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主観で申し訳ないが、ぼくはレアル・マドリーが好きではない。レアルを嫌いな他の人々と同様、金で大物選手を次々と釣り上げ、カンテラといわれる下部組織の若手選手育成の場をないがしろにしたことが原因の1つであることは否定できない。そしてメディアが盛んに報道する「銀河系」という言葉自体に嫌悪感を示していたこともあるだろう。だが自分の意見を述べるこのブログを始めてから、出来るだけ主観を入れずに客観的(本来ぼくは“客観”という言葉も好きではないのだが)に書くように務めてきたつもりである。例えば金で大物選手を釣り上げるチェルシーを批判しながら、我がユナイテッドの補強に金が使われた際の額に肯定の態度を示せば、同じ状況ながら正反対の意見を言っていることになり、ブログの信頼性もなくなってしまう恐れを勝手に抱いているからだ。だから少なくともここ1年ほどは「数あるクラブのうちの1つの単なる1政策」として捉えるようにしてきた。ただそれでも人間には好き嫌いが少なからず存在するのだから、完璧な客観性を示すことはなかなか出来ていないのだが。一方で、このブログを始めて(出来るだけ)客観的にサッカーというスポーツ、各クラブを見つめていく中で、自分の中に「こういうときはこうあるべき」という軸も生まれてきた。もちろんその軸が正解ではないかもしれない。多数派ではないかもしれない。だがその軸があるおかげで、しっかりとした目線で数ある出来事に対処出来ているだろうし、まとめるまでに時間はかかれども、このブログを通して自分の1意見をブレることなく記事にすることが出来ている。カペッロが解任された。前々から噂になっていたので、それほどの驚きはなかったものの、優勝クラブの監督の(辞任ではなく)解任は少なくない衝撃である。ユベントスを中心としたカルチョ・スキャンダルの余波につけこんだレアルがカペッロを招聘したのは1年前。バルサの後塵を拝し続けた状況を打破するために、96-97シーズンにもレアルはカペッロを監督として招聘した。このときも大幅なチーム改革と、現在と変わらない堅実で手堅いサッカーで優勝を果たしたが、シーズン終了後にカペッロは解任された。今シーズンも歴史は繰り返され、バルサに一泡吹かせた直後の解任である。ちょうど10年前のシーズンの映像が残っていないこと、そしてまだぼく自身が海外サッカーを全く理解していなかったこともあって、当時を振り返ることはできない。だが今シーズンに関して言えば、前半はその守備的な戦術を批判され得点も奪えないことから数々の批判が湧き出ていた。だが新加入選手がチームに馴染むのに時間がかかるのと同様に、イタリア式サッカーを展開するカペッロがリーガのサッカーを把握するのにも時間はかかる。1度経験しているとはいえ、10年という時間は短いようで長い。10年一昔とはよく言ったもので、カペッロにとってもシーズン前半は周囲のプレッシャーに耐えながら、リーガを把握しつつ結果を残さなければいけない、辛い日々だったろう。後半に入ってもそれほど調子は上がらなかったものの、バルセロナやセビージャの不振にも助けられなんとか上位をキープし続けた。3月のクラシコでは3度リードを奪いながら3度メッシに追いつかれたが、内容自体は決して悪いものではなかった。ラシン戦では主審の判定にも泣き優勝争いから一歩後退したが、チームとしてはこの敗戦が挑戦者という立場を明確にし、一体感を生み出したように思う。そこからは小説でさえも語られないような奇跡的勝利を連発し、18秒間のドラマを生み出し、本拠地サンチャゴ・ベルナベウでの最高のフィナーレを迎えるまでに至った。そこには交代出場した選手が結果を出してしまう「カペッロ・マジック」とも言うべき運も大きかったが、運も実力のうちであり、仮にライカールトなら違った結果になっていただろう。つまりはカペッロだからこそ迎えることの出来たフィナーレだったともいえる。カペッロ解任についてスポーツディレクターのミヤトビッチは「私が委員会に提出したあらゆる資料の判断の下、 満場一致でカペッロの解任を決定した。 これから先、我々が求めているものを考えた場合、 カペッロはふさわしい人物ではなかったのだ」とコメントしている。仮にこのコメントどおりの解任理由なら、カペッロの招聘は結果だけを優先した“つなぎ”の招聘だったことになる。リーガのサッカーはセリエと違って、勝利だけでなく華麗なサッカーを見せつける必要がある。カペッロのサッカーに華麗さがないことなどは周知の事実であり、関係者なら尚更分かっていることである。にも関わらず招聘し、優勝という結果を残しながら解任し理由がこれであれば、最初から“とりあえずの結果”しか求めていなかったということである。バルセロナの後塵を拝しなりふり構っていられなかった事情はあるにせよ、結果を優先させることで一時の至福を得て溜飲を下げようとするクラブやフロントに長期的方針など見ることは出来ない。ビッグクラブゆえに勝利をすぐに求められるのは分かっているが、その裏にクラブの軸が見えない限り、やはりぼくはレアルを好きにはなれないだろう。10年前のカペッロ以降、今回も含めて4度リーガを制覇している。カペッロの2度に加えて、00-01シーズンと02-03シーズンである。このときのレアルを率いていたのはいずれもビセンテ・デル・ボスケであった。99-00シーズン途中に就任したデル・ボスケは銀河系全盛期のスター軍団を見事にまとめあげた名将であるが、彼もまた02-03シーズン終了直後、フロントとの確執から解任されている。つまりレアルはここ10年で4度優勝しながら3度、優勝監督を解任するという奇妙な一致点がある。そしてもう1つ奇妙な一致点があり、直後のシーズンは3度とも4位でリーグ戦を終えているということだ。来シーズンは?ほな、また。
2007.06.29
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ミランからカカがいなくなれば、後継者は誰なんだろう?カカはどこへ行くんだろう?決して有り得ない話ではない。だが今すぐの話でもない。しかし、カカの後継者は確実に存在する。チェルシーが、ブラジルのインテルナシオナルに所属するアレシャンドレ・パットに約45億円のオファーを出した。ブラジル国内では「カカの後継者」として注目を集めている彼にはミランやインテルもオファーを出していたのだが、どうやらイングランドへ渡ることになりそうだ。う~ん、どこかで聞いたことのある名前だ。確かかなり若かったような・・うんっ、あの記事だ!昨年末のクラブ・ワールドカップにも出場したインテルナシオナルのストライカーまだあどけなさの残る17歳(今年1月現在)ポジショニングが抜群に良く、フィニッシュに持ち込むまでの動きが明らかにU-20のレベルではない(今年1月での設定)移籍金24億円これはビッグクラブがこぞって獲得レースに参戦するわけだ。でも半年前が24億円なのに、なぜに半年後で約倍になっているのか?インテルナシオナルはパット売却の姿勢を否定していた。その後のコパ・リベルタドーレスでも大活躍し、設定移籍金を倍に吊り上げる納得・・若い選手への高額な移籍金は大きなプレッシャーになる反面、その選手の期待値とも取ることができる。これまで彼のプレーを見たことがないのでなんとも言えないが、良いプレーヤーなんだろうね。そういやチェルシーさん?あなた達は下部組織の充実を詩ってなかったでしたっけ?今夏の補強は金を使わず(モウリーニョはどう思っているか知らないけど)少し見直したけど、ここに使うんですか?「下部組織の充実」の意味を穿き違えてるように思うんですが・・ほな、また。
2007.06.28
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かねてからの噂どおり、デポルティボに所属する左SBカプデビラのビジャレアル移籍が決まった。今シーズンで契約が切れるため移籍金は発生せず、契約期間は3年とのこと。エスパニョールでキャリアをスタートさせAマドリーを経て、2000年デポルティボへ移籍。7シーズンでリーグ戦179試合に出場し16得点を記録したカプデビラだが、フロントとの確執が原因で退団したアルアバレナの後釜を探していたビジャレアルと、更なるキャリアアップを求めていたカプデビラの思惑が一致し今回の移籍が決まった。ホセ・エンリケという代表クラスの選手が同じポジションにいるとはいえ、スペイン代表にも定着しつつあるカプデビラなら、通常の実力を発揮すればエンリケとのポジション争いに勝利し、先発の座をたやすく手に入れることができるだろう。だがここ最近のスペイン代表クラスの左SBは、クラブを移ると急に調子を落とす傾向にある。2000年にビルバオからデビューしたデルオルノは徐々にクラブの中心選手になっていき、2004年の9月に代表に初召集された。2005年に約16億円の移籍金でチェルシーが獲得したことからもその実力は窺える。だがそのチェルシーで度重なる怪我に悩まされ、またクラブの戦術に馴染めずコンディションを崩していった。それでもどうにか2006年ワールドカップの登録メンバーに選ばれたが、負傷が完治せず登録を辞退する結果になってしまった。アルゼンチン生まれのペルニアはヘタフェで頭角を現すと、ファンの間でペルニアをスペイン人に帰化させようとする動きが起き、ペルニア自身も層の厚いアルゼンチンから代表入りを狙うよりは、自分を成長させてくれたスペインへ報いるためにも帰化を決意。ワールドカップ前に帰化は完了したものの、登録メンバーには選ばれなかった。だがデルオルノの辞退により追加召集を受け、本番では4試合中、消化試合を除いた3試合に先発フル出場を果たした。しかし開幕前から決まったいた移籍先であるAマドリーでの新シーズンは、これもまた足首の怪我などにより長期離脱を余儀なくされ、代わりに起用されたアントニオ・ロペスが思いのほかフィットしていたことから、復帰後も先発定着には至っていない。ちなみにアントニオ・ロペスもコンスタントに代表に選出されている。2年ごとに大きな大会を控えるヨーロッパ出身の選手は特に、移籍のタイミングが難しい。出番を求めての移籍ならいざしらず、ステップアップを計る上での移籍は、してみなければ成功か失敗か分からない。怪我とはいえワールドカップ確実と思われたデルオルノしかり、1年前は代表の正左SBペルニアしかりである。今回移籍を果たしたカプデビラが、来シーズンどのような結果を残すかは分からない。先述のように、単純に能力だけでエンリケと比較すればカプデビラの方が上だろう。だが仮に怪我などで調子を落としたら、ペジェグリーニの戦術に合わなければ、すぐさま代表の座は剥奪されるだろう。またエンリケとのポジション争いに勝利したところで凡庸な結果しか残せなければ、来シーズンの今頃、スイスあるいはオーストリアのピッチに立つスペイン代表にカプデビラの姿はないだろう。ほな、また。
2007.06.26
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怪しい。ヒジョーに怪しい。ここ最近のセリエに関するニュースのことである。インテルに不正会計疑惑が浮上した。2003年から2005年にかけてのミランとの間に行われた移籍で、収支を整えるために虚偽の資産価値上昇を行うことを目的として、選手の価値が“水増し”されたようなのだ。そしてこれらの移籍で、インテルは05-06シーズンのセリエ参加条件を満たした疑いが持たれているようなのだ。説明すると、昇格や残留を決めたからといって無条件でリーグに参加できるとは限らない。ローマやラツィオ、パルマの財政難問題から、シーズン開幕前にクラブはリーグに対し財政面などの現状を記した報告書を提出することが定められており、この報告書が認められなければ降格やペナルティーの処罰が与えられる。もちろん報告書の偽造が許されるはずもなく、前シーズン優勝クラブも例外ではない。インテルの疑惑は、仮に5億しか価値のない選手を10億で移籍させ収入を水増ししたり、ミランから5億の選手を3億で買うことで支出を抑えることで、セリエ参加条件を満たす財政に整えたというものである。ミランにとってメリットがないようも見えるが、この話に乗ることで実はインテルに借りを作っている。インテルの行為はルール違反であり、公になれば非難が集中するのは必至だ。だがセリエを牛耳っているのは未だガリアーニ・ミラン副会長である。その気になれば不正をもみ消すことが出来るし、発覚してもうやむやにしてしまうことも可能だ。それは昨シーズンのカルチョ・スキャンダルのペナルティーが裁判ごとに軽くなっていったことからも分かる。だからこそミランはこの話に乗ることでインテルに借りを作ったのである。そう考えると、こちらも問題になっているスアソの件も理解できる。カリアリに所属するFWスアソは、昨シーズンあたりからビッグクラブに注目されていた。そして一時はインテル移籍がカリアリ側から「ほぼ決定」としてコメントされながら、数日後に一転ミラン移籍が成立した。モラッティ・インテル会長は「スアソとは合意に達していた」とコメントしており、これが事実なら二重契約となりスアソには出場停止、ミランにも何らかのペナルティーが与えられるだろう。実は昨シーズン開幕前、ミランはスキャンダルに揺れるユベントスのイブラヒモビッチとほぼ合意に達していた。だがご存知の通りイブラヒモビッチはインテルへ移籍した。ここに不正があったかどうかは別にして、ミランが「貸しがあるにも関わらず横取りした」と感じたならばどうだろう。タイミングを計った上で行われたインテルからの横取りと取れなくもない。スパレッティ監督の下で大躍進を果たしたローマ。以前にも伝えたように現有戦力の維持こそがシーズンオフの課題だったが、ピサロをインテルから完全移籍で獲得・残留には成功し、メクセスとも契約延長を果たすことができた。インテルへの移籍金は575万ユーロ(約10億円)で今後3年間の分割で支払われるとのこと。一方でメクセスと共に残留させたかったキブーの移籍(インテルともいわれている)が加速化しており、キブーの後釜としてレバークーゼンからファンの獲得に成功している。契約期間は4年で、移籍金は630万ユーロ(約10億4千万円)。ローマはこれを半年後とに5回に分けて支払うとのこと。合わせて約20億円の移籍金を一括で支払えないローマ。確かに財政難なのは公に知られていることであり、仕方がないのかもしれない。また伝えられていないだけで、分割での支払いがトレンドというかメジャーな方法なのかもしれない。ミラノの問題にしても疑惑が浮上し現在捜査中というところまでが事実であり、それ以降は個人の先読み・仮定である。だがこのような出来事が「セリエだから仕方ない」と普通に思える、そして思わせてきたイタリア・サッカー界はかなり怪しい世界である。ほな、また。
2007.06.23
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バイエルン・ミュンヘンのベッケンバウアー会長がキム兄ばりに怒っている。「クローゼがもう1年ブレーメンにいることは考えられない。 来シーズンに彼がバイエルンに来ることは誰もが知っている。 何が起こっているというのだ!? 私はこの夏の移籍を希望しているのだ」今シーズンの終わり頃に発覚したクローゼとバイエルンの密談騒動。クローゼの所属するブレーメンは騒動後すぐに、契約の切れる来シーズンまでの残留を明言したが、クローゼ本人が2008年からバイエルンでプレーするというコメントを出したことで、「クローゼ、バイエルン移籍」が既定路線として語られるようになった。バイエルンはシーズンを4位で終了し、来シーズンのチャンピオンズリーグ出場権を逃した。建て直しへ向けて現在大補強を敢行中であり、既にトニ、リベリ、ヤンゼン、シュラウドラッフ、ハルティントップ、ゼ・ロベルトを獲得している。いずれもワールドクラスの即戦力でありバイエルンの意気込みがひしひしと伝わるのだが、さらにクローゼまでも獲得しようとしているのだから驚きだ。ここで1つ分からないのは、ベッケンバウアーの言うようにクローゼの移籍が既定路線にも関わらず交渉が進んでいないことだ。クローゼとバイエルンはいわば相思相愛でありバイエルンはすぐにでも獲得したいのだから、もつれている理由はブレーメン側にあるはずである。ただ正直なところ、答えは分からない。契約が切れれば移籍金無しで選手は他クラブへ移籍できる。ブレーメンがクローゼを放出する見返りに移籍金を獲得できるのは今夏と来冬の2度だけだ。しかも契約切れが近づくほど額は下がるから、より多くの移籍金を得るには今夏の放出が得策と言える。だからといって直接のライバルに自クラブのエースを易々と渡すわけにはいかないのかもしれないが、来年にはクラブを離れるのは既定路線だ。いくらプロとはいえクラブから心の離れた選手を置いておくならば、少しでも多くの移籍金を得て代わりとなる選手を探したほうがいい。仮にクローゼを残したとして、シーズン中に結果が出なければファンの批判は間違いない。プレッシャーがかかるのはクローゼ本人だけでなく、起用した監督や固執した会長及びフロントにも向けられる。契約が切れた後の移籍は仕方なく、ブレーメンも認めているらしいが、ならばなおのこともつれる理由が分からない。単に移籍金額を吊り上げるためのじらし作戦なのか。だがバイエルンはそれに乗らないだろう。クローゼの意志がハッキリしている以上、1年待てばタダで獲得できるのだから。ブレーメンは何を考えているのか。分からない。分からない。考えられない。でも一番分からず考えられないのは、会長であるベッケンバウアーが何が起こっているか分かっていないということだ。ほな、また。
2007.06.21
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最終節を迎えたリーガエスパニョーラ。3クラブに可能性があった優勝争いと同様に注目を集めていたのは、降格争いだった。下位3クラブが自動降格のリーガにおいてヒムナスティックの降格は既に決定しており、残る2つを4クラブで争っていたのだが、注目を集めていた理由はそれだけではない。バスクの雄、アスレティック・ビルバオとレアル・ソシエダがこの4クラブの中にいたからだ。リーガの2大クラブといえば首都マドリーのレアル・マドリーとカタルーニャのバルセロナである。歴史的・政治的背景も絡んで対立を続ける両クラブは、スペイン代表にも多くの選手を送り出すビッグクラブである。そしてそれに続くのはバレンシアといったところだが、ほんの十数年前まではビルバオ、ソシエダに所属するバスク人が代表の勢力として名を馳せていた。間断なく送り出される名選手を育て上げたこれらのカンテラ(下部組織)はスペイン屈指の組織として高く評価されていた。だがボスマン判決やテレビマネーの流入によりサッカー界は激変し、各クラブ間の格差は大きくなり、それによりバスクのカンテラで育ちデビューした有望選手も少しの活躍ですぐにビッグクラブへと旅立つことになってしまった。スペインは他のヨーロッパ諸国に比べ、地元意識がとりわけ強い。マドリーとバルセロナの関係を初めとして、ETA(バスク祖国と自由)の名前を聞いたことのある人もいるだろう。スペインからの独立を目指し政府と戦い続けるETA。そんな民族性もあって、ビルバオは1898年の創立以来、親がバスク人でなければ決して入団を認めない「バスク純血主義」と今日まで貫いている。それでいてこれまでリーグ優勝8回にコパ・デル・レイ優勝23回を誇り、しかも創立以来1度も2部に降格したことのない超名門クラブである。ちなみに2部降格を創立以来経験していないのはビルバオのほかにはレアル・マドリーとバルセロナだけである。1909年創立のレアル・ソシエダもまた1989年までは「バスク純血主義」を貫いていたが、背に腹は換えられなかったのか、バスク人以外の選手、イングランド人のオルドリッジを獲得。ニハトや現在ではコバチェビッチといったワールドクラスの外国人をクラブに入団させている。だがバスク人以外のスペイン人となると1人のみでありバスク人の誇りは捨てていない。またスペインには「国王・王室」を意味する「レアル」の名称をもつクラブは6つあるが、1910年時の国王アルフォンソ13世により最初に「レアル」の名を与えられたクラブであり、日本で「レアル」といえばマドリーだが、スペインでは“ラ・レアル”ことレアル・ソシエダを指す。この2クラブが揃って降格争いに巻き込まれていたのだから、メディアが注目しないはずがない。結局のところビルバオはホームで2対0とレバンテを下し残留を決め、アウェイでバレンシアと戦ったソシエダは3対3の引き分けに終わり40年ぶりの降格が決定した。純血を未だ貫くビルバオが残留し、外国人を抱えるソシエダが降格したのは皮肉な話だが、現在の潮流を見ればサッカー界に一石を投じる、アンチテーゼとして捉えることもできる。バレンシアとの試合が引き分けに終わり降格が決まった瞬間、ソシエダの選手達はそのままピッチに倒れ込み大粒の涙を流した。もちろんアウェイまで駆けつけた多くのファンも泣いていた。だが最後まで残留を信じ戦い続けた選手に、ファンは最後まで声援を送り続けた。スタジアムを去り帰路に着くチームバスをあらん限りの声援で送り出した。確かに純血は破られた。だがレアル・ソシエダを愛する誇り、バスク人としての誇りは失われていなかった。「我々には誇りがある。 1部に復帰するまで戦い続ける」 (ミケル・アロンソ:リバプール、シャビ・アロンソの兄)この誇りを胸に1シーズンで1部に帰ってくることを願うと同時に、来シーズンにバスク・ダービーが観れない悲しさを切なく思う。ほな、また。
2007.06.20
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「バルセロナのグジョンセンがマンU移籍を希望」こんな見出しを目にした。先月辺りだったか、我がユナイテッドがグジョンセンを欲しがっているという記事を見ていたので、「これはハーグリーブス同様、両思いか?」と勘繰った。だが、グジョンセンがイングランドのタブロイド紙に語った今回の記事は、すぐにぼくの疑いを晴らした。「チェルシーからバルセロナに来たのはチャンピオンズリーグでプレーするため。 だがFWのポジション争いは激しく、簡単ではなかった。 ここから出るならイングランドに戻るだろう。 出来ればチャンピオンズリーグに出場するクラブがいい。 もちろんユナイテッドも含まれている」つまり、ユナイテッドはあくまで数ある選択肢の中の1つであって第1希望ではないということ。さらにバルセロナを去るかどうかさえもまだ決まっていない。長くサッカーを見ていると、一応このような見出しにリアクションはするものの決して鵜呑みにはしない。1の話題をさも10のように誇張して、拡大解釈して報道するのがタブロイドである。全ての記事を信用していれば、それこそゲームの世界と変わらないことになってしまう。だが逆を言えば、10のうち1は真実があるということだ。今回の場合、その1はユナイテッドがFWを欲しがっているということである。数年前から狙っているFトーレスやデフォーしかり、昨シーズンからのベルバトフしかり、今回もまたこれらの選手が獲得の噂候補に挙がっている。それだけなら常に上を目指すビッグクラブの宿命で「あぁ今年もか」となるのだが、今年はそれだけでなく上記のグジョンセンやイブラヒモビッチ、さらには先日のEURO予選でも活躍を見せたサンプドリアのクアリアレッラには実際にオファーした事実が報道された。これだけの選手名が噂に挙がり、かつオファーの事実もあるならば、ユナイテッドの補強戦略は未だ終わっていないということである。ユナイテッドには現在、ルーニー、サハ、スールシャール、スミスの4FWがいる。他にもロッシやドンといった若手有望選手がいることはいるが、まだ全幅の信頼を寄せているとはいえない。柱はもちろんルーニーであるが、スールシャールは怪我が多く、サハは来シーズンの開幕が微妙な状況だ。残るスミスはファーガソンがそれほど戦力とみなしていない様子である。約120億円を使ってハーグリーブス、ナニ、アンデルソンの3選手を獲得したユナイテッドだが、それぞれの正式発表がわずか2日の間で行われたことから、補強の打ち止めを示唆する記事も見られたが、どうやらそうではないようだ。いったいどこからそんなお金が出てくるのか。赤字覚悟? NOグレイザー会長の支出 半分YES半分NO嘘か真か、レアルがカカに約130億円の移籍金を出すらしい。そのお金がどこから出ているのか。それと同じことである。レアルはまだ決まっていないけど。ほな、また。
2007.06.17
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ビジャレアル所属のロベール・ピレスがこんなコメントを残していた。「リーガのスケジュールは理解できない。 自分は他国のリーグでもプレー経験があるが、 日曜だけでなく水曜にも試合を行うことで、シーズン後に長い休みを取っていた」リーガは今シーズン最終節を迎えるが、ヨーロッパの主要リーグの中では最も遅く、かつ1ヶ月以上の差がある。今シーズンは未だ3クラブに優勝の可能性が残されているなど盛り上がりを見せてはいるものの、今月初旬の代表戦による中断や、下旬から始まるコパ・アメリカやアフリカ選手権予選などで代表選手がシーズン終了を待たずに離脱するなど、盛り上がりに水を差す格好にもなっている。年々試合数が増えていく中で選手の疲労度は加速度的に上昇しており、それがプレーに及ぼす影響を考えればどこかで対策を立てなければならない。だがビジネス優先の現在においてはスポンサーを無視することは自らの首を絞めることにもなり、どこかで妥協を迫られることになる。スペインではほとんどのリーグ戦は週末に行われ、ミッドウィークはそれぞれのカップ戦に充てられている。だがカップ戦も毎週あるわけではなく、早期敗退のクラブなどは週1ペースでの試合が続き、比較的コンディション万全で試合に臨むことができる。また年末年始に2週間ほどの休暇がある一方で、その分シーズンが長丁場になりシーズンオフが短くなるデメリットもある。極端な比較例を挙げれば、イングランドではミッドウィークにも普通にリーグ戦が行われている。また年末年始も休みなく行われ2週間で5試合という過密スケジュールもざらである。これはクリスマスやボクシングデーといったイングランド特有の祝日も影響しているが、その代わり毎年5月上旬には全ての国内スケジュールは終了し、選手は長い休みでリフレッシュや疲労の回復に努めることができる。スペインもイングランドも、そして他の国にとっても選手を守る対策は行っている。だがその方法は国ごとで分かれており、スペインは試合間隔を空ける事で対策とし、イングランドではオフを長く取ることで対策としている。それぞれの国には文化があり尊重する必要はある。それに選手によってもピレスのような選手もいれば、その逆の考えの選手もいる。おそらくこのような選手はイングランドのスケジュールを「ハードすぎる」と批判することだろう。つまり現状では正解のスケジュールというものは存在せず、一概にどちらが良いというような判断も付ける事はできない。だがこのまま放っておくこともできない。現に代表召集による最終戦辞退などの問題も出ている。代表とクラブの親密な関係があって初めて、選手は気持ちよくプレー出来るものである。どちらかが不信感を持ってしまえば、選手に非はなくとも問題が生じしこりは残ってしまう。そうなると、ここはやはりお偉方に登場してもらうほかはないのではないだろうか。例えばワールドカップやEUROが開かれるシーズンは、必ず大会とシーズンが被らないように調整されている。当たり前といえば当たり前だが、ならば大きな大会が行われないシーズンにそれが出来ないはずがない。スペインとイングランドでは国内カップ戦の数が違う(スペインはコパ・デル・レイのみ、イングランドはFAカップとカーリング・カップの2つ)のでキッチリと日付を指定する必要はなくとも、例えば5月一杯で必ず終わらせるとか何かしらの対策は採れるはずである。独自性は認めつつもある程度の縛りを与えないことには、ここまで肥大化したサッカー界をコントロールすることは出来ない。違う見方をすれば敗戦の原因をスケジュールに押し付けることもできない。全て自分達の責任として返ってくる。別に試合数の削減や収入の減少に繋がるわけではないのだから、ビッグクラブの反対に繋がることもない。比較的スムースに改革できる問題だと思うのだが。ほな、また。
2007.06.15
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昨年のワールドカップで優勝を遂げたイタリア代表。先週行われたEURO予選ではフェロー諸島、リトアニアに勝利を収め、順調に本選出場へ向けての勝点を稼いでいる。そんな中、今回1人のワールドカップ優勝メンバーが代表召集を辞退していた。ネスタである。チャンピオンズリーグ優勝を果たしたミランの守備の中心でもあるネスタだが、ワールドカップの決勝戦は怪我のため欠場。さらには今シーズンも怪我に泣かされ、代表戦での出場は昨年10月の1試合しかなかった。一応の理由として挙式を理由に今回の代表召集辞退を表明したネスタだが、もしかしたら周囲の批判的目線や自身のコンディション、代表における目標の喪失など、様々な理由もあって今後2度と代表のユニフォームを着ることはないのかもしれない。というのもネスタの辞退を直接聞いたドナドニ監督は「彼の決断が最終的なものであるという印象を受けた」と語り、ネスタの下した決定が覆りそうにないという思いを持ったようだ。だが今回の辞退だけで「最終的なもの」と捉えるのはいささか大袈裟である。一応の理由は挙式であるし、それに間違いはない。今回の2試合が格下相手ということもあって、是が非でも必要な選手でもなかった。ドナドニももう少し気楽な気持ちで捉えても良かったのだが、なぜかネガティブに捉えてしまった。それにはワールドカップ終了後から頑なに代表召集を拒み続けている選手を思ったのかもしれない。UEFA会長でもあるプラティニが代表招集を拒み続けているトッティについてこのようにコメントしている。「決断するのはドナドニだが、私が代表監督ならトッティを招集し 『黙って参加しろ』と言うだろう。 そして私が代表監督なら(このような)代表招集辞退を許さないだろうし、 私が選手なら辞退などしない」ドナドニからすればこれは自国の問題であり、ヨーロッパのトップがこの件について口を挟むのは間違いであると考えるだろう。そう思うのは当然である。仮にもトップの、しかもヨーロッパのトップが1国の件に口を出すべきではない。だがおそらく、プラティニはトップだからこそ口を出したのではないだろうか。プラティニはヨーロッパのトップとして代表の権威を守ろうとしているのではないかと考える。いまやプライオリティは代表よりもクラブに置かれている。もちろんビジネスが流入したためであり、それにより恩恵を預かっていることからも正面から批判することはできないが、昔(プラティニの現役時代)に比べて代表でプレーする価値や名誉が少なくなっているのは事実だろう。水曜の親善試合に召集を受けた選手が怪我を理由に辞退しながら、土曜日のリーグ戦に平然と出場していることは日常茶飯事である。全てがそうではないだろうが、そうした代表軽視の論調を変えるためにヨーロッパのトップとして、プラティニは口を挟んだのではないだろうか。ましてや相手はトッティである。世界中が知っているスーパースターであり、イタリア代表の中心と言っても過言ではない。実際昨年2月の足首骨折によって未だにボルトが埋め込まれたままであるが、今シーズンはリーグ戦26ゴールと絶好調である。論調をひっくり返すには願ってもない相手であり、今後このような考えの選手を出さないためにも早めに手を打つべきだと判断したのだろう。ドナドニは今回のネスタの件について、プラティニより楽観的である。「正しいと思う選択をする権利は誰にでもある。 私は代表拒否とは受け止めておらず、現在の状況を考慮しての決断だと考えている」とコメントしさらに「私はトッティとネスタの話を聞き、彼らの説明を受け入れた。 私は正しいと思うことをしたが、それでも限界はある。 私の見解では、彼らの不在に何の問題もない」と話している。それぞれの立場が違うので、誰が正しいと断言することは出来ない。ドナドニが言うように、それぞれが正しいと判断した結果の行動である。だが集団の長としてドナドニは楽観的過ぎる、もっと言えば下の人間に甘いと感じるのはぼくだけだろうか。ほな、また。
2007.06.12
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リーガ・エスパニョーラ第36節終了時順位表1 レアル・マドリー 722 バルセロナ 723 セビージャ 70(直接対決の結果によりレアルが上位)第37節対戦表(左がホーム)サラゴサ(ZA)対レアル・マドリー(RM)バルセロナ(BA)対エスパニョール(ES)(ダービーマッチ)マジョルカ(MA)対セビージャ(SE)* レアル勝利、バルセロナ敗北、セビージャ引き分け以下の場合のみレアルの優勝決定 3試合同時刻開催前半30分 ES タムードのミドルシュートで先制前半32分 ZA アイマールがもらったPKをDミリートが決め先制前半43分 BA メッシーの頭(神の手?)で同点に追いつく後半12分 BA 再びメッシーのシュートで逆転に成功後半12分 RM セルヒオ・ラモスのクロスをニステルが頭で合わせ同点後半19分 ZA Dミリートのシュートが決まり勝ち越す後半44分 RM イグアインのシュートをニステルが押し込み同点後半45分 ES タムードの2得点目で同点サラゴサ 2対2 レアル・マドリーバルセロナ 2対2 エスパニョールマジョルカ 0対0 セビージャ劇的な試合を続けているレアルが、この日もそれを再現。終始サラゴサに圧倒されながらも何とか勝点を獲得。対照的に、常に自分達のペースで試合を作りながらも決定機を活かしきれないバルセロナは、よりにもよってバルセロナ・ダービーでも失態を演じた。国内リーグ、カップ、UEFAカップの3冠を狙うセビージャはカヌーテ、ケルジャコフといったFW陣の負傷離脱や後半に入ってのDFドラグティノビッチが退場が響きスコアレスドロー。これにより勝点差は変わらず最終節へ。レアルは勝てば文句なしの優勝、引き分けても相手の結果次第では優勝の可能性がある。バルセロナは引き分け以上でレアルの取りこぼしが、セビージャに至っては勝利が絶対でレアル及びバルセロナの敗北が唯一の優勝への条件である。後半ロスタイムに痛恨の失点を喫したバルセロナ。MFシャビが試合後こうコメントしている。「今シーズンを象徴するするように、自ら勝利を逃してしまった。 もうタイトル獲得は難しいと思う。 僕らは最後の不運なゴールを決められるまでは、全てを手中に収めかけていた。 だがこれがフットボールなんだ」しかし「この1試合で全てを失ってしまったわけではない(BA・プジョル)」。確かに現時点で優勝へ一番近いのは、そして自力本願なのはレアルである。だが「まだ90分残っている(RM・ロビーニョ)」。最後まで諦めないことの大切さはライバルのレアルが、エスパニョールが実践した。最後まで何が起こるか分からない、それがフットボールだ。ほな、また。
2007.06.11
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先週の土曜日と今週の水曜日、欧州各地で2008年EUROの予選が行われた。前回書いたデンマークとスウェーデンと同組のスペインはラトビア、リヒテンシュタインとアウェイでの戦いが続いたが、格下ということもあり連勝で乗り切ることに成功した。シャビ問題とは、ラトビア戦でシャビがイエローカードをもらったこと。実はラトビア戦前の段階で、スペインには累積リーチの選手が9人もいた。つまりラトビア戦でイエローカードを貰えば、次のリヒテンシュタイン戦に出場停止になってしまうということだ。だが相手はかなりの格下である。しかも他国と違ってリーガ・エスパニョーラはまだシーズンが終わっていない。そこでラトビア戦でわざとイエローカードを貰うことでリヒテンシュタイン戦を休み、残りのシーズンに備えようとする選手が現われるのではないか、とファンやメディアは報道したわけだ。シャビがイエローカードを貰ったのは後半ロスタイム、2対0と勝負は完全についている場面での相手へのタックルだった。無理にボールを取りに行くような場面ではないし、このまま時間を消化して勝利を手に入れることもできた。だがシャビはタックルに行きイエローカードをもらった。ここまでなら「興奮していた」だの「試合に集中していた」と言う事が出来るだろう。だがシャビははっきりと認めた。「故意にファウルを犯した」スペインでは、次節の試合が明らかな格下の場合、故意にファウルを犯してカードを清算する行為が現実的手段として認識され、ファンにとって、メディアにとってさえタブーではないらしい。国内リーグ以上に代表戦ではレベルの差が激しい場合にこのようなケースは多々見られる。これはスペイン代表に限った話ではなく、選手自身が残り時間や点差、今後のスケジュールを考えて故意なファウルを犯しているように思う。ただこれまでは堂々とそれを認めた選手がいなかったので確信することはできなかった。2人を除いて。1人は今回のシャビ。そしてもう1人はベッカムだ。2006年ワールドカップの予選だったか、今回と同じように格下相手の2連戦の初戦に累積を清算しようとしてイエローカードを貰い、試合後に故意だったことを認めたことがある。そのときは最初のイエローから2分後に2枚目のイエローをもらい、試合からも清算されてしまったのはベッカムらしいが、いずれにせよそのときはUEFAから数試合の出場停止という厳しい処分を下されている。ベッカムにしろ今回のシャビにしろ、ファウルに悪意はまったくなかっただろう。相手を傷つけるつもりも壊すつもりもなかった。ただ長いスパンでの勝利を得るために、チームとして必要なプレーを単に選択しただけである。しかし悪意のない、チームのためのファウルならやってもいいかといえばそうでもない。カウンターからピンチを招いたときに失点を防ごうとするタックル、相手を怪我させようとする悪意はなくチームのためのファウルである。このようなとき、ある人はファウルを犯した選手を「よく止めた」と褒め称え、またある人は「悪質だ」と非難する。そうなると「フェアプレー精神」とは何か、という問題に直面する。「フェア=公平な、公正な」UEFAはシャビに対してどのような態度を採るのだろうか。ほな、また。
2007.06.07
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2日に欧州各地で行われたEURO予選。注目を集めたデンマーク対スウェーデンの隣国対決は3対3の同点で迎えた後半終了間際、観客がピッチに乱入したことで没収試合となってしまった。スカンジナビア半島の隣国ということでファンやメディアの注目を集めていた試合だったが、アウェイのスウェーデンが3点を先行するも、ホームで負けれらないスウェーデンが粘りを見せ同点に追いつく。迎えた89分、ペナルティエリア内でファウルを犯したデンマークのボウルセンが一発レッドで退場、スウェーデンにPKが与えられたのだが、これに怒った1人のファンがピッチに入り主審に暴行を加えようとした。周囲のデンマーク選手が乱入に気付き、主審に危害が及ぶ前にファンを取り押さえることが出来たが、主審は身の危険を感じ試合続行不可能と判断し終了させた。ファンがピッチに乱入することはよくある。だがそれはファンの個人的アピールであったり、選手や主審に危害が及ぶ前に警備の人間がファンの乱入を防ぐことで、騒動になる前に事は片付いていた。しかし今回はYouTubeにも出回っているように間一髪で免れたものの、あわや事件に発展するような距離まで乱入を許していた。警備上の問題はなかったかはとりあえず置いといて、今回の件でデンマークに勝利ポイントなどのペナルティが科せられるのは間違いない。乱入後、拘置所で一晩を過ごしたこのファンは試合前に相当の酒を飲んでいたらしく、乱入時は泥酔状態だったようで、「デンマークのすべての人々に謝りたい。 多くの人にとっての素晴らしい夜を台無しにしてしまった。 代表チームに被害を及ぼすつもりは全くなかった」と一晩経って酔いが覚めた後でこうコメントしている。謝って許されるものではない。故意ではなかったから仕方がない的謝罪はもうたくさんである。相手が隣国ということでテンションが上がり、酒を飲みたい気持ちは十分に分かる。だがやってはいけないことぐらい分かる程度に抑えなければならない。あなたが謝ったところでペナルティが覆されることはない。今回の(おそらくの)ポイント剥奪でデンマークが予選敗退になればどうするのか。あなたは本当のファンでは決してない。単なるチンピラである。また謝るべき相手はデンマークのすべての人々ではない。サッカーに関する、サッカーを愛するすべての人々である。ほな、また。
2007.06.05
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最近のサッカー界は低年齢化が進んでいる。19や20歳は当たり前。25歳で代表デビューなら遅咲きと言われるようになってきた。各クラブはダイヤの原石を我先に獲得しようと、それこそ小学生の頃から目を付け、自クラブの傘下に籍を置かせる事で、将来のビジネスチャンスにつなげようと激しい競争を繰り広げている。もちろんそれら全ての選手が成功する可能性は限りなく低いが、それでも当たればこれまでの投資を十分回収できるだけのリターンが見込めるだけに、そして他クラブに有望選手を取られたくないという純粋な意識も手伝って、さすがにこれ以上の低年齢化はないだろうが今後もこのような競争は続いていくことだろう。先日もイングランド下部リーグのサウサンプトンに所属するウェールズ代表DFガレス・ベイルのトットナム移籍が発表された。移籍金や契約年数は発表されていないが、現地メディアによると約24億円前後ではないかといわれている。これだけをみると相当の有名選手・有能選手のように感じられる。バブルがはじけた今のサッカー界において24億円の価値を持った選手はそんなに多くない。ベイルという選手、かなりの大物なのだろう、まだまだ勉強不足だと自身を反省していたが、年齢が17歳なら話は別である。17歳で代表に召集されるのだから、もちろん技術や能力は高いものを持っているのだろう。そして今回はトットナム移籍が決まったが、我がユナイテッドなども獲得に乗り出していた事実がそれらを裏付けている。だが17歳に24億円である。この先のサッカー人生に何が起こるかは分からない。それこそギグスのように国の中心選手に化ける可能性がある一方で、移籍金に見合わない活躍でいつのまにか消えていった選手を過去に何人も見てきている。おそらく獲得競争の過程で移籍金のつり上げがどこかで行われ、この24億円という数字が純粋なベイルの価値だとはいえないかもしれない。だが果たして24億円を出してまで取らなければならない選手だったのかを考えればイエスとは決して言えないだろう。昨年1月、アーセナルがセオ・ウォルコットを獲得した。当時17歳の彼にアーセナルが出した移籍金は出来高を含めて最高24億円。そしてウォルコットと引き換えに移籍金を手に入れたのは今回と同じサウサンプトンだった。ベイルとウォルコットが同じサウサンプトン出身なのは単なる偶然かもしれない。だが、ビッグクラブにこれらの選手のポジションは空いていない、つまりは需要がないにも関わらず先行投資の意味も含めて競争が熾烈を極めていることを、供給する中小のクラブはよく知っている。だから少し強気な金額設定をしても拒否されることはなく、中小クラブがビッグクラブの足元を見るという逆転現象が起こっている。それが最近の移籍金額の序列崩壊に繋がっており、これまでは移籍金額の高さがそのまま選手の能力の高さに繋がっていたが、最近ではマーケティングなどのビジネスがサッカー界に流入したことや選手の低年齢化によって、移籍金額の高さが決して選手としての評価を示すものではなくなっている。まだ移籍して1年半しかたっていないがウォルコットはレギュラーに定着しているか、ノーである。低年齢化自体が悪いとは決して言わない。しかしながら、クラブ間のエゴなどによって決められた不釣合いな移籍金で苦しむ羽目になるのは選手である。今回のベイルにしても、24億円という数字を考慮してファンはプレーを見ることになる。クラブ間の交渉で何があったか、そのような推移があったかなどはどうでもいいことで、極論すればベイル=24億円という目線でベイルを見る。16,7の人間にそれがプレッシャーにならないほうがおかしな話であり、これではどれだけ有望な選手でもこれが原因で成長が妨げられるとも限らない。これ以上の低年齢化はおそらく進まないだろう。だが現状維持で推移させることも選手には良くない。10代の選手の移籍に関して規制を強化するなど、さらなる議論が必要である。こんなことを考えてた矢先の我がユナイテッドの選手補強・・次回に続く?ほな、また。
2007.06.04
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「ウサギは寂しいと死ぬ」一度は聞いたことある話であるが、実は間違いらしい。なんでもウサギは縄張り意識というものが非常に強く、争いを避けるために単独で飼う方が良いのだそうだ。サッカー界において、ウサギという意味の「コネホ」の愛称で親しまれているバルセロナのサビオラであるが、今シーズンで契約が切れるにも関わらず未だ契約更改を行っていない。「もう1度バルセロナとの関係を見直したい。 最高の形で終えたいとは思っているが、 バルセロナは最初の選択肢ではなくなってしまった。 クラブとの関係は変わってしまった。 ヨーロッパの他のクラブと話し合う以外に選択肢はない」これはサビオラ自身のコメントであるが、おそらく来シーズン、サビオラがアスルグラナのシャツを着ていることはないだろう。母国アルゼンチンのリーベル・プレートでプロデビューをスタートさせたサビオラは2001年のワールドユースで7試合11得点の活躍で得点王とMVPを獲得し、アルゼンチンの優勝に大きく貢献した。同年に念願だったヨーロッパへの挑戦をバルセロナでスタートさせたサビオラは3シーズン連続で20得点以上を挙げ、チームに欠かせない得点源としての活躍を見せていた。風向きが変わったのは2004年。会長選挙でラポルタが当選し、監督にはライカールトが招聘された。自分色を打ち出してバルセロナの復活を見せようと息巻いたラポルタはまず、前会長ガスパール色を打ち消すことから始め、その筆頭がサビオラであった。ガスパール時代にバルセロナにやってきたサビオラは、貢献度や献身的態度で言えば、いわゆる外様ながら、チーム1,2を争うような選手であったにも関わらずラポルタの政策によって冷遇されることになってしまった。04-05シーズンはモナコへ、05-06シーズンはセビージャへローン移籍をせざるをえない状況のなかでも、サビオラの心は常にバルセロナにあった。バルセロナはどうにかしてサビオラを完全移籍で売却しようと考えたが、モナコにもセビージャにも高額な移籍金を支払うだけの余裕はなく、それは他のクラブも同様だった。もちろんバルセロナも金額を引き下げることで完全移籍への道を作ろうとしたが、ローン先での成績がそれ以前に比べて落ち、目立った活躍を見せることが出来ずにいた。2シーズンも活躍が残せなかった選手の価値が落ちないほど、現在のサッカー界も遅くはない。そんなことも移籍が決まらない要因の1つになっていた。結局06-07シーズンはバルセロナに籍を置くことになったサビオラだが、チャンスは意外なところに落ちていた。エトー、メッシーの負傷欠場である。サビオラと入れ替わりでチームの得点源になったエトーや、カンテラ上がりのメッシーの長期離脱によりFWの駒不足という問題を抱えたバルセロナ・ライカールト監督は仕方なくサビオラを使う決断をする。だが冷遇されても文句の1つも言わなかったサビオラは、自身のチャンスを見事に活かし、チームの危機を救う働きを見せる。「やはりバルセロナにサビオラは必要だ」このような周囲からの声が挙がるほど好調だったサビオラにしかし、バルセロナは契約延長のオファーは出さなかった。そしてエトー、メッシーが怪我から復帰すると、定位置のベンチに逆戻りしてしまうことになってしまった。バルセロナへの愛を示しながらもこの頃になると、自身の周囲を冷静に考えるようになってきた。「まだ僕はバルセロナと契約しているから、他のクラブについては話したくない。 残るのか出て行くのか、僕にも分からないんだ。 でも、どんな移籍のオファーも検討するつもりだよ。 僕はバルセロナに残りたいけど、クラブから何の反応もないんだから」モナコへ行ったときも、セビージャへ行ったときも、移籍とはいえローンであり契約上はバルセロナへの選手であった。だが6月で契約が切れ、かつクラブからは契約延長のオファーがないとなれば、別の選択肢も視野にいれるのが普通である。今シーズンが終われば、サビオラは移籍金無しで他クラブへ移ることができる。現在ユベントスやレアル・マドリーなどが移籍先の噂に挙がっているが、これまでのように移籍金額を考える必要もなければ、バルセロナの危機を救った活躍に「サビオラはまだ死んでいない」という印象を周囲に与えたように思う。ウサギは仏教界では献身のシンボルらしく、欧米ではウサギの足は幸運のお守りとして扱われているらしい。チームに献身的な働きを示すサビオラにまさにピッタリであり、どこのクラブに移るにしても、きっとその足(得点)で幸運を呼び寄せてくれるだろう。コネホはまだ死なない。ほな、また。
2007.06.02
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