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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.08.02
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『ネットいじめ』 を読んだ。
 それは、当時世間を大いに騒がせていた現象であり、
 それ故、多数の関連書籍が発行されることになった。
 それらの中で、私の一番のお勧めが『ネットいじめ』だった。

 そして今回、同じ著者による『ウェブ炎上』を読んだ。
 期待に違わず、本著の出来も素晴らしい。
 先日読んだ 『ウェブはバカと暇人のもの 』 にも重複する部分があるが、


さて、本著の中には様々なキーワードが登場するが、
その中でも、最も重要だと思われるのが「サイバーカスケード」。
この言葉を、本著では、こんな風に説明している。

  アメリカの憲法学者キャス・サンスティーンが
  『インターネットは民主主義の敵か』の中で提唱した概念で、
  サイバースペースにおいて各人が欲望のままに情報を獲得し、議論や対話を行っていった結果、
  特定の-たいていは極端な-言説パターン、行動パターンに
  集団として流れていく現象のことを指します。(p.034)

次は、コメントスクラム。

  コメントスクラムは炎上と非常に似た概念ですが、
  小倉は掲示板など公的な場所で起こるものを「炎上」、

  ただし、サイトの性質を私的か公的かで明確に区別することは難しいでしょうから、
  この言葉はむしろ「コメントがスクラムを組んで押し寄せる」という
  現象のみを表現するものとして使用した方が便利です。(p.040)

これらのキーワードをあらかじめ説明した上で、
著者は、それらに関わるウェブの特徴について述べていく。


  そして何より匿名であることで、
  軽率な発言によってネガティブな反応が返ってくるというリスクへの備えが甘くなり、
  「不用意な発言」をしやすくなります。(p.077)

続いて「つながり」について。

  ただし、「これまでつながっていなかったものがつなげられる」ことによって、
  「出会いたかった人」だけでなく、それまで「出会うはずのなかった人」や
  「出会いたくなかった人」とつながることも起こります。
  通常であれば自分の前では囁かれないようなたぐいの陰口を耳にすることだってあるでしょうし、
  聞かれたくない人に相談事を聞かれてしまうかもしれません。(中略)
  このようにウェブ上では、場所や時間による棲み分けのルールが変わることで、
  「もともと届くはずのなかった人」にメッセージが届く、ということが起こりえます。(p.106)

そして、「可視化」について。

  空間も時間も超えてすべてをつなげていくウェブにおいては、
  異なる文脈へと接続しやすいために誤配が生じやすく、またそれが可視化されやすい。
  まったく異なる文脈同士を接続してしまうため「約束事」のあり方が変容し、
  その一方で誤配の痕跡がいつまでもウェブ上に残ってしまう
  (たとえブログが閉鎖したとしても、キャッシュ=断片としてウェブに保存され続ける)。(p.110)

このような特徴を背景としながら、ウェブ上には様々な情報が飛び交うことになる。
そして、そこで飛び交う情報・発言がどれほど広まるかは、次のようにして決まる。

  こうしてオルポートとポストマンは
  「流言の量は問題の重要性と状況のあいまいさの積に比例する」という有名な公式を提示します。
  ウワサやデマの流通は、その重要さと曖昧さとのかけ算によって決まるので、
  流言が重要なものでないか、はっきりとした情報が得られている場合には広がりません。(p.122)

その情報の持つ「重要さ」と「曖昧さ」。
この二つが、大きければ大きいほど、ウェブ上でより多くの様々な情報が飛び交うことになる。
そして、それらの情報は、次のように集約され、大きなうねりとなって、
時として、ある特定の個人やサイトを襲い、呑みこんでいく。

  人が自らに必要な情報を収集していった結果、
  各人が自らにとって必要な情報=都合のよい世界観に飛びついてしまうことで、
  特定の極端化された言説に集団でなだれ込んでしまうこと。
  自らの世界観を満たしてくれるような言説が存在しない場合、
  自ら情報の発信者となってデマの補強に加担してしまうこと。
  「ヒミツの大計画」のようなデマへのカスケードは、
  そのメカニズムを顕著に反映しています。(p.130)

   ***

「自らにとって必要な情報」というのは、
自らにとって「都合のよい世界観」を補強するのに役立つものである。
そして、より強く「自分にとって都合のよい世界観」を補強してくれる情報が有り難い。
それ故、出来るだけ極端で強力な情報の方が、より有り難く感じられるのである。

そして、これまで現実世界ではそう簡単に出会えなかったそれらの情報に、
ウェブ上では、出会える機会が驚異的に増加した。
しかも、そこは匿名性が強いため、期待以上に極端で強力な情報に満ち溢れている。
それらの極端な情報が、さらに極端な情報を呼び、よりパワーを増していく。

「出会わなくてもいい人」と出会わずに済むような「棲み分け」が、ウェブ上で可能だろうか?
そして、そこで「目にすることが出来るもの」を、
せめて現実社会レベル程度の慎み深さがあるものに、コントロールすることは可能だろうか?
全ては、そこに集う人、そしてその人たちが、そこでどう振る舞うかにかかっている。





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Last updated  2009.08.02 11:59:40
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