バレンシアにカウンターの基本戦術を植えつけた人物こそ、現在リバプールの監督を務めているベニテスである。バレンシア時代にはそのカウンター戦術で数々のタイトルをクラブにもたらしたベニテスなのだから、バルセロナというクラブの代名詞は十分すぎるほど知り尽くしているはずであり、スペインリーグ経験者もリバプールには少なからずいる。そしてもちろんチームの戦術には監督の意思が反映されており、リバプールにはベニテスの意思が反映されている。バレンシアに敗れた後、ライカールトはこうコメントしている。「リバプール戦に向けての良い教訓になった。 これでリラックスしてリバプール戦に臨む事ができなくなった。 今日(バレンシア戦に)勝てなかったのだから、 次の試合には勝つしかない。」バレンシア戦の敗戦は、タイミングとしては最悪に近いものだったかもしれない。しかし逆に言えば、リバプール戦に向けての慣らしが出来たと言えなくもない。個人的にはリバプール戦にエトーをメンバーから外したのはギャンブルだと思っている。おそらく引いて守りを固めるだろうリバプールに対抗するには、エトーの攻守両面における動きが絶対に必要だと思うからだ。エトーを外したギャンブルが吉と出るか凶と出るか。ほな、また。
2007.02.21
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現在オランダのAZで指揮を執るルイス・ファンハール監督がコメントしていた。「スペインは素晴らしい能力を持った選手がおり、素晴らしい代表チームだ。 だから私はスペイン代表の監督になりたい。 スペインは勝つための信念と今まで以上の信念が必要だ。 だからこそ、スペインにはファンハールが必要である。」スペイン代表は先日、イングランドと親善試合を戦い勝利は収めたものの、メディアの評判はあまり芳しくない。それというのも現在進行中の、2008年EUROの予選での不振が最大の理由であり、アラゴネス監督の進退問題が絶えず議論の的になっている。国によって試合数にばらつきはあるものの勝点3のグループ5位。1試合消化の多い首位スウェーデンに勝点で7も離されている。次回3月に行われる予選では2位デンマーク(スペインと同試合数の勝点7)と戦うが、ここで敗れるようなことがあれば解任は必至の状況であり、そうなれば後任候補に注目が集まるわけだが、ファンハールは自分こそが最適だと考えているようだ。ファンハールはバルセロナについてもコメントしている。「ライカールトは2度のリーガとチャンピオンズリーグを獲得し、 素晴らしい仕事をしている。 彼のバルセロナはAZのようなプレーをする。 ただ、バルセロナが約310億円もの予算を持っているのに対し、 AZは約8億円しかない。 それ以外には小さな差しかない。」「私がバルセロナにいた時はロナウジーニョを獲得するようなお金がなかった。 ライカールトは10人から15人もの選手を獲得することができた。 今のバルサはお金がたくさんあり、 在籍する選手がダメならほかの選手を買うことができる。 私が率いてきた時代には下部組織に多くの注意が払われていたが今はそれがない。」ファンハールは監督としてのキャリアをオランダのアヤックスでスタートさせ、95年にはチャンピオンズリーグを制覇。97年から2000年と2002年の2度に渡りバルセロナの監督に就任し、2004年から現在のAZで指揮を執っている。このコメントだけを見れば、そして彼がどんな監督かを知らなければ、ファンハールは偉大な監督であり、監督としての資質を十分に備えた名監督だと思うだろう。確かに1度でもチャンピオンズリーグを制したことのある監督である。それなりに有能な監督であろう。しかしそんなに持ち上げるほどの監督でもないことは、揚げ足を取るには十分すぎるほどの実績やデータが裏付けてある。まずはアヤックス時代。アシスタントを含めると10年近く在籍しリーグ優勝は3回、チャンピオンズリーグ1回という成績。数字を見れば良いが、この時期のアヤックスには後にオランダ代表の主軸を担うデブール兄弟やファンデルサール、クライファートにオーフェルマルス、ダービッツと豪華な(この時期は)若手が揃っていた。つまりは2~30年に1度あるかないかの豊作の時代であり、別にファンハールじゃなくても良かったのではないかと言えなくもない。続いてスペイン、バルセロナ時代。ライカールト同様、2度に渡る3年半の間にリーガを2度制覇しているが、チャンピオンズリーグ制覇はなかった。現在世界中から羨望の眼差しで注目を集めているライカールト率いるバルセロナだが、ファンハールのコメントは、そんなライカールトと自身を同列に見ており、そしてクラブの予算を比較することで、さも自身の方が名監督であるとアピールしているようにしか感じ取れない。また2つ目のコメントを見れば「現在のようにお金もなく、下部の選手を使うしかなかった」と言うが、ファンハールガバルセロナ時代に獲得した選手はレイツィハー、リバウド、デュガリー、デブール兄弟、コクー、ゼンデン、リトマネン、メンディエタ、リケルメ等々、確かにロナウジーニョクラスの選手はいないもののリバウドやリケルメなど確かな実力を持った選手ばかりであり、さらに言えばその2人を除いてほぼ全ての選手が自分の望んだ選手なのである。しかもアヤックス時代の愛弟子たちを呼び集めているのである。リケルメのように、不要な選手なのにクラブが勝手に獲得したというような選手たちではないのである。なのにバルセロナではチャンピオンズリーグを獲得できなかったのは、やはりそれなりの資質しかなかったといわざるをえない。バルセロナを退団した理由として結果が出なかったことと、もう1つ上記のように自身の教え子たちを集めて、下部の選手を冷遇したことでファンとの確執があった。これは言動とは正反対の行動であり、それでも辞任の際には「私がこのクラブの最高の監督であったと確信している」とコメントしている。これだけの自意識過剰っぷりには呆れる以外の何物でもなく、予算がどうだとかクラブがどうだとか言う前に、その大きく開いた口と態度を改めてもらいたいものだ。スペイン代表監督の件についてもそうである。「スペインは能力が高く素晴らしいから、 この素晴らしい私が代表監督になるのがふさわしい。 それにこれだけの選手が揃っていれば、私が何もしなくても普通に戦えば勝てるでしょ。 そうすれば私の株も上がるというものだ。」ほな、また。
2007.02.20
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ロイターの報道によると、プレミアリーグのチェルシーが、動画投稿サイト「YouTube」と提携したことを発表したようだ。契約によると、「YouTube」上に新たなチャンネルを開き、試合の生中継を除く様々なコンテンツを毎日更新するようだ。今回の提携についてチェルシーのケニヨン最高責任者は「チェルシーは急成長を遂げている新しいメディア・プラットフォームの1つに参入する 初めてのサッカークラブとなる。 これは新たな観客層の獲得に繋がるだろう」とコメントし、期待を寄せている。現在チェルシーは「チェルシーTV」という番組を放送している。これは過去の名勝負やハイライトなどの試合映像のほか、普段はなかなか見ることのできない練習風景や選手・監督のインタビューなどファンにとっては見逃せない内容になっている。しかしこれを見るには海外のテレビが見れる環境を整えなければならず、そのためだけにお金を払っているファンがもしかしたらいるかもしれない。また新たなファン層の獲得という意味では、どうしても範囲が限定的になってしまい、新規開拓というよりは既存ファンを充実させる意味合いが強かった。おそらくテレビ版と「YouTube」版では内容に大した差はないであろうが、今回提携したことで、海外テレビを見れる環境がなくともネットさえ繋がっていればチェルシーの映像を見ることが出来るわけだ。おそらくはそれに対しての新たな視聴料は発生しないだろうし、チャンネルが決まっていることでスムースに見たい映像を探すことが出来るのではないだろうか。また日本ならスカパー契約者よりもパソコン保持者のほうが多いであろうし、世界全体で見ても同様の傾向だと思うので、新規開拓という意味合いでも今回の提携は良い方法だといえる。「YouTube」といえば日本でも著作権の問題が話題になっているが、この問題に関しても提携によって多少は改善されるのではないだろうか。素性が分からないことをいいことに著作権のある映像をアップしているから問題になっているわけだが、本家が進出しそこから映像が出される場合、おそらくは今までグレーな映像を見ていた人というのは本家に流れていくのではないかと思う。また本家が判明している以上、それ以外は全て(といってもいいほど)偽者、言い換えれば著作権を侵害してアップしている映像ということができ、削除要請や著作権侵害による告訴なども以前に比べ簡単に、スピードアップして行うことができる。ただこれに関しては、本家が作る映像というのは自分に都合のいいものしか流さないため、本家に都合の悪い映像はグレーな映像にアクセスが集中するだろうし、ネットにまつわる問題は常にイタチごっこで解決しないまま時が流れることが多々である。よって全面的な解決というよりも抑止効果に繋がるのではないだろうか。自クラブの知名度を上げ、新たなファン層を開拓することは近年、非常に困難になってきている。そんななか、チェルシーが今回「YouTube」と提携したことは、テレビによる営業さえ飽和状態になっている今、最初ということもあるが、新たな営業方法として今後の成り行きに注目が集まるのではないか。ただ、チェルシーである。仮に失敗すれば「そら見たことか」と中傷を浴び、成功したところで他のビッグクラブが後に続く反面、少しの誹謗を受けることになるだろう。ほな、また。
2007.02.18
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つい最近リバプールの買収騒動について書いたばかりだが、これもプレミアというリーグが投資の対象として、単純に人気があるからだろうか。先月、イギリスのベルグラビア・グループという投資会社が、ニューカッスルとの買収交渉が破談に終わったと発表した。同グループは「長く交渉を続けたが、金銭面でもクラブの業務構造でも同意できなかった。 しかし状況が変われば、再び交渉の席につくことも有り得る。」と声明を出した。以前よりニューカッスル会長のジョン・ホール氏と息子のダグラス氏は、所有する株の売却を考えていることを公にしており、実際のところベルグラビア・グループ以外にも、アメリカの投資グループであるボリゴンが買収の意思を表明(すぐに撤回)していた。今回ベルグラビアとの交渉が破談に終わった理由として、コメントにもあるように金銭面での開きとクラブの業務構造がある。金銭面での開きはそのままで、売値と買値の要求の差が埋まらなかったのが理由である。売り手は少しでも高く売却したいし、買い手はその逆で少しでも安く手に入れたい。それが売買であり、今回はその妥協点を見つけることが出来なかったというわけだ。もう1つのクラブの業務構造という点だが、その前にニューカッスルというクラブのここ数シーズンを簡単に振り返ってみたい。ボビー・ロブソン監督の下、取られたら取り返せの攻撃的スタイルで、タイトルこそ獲れなかったものの常に優勝争いに加わり強豪の一員だったニューカッスルだったが、スロースターターゆえに、毎シーズン開幕直後の順位は降格圏が定位置だった。どうしてもスタートダッシュが決まらないことに業を煮やしたクラブは2004年、自由を尊重したロブソンを解任し、組織と規律を重視したスーネスを招聘した。しかし自由に慣れてしまった、そして攻撃重視な選手と、守備重視なスーネスは衝突を繰り返し、チーム状態はロブソン時代に比べてさらに悪くなってしまった。もちろんそれで結果が出るはずもなく、定位置も優勝争いから中団グループに落ちてしまった。クラブも最大限の努力を見せようと、どこからそんなお金が出てくるのか不思議に思うほどの選手を毎シーズン補強し続けたが状況は変わらず、2006年スーネスを解任し現在のグレン・ローダーを招聘した。現在のニューカッスルはロブソン時代に比べ派手さはなく退屈な試合は多いが、選手個々の質を見ればもっと上位(首位と勝点30差の9位)にいてもおかしくない層である。だが怪我人が常に多いこともあり安定感はない。さて自分が投資する側の人間としたら、このクラブにどれくらい魅力を感じるだろうか。金持ちの道楽であったり純粋なサポーターであったり、または自分が絶対にこのクラブを変えてみせるという上昇志向(といっていいのか)の強い人間は別として、単に投資して一儲けしようと考えているなら人間なら、それほど魅力は感じず投資の対象になりにくいのではないか。おそらくはこれがベルグラビアのいうクラブの業務構造だと考える。チームは退屈で安定感もない。大物選手は数多くいるが怪我の影響で毎試合見れることは少ない。大物選手にしても本当にクラブにとって必要な選手だったのか。単に良い選手を獲ればクラブが強くなるとは限らない。そういったクラブにおけるピッチ内外ともの絶対的な方向性が見えず常にぶれているクラブだったから、ベルグラビアは今回身を引いたと思うのである。ではニューカッスルは今後どうなるのか。新たな交渉先を探さなければならないのか。その必要はない。「状況が変われば、再び交渉の席につくことも有り得る」とベルグラビアが言うように、まだベルグラビア側には興味がなくなっておらず、再考の余地が残されている。状況を変えれば、つまりクラブの絶対的方向性を明確にし、それに即した補強を行って選手の入れ替えを行う。また怪我の原因を突き止めると共にスタッフの見直しも進めること。最低これだけ行うだけでも結果は違ってくるのではないだろうか。ほな、また。
2007.02.17
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先日、ブルズ杯なる大会が催された。これはオーストリアのレッドブル・ザルツブルグが主催したミニ大会であり、バイエルンと浦和が招待され、3クラブによる45分を1試合とした変則方式の総当たり戦だった。レッドブル・ザルツブルグといえばこの冬に宮本と三都主が移籍を果たしたクラブであり、日本人にとって今後馴染みが出るだろうクラブであり、三都主にとっては浦和との古巣の対戦ということだった。残念ながら三都主は出場しなかったが、宮本は初戦の浦和戦に出場し、小野にゴールを決められ1失点したものの無難に守備をこなしていた。一応はマテウス監督のお墨付きで移籍したとはいえ、バイエルン戦に使われず浦和戦に起用されたのが日本向けのパフォーマンスだっただけなのかどうか。少し心配である。一方の浦和は、2試合で6失点と散々な結果だった。監督の交代や選手の入れ替え、遠距離移動など様々な要因は挙げられるだろうが、90分で6失点というのはいくらなんでもいただけない。2週間後に開幕するJリーグに向けてどれだけコンディションなり戦術浸透度なり合わせてこれるか注目である。レッドブルと浦和に加えて参加したバイエルンは、主要メンバーでほぼ構成しつつも所々に控え選手などを起用し、真剣勝負というよりはテスト的意味合いも少し含んだ内容だった。それでも結果的に優勝を果たすのだからビッグクラブとしての面目は保ったわけだが、今回この大会に参加した当初の理由として実戦練習があった。ドイツのブンデスリーガはクリスマス前から約1ヶ月のウィンターブレイクが設けられている。寒さの影響で芝に問題が起きる可能性が高く、ひいては選手のプレーにも支障をきたすためだが、この間選手は体を休め後半戦に備える。クラブも新戦力の補強であったり後半戦をどのように戦うかの戦略を練るわけだが、当然のことながら真剣勝負の場は1度もない。もちろん練習試合は数試合行うが、これは結果よりもコンディションや戦術など内容を重視した試合であり、やはり本番ではない。またバイエルンはチャンピオンズリーグの決勝トーナメントを控えており相手はレアルである。ここは少しでも多くの真剣な実戦の場を踏むことでレアル戦に備えたかったのではないだろうか。ならば今回のブルズ杯にはベストメンバーで望みたかったのだが、その考えを改めざるを得ない出来事が起こった。1月末、バイエルンはマガトを成績不振により解任し、前監督のヒッツフェルトを招聘したのである。前監督とはいえ2年半前のことであり、選手も少なからず入れ替わっている。現在4位とはいえバイエルンにとってのその順位は屈辱以外の何物でもない。そこで当初の予定を少し修正し、主要メンバーを揃えつつヒッツフェルトによる選手のテストを行ったのが、今回のブルズ杯の真実である。優勝という、一応は結果を残したヒッツフェルトだが、契約は今のところ今シーズン一杯となっている。チャンピオンズリーグで早々と敗退したりリーグで思わぬ屈辱を味わうことになれば、間違いなく契約は更新されない。そこで地元メディアの間では早くも後任候補の噂が挙がっている。その中の1人に現レッドブル・ザルツブルグ監督のマテウスも含まれており、「私はブンデスリーガ、特にバイエルンを知り尽くしている。 私のキャリアの終着地がブンデスリーガであることは、誰の目にも明らかだ。 私のゴールはブンデスリーガにあるのだ。」と否定するどころか、事実上の立候補と捉えてもおかしくない内容のコメントを出している。しかし仮に、マテウスがこの夏バイエルンの監督に就任することになれば、マテウスの要望でレッドブルに移籍した宮本の座は安泰ではなくなる。監督が変われば選手選考から変わってくるし、宮本レベルの選手ならいくらでも獲得できる十分なお金もレッドブルにはある。1年の完全移籍プラス半年の延長オプションという契約で移籍した宮本だが、残された時間は少ないかもしれない。ほな、また。
2007.02.16
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日本代表の今年の日程が発表されていた。昨年のワールドカップの惨敗から立ち直るためにオシムを先走り招聘した日本だが、今年はアジアカップで一応の力が試されるわけだ。ある程度の成果を挙げる必要があるのは確かだが、かといって優勝しなければならないわけでもない。オシムが言うように「負けることこそが勉強」だし、政権が発足して1年足らずなのだから、より中身を重視した戦いを見せなければならない。本番はあくまで3年後の南アフリカ・ワールドカップ、そしてそれに出場するためのアジア予選なのだから。そんな日本の2007年の初戦はペルーに決まった。当初は韓国との対戦が予定されていたが、韓国側のドタキャンによって急遽このカード編成になってしまった。ペルーは82年のスペイン大会以来ワールドカップには出場していないが、実力は低くない。ここ数年で何度か日本とも対戦しているはずで、結果も均衡していたように思う。またペルーの今年は夏にコパ・アメリカ、9月からはワールドカップ予選が早くも始まることから、気合の入れようは半端ではなく、甘く見てかかるととんだしっぺ返しを喰らう恐れもある。ワールドカップ出場を本気で狙っているペルーは、ソフト面だけでなくハード面でもそれが窺え、その1つに予選会場の変更がある。まだ決定事項ではないようだが、本来は海に面した首都リマで予選を行っていたのをアンデス山脈にあるクスコに変更するらしい。日本人の感覚では予選会場を変更したところでどうなの?と思ってしまうものだが、特に南米ではこれが大きなアドバンテージになることだってあるのだ。なぜかというとアンデス山脈の町クスコの標高は3300m。横浜国際から富士山の頂上付近に会場を変更するようなものである。標高が高くなれば空気は薄くなるし、慣れない選手は心肺機能に影響を及ぼすこと間違いない。当然その町や国に住むペルーには有利だし、空気が薄いのだからボールはよく飛び、パスの精度にも影響が出てくる。ペルーの強化委員長を務めるシルバ氏は「リマでペルー代表が他国の代表に打ち負かされてきたのを20年見てきた。 クスコの高さが我々により良い結果をもたらしてくれるのなら、 それを使わない手はない。」とコメントするように、ペルーの本気さが窺いしれるのだが・・ある意味サッカー界では常識の標高アドバンテージをなぜ今まで使わなかったのだろう。ほな、また。
2007.02.15
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今月6日、アメリカ人のジョージ・ジレット、トム・ヒックス両氏によるリバプール買収が成立した。買収額は1000億円を優に超え、クラブの株式だけでなく負債や、3月に予定されている新スタジアムの建設費用もこの中に含まれている。一時期はDICとの交渉が合意に近づいているようにも思えたが、DICが提示した金額よりも上の金額を両氏が提示したことでクラブ理事会やムーアズ会長の考えが変わったのが、土壇場での逆転劇に繋がった。ユナイテッドを買収したグレーザー氏がタンパベイ・バッカニアーズのオーナー、アストンビラを買収したラーナー氏がクリーブランド・ブラウンズのオーナーであるのと同様に、ジレット氏がNHLのモントリオール・カナディアンズの、ヒックス氏がMLBテキサス・レンジャースとNHLダラス・スターズである。前回の最後にも書いたようにクラブとDICは両者の思惑が一致しており、相思相愛のように思えた。にも関わらず土壇場で交渉相手を変更した理由はいくつかある。まず上にも書いたように金額提示の面。今後さらに補強を進め、なおかつ新スタジアム建設となれば莫大な費用がかさんでくる。それなら少しでも良い条件提示をした相手と契約するのは納得いくことである。次にDICの交渉段階の面。噂ながら具体的な金銭の数字も出て合意間近と見られていたが、実は正式オファーはまだ行っておらず、下交渉の段階であった。交渉はしていても正式なオファーはしていないのだから法的観念から見ても問題はない。とはいえ人情的には裏切られた感じはあるだろうし、現に納得のいっていないコメントも出している。最後にクラブ経営経験の有無の面。もちろんお金も重要ではあるが、今後クラブを任せるのだから交渉相手の手腕も金銭同様に気になるところである。これにおいてDICは投資会社であるがゆえ経営全般で見れば儲けを出すという意味ではプロかもしれない。しかしクラブ経営、しかもリバプールというビッグクラブを経営するという意味では多少の心配があったのではないか。一方でジレット、ヒックス両氏はアメリカでのスポーツクラブを実際に経営しており、その道に精通している。これらを総合的に判断して、クラブの将来性をより約束してくれるのはどちらなのかを天秤にかけ、両氏がムーアズ会長及びクラブの眼鏡に叶ったのだと思う。さて買収先も決まり新たなスタートを切ったリバプールの今後はどうなるのか。ピッチ内と外に分けて見ていきたい。ピッチ内では今後も選手獲得の風は止まらないだろう。何せ借金もなく市場に注ぎ込む十分なお金はあるのだ。最後の切り札的に招聘したベニテスの希望に沿う選手には全精力で獲得に乗り出すだろう。また新スタジアムが完成した時にプレミアのタイトルを獲ることで、新しいリバプールの時代をスタートさせたいという思いもあるだろう。ということは新スタジアムの完成がいつごろになるのかは知らないが、それまでに今以上にレベルアップして優勝が常に狙える、あるいは優勝しているだけの競争力が必要になってくる。それを作り出すのはベニテス監督であり、選手補強の希望も聞き入れてもらっている以上言い訳は許されない。ここ数年のように1度もタイトル争いに絡むことなくシーズンを終えるような状況が続いたら、いくら切り札でもクビを切られるのは必至だ。つまりベニテスにとっては仕事がやりやすくなった分、プレッシャーは一段と厳しくなったといえる。監督とフロントの共同作業となるのが不要人員整理と不満分子の排除がある。選手はいくらでも獲れるが、その分ポジションの競争は激化する。また選手層を暑くするといってもある程度の限度があり、それを超えてしまえばシーズン出場0試合や1試合という選手が出てきてもおかしくない。ならそんな選手に高額の年俸を払う必要性はどこにもなく、極論すれば要らない選手である。これらの選手たちを上手にコントロールし放出することで、クラブの連帯感は増すだろうし、組織としても安泰である。ピッチ外での問題点はただ1つ、ファンとの接し方や折り合いのつけ方である。リバプールともなれば数多くのファンがいる。そのほとんどが熱心で、心の底からクラブを愛している。それはイスタンブールの奇跡を見れば明らかだが、そんなファンをどうすれば満足させることが出来るのか。おそらく最初はクラブを盗ったアメリカ人として拒否反応を起こされるだろう。それを覆すには勝利という結果を残すしかなく、それも早い段階での結果が求められる。逆に今回の買収を肯定的に捉えているファンもいる。チェルシーの例に倣って選手補強に大金を投入できると考え、必要以上に期待してしまうファンもいるだろう。だが大物選手だからといってファンの反感を買うような、例えばジェラードやカラガーの放出や競争相手の獲得など、愚行を犯してしまえば、いくらクラブのためとはいえファンが許すはずがない。この辺りはムーアズ会長が名誉会長として、リック・バリー最高経営責任者がクラブに残るらしいので道を踏み外すことはないだろうが、いずれにしろ今回の買収で注目やファンの期待は以前に比べて上昇している。その分期待を裏切った際の批判は想像以上のものになることが予想される。今回の買収決定後、ムーアズ会長は「クラブ、株主、ファンにとって大きな一歩になると信じている」と、またバリー最高経営責任者も「新時代の幕開けだ」と将来に希望を持ったコメントを出している。マージーサイドに舞い降りた2人のアメリカ人はリバプールを新たな黄金時代に導くことが出来るのか。新スタジアムに“You'll Never Walk Alone”が聴こえるその日までに。ほな、また。
2007.02.13
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2004年5月、まず最初のリバプール買収騒動が持ち上がった。この件に関しては買収というよりも株式取得と言ったほうが正しいかもしれないが、相手はタイのタクシン(当時?)首相。首相はタイ最大の情報通信グループのオーナーであり、総資産は1500億円とも言われている。言うなればミランのオーナーであり前イタリア首相ベルルスコーニのような人物だが、首相はリバプールの株式の30%以上を取得し、筆頭株主になろうと考えていたようだ。当時の状況やコメントをまとめると、株式取得額は約110億円程度(当時)であり、タイ国のスポーツくじから得た売り上げで株式取得を試みていた。またリバプールの筆頭株主になることでクラブのアジアマーケティングを独占的に引き受けることで巨額の収入を得ようとしていた。さらにアジア人選手をクラブに優先的に入団させ、アジアサッカーのレベルアップに努めようとしていた。とはいえクラブ側のメリットといえば、株式売却で得た資金を本拠地アンフィールドの改築工事か移転工事に充てようと考えていたことぐらいで、いくらお金を持っていようとも自国の政治をプライベートに利用するような人間に愛するクラブを売るわけにはいかない。仮に売ったところで興味がなくなったり利用価値がゼロと判断されれば、第3者に売られるのは目に見えている。ここで分かることは、この2004年の時点で早くもアブラモビッチの2番煎じの人間が出てきたこと。そしてリバプールに、条件さえ合えばクラブ売却の意思があり、本拠地の改築・移転の計画があったことである。話は一気に飛んで、昨年12月。ほんの1ヶ月半前のこと。おそらくはそれ以前から極秘裏に交渉を重ねていたであろう、DICによるリバプールの買収話が持ち上がった。リバプールのムアーズ会長は3月の時点で、自らが保有するクラブの株式全51,5%を売却する意向を明らかにしており、それに乗っかったのがDICだった。DICはUAE(アラブ首長国連邦)の政府系、つまり王族系投資会社であり、政府が絡んでいるということでタクシン首相と状況は似ているが、いくつか違うところの1つにオイルマネーがある。タクシン首相がスポーツくじの売り上げを買収費用の一部に充てようとしたのに対し、DICにはオイルマネーという潤沢な「金の成る木」を既に持っている。長期的な強化をゆだねることの出来る相手を探していたムアーズ会長としては、この点に関しては申し分ない。またDICの最高責任者であるアル・アンサリ氏はアラブ人ではあるがイングランドで教育を受けており、携帯の待ち受けにリバプールのエンブレムを使っているほどのファンとして知られているようだ。この点についても興味がなくなってしまう心配もなく、心から安心してクラブを任せることが出来る人物、そして会社であると判断できる。DIC側から見てもリバプールというビッグクラブを自身の管理下におけるだけでなく、愛するクラブに贅沢なオイルマネーを投入することでクラブを強化でき、アブラモビッチ同様の羨望の眼差しを受けることができる。両者の思惑は完全に一致したように見え合意は間近と思われたが、ここで横槍が入った。それが今回正式にリバプールを買収した、アメリカ人のジョージ・ジレット氏とトム・ヒックス氏の共同オーナーである。ほな、また。
2007.02.12
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現在、イングランドのプレミアリーグ全20クラブ中、実に6クラブがイングランド人以外の人間によって運営されている。これは日本を含む世界の主要リーグの中でも異例の割合であり、それだけプレミアリーグが世間に好印象を与え、投資の対象としても注目を集めているということである。プレミア初の外国人オーナーが誕生したのは、約10年前。有名デパート「ハロッズ」を経営するモハメド・アルファイド氏。その後2003年夏、アブラモビッチがチェルシーのオーナーになったのを皮切りにポーツマス、ユナイテッド、アストンビラ、ウェストハムと、次々に外国人の手によって買収されていった。当初は純粋に応援するクラブに直接携わり強くしたい、あるいは経営難に陥る愛するクラブをこの手で救い出したいという意味での買収が主だったが、アブラモビッチの登場で流れは完全に変わってしまった。アブラモビッチがチェルシーを買収した目的は、自身の所有するクラブをチャンピオンズリーグ制覇に導くことだった。しかしそれを達成するだけのクラブはビッグクラブだけに限られ、なおかつ各国のクラブ運営規則やオーナー交代に関する諸問題という縛りをクリアにしなければ最短路での目標は成し遂げられない。そこでアブラモビッチの目標に一致するクラブがチェルシーだったというわけだ。ロシアのプーチン大統領と繋がっているとも言われるアブラモビッチはオーナー就任後、移籍市場に次々とポケットマネーを投入し、金にモノを言わせて大物選手を獲得していった。この結果、チャンピオンズリーグこそまだ制覇していないものの、プレミアは2年連続で獲得し、いまや世界の中心的クラブに位置するようになっている。これにより「サッカーは金の成る木」「勝利は金で買える」というような論調が出てきたのは確かであり、我も我もとプレミアのオーナーになれるチャンスを探るようになった。ユナイテッドやアストンビラを買収したのがアメリカ人なのも偶然でなく、ユナイテッドを買収したグレーザー氏がNFLのタンパベイ・バッカニアーズのオーナーであり、アストンビラを買収したラーナー氏が同じNFLのクリーブランド・ブラウンズのオーナーなのも、クラブの伝統や人気、自身の好みよりも投資の対象としてしか買収先を見ておらず、私利私欲しか考えていないアメリカ人らしい発想である。様々な事情があるにせよ、売主はクラブを救って欲しい、強くして欲しい一心でクラブを売却している。だから相手がいくら胡散臭い買主であっても藁をもすがる、背に腹はかえられない思いなのだが、愛するクラブを売られたファンとしてはたまったものではない。しかも売却先が本当にクラブのためを思っているのか、サッカーを知っているのかさえ分からないのだから、それも当然の話である。もちろんただの1ファンでしかないのだから、クラブが誰の手に移ったところでどうすることも出来ないが、願わくば本当にクラブのことを思ってくれているオーナーに就任してもらいたいのが本音であり、それでこそ愛する意味があるのである。一方でこうも思っている。「これでクラブが強くなる」と。これもアブラモビッチがチェルシーを買収したことによる影響だが、どこの山とも分からない金持ちが愛するクラブに就任すると拒否反応を示す一方で、勝手に「補強に金をどんどん注ぎ込んでくれる」と思ってしまうわけだ。チェルシーの例やグレーザー氏の前歴(バッカニアーズのオーナー就任後、大量に大物選手を買い集め、すぐにスーパーボウルを制覇した)を見れば「これで俺達も」と思ってしまっても不思議ではない。それがファン心理というものなのかもしれない。リバプールのファンも例に漏れず、チェルシーやユナイテッドといったライバル達が、オーナーが変わりそれぞれの結果を残す一方で、自分達は選手は獲得すれども結果は残せていない。外様に買収されたライバルを批判する一方で、嫉妬心を否応なく感じている自分達がいるのも事実である。そんなときに現われたのがドバイ・インターナショナル・キャピタルズ(DIC)だった。ほな、また。
2007.02.10
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昨年10月、リバプールの経営委員会の1人であるノエル・ホワイト氏が辞任した。その数日前、イギリスのメディアにリバプールの経営状況についての内部情報が掲載された。「リバプールはあまり仕事をしていない選手に無駄な給料をあげている。 監督が必要のない選手を決めるとき、もはやその選手を欲しがるクラブはない。 そして我々は無駄な給料を払い続ける。 それはリバプールがお金を無意味に失ってることを意味する。 ここには質の悪い選手がたくさんいる。 監督は最高のチームが何であるか分かっていないんだ。」メディアにこの情報をリークしたのがホワイト氏であり、その責任をとって辞任したのである。この記事は当初、匿名で掲載されたのだが、クラブが調査を行ったのか、密告者がいたのかは知る由もない。これについて批判されたベニテス監督は「クラブにとって重要な方であったので、とても残念だ。 私と彼が悪い関係ではなかったと信じている。」とコメント。またクラブのムーアズ会長も「彼は尊敬できる人物だった。 21年間に渡ってリバプールを支えてくれたので、とても悲しい。 しかし、彼の発言はクラブが行っている全くの別物だ。」とこれまでの貢献に対する労いの言葉をかけながらも、クラブの健全性をアピールしていた。監督がウリエからベニテスに交代したのは2シーズン前のこと。バレンシアで数多くのタイトルを獲得した経歴を引っさげて、リバプールという名門再建に乗り出したベニテス。当初から既存選手よりも自身の好みの選手、特に自身の母国でありキャリアを過ごしたスペイン人を優先するようになり、これまで数多くのスペイン人選手を獲得してきた。その人数と移籍金額は他クラブを遥かに凌ぐもので「一体どこからお金が出ているのだろう」と、当初から疑問の声はあった。その後も有名無名問わず、選手の移籍先候補には常にリバプールの名前が挙がるほど補強に積極的であり、何人も獲得に成功している。ところが、ベニテスが監督に就任してから獲ったタイトルは2つのみ。初年度のチャンピオンズリーグと昨シーズンのFAカップである。チャンピオンズリーグは“イスタンブールの奇跡”と言われ、前半終了時には3点ビハインドながら、後半15分で同点に追いつきPK戦の末に勝利を収めた。またFAカップも1点ビハインドの後半ロスタイムにジェラードのスーパーミドルで同点に追いつき、これまたPK戦で勝利した。しかしイングランドのクラブ、というよりもリバプールにとってタイトルの優先順位は国内リーグである。そもそも10数年前にプレミアに名称が変わってから一度も国内リーグのタイトルを獲ったことはなく、ユナイテッドやアーセナル、チェルシーの後塵を常に拝してきた。だからこそベニテスを監督に招聘したのであり、ベニテスの要求に応じて多くの選手を獲得してきたのである。にも関わらず国内リーグは未だ獲れず、獲得した選手も半分以上はベンチ、もしくはベンチにすら入れない選手ばかりで、チームも好不調波が激しいときている。ベニテスの監督能力について疑う余地はない。しかしそれはスペインに限った話であり、少なくともイングランドのリバプールというクラブで成功しているとはいえない。スペインとイングランドの気候や文化、リーグのスタイルを多少は把握していても、完全に把握することは出来なかった。それは獲得選手にもいえることであり、その選手に変化への適応能力があるかを見極めることが出来なかったといえる。またベニテスほどの監督なら負けを引き分けに、引き分けを勝ちにするだけの戦術を持っているはずだが、それらがあまり見られることはなく、既存・新規獲得と多くの選手を上手に活かす事が出来なかった。ある意味、最後の切り札のような形でベニテスを迎え入れたクラブとしては、莫大な投資をしてこれだけの成績しか残せていないのだから、内部から批判が出るのは当然であり、ホワイト氏はクラブを愛しているからこそ我慢できず、口をついて出てしまったのだろう。さて、では何故リバプールがベニテスの要求に全て応える形で、惜しみもないほどの金銭を移籍マーケットに投入できたのだろう。もちろん1つには最優先の国内リーグのタイトルのためという大名目がある。だからこそベニテスを招聘したのであり、またそれに際しての遮二無二言ってられない現状での開き直りもあるだろう。しかし、もしこれらの時点で、あるいはそれよりも前に、必ず手に入る金銭の算段が付いていたらどうだろう。少し無理をしてでも選手を獲りに行くだろうし、収支のバランスもそれほど気にはしないだろう。なぜなら全ての借金を肩代わりしてくれるのだから。ほな、また。
2007.02.09
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バレンシア所属のアルゼンチン代表DFアジャラが、今シーズン終了後ビジャレアルに移籍することが決まったようだ。契約期間は3年で、今シーズンでバレンシアとの契約が切れるため移籍金は発生しない。どうもスペインのサッカー界には連鎖反応的性質があるようで、毎シーズン移籍が噂されるFトーレス同様にアジャラもそうだった。今シーズンは特にそれが顕著であり、理由ははっきりしている。カルボーニSDの存在だ。40歳を越えてもバレンシアで現役を続け、昨シーズン引退したカルボーニはそのままバレンシアのフロントに入った。そのカルボーニには天敵が2人おり、1人は監督のフローレスだ。昨シーズン、つまり現役最後のシーズンをカルボーニはフローレスの元で過ごしたが、全く出場機会を与えられなかった。しかし現在立場は逆転しカルボーニはフローレスを自在に操れる立場にある。気に入らなければクビにすることだった出来る。実際、後任監督の名前も数名挙がっており、フローレスからすれば気分のいいものではない。おそらくはカルボーニの個人的嫉妬心から生まれた確執が、立場の変化もあって後戻りできない状態まできており、クラブ自体の運命を左右するまでになってしまっている。カルボーニの天敵のもう1人、それがアジャラである。CBのアジャラと左SBだったカルボーニ、長きに渡りチームメイトだった仲であり、しかも同じDFラインをポジションとする2人である。どんな確執があるのかは知らないがいずれにせよ仲は悪い。おそらくフローレスの場合と同様、上から目線になったことでカルボーニが強気に出ているのだろう。アジャラもクラブとの交渉に嫌気が差し、代理人が公然とクラブを批判したのと前後して残留の可能性がなくなったという論調が大勢を占め、移籍先の噂も飛び交い始めていた。そして今回のビジャレアルへの移籍が決まった。それにしてもバレンシアはカルボーニがSDになって歯車が狂い始めたように思う。監督の要求する選手を獲得しようとせずSD好みの選手を監督に内緒で獲得したり、プライベートを仕事に持ち込むような愚かな行為を取ったり、主力選手に「お金がないから年俸は上げられない」と言いながら1人の選手を獲得するのに40億も使ったり、同じリーグのあるクラブから連鎖反応しているようだ。関係ないが今シーズンのバレンシアは怪我人が異常に多い。これも連鎖反応なのだろうか。これだけの内紛や怪我人の多さがありながら現在の成績を残しているフローレスは賞賛されてしかるべきだが、1人の独裁者がいる以上それは無理な話だ。だからこそアジャラは引退までい続けたいと願ったクラブを去り、新たな道を歩む決断をしたのだと思う。そして次に独裁者の下を離れる人物は一体誰なのだろうとも思う。そういえば1ヶ月前にもアメリカへ旅立つ選手がいたっけ?そういえばビジャレアルにも似たような境遇の選手がいたっけ?そういえばビジャレアルも怪我人が多くなかったっけ?ほな、また。
2007.02.07
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悲劇から数日が経った。事件の詳細は最初に出尽くしたので、今後は無期限停止になっている国内サッカーの再開をいつ、どのような形で行うのか、それに付随してスタジアム内外での安全性確保の問題が議論の中心になってくる。現在のところ、再開時期については今週末か来週末に、方式としては全試合無観客で、というのが中心路線になっている。これが本当ならイタリアらしい再開である。事件後すぐの世間は「こんな状態でサッカーはできない」「1年間のストップが必要だ」という意見が圧倒的だったにも関わらず、政府や関係者の思惑によって、結局何も問題が解決しないままリーグは再開される。今シーズン初めのスキャンダルと同じように。あの時も当初はユベントス、ミラン、ラツィオ、フィオレンティーナの4クラブが降格だったのに、最終結果はユベントスのみ降格で残りは残留、ポイントペナルティーも大幅に軽くなっている。つまりは関係者の上層部が「実」より「名」を取り続けているのである。セリエの規約にもあるように、八百長のような勝敗に直接関係する取引をした人間はもちろん、クラブも降格の対象になるのだが、そうはならなかった。今回も発炎筒により試合が30分も中断し、試合後に警官が亡くなっているにも関わらず、問題が何も解決されないままリーグが再開されようとしている。スタジアムの安全性についても似たようなものだ。数シーズン前にリーグが各クラブへ向けてスタジアムの使用基準について通知した。詳しくは分からないが、この使用基準を満たしていないとセリエAに所属することはできないという類のものだ。にも関わらず現在基準を満たしているのは3スタジアム(4クラブ)だけというお粗末なものだ。なかには虚偽の報告をしているクラブもあるようで、これではまともに改革などできるはずもない。本当にサッカー界を変えたいと思っていたら、リーグ上層部はクラブから差し出された書類を鵜呑みにせず自分の足でチェックするし、クラブも嘘偽りない書類を提出し、基準を満たしていなければ金銭をはたいて修理・工事を行うだろう。クラブと、そのクラブのウルトラスが裏で繋がっているのは有名な話である。本来スタジアム内に発炎筒を持ち込んではいけないのだが、セリエの試合ではよく目にすることである。これは熱狂的サポーターであるウルトラスが持ち込んでいるのだが、まずウルトラスはクラブに話を持ちかける。アウェイの試合も絶対応援に行くと。しかし旅費や宿泊費は出してくれと。クラブとしては1人でも多くのサポーターにアウェイまで来て応援して欲しい。またこれを断ればホームの試合さえ応援をボイコットされる可能性もある。それだけウルトラスの力は強く、クラブも断るに断れない。だからウルトラスの要求を呑む。発炎筒についても同じであり、1つ1つチェックしていれば応援ボイコットが待っているため、発見しても見て見ぬふりをしているのである。ただこれに関しては見方を変えれば、1人1人チェックするということはそれだけ時間もかかり人も必要になるので、人件費の節約といえなくもない。このようにクラブとサポーターは癒着しており、自分達の欲求においてのみ行動している。そして双方とも切っても切り離せない関係でもある。クラブにとってサポーターは神様であり、サポーターはたとえクラブが降格し続けてもサポーターであり続けてくれるのだから。そしてリーグ上層部もまた問題を深刻に受け止めてはいるものの、これまで断固とした気持ちで改革を推し進めてこずにここまでやってきた。体裁だけは整えたように見繕って、問題の根本的解決は一度も図られることがなかった。今回、言い方は悪いが警官が1人亡くなられたことで根本から問題を解決するチャンスができた。にも関わらず、遅くとも来週末には無観客とはいえリーグが再開されるらしい。果たしてリーグを再開したところで何が変わるというのだろう。どれほどの問題が解決されるのだろう。決して何も変わらず、何の問題も解決されていず、今後もされないだろう。なぜなら12年前にも同じような形でファンが亡くなっているのだから。だからこそ、である。リーグをそんな簡単に再開させず、悪い膿は全部出し切りリスタートするべきである。中断期間がどんなに長くなってもいい。短期的に見ればマイナスであるが、ここで膿を出し切っておけば長期的には間違いなくプラスになるだろうし、これにより新たな血の入れ替え、つまり世代交代が行うことができ、甘い蜜を吸い続けてきた老人連中も隠居させることができる。また、イングランドやアメリカの方法論を取り入れるべきだという意見もあるようだが、大いに賛成である。イタリア人はサッカー大好き民族だから、外部の人間を招聘してもそれがイタリア人であれば意味がない。イタリア人以外の外部の人間を招聘することで、今までイタリアになかったものを提供することができる。拒否すれば強制すればいいだけで、それほどイタリアは危機に瀕しているのである。まぁ、こんな理想論を書いたところで結局はなぁなぁで終わって、問題は解決されてないままなんだろうな。ほな、また。
2007.02.06
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ご存知のように、2日のカターニャ対パレルモのシチリア・ダービーで悲劇が起こった。試合終了後、スタジアムの外で暴れだしたサポーターを鎮圧しようとした警官の顔面にカード型爆弾が投げつけられ、1人が亡くなられてしまった。試合前から振り返ると、ある意味起こるべくして起こったとも思える。まず、この試合は本来週末に開催されるはずだった。しかし5日に行われるカターニャの守護聖人アガタの聖誕祭と重ならないように、2日の金曜日に前倒しになった。さらにカターニャの相手はパレルモ。同じシチリア島に本拠を置く、いわば地元のライバルである。これは個人的見解だが、シチリアといえばやはりマフィアが連想される。サポーター全員がそうではいが、どうしても攻撃的で気性の荒さが目立ってしまう。また現在の順位はカターニャ4位に対しパレルモが3位と、チャンピオンズリーグ出場権を巡って争っている直接のライバル同士でもある。カターニャとしては勝ったところで順位が入れ替わることはなかったが、勝つようなことがあればポイント差が縮まるだけでなく、地元のライバルに勝ったという優越感に浸れるわけで、これはパレルモも同様である。つまりは選手、ファン、メディアなど誰にとっても舞台は整ったわけで、アガタの聖誕祭という背景もあって何がおころうともおかしくない状況が試合前に既に作られていた。メディアでは暴動が起こり警官が死亡したこと、国内の試合が無期限延期(再来週より無観客で再開に変更)になったことが大きく取り上げられているが、なぜ暴動が起こったかについてはあまり詳しくは報じられていない。まず試合前、パレルモのサポーター約1000人を乗せたバスの到着が大幅に遅れた。結局パレルモ・サポーターは約20人ほどしか開始のホイッスルには間に合わなかったのだが、間に合わなかったサポーターをさらに腹立たせたのが、警察の誘導であった。ただでさえダービーということで安全に注意しなければならないのに、上のような舞台が揃ってしまっている。特に注意しなければならないということで、警官はパレルモ・サポーターをカターニャ・サポーターから隔離して観客席に誘導しようとしたのである。この誘導に不手際があったのかどうかは知らないが、なかなかパレルモ・サポーターは観客席までたどり着くことが出来ずにいた。試合には遅れ、スタジアムに入っても観客席までたどり着けないことで痺れを切らした一部のサポーターが暴れだし警官隊ともみ合いになったのだが、サポーターが焚いた発煙筒や警官隊が鎮圧のために撒いた催涙ガスがスタジアム中に蔓延し、試合は30分ほどの中断を余儀なくされた。試合のほうは後半5分、戻りオフサイドの可能性もあったカラッチョロのゴールでパレルモが先制した。カターニャからすればオフサイドに見え、納得のいく判定ではなかった。その後発炎筒と催涙ガスによる中断を挟んで、後半14分カターニャがカセルタのミドルシュートで同点に追いつく。しかし後半39分、FKからディミケーレのゴールでパレルモが勝ち越すが、実はディミケーレの手に当たってゴールラインを割っていたのである。カターニャは猛然と抗議するが裁定は覆らず、そのまま試合終了。2対1でパレルモが勝利を収めた。パレルモからすれば、サポーターの鬱憤は溜まってはいたものの勝利を収めたことで3位の座をキープすると共に4位との差をさらに広げることができ、納得のいく結果となった。逆にカターニャは負けたことで3位の座が遠のいただけでなく、2失点とも審判のミスジャッジによるものであり、とうてい納得できるものではなかった。カターニャ・サポーターの溜まった鬱憤をどう晴らすかといえばそれは1つしかなく、それが今回の悲劇に繋がってしまった。ほな、また。
2007.02.04
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先日はロナウドのミラン移籍とカッサーノの処遇について書いた。これについてメディアは、銀河系の解体と南米系若手選手の獲得を絡ませて、さもレアルが正しい道を歩み始めたように報じている。しかしこれは間違っていないわけではないが、かといって合っているわけではない。ペレス会長がクラブの会長に就任してからというもの、フィーゴを筆頭にジダン、ロナウド、ベッカムと大物選手を毎年獲得し、いつしか銀河系と呼ばれるようになった。しかし大物選手を多く揃えたところで絶対勝てるとは限らない。レアルの場合、獲得する選手のバランスが悪すぎたこともあるが、2002年を最後にタイトルを1つも獲得していない。今シーズン開幕前に会長に就任したカルデロンはカペッロを監督に招聘し、銀河系からの脱却とタイトル奪還を目指そうと走り始めた。カペッロはスペイン特有の見せるサッカーではなく、自身のスタイルである勝利優先主義を前面に押し出したサッカーを披露し、今までのところは結果も悪くなく優勝戦線に踏みとどまっている。カペッロがロッカールームに蔓延していた堕落した雰囲気を一層することで、一部の選手を除いて選手をコントロールすることが出来ている一方で、クラブもまた銀河系解体という世代交代の任務を遂行するために、ベッカムやロナウドを放出する一方でガゴ、イグアイン、マルセロという10代の若手有能選手の獲得に成功している。ガゴはレドンド2世と呼ばれ、マルセロはロベルト・カルロスの後継者であり、イグアインもリーベル・プレートで著しい成長を遂げていた選手である。また昨冬にはブラジル代表のカフーの後継者といわれるシシーニョも獲得していることから、表から見れば「レアルは変わった」「復活への道を歩み始めている」と捉えることもできる。年齢的に見れば平均年齢は格段に下がり、それなりの結果も残せているレアルだが、ペレスからカルデロンに会長が代わってからも唯一変わっていないことがある。それがカンテラを重要視していないことだ。銀河系選手を獲得するということは、所属選手からしてみればポジションがなくなるということである。ポジションを失った選手は先発で使われることはなく、ベンチ生活を余儀なくされることになる。ということは今までベンチ生活が主だった選手は、当然ながらベンチにさえ入ることが出来なくなる。それでも能力があれば生き残るものなのだが、切られる選手というのは大抵の場合カンテラ出身の選手が多い。他クラブから獲得してきた選手というのは、移籍金の高さや、金を払ってまで獲得した選手ということで外しづらい気持ちになる。そうすると矛先はカンテラ出身者に向けられる。そうやって出場機会を失った選手がポジションを掴み取るには2つの大きな壁を乗り越えなければならない。ベンチ生活選手と銀河系選手である。今まででさえ越えられなかったベンチ生活選手の上にさらに巨大な壁ができたことで、選手達は現実を見つめることになる。「移籍しかない」と。これまで育ててくれたクラブに愛着があるのと同時に、自分の今後を考えた場合、移籍したほうが出場機会も増え、絶対に自分のためにはプラスになると考えるのは自然のことだ。そして現在、銀河系という一番大きな壁がなくなったと思えば、新たな壁が生まれている。それがガゴでありイグアインであり、マルセロである。少なくともクラブのことを長期的に考えていれば、いくら結果が最優先とはいえこれほど若手選手を他クラブから獲得してはいないだろうし、カンテラ出身者にもっと出場のチャンスを与えていることだろう。つまりは会長が代わってもカンテラへの注目度はそれほど上がっておらず、さほど重要視していないことになる。ベッカムやロナウドの放出で、いわば負の遺産を処理しながら世代交代を押し進めているレアルだが、カンテラの重要性をもっと認識しないことには「変わった」とはいえず、クラブの発展も滞ってしまうことになるだろう。なぜならカンテラ出身者こそがクラブの「正しい」魂を持っているのだから。ほな、また。
2007.02.03
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レアル所属ロナウドのミラン移籍が決まった。移籍金は750万ユーロ。1年半の完全移籍となっている。カペッロ監督との確執から移籍が確実視され、移籍先がミランと公の事実になりながらもすんなりと決まらなかった今回の移籍だが、理由の1つには移籍金の差があった。売るレアルとしてはガゴ、イグアイン、マルセロと3人の若手南米選手を獲得したこともあり金が欲しかったのは事実。戦力外のロナウドを放出することで3人の移籍金で補おうとするも、ピークは過ぎたといわれる彼に高額な移籍金を設定すれば売れ残るのは確実である。そこでクラブが設定した金額が800万ユーロだった。一方ミランも、シェフチェンコ不在(とシーズン前のスキャンダルの余波)が響き、現在のところ4位以内を目標にするのが精一杯である。特に得点力不足は深刻でリーグ21試合で26ゴールと散々たる数字。しかもジラルディーノ、インザギ、オリベイラのFW3人で11ゴールしか挙げられていない。ここでロナウドを放出したいレアルと、得点力のあるFWを求めていたミラン、さらに出場機会を求めてクラブを離れなかったロナウドの意見が一致したわけだが、ミランがレアルに提示した金額が700万ユーロだった。何度も両クラブで話し合いがもたれたが合意には至らず、移籍が破談になる可能性も少しはあった。しかし両者の思惑は一致しており、間を取った750万ユーロの移籍金で今回の合意に至ったわけである。しかし移籍金以外にもう1つ、今回の移籍が長期化した理由がある。それはカッサーノの処遇問題である。ロナウド同様、カッサーノもカペッロの中では戦力外になっており、ロナウド以上に性質の悪いのが、シーズン中から公にカペッロを批判していたことである。クラブとしても問題児のカッサーノを一刻も早く放出したかったはずである。しかし事の顛末を知っている他のクラブが興味を示すはずもなく、カッサーノに対してのオファーはなかった。そこでロナウド移籍の抱き合わせ的にミランへ話を持ちかけたのである。ミランとしては性格に問題はありすぎるが能力は十分知っており、上手く手なずけさえすればチームに貢献してくれると考えた。また個人的には、カッサーノはイタリア国内でのみ真価を発揮できる選手だと考えている。そう考えれば悪くない話である。ところが、レアルがカッサーノの見返りに要求したのが金銭ではなくオリベイラだったのである。つまり交換トレードというわけだ。レアルとしてはロナウドとカッサーノを放出すれば、FWはニステルローイとイグアインの2人になってしまう。しかもラウールやグティが故障中のためイグアインをトップ下で使っていることから、純粋に使えるのはニステルローイ1人だけである。今後リーグが終盤戦を迎え、またチャンピオンズリーグも再開されるなかでFWが1人というのは心もとないところである。一方ミランは、オリベイラとカッサーノの純粋な能力だけを見れば後者を採っていたかもしれない。しかしシーズン前からいるオリベイラと、シーズン途中で加入するカッサーノとでは、システムへの適合という意味でオリベイラに軍配が上がる。またこちらもチャンピオンズリーグが残っているが、スクデッドの芽がほとんどない今、狙えるのはこれだけである。そこでオリベイラを放出しカッサーノを獲得すれば、UEFAのルール(*1)によりチャンピオンズリーグで使えるFWがジラルディーノとインザギの2人だけになってしまう。これはこれでミランとしては心もとないところであった。オリベイラがFIFAのルール(*2)にも抵触していたので、結局オリベイラとカッサーノのトレードを破談になってしまった。レアルとしてはあと半年カッサーノを所属させなければならず、戦力外に莫大な給料を支払わなければならない。またオリベイラを獲得できなかったことで、ラウールやグティが復帰するまではFWがニステルローイ1人で乗り切らなければならない。ミランはロナウドを獲得したことで、人数的や能力的な部分では層は厚くなった。ロナウドはチャンピオンズリーグには出られないが、その分リーグには出場でき、その間に他の選手を休ませることもできる。20試合で28ゴールのレアルが仕掛けたFWの移籍問題に、半分乗り半分乗らなかった21試合で26ゴールのミラン。共に得点力不足に悩む両クラブであるが、今回の移籍が問題解決に繋がるのか、それとも新たな火種を引き起こすのか注目である。ほな、また。(*1)UEFA主催の大会に出場した選手は、同シーズン内に別のクラブからは出場できない。(*2)7月1日から翌年の6月30日の間に異なる3クラブに所属することはできない。
2007.02.02
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