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小説すばる 2023年2月号うまれたての星 第六回 大島真寿美週デの百万部突破が射程圏内に入り、編集部の雰囲気にも少しずつ変化が見え始めた。古参の藤原修子は創刊当時に思いを馳せるが・・・。(小説すばるより転載)昭和の少女漫画黎明期の編集部が舞台の小説。めっちゃ面白いです。今回は藤原修子が語り部。週刊デイジーの創刊時から編集部に呼ばれた藤原修子は、週刊デイジーと別冊デイジーの歴史を知っている。それは女性が軽んじられて、重要な仕事は男性ばかりだった、という歴史だった。今は女性もいくぶんか入社して数は増えたが、やっぱり肝心な部分の仕事は男性だけが独占している。これはこの当時はこれが普通ですよね。今現在だって、根本的なところはさほど変わっていないのでは・・・?男尊女卑が抜けない国なんですよねえ。それはそうと、バレーボールを題材にした漫画のおかげで百万部を突破しそうな週刊デイジー。蔵野先生のスポーツ根性漫画・・・。どう考えても浦野千賀子さんのアタックNo.1がモデルだと思われます(^_^;)すごい人気になったんですね。漫画の力で百万部を突破する。テレビアニメになって、バレー人気が高まるなんて、漫画の影響力の強さを物語ります。それにしても大島真寿美さんもよく取材しているなあ、と感心しながら読んでいます。続きがとっても楽しみ~。
2023年01月30日

小説すばる 2023年2月号異常値レベルの具だくさんユッケジャンスープ事件 結城真一郎繰り返し同じ配達員が自宅へやってくるという、ビーバーイーツの仕組み上起こるはずがない奇妙な出来事。それは事件か、あるいは・・・。(小説すばるより転載)ゴーストレストランのシェフが安楽椅子探偵として持ち込まれる事件をたちどころに解決するシリーズ。このシリーズ、段々面白くなってきますね。今回は、10回連続で、ビーバーイーツの配達員が同じだった、という妙な話を聞き込んできます。もちろんシェフはたちどころに解決してしまうのですが、今回はその後に、というかその他に展開があります。シェフの解決シーンはいつもながら胸をすくもの。その上で、オーナーの噂話の真相が語られて・・・。今までとは志向を変えてきました。いつも以上に面白かったのですが、同時にとっても怖くなりましたよ・・・。このシェフの見方ががらりと変わってしまいました。こわ。
2023年01月26日

小説すばる 2023年2月号二人キリ 第五回 村山由佳個人的な理由から阿部定事件を調べていた波多野吉弥と、映画監督のNがこんな形で協力するようになるとは、うまい展開だなあ~。村山由佳さんの技量をまざまざと見せつけられました。監督の要求はこれも意外なもの。吉弥は監督の期待に応えることが出来るのか?一方、阿部定の告白部分は、衝撃的なもの。芸妓から娼妓に落ちていく過程が、あまりにも悲惨で、読んでいてどんどん気が滅入ってきました。当時はこういう話がたくさんあったのでしょうね。どこまでがフィクションなのかは全く不明ですが、村山さんがものすごく調べたことだけはよーくわかります。女性を「食い物にする」男、商売を克明に描いて、吐き気をもよおしますね。
2023年01月25日

小説すばる 2023年2月号こまどり製菓 第一回 寺地はるな茉子が転職した「こまどり製菓」には厄介な問題が・・・。正しさとは?働くとは?頑張る人に届けたい、感動お仕事物語。(小説すばるより転載)おお〜、寺地はるなさんの新連載だ!これは嬉しい。寺地はるなさんのふんわかした雰囲気が大好きなんです。でも、この新連載、ちょっと厳し目の始まり方でした。親同士がいとこの吉成伸吾が社長を務める「こまどり製菓」に転職した小松茉子が主人公。「株式会社鮒尾フーズ」の経理部に務めていた茉子は、伸吾から誘われた。事務の子が辞めるので後釜に、と請われたのだ。そして入社して初日、会社の説明を聞いた茉子は違和感でいっぱいになる。「こまどり製菓」では労働問題が山積みだったのだ・・・。パートの亀田さんには衝撃の発言をされる、営業の二人はただならぬ雰囲気、残業や昼休み問題は根深そう。おまけに家でも妙な問題がくすぶっており、家でも会社でも落ち着かないですねえ。中小企業では人手が少ないので、どうしても労働にあいまいさが出てしまいますが、そこを指摘するかどうか、は難しいところ。初回から不穏な雰囲気で始まったこの連載、この先がとっても楽しみです。
2023年01月24日

小説すばる 2023年1月号ソコレの最終便 最終回 霧島兵庫第二次世界大戦末期の満州。ソ連の侵攻開始を受け、朝倉九十九が列車長を務める関東軍・鉄道第四聯隊の101装甲列車「マルヒト・ソコレ」に特命が下る。巨大列車砲「90式24センチ列車カノン」を半島南端の大連港まで輸送せよというもので、九十九は曹長の井先任や赤十字の救護看護婦・雲井ほのからを伴い、すぐに出発する。(小説すばるより転載・後半省略)太平洋戦争末期の満州を舞台にした列車砲を運ぶ、という命令を実行する部隊を描いたエンタメ小説。この「90式24センチ列車カノン」というのは実際に存在したもののようです。ただこの小説に描かれたように実践で使われたことはなかったようですが、こんなすごいものを日本軍は所有していたんですね。満州にソ連が不可侵条約を破って侵攻してきた歴史から、ハッピーエンドで終わるとは思えませんでしたが、予想通り辛い結末になりました。この物語では列車長の朝倉九十九を始め、列車の兵隊さんたちがみな「誇り高い人」だったのがとっても良かったです。ソ連の兵隊にも誇り高き人間が居て、戦争小説なのに不快感を持たずに読めました。もちろん邪悪な人間も登場するので、そこは憤りを感じますが、実際にもこういう邪悪な兵隊が居たのは事実でしょうから、そこをちゃんと描いたのはさすがでした。ただ、エンタメ小説なので、ハラハラドキドキがメインのお話。そこは抜群に上手で、とっても面白かった。場所と設定がかなりニッチな分野でしたが、文句なしに面白い小説でした。
2023年01月23日

小説すばる 2023年1月号あの光 最終回 香月夕花 高校卒業後、ハウスクリーニングサービス会社へ就職した高岡紅は、入社から十年経っても変わらない待遇や部下の反発に悩む日々に少しずつ疑問を抱き始める。 ある日、母・奈津子がパートナーで飲食コンサルタントの幸村を連れてくる。十代にして水商売で身を立てた奈津子を仰ぎ見てきた紅は、独立を勧める彼女の言動に動揺するが、やがて起業へと踏み出す。(小説すばるより転載・後半省略)ハウスクリーニング会社の社員だった紅が独立してハウスクリーニングの会社を立ち上げますが、一人で行う掃除には限界があり、悩んでいるところに、思わぬ話が舞い込みます。掃除と開運が結びついたメソッドが大当たりして、時の人となる紅でしたが、落とし穴があって・・・。最終回の今回、すごく良かった!こんなオチに持っていくのは予想外でした。今までのモヤモヤがスッキリと晴れた終わり方で、紅も私もさわやかな気分でした。さて、物語の最終回、ボロボロになった会員制オンラインサロンでした。どうなるかと思ったら、やっぱり無理でしたね。その後の紅の生活は、さもありなん、という感じで、同情を禁じ得ません。紅の後悔と反省はそのとおりなんですが、責任は紅一人だけ、でなく、周りの雰囲気というか全体に押し流された感がありますから、こういう運命だった、としか思えません。開運メソッドで時の人になった「普通の人」の栄光と挫折を描いたこの作品、母親(これが特殊な才能の持ち主)への憧れと反発も盛り込みつつ、人間の欲望と救いを描いていて秀逸でした。紅が説く開運メソッドは怪しい以外の何物でもありませんが、何かにすがりたい、という気持ちがある人がいるのは事実。救いを求める人に、何を与えるのか、という問題は宗教にも通じますよね。とっても面白い小説でした。最後の方はハラハラドキドキしましたが。一つだけ気になったのは幸村の動向。どうしちゃったんですかね?幸村。
2023年01月19日

小説すばる 2023年1月号フェスタ 第七回 馳星周粒ぞろいの連載の中で、今一番楽しみな連載がフェスタ。馬主・小森達之助を襲ったトラブル。馬主としての希望、というか目標は凱旋門賞に勝つこと。その思いは強く、カムナビに関わる人間はみな凱旋門賞の優勝を目指す。皆の熱い思いが心に響きます。特にカムナビを世に出した三上収はこの上なく感慨深いでしょうね。ってまだ出場は決まってませんが ^^;小森達之助のことも非常に気になるし、やっぱり全然調教しない(させてくれない)カムナビのことも気になります。次回が待ち遠しい。
2023年01月18日

小説すばる 2023年1月号うまれたての星 第五回 大島真寿美発売直後の別デ九月号を、姪の千秋と一緒に楽しむ辰巳牧子。感想を交わすうち、編集部のある神保町を二人で訪れることになるが・・・。(小説すばるより転載)新発売になったアポロチョコレートとか大阪万博(1970年)とかコテコテの昭和話満載で始まる今回、経理の辰巳牧子が姪の千秋を会社に連れて行きます。連れて行く、といっても、ただ会社のビルを見に行くだけなんですが、何故か会社には社員がいて・・・。辻内ゆきえ、という人気作家が登場します。名前の字面からなんとなく美内すずえさんを思い浮かべますが、高校二年生でデビューして、現在はアポロちゃんこと辰巳牧子と同い年、というからやっぱり驚きますよね。日曜日の仕事、というのは作家さんからの原稿を待つこと。元々、漫画雑誌の編集部は、きっちりと9時5時では働かないのでしょうが、昭和のこの頃は日曜日だろうが夜中だろうが、お構いなしに働いていたのでしょうね。待つのが仕事、というの辛いですよね。その先の印刷や配送まで考えると胃が痛くなってきそう。週デはなんと百万部近い発行部数、というからすごいもんです。百万人の人に雑誌を届けるのってやはりやりがいのある仕事ですよね。
2023年01月17日

小説すばる 2023年1月号地面師たちⅡ ファイナル・ベッツ 第八回 新庄耕シンガポールの実業家・ケビンは、リゾート開発の候補地として京都に目をつける。父親と意見が衝突し・・・。(小説すばるより転載)父親に否定され、叱責されるケビン。追い詰められたケビンが、焦るのは仕方がないですね。嫌な予感しかしない・・・。一方、稲田と吉沢宏彰はなりすまし役の面接を行っていた。そして実際の所有者・張静の動向も見張っていた・・・。着々と詐欺の準備をするハリソン山中の仲間(手下)たち。弁護士の協力もとりつけて、今のところ抜かりなし、という感じ。悪事の準備を盗み見しているみたいでドキドキしながら読んでます。次回も楽しみ。
2023年01月16日

小説すばる 2023年1月号二人キリ 第四回 村山由佳神田神保町の古本店街で、吉弥は掘り出し物に出会う。一方、映画撮影の現場では、大きな問題が起こり・・・。(小説すばるより転載)吉弥による阿部定の事件記録が続きますが、今回はそれに加えて映画監督Nの映画撮影の話にページが割かれています。金子文子と朴烈の映画を撮ろうとしていたのですが、最後にNが意外な事を言い出す。阿部定事件にNも本格的にかかわってくるのでしょうかね?重苦しいけど、のめり込んで読んでしまう連載です。
2023年01月12日

小説すばる 2023年1月号東京ハイダウェイ 森の箱船 古内一絵家庭でも職場でも”母親”であることを求められる。”役割”に囚われた恵理子の人生が向かう先は・・・。(小説すばるより転載)連載第2回目。連載1回目から面白かったですが、2回目はそれを上まわる出来でした。eコマース企業パラウェイのマーケッティング部で、マネージャーを務める米川恵理子が今回の主役。いきなり契約社員の正社員登用問題をぶち込んできて、波乱を感じさせます。第一回の矢作桐人と寺島直也の対立が米川恵理子の立場で描かれるのも面白いし、米川恵理子の家の問題を描かれるのも強烈な問題提起になっていて、凄いの一言。女性の会社での立場、家で妻の立場、母の立場それぞれがどれも大変で、周りからは要求ばかりされる、という話がこれでもか、と繰り広げられます。要領の良い、空気を読むのに長けている米川恵理子ですら苦労する今の状況をまるでノンフィクションのように描いた今回は読み応え充分でした。米川恵理子のハイダウェイが意外な場所であったことも、前回不思議な雰囲気だった神林璃子の深刻な状態も明らかにされて猛烈に面白くなってきましたね。次回がとっても楽しみです。
2023年01月11日

小説すばる 2023年1月号どうか僕を占ってください 東川篤哉「神保町の母」の異名を持つカリスマ占い師・アンタレス聖羅。一世一代のデートを成功させるため、藁にもすがる思いで相談に訪れた僕だったが、思わぬ事件に巻き込まれて・・・。(小説すばるより転載)読みやすいし、しっかりミステリーだし、最初から最後まで東川篤哉さんテイスト満載。最後の外し方が最高。楽しくて気楽に読めるユーモアミステリの見本のような短篇。さすがですね。
2023年01月10日

小説すばる 2023年1月号夢見る家族 三浦しをん夢で未来を予知する「夢見」の力を信じる母親。毎朝おこなわれる家族の儀式に、幼き兄弟は何を思うか。(小説すばるより転載)年子の兄・千代太を頼る夜音次は怖い夢を見ては、兄に「だいじぶ」と言われて安心してきた。母親が毎朝おこなわれる儀式に疑問を思いながら育ってきた。兄・千代太が大学に入ったあと家族に変化があって・・・。容姿端麗の上に、運動も出来て頭の良い兄の千代太。絵ばかり描いていて頭の悪い夜音次は兄のアドバイスで成長してきたが、成長して「家の真理」に気がつく。夢見の家族の話なのですが、不思議な話、というか奇妙な話というか、とぼけた書き方をしていますが最後は怖いんです・・・。千代太の秘密に気がつくラスト、驚くと同時に妙に納得してしまいました。三浦しをんさんの上さが光る短篇でした。
2023年01月09日
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