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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2012.11.23
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カテゴリ: 文芸

 それを倒した後担ぎ出したのが、彼等の間で人気の高かったマクシミヌス。
 軍団長や属州総督の経験もなく、元老院の議席も持たない男を
 影で「半蛮族」と呼びながら、元老院は承認するしかなかった。

 新皇帝は、ゲルマン民族相手の戦闘に積極戦法で3年間勝利し続ける。
 しかし、北アフリカの属州で、大農園主たちが徴税に対して反発し、
 その地の総督・ゴルディアヌスに、皇帝に推挙するので受諾するよう要請、
 マクシミヌスを嫌悪しきっていた元老院も、これを容認する事態となる。

が、ゴルディアヌスはマクシミヌスとの戦闘に敗れ、帝位就任1か月足らずでこの世を去る。

そこで、元老院は新たにパピエヌスとバルビヌスを皇帝に擁立し、マクシミヌスを迎え撃つことに。
だが、決戦を前に、マクシミヌスは自らの側の兵士たちに寝所を襲われ、この世を去ったのだった。

ところが、今度はパピエヌスとバルビヌスとの間に亀裂が走り、混乱し始める。
この状況に愛想を尽かした元マクシミヌスの将兵たちは、二人の皇帝を殺害する。
このように、紀元238年は、5人の皇帝が表れては消える一年となった。
そして、その後を受け継ぐことになったのは、13歳のゴルディアヌス3世であった。

しかし、彼も天幕に侵入した9人の兵士たちに命を奪われ、6年の統治を終える。
その兵士たちを買収したと言われる近衛軍団長官・フィリップスが皇帝に推挙される。

  推挙とは言っても、兵士たちの唱和、つまり何人かが声をあげて
  それに多数が賛同するやり方、で決まるのである。
  一種の直接民主制だが、直接民主制度には、


アラブ人・フィリップスは、ローマ建国一千年祭を主催する皇帝となった。
だが即位して5年、ドナウ前線に自ら出向くことをせず、首都長官デキウスを派遣した際、
その活躍ぶりに、将兵たちがデキウスに皇帝就任を要請する事態となる。
そして、追いつめられフィリップスは、内戦を前に自ら命を絶つに至ったのだった。

紀元250年、ゴート族とヴァンダル族が、大挙してドナウの下流を渡りローマ領に来襲。

その後、この戦闘に参加していた遠モエシア属州総督・トレポニアヌスが、
将兵たちの推挙を受け、帝位に就くことになった。

トレポニアヌスは、ゴート族と講和、遠モエシア属州総督にエミリアヌスを任命した。
しかしその後、このエミリアヌスが、将兵たちに皇帝の地位を推挙され、
さらに、総督ヴァレリアヌスまでもが、将兵たちに皇帝の地位を推挙される。
そして、蛮族の侵入が続く中、三人の皇帝による内乱を勝ち抜いたのは、ヴァレリアヌスだった。

この皇帝が総指揮を執ったペルシア戦役で、ペルシア王・シャプールの捕虜にされてしまう。
もう一人の皇帝であった息子のガリエヌヌスは、父を奪還すべく東へと動けなかった。
それは、西方でゲルマン人たちの来襲が、一層激しくなると予想されたから。
彼は、父親を見捨てることしか、選択肢がなかったのである。

   ***

皇帝が、コロコロと入れ替わり立ち替わりして、何とも落ち着かない状況。
読んでいても、切なくなってしまうようなお話しばかりが続くのだが、
そんな中でも、心に残る一文は存在する。
例えば、次のようなもの。

  強敵と常に向かい合っている兵士が、最強で最精鋭の戦士になる。(p.67)

  名将の名将たる由縁は、自軍の兵士たちに、
  彼等が慣れ親しんできたやり方で闘わせることにある。(p.115)

一筋縄ではいかない、手強い相手と継続して渡り合わねばならないとき、
そして、今まで経験したことがないようなビッグ・プロジェクトを完遂させねばならないとき、
自分を励ますために、
チームを成功に導くために、心に留めておきたい言葉である。





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Last updated  2012.12.01 23:46:21
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