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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2005.11.25
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「やり直せてよかった。ほんとうに、そう思います。」
現実は何も変わらなかったけれど、主人公は、そう言った。

一方、健太君が目撃した母親は、
砂場でよちよち歩きの赤ちゃんと遊んでいた。
急に方向転換し、向こう側の道路まで全力疾走で公園を突っ切る健太君。
母親と赤ん坊が去った後の砂場で泣き出した健太君。

  「くたばる前に、見舞いに来たカズを見て、
   わしの息子ももう三十八か思うて、わしの三十八の頃を思い出して……」

   リストラや親父がもうすぐ死んじゃうってことを、あのひとなら、どうするだろう、って」

父と子、反発し合いながらも、同じものを見つめていた二人。

25(p.418~p.433)

健太君は、成仏して生まれ変わるため、父親と離れ、霧の中へ。
しかし、しばらくすると……、健太君は戻ってきた!

  「幸せやら何やら関係あるか!親はのう、親子いうたらのう、
   すごいんじゃ、理屈で別れるようなもんと違うんじゃけん。
   別れよう思うても、別れられんのが、親と子ぉなんじゃ!
   わかったか!」

このチュウさんの言葉が、このお話の核となるものだと感じました。

26(p.433~p.448)


そこに待っているのが、最低で最悪の現実でも帰りたいと口にした主人公。

  「どんなに仲の悪い親子でも、同い歳で出会えたら、絶対友だちになれるのにね」
  「……アホか、それができんのが、親子なんじゃろうが」

それぞれの現実に戻っていく父と子。 

27(p.448~p.466)


窓を開け、大掃除を始める主人公。風呂掃除に洗濯、トイレの掃除も……。
天袋の戸を開けると『黒ひげ危機一発』の箱があった……健太君からのプレゼントだった。
チュウさんと二人で撮った観覧車の記念写真も、その中にあった。
動かない笑顔に向かって「親父って、ほんと、大変だよね……。」

リビングで一人、『黒ひげ危機一発』に熱中する主人公。
4時前、広樹がドアを開け、リビングに入ってきて、「……なに、これ」
広樹がナイフを突き刺すと、一発で海賊が飛び出した。
主人公の「おやすみ」の声に、小さな声で「うん……」と広樹の声。

翌朝6時に起床、車で駅まで、妻を迎えに行く。
7時過ぎ、妻が姿を現し、改札口へ向かう主人公。そして「お帰り」。
妻の手を取って歩き出す主人公。妻の手を強く握った主人公。
一呼吸おいて、手の力を抜くと、滑り落ちかけた妻の指が、
つないだ手がはずれる寸前、そっと主人公の指先をつかんだ。

父は死んだ。遺影の写真は、観覧車の記念写真を使う。
広樹は、夜12時前に眠るようになった。
朝は、妻が料理をつくり、主人公がコーヒーを入れ、家族三人で朝食をとる。

  まだ先は長い。
  長いのだから、こんなところで終わってたまるか、と思う。





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Last updated  2005.11.26 02:26:08
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