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<見えないハンディと共に>不寛容社会を生きる(下)発達障害/夢へマイペースに勉強<習熟速度著しく> 「エクセルを使っていろいろなグラフを作れるようになった。分かりやすいのは円グラフか棒グラフか。考えるのが楽しい」 発達障害のある仙台市泉区の中学3年木下俊さん(15)=仮名=がパソコンに向かい、トレーニングの成果に胸を張る。 将来の自立に備え、昨年8月から民間の中高生向け就労準備型放課後等デイサービスに通う。学校の授業が終わると週に数回、教室があるJR仙台駅前へ1人で向かう。社会人として必要なパソコン操作やビジネスマナーを学んでいる。 わずか半年だが習熟のスピードは目覚ましい。スタッフが「入門レベルならほかの生徒に教えられるほど上達した」と声を掛けると、木下さんははにかんだ。<授業集中できず> どこにでもいる中学生に見えるが、周囲との差異に苦しんできた。 授業に集中できず、小学3年の時に学習障害(LD)、注意欠陥多動性障害(ADHD)と診断された。文章は読めるが字はゆっくりとしか書けない。 中学校では数学が苦手になった。少人数授業で、休み時間には友人が教えてくれたが、同じところでつまずく。「どこが分からないのかが分からない」。通常クラスで学ぶ英語や理科もついていけなくなった。 つらい思いを母親に訴えた。中学1年の秋、支援学級での授業を希望すると、学校側から「人と接する機会が少なくなる」と難色を示された。祖父は「中学生なら、このくらいの勉強はできる」と厳しく接した。 母親は「発達障害だと努力してもできないことがある」と繰り返した。本人のためを思ってくれているのは分かる。理解不足による善意だからこそ、なかなか納得してくれなかった。 中学2年の秋ごろ、ようやく数学や国語は支援学級で授業を受けるようになった。木下さんは「自分のペースで勉強できるようになった」と素直に喜んだ。 乗り物が好きで、普段利用するバスが一番のお気に入りだ。市バスは車種ごとに違うエンジンの音を聞き分けられる。 今月9日に中学校の卒業式があり、4月から宮城県立の特別支援学校に通う。「将来は自立してバスの運転手になりたい。支援学校では技術や工作を頑張る」 少しずつ周囲の理解を広げながら、ハンディと共に夢に向かう。[発達障害]学習障害や注意欠陥多動性障害、広汎性発達障害などの総称。原因不明の場合が多い。脳機能の障害に起因することもある。仙台市によると、発達障害と診断され、保護者が支援を申し出た児童生徒は2018年7月時点で1554人。保護者の申し出はないが、学校が配慮を必要と判断した子どもは2465人。認知件数は増加傾向にある。[河北新報]何より本人が過ごしやすい環境であって欲しいですね。☄
2019.03.31
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<見えないハンディと共に>不寛容社会を生きる(中)後縦靱帯骨化症/難病の悩み 分かち合う<外見には現れず> ハンドバッグに小さなプレートを下げた。赤地に白い十字とハートマーク。外見で分からない難病や障害を抱えていたり、妊娠初期であったりすることを伝える目印だ。 後縦靱帯(じんたい)骨化症を頸椎(けいつい)に発症した仙台市泉区の主婦菅原富士子さん(70)は昨年12月3日、配慮が必要なことを周囲に伝えるヘルプマークを手にした。2012年に東京都が考案し、宮城県内では昨年12月に配布が始まった。 長く立ったり重い荷物を持ったりすると、首にだるさやしびれを感じてしまう。苦悶(くもん)の表情を浮かべても、難病だと分かってもらえない。 「見た目では病気と分からず、つらい思いをしてきた。具合が悪い時は周りの人に気付いてほしい」。だが、声を掛けてくれる人はいない。状況を変えると思っていたマークの認知度の低さに、もどかしさが募った。 手の震えやふらつきを覚えたのは03年ごろ。「老化か」と思った。不安から脳外科で受診したが、整形外科に回された。検査結果がなかなか出ず、結局計5カ所の整形外科を巡った。 どこでも診断は同じだった。「どんな病気なのか」「体はどうなるのか」。不安が増した。複数の専門医に尋ねると、「インターネットはあります? 自分で調べてください。詳しく説明しても混乱するだけですから」。思いがけない言葉にぼうぜんとした。<「友の会」を設立> 珍しい病気で患者や家族の集まりもなかった。「悩みや孤独を共有したい」と06年3月に「後縦靱帯骨化症友の会」を設立、事務局長に就いた。 8カ月後に専門医を招いて企画した講演会。患者や家族ら約90人が集まり、熱心に耳を傾けてくれた。「患者は行き場のない不安を抱き、家族にも深い悩みがある」と改めて感じた。 その後も講演会や研修会などを開き、患者や家族が抱える情報不足、不安、孤独の連鎖を断ち切ろうと試行錯誤を続けた。 昨年12月には県患者・家族団体連絡協議会に加盟する難病団体と「難病サロン」を始めた。引きこもりがちな患者に悩みを分かち合う場所を提供し、外出のきっかけをつくってもらう。 「小さな活動だが、きっと誰かの役に立つ。病気になってできたつながりが私を支えている」。難病に立ち向かう患者の輪が、菅原さんの原動力になっている。[後縦靱帯骨化症]背骨の中の後縦靱帯が硬くなる厚生労働省指定の難病。神経が圧迫され、手足の痛みやしびれ、排尿障害が起きる。原因は不明で50歳以上の男性に多い。仙台市内では2018年12月時点で210人がこの病気による医療費助成を受けているが、実際の患者はさらに多いとみられる。[河北新報]ハートマーク、下げているだけでは何かして貰えることはなく、やはり自分から何をして欲しいとの理解を得る努力がまだまだ必要なんでしょうね。☄
2019.03.30
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<見えないハンディと共に>不寛容社会を生きる(上)HSP/感覚過敏 共感が励みに<心が悲鳴上げる> 東京で会社勤めを始めると、元々鋭い五感が先鋭化し、自らを痛めつけた。オフィスで同僚を怒鳴る上司の声、鳴り響く電話の呼び出し音、目を刺すようなパソコン画面の光…。「壊れてしまう」。心が悲鳴を上げた。 仙台市出身の神田愛さん(25)=仮名、埼玉県=は東京の大学を卒業後、2016年4月に就職した会社を7カ月で去るしかなかった。 退職し、自宅でHSPに関する本を読んだ時、妙に納得した。「まるで私の説明書だ」。自分の状況とそっくりだった。 刺激に過剰に反応してしまう。ささいな物音が気になる。食べ物のにおいや人の気配が交じる雰囲気からいつも逃げ出したかった。「なぜこんなに敏感なのか。もっと鈍感でいたい」。そう思ったことは何度もあった。 常に生きづらさを抱いてきた。育ったのは青葉区北西部の住宅地。小さい頃から車酔いが激しく、近所への買い物すらつらかった。自室で勉強しても家族の話し声や足音が気になった。 学校では隣の生徒との近さに息苦しさを感じた。勇気を出して友人に相談したが、不思議そうな顔をされた。会社では体調不良を申し出ると「こんなことも耐えられないのか」と叱責(しっせき)された。この感覚を理解してもらうのは、簡単ではなかった。<「喜びも人一倍」> 大学時代に始めたブログが、心を静めるツールになった。悩んだ過去の体験を書き連ねると、見知らぬ人から共感するコメントが寄せられた。「文章を書いている時は自分らしくいられる」と思えた。 同じ苦しみは人と人とをつないだ。打ち明けた思いは共感を呼び、心の救いになった。これまでHSPの18人を取材し、エピソードや特徴などを紹介した。更新を待ち望むメッセージは自信につながった。 昨年企画した座談会で、HSPの人は神田さんをこう表現した。「生き方を示してくれた。光を届ける星みたいな存在」。思いがけない言葉が忘れられない。 「HSPは人一倍敏感なのでつらさも大きいが、相手の思いにより共感でき、自分の好きなことをした時は喜びを人一倍感じられる」と神田さん。一度しかない人生を自分なりに精いっぱい生きようと決めた。◇ 見た目では分からない障害、難病などを抱えた人がいる。周囲に認知されず、当事者たちは小さな生きづらさを心にためていく。無理解が生んだ不寛容な社会を受け入れつつ、症状や気質を理解し、自分らしい生き方を模索する人を追った。[HSP]ハイリー・センシティブ・パーソンの略。とても敏感な人の意味。生まれつき刺激に敏感で、大きな音や強い光を過度に受け取って戸惑いや驚きを感じ、周囲の雰囲気や相手の感情の影響も受けやすい。提唱した米国のエレイン・N・アーロン博士(心理学)によると、約5人に1人の割合でHSPの人がいるという。[河北新報]前向きに生きる手段さえ見出せれば、自信が持てるようになるのでしょうね。☄
2019.03.29
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虐待受け、施設で育ったこと 自分の強み 私をかわいそうだと思いますか――。母親が自殺し、継父から虐待を受け、児童養護施設で育った18歳の女性が、これまでの経験や心情を吐露。自分の過去を「強み」と語ります。私をかわいそうだと思いますか――。こんな言葉で、児童養護施設で育った経験を壇上から語りかけ、昨夏の全国高校総合文化祭で弁論部門の最優秀賞に輝いた高校生が、まもなく、大学に進みます。長野県長野西高校の飯田芽生愛(めいあ)さん(18)。その後も様々な場で語り続けてきました。なぜ声をあげるのか。門出を前にききました。 「かわいそう」と言われるのが悔しかった時期もありました。いまは、きっかけは同情でもいいから、関心を持ってほしいと思っています。無関心が、一番悲しい。どうしたら伝わるかということを考え、その言葉をスピーチに入れて、呼びかけました。 何らかの親の事情で児童養護施設で暮らす子どもは全国に2万6千人います。捨て子とか、荒れているとか、かわいそうといったイメージがあるかもしれません。それには、施設出身者が過去をコンプレックスのようにとらえてあまり語ってこなかったこともあると思う。だから、当事者として伝えたかった。 記憶にある母は、眼帯をつけています。再婚相手にいつも殴られていました。私が小学1年生のとき、母は父との言い争い中に、自殺をはかりました。助けようとしたけれど、助けられなかった。 それから、父から私への虐待が… こちらは有料会員限定記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。[朝日デジタル]虐待を受けたお子さんの中に、不思議と名に「愛」が付くお子さんが多いですね。自ら自分を愛し、大事にし、苦難を乗り越えられるだけの強さを持ち合せているんでしょうね。☄
2019.03.28
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[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(3)離婚…仕事求め面接退院してからも、息子は風邪を引きやすく、すぐに高熱を出す。それでも、年齢を重ねるごとに少しずつ体質は強くなっていった。ダウン症によるハンデはあるが、アレルギーは克服。家族の生活は軌道に乗りつつあった。 次の試練は、息子が4歳になる少し前にやってきた。自身の離婚だった。 「よくある夫婦のすれ違い。息子のダウン症が原因ではありません」と振り返るが、母子家庭になり、不安は大きかった。 早くに両親、兄を亡くしていた。息子の主治医がいる東京を離れ、故郷の山梨に帰ることは考えられない。すでに音楽界からは身を引いた。将来が見えない。夜が来ると心細く、誰かの声を聞いていないと、何かに押しつぶされそうだった。 「息子が眠ると、故郷の親友に電話をして、『なんでもいいから話をして……』と泣きついていました」 一方で、別の現実も立ちふさがった。息子と2人の生活をどう支えていくか。先々を考えると、歌手時代の貯蓄を使い果たすわけにはいかない。 働かなければ――。仕事を求め、クリーニング店、お茶の専門店などの面接に出向いた。 だからといって、華やかなスポットライトに包まれていた「あの頃」に戻ろうとは考えなかった。◇シンガー・ソングライター 水越けいこさん(65)[yomiDr.]また続編が出たらアップします。シンガーソングライターなのだから、音楽界から身を引いても如何様にも一人でも頑張れそうでも、やはり心に余裕がないと踏み出せない部分もあったのでしょうね。☄
2019.03.27
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[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(2)体重500グラム増やすのに半年 出産する直前に、ニューアルバムのレコーディングを終えていた。1978年のソロデビュー以来、19枚目の作品だった。シングルヒットを連発するタイプではなかったが、熱烈なファンが多く、アルバムは着実に売れた。コンサートも常に満員になった。 所属レコード会社は、産後の生活が軌道に乗ったら、新作の販促を兼ねたツアーを予定していた。だが、生まれた赤ちゃんはダウン症の告知を受け、重度のミルクアレルギーだった。ダウン症は、遺伝情報を伝える染色体の異常によって起きる先天性の病気で、弱い筋力、知的発達の遅れなどがある。アルバムのプロモーションは白紙になった。 誕生時、約2500グラムだった体重は、アレルギーの影響で成長とともにむしろ減った。下痢が続き、水分はすぐに体の外に出てしまった。母乳もダメで、入院先の病院で栄養剤を与えた。衰弱していく息子の手足に触れ、懸命に話しかける毎日だった。息子より先に退院したが、自宅では電話が鳴るたびに「何かあったのでは」とおびえた。病院からは「体重が3000グラムになったら退院」と言われていたが、500グラムを増やすのに半年もかかった。間もなく息子のため、音楽活動に区切りをつけることを決めた。ファンやスタッフに迷惑をかけることになるが、決断には、ひとかけらの迷いもなかった。 シンガー・ソングライター 水越けいこさん(65)[yomiDr.]思わぬ人生の転機が、ある日、いきなり訪れるのもまた、人生なんでしょうね。☄
2019.03.26
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[シンガー・ソングライター 水越けいこさん]ダウン症の息子と(1)初めて抱っこ「絶対守る」シンガー・ソングライターとして充実した活動を続けていた1992年、38歳で念願の子どもを授かった。結婚して6年、男の子の誕生に、ミュージシャンだった夫と共に喜んだ。 だが、出産の翌日、医師から思いがけないことを告げられた。 「息子さんはダウン症です」 頭の中が真っ白になり、体がブルブル震えてきた。「抱っこしてあげるように」と医師に促されても、ショックで触れることさえできなかった。 「最悪の母親でした。その日のことを思い返すと、本当に情けなくなります。今でも後悔しています」と目を伏せる。 戸惑いと恐れ――。 心の整理はつかなかった。そんな気持ちが大きく変わったのは2日後。入院していた部屋に、看護師が赤ちゃんを連れてきてくれたときだった。「とにかく抱っこしてみてください」と言われ、恐る恐る胸に抱いてみた。びっくりするほど、我が子の体は温かかった。 腕の中に新しい命がある。何かが目覚めた。 「私の元に生まれてきてくれた命。絶対に守る」 だが、予期せぬ事態は続いた。 生まれたばかりの我が子には重大なアレルギーがあった。しかも、アレルギー源は赤ちゃんの成長に不可欠なミルクだった。◇ シンガー・ソングライター 水越けいこさん(65)[yomiDr.]絶頂期からいきなり姿を消されたのには、こういう背景があったのですね。母は、強しですね。363万アクセス突破しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.03.25
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知的障害のある人と話す時は、どんなことに気をつければいい?ヨミドクターをご覧のみなさま。サービス介助士インストラクターの冨樫正義です。今回は知的障害のある方とのコミュニケーションについて、考えてみましょう。知的障害は108万2000人 原因は様々皆さんは知的障害についてどの程度知っていますでしょうか。外見からは分かりにくい障害であるため、誤解があったり、理解してもらえなかったりすることがあります。 知的障害とは、さまざまな原因による脳内の障害で、「知的機能の障害が発達期(おおむね18歳まで)にあらわれ、日常生活に支障が生じているため、何らかの特別の援助を必要とする状態」(厚生労働省)のことです。よって大人になってからの、知的能力の低下は知的障害に含まれません。人数についてみてみると、内閣府の障害者白書(平成30年版)によれば、知的障害児・者(在宅・施設)は約108万2000人(人口1000人あたり9人)です。 障害の原因は様々であり、明確に判明しないケースもあります。ダウン症などの染色体異常によるもの、自閉スペクトラム症などの脳機能の先天的疾患によるもの、出産時の疾患や事故によるもの、出産後の高熱による後遺症によるもの、遺伝子の組み合わせ条件により生じるものなどがあります。なお、厚生労働省の基準では、IQ(知能指数)の値と、日常生活能力の到達水準の両方を考慮し、「軽度」「中度」「重度」「最重度」の4段階に分類されます。成長の過程で自信をなくしていることも知的障害の方が苦手なことには、「難しい言葉を理解したり、覚えたりすること」「自分で判断して行動すること」「思っていることを適切に表現すること」などがあります。そのため、周囲の人とうまくコミュニケーションが取れず、孤立することがあります。 また、自閉スペクトラム症の場合は、こだわりが強く、対人関係で臨機応変にふるまうことが苦手な傾向があります。成長の過程で周囲の人にほめられたり、認められたりすることが少なかったり、からかわれ、叱責された経験から自信を喪失していたりすると、無気力になってしまっていることもあります。「これ」「あれ」は避ける 一度に多くを言わない では、こうした特性がある人とコミュニケーションをとるには、どういった配慮が必要でしょうか? 知的な障害がある人が何かを伝えようとするときは、話の内容が分かりにくかったり、結論が見えにくく、時間がかかったりすることがあります。しかし、それにイライラした態度を見せたり、強い口調で応対してしまうと、相手はさらに緊張し、委縮してしまいます。そのために、話せなくなったり、パニックになってしまったりすることもあります。具体的な接し方としては、・きつくきびしい口調で話さない。・傷つくような言動は避ける。・わかりやすい簡単な言葉で、ゆっくり、繰り返し話す。・視覚的な情報が理解しやすいため、伝えたい内容を絵や写真で表し、指さすことで意思を伝えることができるコミュニケーションボードなどを活用する。・「これ」「あれ」などのあいまいな表現はさける。・一度に複数のことを言わない。 などがあげられます。十人十色 焦らずコミュニケーションを 知的障害は、それぞれ程度や特徴も違いますし、発達障害と重複していることもあり、まさに十人十色です。まずは落ち着ける環境を作り、安心してもらえるような話し方を心がけ、どんな対応がその人にあっているかを探りながら、焦ることなくコミュニケーションを取っていくことが大切です。(冨樫正義 サービス介助士インストラクター)◇ このコラムではサービス介助士の学びから高齢な方や障害のある方のお手伝い方法をお伝えする他、認知症や災害時のお手伝い方法など、これからの生活で身につけていただきたいことをご紹介していきます。冨樫正義(とがし・まさよし) 1973年、埼玉県生まれ。桜美林大学大学院卒(老年学研究科修士号)。日本サッカー協会 施設委員。法律事務所、不動産関係会社、人事コンサルタント、専門学校講師を経て、現在、サービス介助士、防災介助士、認知症介助士などを認定・運営する団体「公益財団法人日本ケアフィット共育機構」(0120‐0610‐64)のインストラクターとして、年間50社以上の企業対象研修を担当するほか、企業のバリアフリー・ユニバーサルデザインのコンサルティングも行う。[yomi.Dr]時折、覗いてみたくなるコラムですね。☄
2019.03.24
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知的障害者の逸失利益認める 東京地裁判決 現状考慮し「控えめに認定」知的障害のある15歳の少年が入所施設から抜け出して死亡した事故を巡り、両親が施設を運営する社会福祉法人に約1億1400万円の賠償を求めた訴訟の判決が22日、東京地裁であった。田中秀幸裁判長は、少年が将来得られたはずの収入を算定する「逸失利益」として約2200万円を認めるなどし、施設側に計約5200万円の賠償を命じた。 訴えたのは、息子の和真さんを亡くした父親の松沢正美さん(62)と母親。「逸失利益はゼロ」とする施設側に対し、健常者と同水準となる全年齢の男子の平均賃金を基に、逸失利益は約7400万円だと主張していた。 判決は、東京都の基準で「最重度」とされた和真さんの障害程度を、より軽い「重度」にとどまると認定。「(和真さんは)特定の分野や範囲では高い集中力を持って優れた稼働能力を発揮する可能性があった」と指摘した。 その上で、逸失利益の算定にあたり、障害者と健常者の間には就労や賃金の格差がある現状を考慮。「控えめに認定するのが相当だ」として、全年齢ではなく19歳までの男女の平均賃金を算定の基礎とした。 和真さんは、社会福祉法人藤倉学園が運営する東京都八王子市内の福祉施設に入所中の2015年9月、開いたままの施設の玄関扉から敷地外に出て行方不明になり、約2カ月後に隣接市の山林で遺体で見つかった。 施設側は事故の責任として慰謝料の支払いを提示したが、逸失利益を認めず、不服とした両親が17年に提訴していた。藤倉学園の橋本進常務理事は「和真さんのご冥福をお祈りするばかりです」とコメントした。[YAHOO NEWS]逸失利益が相当な範囲で認められて良かったですね。☄
2019.03.23
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うつ・発達障害の社会人の方向けの新しい学びの場『キズキビジネスカレッジ』開校キズキグループ(株式会社キズキ・NPO法人キズキ、代表:安田祐輔、本社:東京都渋谷区、以下「キズキ」)は、うつ病など精神疾患、また発達障害の社会人の方向けの学びの場として、『キズキビジネスカレッジ』を平成31年4月1日に新宿区にて開校致します。 ◆『キズキビジネスカレッジ』概要 『キズキビジネスカレッジ』(以下、本カレッジ)は、うつ病を始めとする精神疾患や発達障害のために職場に適応し辛くなり退職を選択した方、また、それらの疾患や障害のために大学等教育機関を卒業後も就労が出来ずにいる方など、何らかの理由で「働くことを一度は諦めた方」向けに、ハイレベルなビジネススキルを身につけて頂くためのスクールです。 ◆『キズキビジネスカレッジ』開校のねらい、背景 精神疾患や発達障害のため職場に適応しづらい方の中には、教育水準が高く、本来は高度な専門性を発揮できる方もいらっしゃいます。しかしながら一度働くことを諦めてしまうと、働くことへの自信や自己肯定感が失われ、結果として就労意欲の低下や精神疾患の悪化を招くケースが少なからず起きうるのが、現在の日本社会の状況です。また、現在の障がい者雇用市場は、一般的な雇用市場と比べると、職種、雇用形態、給与水準の選択肢が限られている状況です。募集職種は「事務職」が8割を占めており(キズキグループ独自の調査による結果)、就業している精神障がい者のうち無期契約の正社員は32.0%、1ヶ月の平均賃金は15万9千円となっています(厚生労働省「平成25年度障害者雇用実態調査結果」より)。とはいえ、再就職を見据えて就労訓練を受けようとしても、結果としてその内容は比較的単純な軽作業が多く、より本人に合った職種、雇用形態、給与水準等が実現できる一般雇用枠での就労も視野に入れてスキルや能力を習得していきたい方への支援は必ずしも充分とは言えません。 利用者ご自身が、自身の強み・弱みなど「特性」の自己理解を深め、働く上で有用な新しい「専門性」としてビジネススキルを身に着け、ビジネスの世界で活躍できる人材となることをサポートするために、本カレッジは開校致しました。◆『キズキビジネスカレッジ』の特徴①自身のキャリアを振り返り、自身の特性(強み・弱み)を深く理解できる利用者ご自身の「得意・不得意」を見極めることを重視しています。 職員による継続的なキャリア相談や「自分の取扱説明書」の作成によってこれまでの自身のキャリアを振り返るだけでなく、他の利用者とともにWebライティングに取り組むなど、チームワーク・チームビルディングを学ぶプロジェクトを実践することにより、チームで働く際の自分自身の強みを活かせる役割なども把握頂けるプログラムをご提供します。 各プロジェクトを通して、自身の特性を深く理解し、併せて、他者にも説明できるような客観性を身に着けていただくことで、将来的なキャリア選択に役立てることができます。②多種多様なビジネススキルを習得できるプログラムが受講可能 多種多様な講座を提供することで、自らの力で自身に合ったスキルや伸ばすべき能力を見定め、過去の挫折や失敗経験により失われた自己肯定感を回復できるようになることを重視しています。 会計・ファイナンス、IT/Web、Microsoft Office、マーケティング等、豊富なビジネススキルプログラムの中から各人の興味や特性に合わせた講座を受講頂くことで、より利用者ご本人の特性にあったビジネススキルを強みとして身に着けて頂くことができます。 例えば、IT/Web分野では、株式会社UZUZ様よりeラーニング就業サポート「ウズカレオンライン」をご提供頂きます。株式会社UZUZ様は、第二新卒・既卒・フリーター・ニートの方を中心とした20代の若者向けに就業サポートを行っています。「ウズカレオンライン」は、株式会社UZUZ様がユーザーである若者向けに提供しているeラーニングサービスとなります。「今後もニーズが伸びる職業」でありながら、その学びを得る場が足りておらず、人材が不足している職種を対象とした学習支援により、プログラマー、インフラエンジニア、Webマーケターといった、IT/Web系人材としてのキャリア構築に向けた第一歩を踏み出すことが可能です。③創業・起業や外資・ベンチャー企業へ就職等、障がい者雇用に囚われない働き方を選択可能利用者の方が実際にキャリアを選択する際に、障がい者雇用の枠に囚われない形での大企業や中小・ベンチャー企業への就職、フリーランスとしての創業、また起業など、利用者ご自身の特性に合わせたキャリア選択が実現可能なようにサポート致します。 在籍段階から外部企業へのインターン、オンラインで外部から業務を受注するなど、本カレッジが提供する「実践の場」にて経験を積んで頂いた上で、民間人材会社やハローワークとの連携、本カレッジ独自の受け入れ企業様の開拓、創業支援等を通し、利用者の希望に合わせた「新しいチャレンジの場」が選択可能なように取り組んでまいります。◆キズキグループについて キズキグループ(株式会社キズキ、NPO法人キズキ)は、「何度でもやり直せる社会をつくる」をビジョンに掲げ、不登校・引きこもり・中退・発達障害など、困難を経験した方向けの事業を展開中です。不登校・引きこもり等を経験した方向けの学習支援を行う個別指導塾『キズキ共育塾』は、東京・神奈川・大阪にて5校舎を展開し、「学び直し」を通して人生を前に進めたい約450名の生徒さんに、学習の機会を提供しています。また、全国各地の自治体(東京都新宿区、足立区、大阪府吹田市等)から委託を受けて就労支援や低所得世帯の子どもたちの学習支援を行う「行政委託事業」や、全国の専門学校や大学と提携し中退予防を目的とする「中退予防事業」なども展開しております。 今後もキズキグループは、過去8年間で5000人以上の困難を抱える方々への支援を活かし、本カレッジの開校を始め、『キズキ共育塾』の校舎数増加など、新しい動きを積極的に展開し、様々な理由で躓いてしまった日本各地に生きる方々が「何度でもやり直せる社会」を実現するため、事業展開を進めてまいります。◆『キズキビジネスカレッジ』のHPこちらのURLより、御覧ください。https://kizuki.or.jp/kbc/◆『キズキビジネスカレッジ』ご利用をご検討中の方へ現在、ご利用をご希望の方の無料相談を受け付けております。下記フォームからお問い合わせ下さい。https://kizuki.or.jp/kbc/contactform/ ◆株式会社UZUZ様によるeラーニング就業サポートシステム「ウズカレオンライン」リリース https://uzuz.jp/news/release_190319/[PR TIMES]色々なニーズに対応した事業展開が繰り広げらてきましたね。☄
2019.03.22
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店員22人は自閉症がある人 中国・長春のクリーニング店【3月21日 東方新報】中国・吉林省(Jilin)長春市(Changchun)のクリーニング店が22人の自閉症の人を雇用しており、話題となっている。 この店の商玉竜(Shang Yulong)店長は「2017年から自閉症の人たちを雇用してきた。患者は働くことで給料を得ることができ、社交能力の訓練もできる。収入によって家庭の生活環境を改善する上でも役に立つ」と話す。 商さんは05年、支援を必要とする児童向けの言語回復訓練学校の設立に参画している。この学校で学んだ児童・生徒の保護者から働き口がないとの話を聞き、17年に「障害者によるクリーニング会社」を設立した。商さんは多くの業種を検討した結果、付加価値が高く、交代勤務が可能な点、また安全面も考慮してクリーニング店を選択した。 自閉症の店員の約3分の1は、訓練学校の卒業生、3分の2は外部から募集した店員で、みな就業を強く希望しており、訓練を経て十分に業務ができるようになっている。 商さんは、「店員の状況は特殊かもしれないが、サービスの水準は低くなく、洗濯に使う材料は全て輸入品だ。一般の店に比べ仕上がりは多少遅いかもしれないが、料金は約20%安く、品質もなかなか良い」と話す。 店の経営状態については「最初の頃はこの仕事への理解が浅かったので色々と回り道をしたが、注文も徐々に増えてきて、現在は黒字を確保している」とのこと。 開業当初は友人知人の推薦に頼っていたが、その後は店の評判も次第に高くなり、外部の評価結果も良かったことや公益上の観点から、仕事を入れてくれる顧客が増えた。 この店では、体と情緒の両面から店員の労働時間を3時間と規定している。給料は平均で1000元(約1万6000円)を多少超える程度だ。 クリーニング店が軌道に乗った現在、商さんはもっと多くの事業を検討している。「障害者創業園」という施設を建てている最中だが、すでに幾つかの企業が興味を示し、4月か5月には企業が入居する見込みだ。商さんは、この創業園でより多くの障害者が就業できるようにと希望している。(c)東方新報/AFPBB News※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。[AFP]自閉症の特性をよく理解されての取り組み、素晴らしいですね。☄
2019.03.21
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発達障害への対応例紹介子どもの発達障害についてわかりやすく伝えるシリーズ「あの子の発達障害がわかる本」の3冊が、ミネルヴァ書房(京都市)から出版された。 「ちょっとふしぎ 自閉スペクトラム症 ASDのおともだち」と、「ちょっとふしぎ 学習障害 LDのおともだち」「ちょっとふしぎ 注意欠如・多動症 ADHDのおともだち」の3冊。 いずれも、学校などで障害のある子どもを周囲の子どもが見て「どうして?」と不思議に思うような行動を例に挙げ、原因と対応を具体的に紹介している。例えば、「人が嫌がることを言ってしまう」場面では、子どもの「言われた人がどんな気持ちになるのかわからない」という特性や、「クラスで人に言ってはいけない言葉を確認したりする」という対応を紹介した。同社は2006~08年、「発達と障害を考える本」シリーズ全12冊を出版し、計60万部のベストセラーとなった。「あの子の発達障害がわかる本」は、最新情報を盛り込んだ姉妹編。 いずれも2200円(税抜き)。問い合わせは同社(075・581・5191)へ。[読売新聞]ちょっとふしぎ 自閉スペクトラム症 ASDのおともだち [ 内山 登紀夫 ]これもベストセラーになりそうですね。☄
2019.03.20
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発達障害、身体障害、健常者……。3人の子どもを育てたお母さんによる、“障害と生きる道”「障害」は、目に見えるだろうか? 白い杖を前方に差し出して歩いている人を見かけたら、視覚障害がありそうだと想像することができる。でも、一見すると「障害」があるとはわからない障害者も、実は世の中にはたくさん。そのひとつが「発達障害」だ。『ビリで上等、ずっとLOVE―発達障害と身体障害の子どもと歩んだ日々』(創幻舎)の著者・小川悦子さんは、発達障害のある長男・コウタさん、身体障害を持つ次男・ヤスオさん、そして障害者でない長女・リカさんという3人の子どもを育て上げた。本書はそんな小川さんの子育て体験を綴った1冊だ。“見えない障害”の「発達障害」の中でも特に「アスペルガー症候群」の特性が強い長男コウタさん。現在30代後半となる彼の幼少期は「知恵遅れ」や「自閉症」といった呼び方が一般的だった時代で、「周囲にあまり興味を持たない」「強いこだわりを持つ」などのアスペルガーの特性がなかなか支援に結びつかなかった。 ようやく診断にたどり着けたのは17歳の頃。親子はときに落ち込んだりもするが、「いろいろな子に出会えるから、教師の仕事が好きなんです」と言う素敵な先生に出会ったりもしながら、エネルギッシュに日々を乗り越えていく。コウタさんは現在、子どもの頃から好きだったパソコンの技能を活かし、プログラマーとして仕事をしている。 次男のヤスオさんは、“見える障害”である身体障害を抱えていた。 ヤスオさんの障害者団体の行事でディズニーランドに行ったときのこと。末っ子のリカさんは、何の躊躇もなく自分の友人を連れていく。その流れで、友人たちは「身障者はどんなことができて、どんなことができないのか」といったことを考え、そして「たとえ言葉は発しなくても、喜怒哀楽があること」などを自然なかたちで学んでいった。 障害の有無に拘らず子どもたちがともに学ぶ「インクルーシブ教育」の必要性がいま、巷では叫ばれている。ともに育っていくことで、子どもたちは互いに少しずつ多様性を理解していく。小川さん一家の周りには、そんなインクルーシブな環境がいつもあったのではないだろうか。 健常者であるリカさんも、ある意味では障害とともに生きてきた人かもしれない。障害者をきょうだいに持つ彼女たちは「きょうだい児」といわれ、大人になると「きょうだい児」たちのコミュニティ活動も盛んである。「障害」は、目に見えるものと見えないものがあり、また「障害」のあるところは、身体や精神の中だけとは限らず、社会の側にある場合もある。リカさんたちのように、健常者もまた「障害」とともに生きていくのだ。 小川さんのリアルな体験記を通して、“自分ごと”として「障害」に向き合ってみてはいかがだろうか。[ダ・ヴィンチニュース]ビリで上等、ずっとLOVE -発達障害と身体障害の子どもと歩んだ日々 [ 小川悦子 ]視野を拡げてゆくことで更に理解も深まりますね。☄
2019.03.19
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文科省、来月10日の自閉症啓発デーで協力要請来月10日の「世界自閉症啓発デー」に向けて文科省は全国の教育委員会などに対し、協力を呼びかけている。研修会の開催やリーフレットの配布などを例示している。「世界自閉症啓発デー」は平成19年に国連総会で定められた。国連加盟国に対し、自閉症の子どもへの理解を促す活動などを求めている。[日本教育新聞]世界自閉症啓発デーも発足から20年が経ったんですね。更に啓発と理解が深まるといいですね。☄
2019.03.18
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勉強の記憶法学ぶうちに脳科学に興味 京大特色入試に合格したスーパー高校生の横顔 3月10日に、京大の一般入試の合格発表があったが、一足先に、京大特色入試に合格した受験生たちがいる。3月1日号に続き、受験を決めた高校時代の思い出深い活動や、将来の夢を聞いた。【京大合格者数高校ランキングはこちら】■作業療法士になり、発達障害の研究もしたい京大医学部(人間健康科学科先端リハビリテーション科学コース) 萬田朋生さん 開明(大阪) 兄が知的障害者、母が移動介護従事者として働く萬田さんは、小学生のころから母が勤める事業所で車いすを押すボランティアをしたり、登下校のときにダウン症の児童の手をひいたりする優しい子どもだった。 中学生になっても、兄が通う支援学校やデイサービスで交流をもち、高1と高2のときには生徒会活動にも力を入れた。 「母親に教えてもらったり、自分で調べたりして、ADHD(注意欠陥・多動性障害)やアスペルガー症候群などの発達障害に特に関心をもちました。発達障害のことをよく知らない教員も多く、対処の仕方を間違えているケースも多いと感じます」 高校の先生に、「発達障害の支援をしたい」と伝えたところ、発達障害の研究で有名な教授がいる京大を勧められたという。 「高3の夏にオープンキャンパスに行き、発達障害リハビリテーション学研究室を見学しました。ここで発達障害の研究をしたい思いが強くなりました」 将来の夢は、患者に寄り添い、患者と一緒に行動する作業療法士となって、発達障害の研究にも携わることだ。 「研究をして、発達障害の児童や生徒への接し方、授業のやり方などを指導者に伝えたいです」 大学進学後、発達障害の研究が進む米国での診断や支援の様子、北欧の福祉を見学したいと思っている。■大学でメディアを学び、自分の言葉で発信したい京大教育学部 佐々木風美さん 仙台二華(宮城) 小学生のころから、文章を書くのが好きで、「小1から高2まで毎年『青少年読書感想文全国コンクール』に応募しました」。 小学生のときに内閣総理大臣賞、中学生からは毎年、賞を受賞した。高2のときには、田辺聖子文学館ジュニア文学賞読書体験記部門で優秀賞に輝いた。 小学校高学年のときに、中国で開催された「日本・中国・韓国子ども童話交流」に参加。日本と東アジア諸国との関係にも興味を持つようになり、SGH(スーパーグローバルハイスクール)の活動の一環で、高2のときにベトナムとカンボジアでのフィールドワークも経験した。「水上生活者の生活改善のための雨水タンク設置に関わりました。喜んでくださる人がいる一方で、掃除が大変などの声も聞きました。よかれと思ったことが必ずしも喜ばれないことを学びました」 アンコールワット遺跡の修復のリーダーをしている日本人からも話を聞いた。 「『現地では遺跡の価値を知らない人が多い。遺跡の重要性を伝えると、やりがいをもって修復作業をするようになる』という話に、感銘を受けました」 特色入試の面接では、作文コンクールやSGHの活動をアピールした。 「教育科学科でメディアを専門に学びながらも、心理や犯罪など、広い分野に目を向けて学び、将来は自分の思いを、借り物ではない自分の言葉で発信していく仕事に就きたいです」■経営、教育、認知科学を学び、起業したい京大総合人間学部 山田崚人さん 宇和島南中教(愛媛) 現役のときは大阪大工学部を受けたが、高校時代から物理、化学、経済など幅広い学問に興味があった。 「浪人が決まったとき、自分の勉強法を振り返り、記憶法などに関連する本を読むうちに、脳科学にも興味を持つようになりました」 高2のときには、愛媛県教育委員会主催の「高校生おもしろ科学コンテスト」の物理、化学、数学部門に参加し、本選に出場。また、愛媛の水産業に打撃を与える赤潮の発生原因、対策などを考える研究を行ったほか、当日出された課題を解決するための英語での事業計画書と動画を12時間以内に提出するGEC(グローバルエンタープライズチャレンジ)にも参加した。 「特色入試の学びの設計書では、高1のときに手がけた『プレミアム商品券が地域活性化に役立っているか』を検証した研究とGEC参加をアピールしました」 経営、教育、認知科学などを学び、勉強法に関する起業をするか、フリーランスのプログラミングエンジニアになる予定だ。(文/庄村敦子)※週刊朝日2019年3月22日号 [AERA dot.]前向きの生きる新たな門出に、エールを送りたいですね。362万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.03.17
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発達障害ある子どもの育児Q&A集 母親サークル発行発達障害など子どもの成長が心配な親の悩みに答えるQ&A集を、兵庫県播磨町の母親サークル「Bubu(ぶぶ)」が発行した。メンバーは自閉症やダウン症の子どもがいる母親で、専門家による講座の内容と、自分たちの経験に基づき編集。「一人で悩みがちな後輩ママの力になりたい」と話している。 冊子は「困った!にこたえる子育てQ&A」と名付け、A5判14ページ。トイレ▽じっと座らない▽こだわり▽食事▽できることを増やす-の5テーマについて、それぞれ見開きで掲載。アドバイスと、各4項目のQ&Aを、イラスト入りでまとめた。 [神戸新聞NEXT]多くの知恵と情報の宝庫、とても利用度が高そうですね。☄
2019.03.16
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兵庫県警のDNA採取は違法=知的障害者へ賠償命令―神戸地裁 重度の知的障害で自閉症がある兵庫県西宮市の男性(41)が、同意がないのに県警からDNAを採取されたなどとして、県に165万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が13日、神戸地裁であった。山口浩司裁判長はDNA採取の違法性を認め、県に11万円の支払いを命じた。 判決によると、男性は2015年10月、西宮市内でポリ袋を燃やしたとして、県警西宮署に同行され、口の中からDNAを採取された。 山口裁判長は、男性は文字や数を理解することができず、遺伝情報を提供する意味を理解する能力はなかったと指摘。プライバシーの観点から、「採取に有効に同意したとはおよそ認められない以上、違法な捜査と言わざるを得ない」とした。署への同行や取り調べの違法性については、男性の訴えを退けた。 [excite.ニュース]訴訟を起こすができただけでも感心してしまいますね。☄
2019.03.15
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発達障害の子供、当たり前・我慢をほめて 大阪で講演会発達障害への理解を訴える「発達障害啓発週間」(2~8日)に合わせ、府は5日、当事者への支援のあり方を考えるための講演会をドーンセンター(大阪市中央区)で開いた。堺市教育委員会の特別支援教育アドバイザー、山田充さんが支援方法を解説し、支援者ら約400人が聞き入った。 発達障害は自閉症スペクトラム障害(ASD)や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などの総称。生まれつきの脳機能の障害から、こだわりが強い、人の気持ちを読み取れないなど人によってさまざまな特性がある。 学校現場での支援について、山田さんは「不適切な支援方法を繰り返し、子供に失敗体験を重ねさせているケースがある。その子供の特徴を分析してから対応策を考えて」と強調。また、将来に向けてできることを少しずつ増やすことが大切であり、そのためには「できて当たり前のことを褒め、努力を褒め、我慢を褒めて」と訴えた。 大阪府高槻市でも、啓発週間に合わせて4日に講演会を開催。毎日新聞社の論説委員、野沢和弘さんがASDのある長男の子育てや取材での経験を話した。 発達障害者は、パニックを起こして暴れるなどの問題行動を起こすこともある。周囲は「危ないから」と押さえつけたりもするが、野沢さんは「本人の苦痛が増して行動がエスカレートするので、拘束をより強めることになり、虐待にもつながりかねない」と指摘。解決するには問題行動の原因となる苦痛を取り除く必要があり、「まずは障害特性を理解し、尊厳をもって接することが大切」と強調した。[産経新聞]年々、より深い理解と支援が築けてゆけるといいですね。☄
2019.03.14
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3歳弟に暴行、死なす=殺人容疑で23歳姉逮捕-大阪府警3歳の男児に暴行して死亡させたとして、大阪府警捜査1課は5日、殺人容疑で男児の姉(23)を逮捕した。「弟のおなかに乗ったが、死ぬとは思っていなかった」と殺意を否認しているという。姉は知的障害があり、同課は責任能力の有無も含め慎重に調べる。 逮捕容疑は2日午前11時20分ごろ、大阪市平野区加美鞍作の自宅で、男児の腹部を踏みつける暴行を加え、死亡させた疑い。 [jiji.com]二回り近くも年が離れた弟、可愛くないはずはない・・。春休みの非日常に突拍子もなく、起きたできごとだったのでしょうか?今年は10連休もあるので、非日常の早めの対応策が臨まれますね。とても哀しくていたたまれないです。☄
2019.03.13
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淀川アオクスル祭り 発達障害啓発、淀川区で催し 14日、区民センター /大阪大阪市淀川区野中南2の淀川区民センターで14日、「みんなの ええとこ みつけよう」をテーマに、発達障害の啓発を目指す「淀川アオクスル祭り」が開かれる。入場無料。 「世界自閉症啓発デー」(2日)や「発達障害啓発週間」(2~8日)に合わせたイベント。[毎日新聞]日曜日なので、家族で地域ぐるみで賑わうことでしょうね。☄
2019.03.12
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どう育てたら もがく親発達障害の子を、どう導き育てるのか。親も悩み学んでいる。だが、もがく親は少なくない。 東京都内に住む、主婦の是枝早希さん=40代、仮名=も壁にぶつかった。長女(12)は、幼い頃からこだわりが強く、思い通りにならないと、物に当たり散らした。「箸の置き方が気に入らない」と何度も何度もじだんだを踏み、足をけがした。 「大きくなれば性格も変わるだろう」と思っていたが、小学校に入ってもこだわりは続き、2年生の3学期から不登校になった。 長男(10)もそうだった。幸い、1人遊びが好きで暴れるようなことまではなかったが、小学校入学から1週間で登校を拒否した。自閉症スペクトラム障害(ASD)。2人は発達障害の一つと診断された。[THE SANKEI NEWS]育児は常に模索、手探りの日々。人間ほど無力で育てにくい生き物はいないかもです。そう思うと、それまでできなかったことができるようになったこと、発見した時の喜びは図り知れませんね。☄
2019.03.11
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「もう誰にも迷惑は…」姉は弟の首にタオルを巻き付けた同居する知的障害のある弟(当時45)を殺害したとして、殺人罪に問われた千葉県船橋市の無職、斉藤陽子被告(48)の裁判員裁判の判決が8日、千葉地裁であり、岡田健彦裁判長は懲役3年6カ月(求刑懲役8年)を言い渡した。 判決によると、斉藤被告は2017年9月19日午後5時半ごろ~8時20分ごろ、自宅で弟の田村寛之さんの首をタオルやベルトで絞めて殺害した。 公判で弁護側は「長期間の介護で精神的に追い詰められていた」として、執行猶予付きの判決を求めた。これに対し、検察側は「ケースワーカーに相談するなど、他に取り得る手段はあった」と指摘していた。 判決で岡田裁判長は「許しを懇願されても首を絞め続けており、執拗で残酷な犯行」と被告を非難した。一方で「長年の介護で肉体的・精神的に疲弊し、思考狭窄(きょうさく)も影響を与えた」と量刑の理由を述べた。両親の離婚、母の病… 「もう、誰にも迷惑をかけたくなかった。けれど、結局、自分が一番迷惑をかけてしまった」 被告は公判で、何度もそう繰り返していた。 なぜ、弟を手にかけたのか。公判で明らかになった経緯を振り返る。 被告は3人きょうだいの長女として誕生。2歳下の弟は知的障害を持って生まれた。普段は優しい弟だったが、ささいなことで暴れることがよくあり、家族は日常的に暴行を受けた。弟はそのたびに「もうしません」と泣いて謝ったが、約束は一度も守られなかった。 中学3年のとき、両親が離婚。被告は家計を助けるため、静岡県の工場に住み込みで働きながら高校に通うことを決意し家を出た。 結婚し、派遣社員として生活していた頃、弟と2人暮らしをしていた母がパーキンソン病を発症。夫とともに千葉へ戻った。アルバイトを掛け持ちしながら懸命に介護したが、母は3年前に亡くなった。 それから、夫と弟との3人での生活が始まった。弟は県内の農業会社に就職。9歳下の妹は証人尋問で、そのときの被告の様子を「姉はすごく喜び、通勤方法について弟と話し合っていた」と語っていた。断っていた酒に再び手 だが入社後、状況は一変する。… こちらは有料会員限定記事です。[朝日デジタル]最悪の事態を招いてしまい、本当に居た堪れないですね。お母様が生きている内に、もう少し行政に支援を依頼できたら良かったです。親として姉妹にここまで負担は負わせたくは無かったでしょうね。☄
2019.03.10
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知的障害者の「終の棲家」どうする 自民党の議連が法改正検討自民党の「知的障がい者の明日を考える議員連盟」(木村義雄会長)は2月19日、障害者の所得保障や親が亡くなった後の終の棲家の確保を、議連の主題にすることを決めた。プロジェクトチームを設け、法改正を求めていく考えだ。 昨年10月に党内の勉強会で議連発足が決まり、同日は議連として2回目の会議となった。冒頭で木村会長は「障害者の最大の課題は所得保障だ。今の障害年金の水準ではやっていけない。しっかり議論していきたい」とあいさつした。 住まいの問題については「それぞれ家庭の事情もあり、全て在宅で、というのは無理だ」とし、施設経営の足かせとなるような法制度を改める意向を示した。 同日の会議には入所施設やグループホームを運営する社会福祉法人柊の郷(千葉県)の足高慶宣理事長ら、約40の福祉施設の幹部が参加。事前に福祉施設側が寄せた制度運営上の質問に、厚生労働省障害保健福祉部の幹部が回答した。 議連の顧問には高村正彦・前同党副総裁らが就いた。幹事長は平沢勝栄氏、事務局長は三原じゅん子氏がそれぞれ務める。[福祉新聞]三原じゅん子さんが事務局長なんですね。精々、論議を交わして方策を練って頂きたいですね。☄
2019.03.09
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発達障害 理解深めて 大分市のNPOが2冊子を製作発達障害の人を支援している大分市のNPO法人「共に生きる」は、障害の理解に役立つ2種類の冊子(A5判)を作った。当事者と家族の声をまとめた他、当事者が苦手克服のため取り組んでいる工夫を紹介。代表理事の江藤裕子さん(61)は「発達障害という言葉は認知されてきたが、まだ実態は知られていない」と指摘。「どんな生活をしているか分かってほしい」と一読を呼び掛けている。 いずれも「発達障害のくらし」がタイトル。「当事者と家族の思い編」(24ページ)は男女13人が自らの経験や同じ境遇の人たちへのメッセージなどをつづった。 佐伯市鶴見の会社員成松智美さん(35)は、27歳でアスペルガー症候群と診断された。対人関係を築くのが苦手で、職場では障害を上司や同僚に知らせた上で働いている。ミスがないよう小まめにメモを取ったり、ファイルを色分けしたりと努力しているという。「障害があっても働けることを多くの企業に知ってもらいたい」と訴える。 アルバイト先で洗い物をする際、「適当に」の意味がくみ取れなかったという男性のエピソードも掲載。これらに対し、別の女性は「細かく指示を出すと理解ができる」と周囲の支援法を示している。 「工夫編」(12ページ)は▽スケジュール・時間管理▽お金の管理▽整理整頓▽忘れ物―について、当事者が取り組む対策を箇条書きにした。 赤い羽根共同募金の助成など約30万円をかけ、1月に3千部を発行。大分市役所や県内の保健所(同市保健所を除く)などに置いている。無料。 同法人は「特性が異なる人たちの生活を具体的に盛り込んだ冊子。研修などで活用してほしい。今、困っている人の参考にもなれば」と話している。 問い合わせは同法人(TEL097・553・0702)。 [大分合同新聞]多くの方々に、是非読んで頂きたいですね。361万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.03.08
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【発達障害を生きる】多数のお便り 保護者「さまざまな個性を認めて」 昨年12月に産経新聞で発達障害について考える連載企画「『生きづらさ』を生きる」を掲載したところ、読者の方からたくさんのお便りやメールが寄せられた。当事者だったり、支援に携わる人だったりとさまざまな立場から、連載に対する感想や日ごろ感じていることについてつづられていた。中でも特段多かったのが、発達障害の子供を持つ保護者からの体験談だった。(発達障害取材班) 《「そうだったんだ…」と今まであった違和感というか、疑問のようなものがストンと腑(ふ)に落ちました》。大阪府の女性(62)は約5年前、小学5年生の孫の男児(11)が発達障害の「自閉症スペクトラム」(ASD)と注意欠陥・多動性障害(ADHD)を併発していると診断されたとき気持ちを振り返る。孫は幼いころからよく泣き、言語に遅れが見られ、保育園の保育士から小学校入学前に病院の受診を勧められた。 それでも、《孫のおかげで笑いのある楽しい毎日でもある》と打ち明け、《連載でいろいろ頑張っている方がたくさんいるのも知った。立ち止まって迷っている場合じゃないなと思いました》とつづっている。 他にも、《子供が問題行動を起こすたびに学校に行って対応を考えたり、謝りに行ったりして、いらいらして家族にあたっていました》=神戸市の女性(50)、《親が前向きに生きておこうと決意すれば、亀のような歩みでも子供の成長が頼もしく思えてくるはず》=大阪府東大阪市の女性(59)=など、保護者の悩みや思いがしたためられていた。 一方、ある公立幼稚園の教諭からはこんなメールが届いた。《さまざまな個性を持つ子供たちに対して、担任と介助員の2人だけでは正直なところ目が届かず、教育自体も行き届かない状態です》 教諭が勤める園では、「ついていけない」と私立幼稚園から転園してくる子供たちが多く、《(私立は)子供に合わせるよりも保護者のニーズに合わせ入園者を増やすことだけに特化してるように感じる》と指摘。支援が必要な子供に転園を促すのではなく、ともに成長できるような教育のあり方を考える必要があるという。 教諭は文面をこう締めくくっている。《「生きづらさ」が少しでもなくなり、生きててよかった、楽しいな、うれしいなと思え、さまざまな個性を認めてもらえる子供たちに育ってほしいと願っています》 発達障害の子を持つ親、担当する教師たち、そして当事者の子供たちと悩みはそれぞれだ。連載の第2部「学ぶ子供たち」では、教育現場における課題を中心に紹介していく。成人の「発達障害」に関する皆さんの体験談やご意見、ご感想を募集します。 住所、氏名、年齢、性別、電話番号を明記していただき、郵送の場合は〒556-8661(住所不要)産経新聞大阪社会部「発達障害取材班」、FAXは06・6633・9740、メールはhattatsu@sankei.co.jpまでお送りください。[産経新聞]情報が溢れてくるようになり、良い意味で教育支援に繋がるのが理想でも、現場や支援に関わる者たちの不安は尽きないものですね。☄
2019.03.07
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その子、発達障害じゃありません!間違った理解・支援をやめ、今すぐ“奇跡の教育”を 発達障害について広く知られるようになったのは喜ばしいが、一方でそれが差別や誤解を生むこともあるようだ。一部の言葉や情報だけが独り歩きし、本来の意味とは違った形で知れ渡ってしまうこともある。 このように情報が錯綜してしまうと、「わが子が発達障害ではないか?」と心配になる親が増えるのも頷ける。医療機関などで積極的に診断させたり、学校の先生や周囲の人に相談を重ねたりする人も多いだろう。 けれども、そもそも人間の発達に標準はない。私たちは機械ではないからだ。特に発達のプロセスにいる子どもたちは、多様な発達の仕方をする。そんな子どもたちに、親や先生が「発達に障害がある」と決めつけることは、どれだけ理不尽なことだろう。『その子、発達障害ではありません』(韓昌完/さくら舎)では、琉球大学教育学部の韓昌完教授が、子どもを一概に「発達障害」を決めつけず、支援が必要な子どもへの正しい教育・支援方法を解説している。■子どもたちが本当に必要とする支援を行う「IN-Child」という取り組み 韓教授が本書で紹介するのは、「IN-Child」という取り組み。取り組みの対象は、学習上や生活上の困難があり、学校や家庭環境で「包括的教育を必要とする子」だ。 いつの時代にも、クラスには「気がかりな子」がいた。忘れ物ばかりする子、すぐにカッとなって友達や先生とトラブルになる子、ずっとひとりぼっちでいる子。彼らは問題を抱えていて容易に対処できないので、先生も「気がかりな子」として手を焼いていた。最近では発達障害という言葉の登場によって、「この子はASD(=自閉症スペクトラム症)だ」「あの子はADHD(=注意欠如・多動症)かも」と簡単に決めつけができてしまう。 けれども彼らが本当に必要としているのは、診断や決めつけではなく、正しい支援や教育だ。そこで、子どもたちが必要としている支援方法を見極め、彼らに合った対処を行うのが、「IN-Child」という取り組みである。 本書は、教育アドバイザーとして現場で数々の子どもを見てきた韓教授が、学校の先生に向けて「学級経営」を上手に行う方法を解説している。親の立場からすると少し難しく、すべてを理解して実践するのは困難かもしれない。しかし、本書の「IN-Child HEROs」という章では、家庭でも実践できそうな子どもとの向き合い方が解説されている。この記事ではその事例を2つだけご紹介したい。■考える時間をあげることで「自分の考えを表現できるマン」に成長! 本書では実際にいた子どもたちを例題に挙げ、具体的な支援方法を解説している。 Aくんは、気になることを目にするとすぐに行動してしまう。衝動的に起こした行動がトラブルに発展しがちで、先生が叱ると黙ってうつむいてしまうことも。また自分の気持ちを上手に表現できず、友達とケンカになることもあった。 韓教授によると、Aくんに必要なのは、生活に必要なコミュニケーション能力。そこでそれを身に着けるための配慮を行うべきと指摘する。 叱られたときは考えを整理する時間や場所を設けたり、集中を妨げるものを机に片づけるよう指示したり。学校では先生が周囲の生徒に、Aくんが忘れ物をしたら積極的に貸すようお願いもした。 こうして「生活面の段階的な支援」を行うことで、自分で「考える時間を確保」した。友達とのコミュニケーションのサポートも支援した。結果、Aくんは考えが整理できていないときに「時間が必要です」と自分で言えるようになり、集中を妨げるものがあるときは「これを預かってください」と先生に言えるようになった。 Aくんに考える時間をあげることで「自分の考えを表現できるマン」に成長したのだ。■自分をコントロールして「勉強でやる気が出せるウーマン」に成長! Bさんは人懐っこいが、自分がいじられることでコミュニケーションを取ろうとする女の子。しかしそれが上手くいかないと、すねたり手を上げたり、トラブルになってしまう。家では勉強せずにスマホをいじってばかり。学習面がなかなか伸びない。けれどもスクールカウンセラーには「個別で勉強したい」と話していて、やる気はあるらしい。 韓教授によると、Bさんには不注意と多動性・衝動性があるそうだ。友達との間で見られる言動は、周囲から認められたいという気持ちの表れ。不注意で授業中に話を聞いていなかったり、多動・衝動的な行動で友達との関係が上手くいかなかったりするのかも。 だからクラスの座席を前に設定し、先生がこまめに「何をする時間なのか」認識させる声掛けを行いながら、自分から行動調整ができるサポートを支援した。 また、スマホをいじることに関するルールを決めて、集中力を持続させる環境を整えた。さらにはクラスの中で黒板管理などの役割を与えることで、意図的に褒められる機会を増やした。 このような取り組みの結果、Bさんは目標を明確に意識し、自己をコントロールする能力を身に着け、勉強に対してやる気が見え始めた。「勉強でやる気が出せるウーマン」に成長したのだ。 いかがだろうか? 本書で解説される内容は、子どもを発達障害と決めつけることではなく、いかに子どもの発達を支援するかに重きを置く。この内容を実践すると、今までと違うわが子の成長を見られるかもしれない。 残念ながら現在の日本の環境では、たとえ発達障害と診断されたとしても充分な支援を受けられる場所は整っていない。最終的に問題を解決するのは本人の努力しかなく、周囲は支援しかできない。 つまり言い換えれば、支援さえできれば子どもの未来は開けるはず。その一助となるかもしれないのが本書だ。子どもの教育や学校環境で苦しくなるほど悩んだとき、どうすればいいか分からないときは、本書を手に取ってほしい。 親は発達障害という言葉と向き合うのではなく、目の前の愛するわが子と向き合うべきではないか。本書はそんなことを感じさせてくれる。文=いのうえゆきひろ[ダ・ヴィンチニュース]その子、発達障害ではありません IN-Childの奇跡 [ 韓昌完 ]障害名は所詮、単に医学的に定められた判定用語。それぞれの個性を大事にし、きちんと子どもと向き合うことでしょうね。☄
2019.03.06
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ジョー・イングルズが息子の自閉症を公表「家族には終わりのないサポートが必要」同じ境遇の人へ「あなたは一人ではない」ジャズのジョー・イングルズが、オールスターブレーク前に、最愛の息子に関するある事実を発表した。イングルズは、プロネットボール選手の妻との間に、男児と女児の双子を授かった。そして、2歳になった息子のジェイコブ君が、自閉症と診断されたことを明かした。イングルズは、ジェイコブ君が自閉症と診断されるまでの経緯と、その前後の心境を綴った長文を『Exclusive Insight』に掲載。これまで一握りの関係者にしか知らせていなかった事実を公表した。今シーズンもジャズの先発として57試合に出場し、キャリアハイとなる平均11.7得点を記録しているイングルズだが、ここ数ヶ月は妻と息子の将来について悩み、苦しむ日々が続いた。専門医によるテストを受け続け、1月上旬に息子が自閉症スペクトラムと診断された後、イングルズ夫妻は悲しみに暮れ、眠れない日々を過ごしたという。そして、妻が妊娠していた時期の食事にもっと気を使うべきだったのではないか、出産後に現役復帰した妻と離れて暮らすべきだったのか、子供が生まれてからの食事にさらに気を配るべきだったのではないか、接種したワクチンが自閉症の原因になったのではないか等々、あらゆる後悔の念に襲われた。気持ちの浮き沈みに疲れ果てたイングルズは、これまでの顚末をジャズに伝えた。ヘッドコーチのクイン・スナイダーは、イングルズに寄り添い、球団全体でサポート。彼はスナイダーとジャズのサポートに感謝し、バスケットボールよりも人生の方が大切という信念を持つスナイダーのためにプレーしたい気持ちが強くなったという。また、妻が所属するオーストラリアのメルボルン・ビクセンズのサポートに対する感謝の気持ちも綴った。幸いにも、早期療育を始めたおかげで、ジェイコブ君の発育スピードは目に見えて改善され始めているという。彼は、息子と同じ診断を受けた家族を持つ人たちに向け、早期療育と、自閉症に対する意識を持つことが重要と説いている。「子供の親として、自分たちが正しいと思うことを信じないといけない。私たちは、そうしてきました。私たちが今経験していることを過去に経験した人たち、同じように経験している人たちからは、同じアドバイスを受けます。早期療育、自閉症に対する意識、知識が力になると」「早期療育のおかげで、ジェイコブにも大きな変化が見て取れます。自閉症スペクトラムと診断された子供、家族には、終わりのないサポートが必要になります。意識すること、認知することが何よりも大切であるため、私たちは言葉を発信していきます。私たちは、自分たちの子供にとって最善を願っています。できる限りのことをしたいと思っています。この症状について学び始めました。今は、今後の経過によって色々と変化していくものと考えています」「私たちにとって、この状況は辛いものです。ですが、私たちはハードワークを前に不安になったり、躊躇うこともありません。良い日も、そうではない日も、私たちは2人の子供たちに成長する機会、学ぶ機会、彼らの力を引き出す機会を与えていきます。もしあなたが、最近になって自閉症と診断されたお子さんの親御さんであるなら、忘れないでもらいたい。あなたは一人ではない」「このオールスターブレークは、私たち家族に必要な時間を過ごさせてもらいます。そして引き続きサポートしてくれているユタ・ジャズ、メルボルン・ビクセンズ、友人、家族に感謝しています。私たち家族は、2019年、そして今後を非常に楽しみにしています」[BASKET COUNT]最先端の有名人からの発信は、それだけで大きな影響を及ぼしますね。☄
2019.03.05
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【独自】「やまゆり園」事件肯定する差別的手紙 障害者施設運営法人に東京・調布市の障害者施設を運営する社会福祉法人に、2016年に起きた「津久井やまゆり園」の殺傷事件を肯定する差別的な内容の手紙が届いていたことがわかり、警視庁が警戒にあたっている。2月下旬、調布市の「社会福祉事業団」と「社会福祉協議会」に、障害者への強い偏見や差別的な表現が書かれた手紙が届いていたことがわかった。また手紙では、2016年に神奈川・相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」の入所者など19人が殺害された事件を肯定する内容も書かれ、国立市の消印が押されていたという。警視庁は、関係機関に注意を呼びかけ、警戒にあたっている。[FNN PRIME]遺族の哀しみを更に逆撫でするような行為、決して許されることではないですね。☄
2019.03.04
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(知的障害者のみとり グループホームの模索:中)「終のすみか」人手が壁 大阪府守口市のグループホーム「のびのび」(定員10人)で2017年、66歳の男性が息をひきとった。 府立の入所施設で32年暮らした後、65歳の時に「のびのび」へ。直後に胃がんで余命1カ月半と告げられた。「病院は嫌」と言い、家族も延命治療は望まなかった。 スタッフは終末期ケアは初めて。「おかずは刻む」「顔色をこまめにチェック」などの支援マニュアルを作り、夜も巡回して様子を確認するなど奮闘した。それでも亡くなった日は、早朝に夜勤者が手に触れると冷たくなっており「最期に立ち会えなかった」との思いも残ったという。 こうした態勢の限界も考え、入院準備を始めた矢先のことだった。東啓二所長(44)は「担い手不足は深刻で、みとりは心身の負担もある。ニーズには応えたいが、現状では難しい」と話す。 「(みとりは)在宅専門医の確保が必要条件だが、現実的には困難。職員のスキルアップと覚悟などが課題で、負担や心のケアへの対策も必要。取り組みはスタート地点に立ったばかりだ」(抜粋) 昨年3月、知的障害がある人のためのグループホームなど様々な事業を営む「厚木精華園」(神奈川県)が、みとりについて2年間にわたって検討した結果の報告書をまとめた。課題の「解決の糸口」を探りながら、継続的に検討する必要性を掲げるなど、慎重さが色濃い内容となった。 検討のきっかけは、運営するホームや入所施設の高齢の知的障害者が亡くなるケースが増えてきたことだった。6年前、地域での暮らしを望み、入所施設からホームへ移った76歳の女性が、がん治療で入院中に亡くなった。病床では「いつになったら帰れるの?」と話していたという。 しかし、グループホームは日中は入居者が就労や社会参加のために通所施設などに出かけるのが基本の制度で、園が運営するホームも朝夕にスタッフ1人ずつが家事を担うが、日中もケアする態勢にはなっていない。看護師を置く財政的な余裕もなく、ホームでみとりたいというスタッフの思いはあっても、「がんばろうね」としか言えなかった。 その後も年1人ほどが病院で亡くなり、2016~18年度の中長期計画に、みとりや終末期支援のあり方を検討することが盛り込まれた。園長ら職員8人で「終末期支援プロジェクト」を立ち上げ、課題などを検討してきた。 みとりを可能にするにはスタッフ態勢の充実が不可欠だが、グループホーム事業は赤字で、他の事業で補っているのが実情だ。介護保険法に基づく特別養護老人ホームなどは、最期までケアすれば「みとり介護加算」がつくといった財政的な支援もあるが、障害者総合支援法に基づくグループホームや施設にはこうした加算はないという。 園が営む8カ所のホームに入居する34人は、6割が65歳以上。家族を含め、ほとんどがホームでの最期を望んでいる。だが現状では、終末期を迎えた場合、高齢者施設や病院への移行を前提に対応せざるを得ない、というのがプロジェクトの結論だった。 園長の平嶺一昭さん(63)は「当たり前の生活を最期までできるのが、グループホームの本来の姿。ただ、スタッフの覚悟と支援態勢が十分でなければ、入居者や家族に『終(つい)のすみか』として受け入れると言うのは難しい」と苦渋の色をにじませる。 いま態勢づくりと併せて進めるのが、スタッフと入居者のための「死の準備教育」だ。月1度、元入居者らが眠る共同墓地に、希望者を募って墓参する。 6年前に女性が病院で亡くなった際は、延命治療の希望なども把握できていなかった。日常の延長線上に「死」があることを、知的障害のある人にわかりやすく意識してもらい、どう亡くなりたいかの意思決定につなげられればと考えた。身内のみとりを経験したことがないスタッフも多く、いつかは訪れる「その時」への心構えや、みとりのスキルを身につける意欲を高める狙いもある。 持続可能な「みとり」の基盤づくりに挑むホームもある。 高齢の知的障害者向けに昨年4月に開設した兵庫県明石市の「あいすくりーむの家」(定員5人)は、看護師を24時間配置する全国でも珍しいホームだ。昨年6月、末期がんだった54歳の女性を、その2カ月後には69歳の女性を、続けてみとった。 看護師を確保するために目指したのが「近隣の医療機関に近い賃金」だ。24時間の配置には、1日3万2400円が必要と試算。ホームの計画段階から市に援助を求めた。 市も知的障害者の高齢化は重要課題と考え、条件を満たした時に1日5千円を助成する独自制度を作った。昨春に新設された、障害者総合支援法に基づく看護師配置の加算も活用。約1万4千円は運営法人が負担するが、当初は赤字も覚悟していた収益は「トントンの見込み」という。 ただ、賃金を高くしても常勤は見つからず、十数人の非常勤の看護師がシフト勤務でつなぐ。 スタッフも、従来の朝夕1人ずつに加え、同じ法人が営む施設のスタッフが兼務する態勢を構築。女性2人の終末期は日中にも置いたことがあった。 運営法人の理事長で医師の日下孝明さん(76)は「高齢になった親が、我が子を家で介護するのは難しい上、高齢者施設から『手間がかかる』と受け入れを拒まれたことも。ホームは、みとりを望む入居者の最後のとりで。取り組みが進むよう、国や自治体は後押ししてほしい」と話す。[朝日デジタル]グループホームで助成が受けられるなら、やはり終末期に備えた体制作りが今後はより求められ、必要とされるのでしょうね。☄
2019.03.03
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障害年金5つの誤解 第2回「日常生活の不便さが決め手になる…?」障害年金について広まっている、さまざまな誤解を点検します。第2回は、障害年金を受給できるかどうかは「日常生活の不便さが決め手になる」というものです。請求の準備作業が大変だった人とそれほどでもなかった人がいる。なぜ…?具体例で説明します。Aさんは統合失調症で障害年金を受給しています。障害年金の請求の際には、日常生活で困っていることを細かく書いたメモを主治医に渡し、診断書を書いてもらいました。 自分で作る「病歴・就労状況等申立書」にも、日常生活で困っていることを詳しく書き込みました。「そうしたほうがいいよ」と、すでに障害年金を受給していた友人にアドバイスされたためです。準備作業は大変でしたが、がんばってやり遂げました。 一方、難聴で障害年金を受給しているBさんは、日常生活で困っていることについて主治医に特に言わないまま、診断書を書いてもらいました。 「病歴・就労状況等申立書」には、「会話が聞き取りにくい。」と一言書いただけです。もちろん、難聴ならではの不便さはあるのですが、日常生活で困っていることをあまりアピールした記憶はありません。それでも、受給できました。障害の種類によって、重視されるところが異なるどういうことでしょうか。 実は、病気や障害の種類によって、日常生活の不便さが決め手になるものとそうとも言えないものがあるのです。 障害年金は、さまざまな病気や障害で受給することができます。厚生労働省が作った「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(以下、「認定基準」と書きます。)には、病気や障害を19の種類に分けて、認定基準が書かれています。これらのうち、精神の障害、神経系統の障害、悪性新生物(がん)による障害などは、日常生活の不便さがどれほど大きいかが障害等級を決めるうえで重視されます。 一方、眼の障害、聴覚の障害、肢体の障害など測定値で表しやすいものや、機能障害の程度を判別しやすいものは、測定値や可動域などが重視されます。 厚生労働省が2014年に実施した「障害年金受給者実態調査」の調査結果によると、受給者の「傷病名別割合」は、精神障害と知的障害だけで54%を占めています。多数派なのです。こうした理由もあって、「日常生活の不便さが決め手になる」という見方が、病気や障害の種類を考慮せずに広まったものとみられます。請求を考えている人は、まず、「認定基準」を確認しよう「障害年金をもらえないかな」と思っておられる方は、ぜひ「認定基準」をご覧になることをお勧めします。最新版の「認定基準」は、日本年金機構のホームぺージより確認できます。 例えば、眼の障害だと、「両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの」は2級、「両眼の視力が0.1以下に減じたもの」は3級、とはっきりと書かれています。ここでいう「視力」は、眼鏡やコンタクトレンズを用いた矯正視力のことです。2級の「両眼の視力の和」とは、左眼と右眼のそれぞれの測定値を合算したものになります。また、3級の「両眼の視力」については、左眼と右眼がともに0.1以下になった場合のことです。 腎疾患による障害では、「人工透析療法施行中のものは2級と認定する。」と断言されていますし、心疾患による障害では、難治性不整脈でペースメーカーやICDを装着したものは3級、と明言されています。これらの場合も、加入要件や納付要件が満たされている場合は、どんな療法が用いられているかということで障害年金の等級と受給が決まるわけです。もちろん、この等級は原則であって、症状によっては、より上位の等級に認定される可能性もあります。 出典 日本年金機構 「国民年金・厚生年金保険 障害認定基準」 執筆者:和田隆(わだ たかし)ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士ファイナンシャルフィールド編集部[YAHOO ニュース]一度支給されると等級は変えられないので、最初の診断がとても重要ですね。360万アクセス達成しております。いつもご訪問にコメント感謝です。☄
2019.03.02
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障害年金5つの誤解 第1回「働いていたら障害年金はもらえない…?」障害年金の受給についての相談を受けていると、さまざまな誤解が広まっていることに気付きます。誤解が原因で、障害年金の請求をためらったり、断念してしまったり。もったいないことです。そうした誤解をシリーズで取り上げます。 第1回は「働いていたら障害年金はもらえない…?」です。医師の中にも誤解している人がいる。なぜ…?障害年金を受給できるかどうかの指標となっているのは、国民年金法などの法律や、厚生労働省が作った「国民年金・厚生年金保険障害認定基準」(以下、「認定基準」)などです。 しかし、そのどこを読んでみても、「働いている人には、障害年金を支給しない」とは書かれていません。また、厚生労働省が2014年に実施した「障害年金受給者実態調査」の調査結果でも、受給者の27.6%が就業していました。 それなのに、「働いていたら障害年金はもらえない」と言う人が少なくありません。医師の中にもそう言う人がいます。なぜでしょうか。 「働いていたら障害年金を簡単にはもらえない」が正しい表現誤解が生まれた背景はいくつか考えられます。 内閣が定めた厚生年金保険法施行令には、3級の障害の状態のひとつとして、「労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」 と規定されています。 また、「認定基準」の中で、2級の障害の状態について「日常生活は極めて困難で、労働により収入を得ることができない程度のもの」と説明されています。 これらはいずれも、障害の状態がどんなふうであれば、障害等級に該当するかを説明しているだけなのですが、逆に「働いていたら障害年金はもらえない」という受け止め方をされているのかもしれません。 誤解が生まれたもうひとつの背景には、一般就労でフルタイムで働いていると、日本年金機構に障害が軽く受け止められ、障害年金が支給されにくいという現実があります。 障害を抱えて働くことは何かと苦労があり、障害者本人は大変なのですが、障害を持っていない他の同僚との違いを説明するのが難しい場合があり、障害年金の請求で苦労するケースが多いようです。 「働いていたら障害年金はもらえない」ではなく、「働いていたら障害年金を簡単にはもらえない」というのが正しい表現でしょう。 「認定基準」でも安易な支給抑制にはクギを刺しているさて、さまざまな障害の中でも、働いていることとの関係が問題になりやすいのが、精神の障害です。障害が外側から見えにくいためです。「認定基準」では、精神の障害の認定要領において、以下のように障害年金の安易な支給抑制にクギを刺しています。 「労働に従事していることをもって、直ちに日常生活能力が向上したものと捉えず、その療養状況を考慮するとともに、仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等を十分確認したうえで日常生活能力を判断すること。」 楽に働けているわけではないことをアピールしようこうなると、障害年金を請求するうえでのポイントは明らかですね。 この「仕事の種類、内容、就労状況、仕事場で受けている援助の内容、他の従業員との意思疎通の状況等」のところです。これらの点を日ごろから医師にしっかりと説明しておき、診断書に書き込んでもらうことです。 また、請求者が作成する「病歴・就労状況等申立書」にも書き込みます。楽に働けているわけではないことをアピールするのです。 障害者枠の就労や短時間勤務の場合は、その雇用形態や仕事の内容、周囲からの支援の内容をしっかり伝えます。一般就労でフルタイムの場合でも、障害を抱えて働く難しさを訴えましょう。 職場でどのように働いているのかがイメージできるように、具体的に書くのがコツです。これは、精神の障害に限りません。他の障害でも同じことです。障害年金を受給しながら働いている人はたくさんいます。決して、「働いていたら障害年金はもらえない」のではありません。 ※2019/02/22 内容を一部修正させていただきました。 執筆者:和田隆(わだ たかし)ファイナンシャル・プランナー(AFP)、特定社会保険労務士、社会福祉士[Financial Field]とても分かりやすい下りですね。やはり頂けるものはきちんと申請したいですね。☄
2019.03.01
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