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小説すばる 2017年2月号木通(あけび) 友井羊アケビの実の生る家で、悲劇が老夫婦を襲った。しかし、それは本当に悲劇だったのだろうか。(小説すばるより転載)田畑が広がる農村地帯の外れに建つ一軒家で、妻が自宅で死んでいる、と夫から警察に電話があった。現場に駆けつけた刑事の野々村は、現場の状況に違和感を感じる・・・。初めは自殺に見えた現場だが、夫の言動が怪しい。これは夫の犯行に思えたが、事はそう単純では無かった。という話です。夫の行動が不可思議です。この謎が最後まで分からないのですけど、謎が解けた時、そこには何とも言えない事情が見えてきて、なるほどなあ、と納得しました。同僚刑事の宮藤や、夫婦の過去など、違和感のある描写、設定がちょいと気になりますが、犯人は意外な人物だったので楽しめました。今の時代を反映した内容で、どちらかというと、イヤミスでした。
2017年01月31日

小説すばる 2017年2月号アンカー 第十一回 今野敏うまく回り出した「ニュースイレブン」のスタッフ。ちょっと出来過ぎの感がありますが、まあ、元々結束の高かったメンバーと言うことで。相変わらずおとぼけの布施ちゃんです。栃本の意見が面白いですね。布施ちゃんが警察を動かしているという。黒田が布施ちゃんの意見や行動をとっても参考にしているのは事実なので、警察が勝手に動いているという感じなのですが(笑)次回最終回とのこと。このシリーズ、解決に向かうと、終わりはいつも早いですね。犯人がだれかはまだ明らかにされていないので楽しみです。
2017年01月30日

小説すばる 2017年2月号首を埋める土地 古処誠二厳しい戦地に着隊した初年兵。戦闘や砲撃の恐怖の中彼は、戦場馴致教育の本当の意味を知ることになる。(小説すばるより転載)北ビルマのフーコン谷地に配属された初年兵。人員不足の部隊で、戦場馴致教育を受けるが、実際のところ、戦争の真っ只中に放り込まれただけだった・・・。恐らく終戦に近い日付なのでしょう。明らかに劣勢の上、人員不足が明らかなビルマ戦線。ベテランだろうが、初年兵だろうが、戦闘は平等に襲ってきます。悲惨だったと伝えられる南方戦線。とっても悲しい話でした。淡々と描いてありますが、強烈な反戦小説です。
2017年01月26日

小説すばる 2017年2月号鏡の背面 第九回 篠田節子半田明美を追った長嶋の原稿を読むフリーライターの山崎知佳。長嶋の書いた内容は、半田明美の恐ろしい過去でした。しかし、これはあくまでも取材した長嶋の意見。どれも状況証拠しかなく、見てきたような記述もありますが、想像の部分も多いようです。かなり偏見が入っていると思ったほうがいいのでしょうか?この内容が事実ならかなり問題です。しかし、事実でないとしたら?・・・そして、ついに半田明美の接点が見つかります。一番肝心な部分ですね。この重要な部分の解明は出来るのでしょうか?篠田さん、面白すぎます。続きが物凄く気になります。
2017年01月25日

小説すばる 2017年2月号ゆいまーる 第三回 黒川博行比嘉工務店の社員で、重機専門の山根。取立屋の素性を聞くため、新垣と上坂は、山根の家を訪ねる。(小説すばるより転載)比嘉の行方を追う刑事の新垣と上坂コンビ。比嘉工務店の社員・大迫欽司に話を聞いた刑事たちは、もう一人の従業員・山根光造に話を聞きに行く。映画オタクの上坂の話を聞きながら走り回る二人。山根に、比嘉が取立屋につきまとわれていた、という話を聞き、取立屋を探す二人の刑事。地道な捜査、取立屋の実態、やっぱり超リアルです。新垣はとっても優秀で、捜査はサクサク進みます。サクサク進んでも、比嘉の行方は全く分からず。でも、何となく方向は見えてきましたね。いや~、これ本当に面白いです。続きがメチャクチャ楽しみです。
2017年01月24日

小説すばる 2017年2月号漂砂の塔 第十二回 大沢在昌ロシア人の祖母を持つ石上は、ロシア語と中国語が堪能な国際犯罪捜査官。潜入捜査の最中、課長の稲葉に呼び出され、レアアースを生産する北方領土の島「オロボ島」について説明を受ける。島では、ロシア人、中国人、日本人、合わせて約340人が「オロテック」という合弁会社で働く。その島で、オロテックに出向していた西口というヨウワ化学工業の社員が変死したという。事件の捜査を命じられ、石上は島へ飛ぶことに。(小説すばるより転載)今回は巻頭でした\(^O^)/元々孤立無援だった石上ですが、やっかいな相手が出現し、益々状況が悪化。上司の稲葉はメールで指示するだけで、何もしてくれないので、全く頼りにならない。地道に捜査はしていますけど、誰が見方か、誰が敵なのかも分からず、手探りで進む感じ。島の最高責任者・バジーキンの過去も判明し、これまた怪しい人物が増えてしまう始末。本当に怪しい人間ばかりです(゜Д゜)どこかに突破口があればいいのですがねえ。続きがとっても気になります。
2017年01月23日

小説すばる 2017年1月号子捨て乳母 中島隆大晦日の昼日中から寝ているのは、わいが悪いのではない。裏長屋で妻子と暮らす六助は、昨日から何も口にしていなかった。(小説すばるより転載)京都で銭屋を営んでいた久兵衛。久兵衛の息子・六助は将来、銭屋から両替商になる夢を持っていた。お滝は六輔が仕事の合間に油を売る水茶屋の看板娘。二人で所帯を持ち、江戸に出てきたが・・・。銭屋の跡取りのくせに、夢ばかり見ていて全く甲斐性の無い六助。物凄い美人のお滝は何も言わずについてきてくれるが、何せプータローの六助、金も無ければ、米も底をついた・・・。この一家はどうなるのだろう?とヒヤヒヤしながら読みました。文句一つ言わない奥さん・お滝に頭が下がります。人情に溢れている江戸の町とはいえ、働かない人間には誰も助けてくれませんよね。お滝の隠していた秘密に、物凄く驚きます。大したもんです。お滝は器量が良いだけで無く、根性もあります。尊敬・・。落語の芝浜みたいな話でした。
2017年01月19日

小説すばる 2017年1月号漂砂の塔 第十一回 大沢在昌「少し遅いけれど、わたしの部屋にこない?」タチアナの目的はわかりつつも、石上の心は浮き立つ・・・。(小説すばるより転載)石上が探していた人物にようやく会えました。かなり情報が得られたのですが、今度は会いたくない人物にも遭遇・・・。これは石上大ピンチです。まさかこんなところで会うとは・・・!コレは話がややこしくなりそうです。孤立無援の孤島で石上はピンチを乗り越えられるのか?ますます大注目の連載です。
2017年01月18日

小説すばる 2017年1月号タロット奇譚 黒木あるじあんたに覚えてほしいのは、これ。アタシの十八番のタロット占い・・・。私が来客用のパイプ椅子に座るなり、叔母はカードを放射状に机の上に広げた。(小説すばるより転載)タロット占いで生計をたてている叔母が怪我をした。デパートで営業しているタロット占いを失業中の「私」に代わりにやってくれないか、と言ってきた。占いなどしたことない、という「私」に叔母は大丈夫だと言って押しつけてきた・・・。タロット占いというのは、何かしらの能力がある人がやるものだと思っていましたが、この叔母さんによると、誰でも出来るようなんですね・・・。そういうものなんでしょうか?主人公の「私」も同じ思いのようですが、とりあえずやってみることに。仕事をこなすうちに、コツも掴んできますが、ある日の客が来た時に・・・。占いのバイトの話だと思っていると、案外怖い話になってきます。占いはやはり不可思議な分野ですから、このようなことがあってもおかしくないですよね。恐ろしいなあ・・・。占いをやるのは、度胸も必要ですねえ(^^;)
2017年01月18日

小説すばる 2017年1月号アガスティア 三田完デリー支社長の職を拝命し、妻を日本に残してインドに赴いてから三年・・・。支社にただ一人いる日本人の部下が、休日に自宅のアパートを訪ねてきた。(小説すばるより転載)大学時代の同級生・酒井学が経営するIT企業に転職した鍵谷。三年前にデリー支社長に任命されてインドに単身赴任中。デリー支社でただ一人の日本人部下・柳澤が出張から帰ってきて、「アガスティアの葉」のお告げを聞いた、と言ってきた。余りにも当たる占いに、もう一度訊ねるから一緒に着いてきて欲しいという。しぶしぶながら、その「アガスティアの葉」のお告げを一緒に聞きに行くが・・・。私は知らなかったですが、アガスティアの葉、というのは本当にインドに伝わる話のようですね。文中に出てくるように、一時ブームになったそうです。名前までピタリと当てられるようなので、これは信じてしまうかも・・・。話は、鍵谷の行き詰まっている仕事と家庭の問題にかかわってきます。その結末は・・・。お告げ自体は少々うさんくさいですけど、その結末は意外なもので、驚かされます。占いも、いい内容だと嬉しいですね。過酷なインド勤務。鍵谷が日本に戻れるといいですねえ。インドの話も、アガスティアの話も大変興味深かったです。
2017年01月16日

小説すばる 2017年1月号Wish me luck! 石神茉莉何ひとついいことがないまま、今年が終わってしまう。不安を抱える沙月は、未来を占ってもらうため廃墟の遊園地を目指す。(小説すばるより転載)子供の頃から「綺麗」「可愛い」と言われてきた沙月(さつき)。ちやほやされてきた人生だったが、三十二歳になった今、昔ほど特別扱いされなくなってきた。会社で同僚の悪口を聞いてしまい、将来が不安になってきた沙月はものすごくよく当たる占いに行ってみることに・・・。美人には美人の悩みがあるのですね(^^;)沙月が訪れた占い師は男か女かもわからない、怪しい人物。この占い師のキャラが面白かったです。本当に占い師なの?と思ってしまう怪しさ。いや、うさんくさいのでは無くて余りにも当たりすぎるのが怖い・・・(笑)こんな占い師がいれば、占ってもらいたい気もしますが、ずばずば言われて怖くなりそうです。ほとんどファンタジーの様な話でとっても面白かったです。占いで人生が前向きになれるといいですね。お金を払った甲斐があります(笑)
2017年01月13日

小説すばる 2017年1月号占い放浪記 高野秀行小説すばる2017年1月号は「小すば占い」という企画で、占いに関する小説、漫画、エッセイが載っています。どれも面白かったのですが、特に面白かったのが高野秀行さんのエッセイ。世界各地の辺境に行かれている高野さんだけに、世界中の占いにも精通していて、非常に興味深かったです。占いもその土地の歴史や事情が反映されていて、本当に千差万別。タイ、ミャンマー、アフリカの占いの話が載っていますが、アフリカでは外国人の占いは出来ないのがオカシイ。占いって本当に地元の人のためのものなんですね。占いは本当に地域性が出るのがよくわかりました。
2017年01月12日

小説すばる 2017年1月号ゆいまーる 第二回 黒川博行「石垣に逃げたんとちがいますか」比嘉の逃走先を訊かれた知念はいう・・・。(小説すばるより転載)「模合」の金を持ち逃げした解体業者の比嘉を追う刑事の新垣と上坂。まずは自宅に行き、比嘉の奥さんに話を聞きます。もちろん奥さんは何も知らない様子。そのあとは従業員に話を聞きに行くが・・・。地味な事件に地味な捜査。とってもリアリティがあります。奥さんの話や、従業員の話もウソくさくなくて、まるでノンフィクションを読んでいるかのよう。メチャクチャ面白いのですが、話は少しずつしか進んでいきません。もう少しページ数を増やして欲しいなあ。
2017年01月11日

小説すばる 2017年1月号蝶のゆくへ 第六回 葉室麟この新聞を読んでみたまえ。藤本が見せた新聞には、りょうと思しき人物を貶める記事が載っていた。(小説すばるより転載)巌本校長から呼び出される星りょう。何事かと思うと、新聞に醜聞記事が載っているという(驚)全く身に覚えのない星りょうであったが、思い当たるフシはあった。名誉を挽回するために星りょうが訪れたのはなんと勝海舟だった(驚その2)明治の文学者だけでなく、勝海舟も出てきました。明治の有名人オンパレードになってきました(^^;)かなり高齢になっている様子の勝海舟。それでも、舌を巻く江戸っ子言葉が健在で微笑ましい。勝海舟はつくづく大物ですねえ。ほんとこの話、NHKの朝ドラにでもなりそうな展開ですね。もう次から次に騒動が巻き起こります。星りょうは名誉挽回できるのか?次回も大注目です。
2017年01月10日

小説すばる 2017年1月号運動会屋 上野歩玉井レイは一年間の契約社員として、株式会社運動会屋に採用された。社長の海野曰く、レイには夢の実現に大事な”パッション”があるという。(小説すばるより転載)会社や団体の運動会を企画開催する運動会屋に就職した玉井レイ。名前が「たまいれ・い」なのが採用の理由と信じている(笑)社長の海野快(うんのかい)も「うんどうかい」と音が似ているという天職についている男。それはどうでもいいのですが、最初のエピソード・キャバクラとホストクラブの運動会の話は余りにも類型的で「これはちょっとダメかも・・・」と思っていたら、次のエピソードは意外と面白かったです。フジモリ製作所という金属加工の会社。営業一課と営業二課は課長のキャラが全然違い、営業二課の登坂は若くてバリバリ。対する営業一課の沼田は風采があがらずに、営業一課も成績もいまいち・・・。運動会は営業一課と営業二課の対抗戦で、営業一課にカツを入れる目的で開催される。という、単純な話かと思っていたら、営業一課の隠されたエピソードが披露され、運動会は感動のフィナーレに!面白かった~。まあ、実際ならこんな単純ではないのでしょうけど、お話としてはとっても素敵でした。元気が貰えましたね。
2017年01月09日

小説すばる 2017年1月号太陽にふれる月 第十回 大村友貴美関係者三人が顔を合わせた、大緊迫場面。そして話は予想外の方向に・・・・。そこにかかってくる電話。益々話がややこしくなってきました。というか、訳が分からなくなってきました。最後の会話の違和感。突然切れる電話。何やら嫌な予感が・・・。次回、大注目です。
2017年01月07日

小説すばる 2017年1月号鏡の背面 第八回 篠田節子半田明美の取材原稿を読む知佳。半田明美の驚愕の歴史が語られます。これってほとんど黒川博行さんの小説「××業」と同じ行為ですよね・・・。恐ろしい・・・。まあ、この「業」は現実にも発生していて何人か捕まっているので、絵空事とも言えません。いや、実際半田明美がそうなのかどうかは判断出来ませんが、かなり灰色ですよね。しかし、そうなると益々、後の「半田明美」とのギャップが激しくて、理解不能です。恐ろしくて面白すぎます。次回楽しみです。
2017年01月05日

小説すばる 2017年1月号大人は泣かないと思っていた 寺地はるな俺は生まれてから今日までの三十二年を、この家で暮らしてきた。母が十一年前に出奔して以降は、父と俺とのふたりになった。(小説すばるより転載)ぐるりと山に囲まれた、旧・耳中郡肘差村、現在・耳中市肘差に住む「俺」・時田翼。職場は車で二十分かけて行く、耳中市農業協同組合。定年退職した父・正雄と二人暮らし。隣には田中絹恵という女優のような名前の女性が住んでいて、父と仲が悪い。父が「田中絹恵が家のゆずを盗んでいる」と言いだした。飲み会の後夜中に帰宅した「俺」は、家の木からゆずが盗まれる現場に遭遇。誰が盗んだのか、張り込みをすると・・・。いや~、面白かったです。仕事は好きでもなんでもない・・・。田舎の閉塞感・・・。九州の男なのに酒が飲めない劣等感・・・。面白くない日常。とってもリアルです。その中で、家の庭のゆずが盗まれるという非日常が生じます。そして、これの結末がいいです。このお兄ちゃん、ほんと良い人ですね~。隣の家の事情も興味深い。隣の家と、「俺」の母との関連性も良くって心温まります。いい話だ~。隣の家の「正体」が分かってスッキリしました(^^;)
2017年01月05日
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