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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2016.05.14
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 夫の無関心に疲れた妻、失われた女盛り、不倫妻の癒されない飢餓感、
 独身に戻りたい夫、多情な夫と良妻賢母の妻、等々。
 まるで女性週刊誌を読んでいるような感じです。

 21ものケースについて、それぞれ解説がなされていきますが、
 問題を解決すべく、手立てを提案していくというものではありません。
 あくまでも、精神科医の立場からみて、各事例がどのように解釈できるか、
 特に「愛着」の観点から、述べられています。

しかし、次の文章は、さすがに一味違いました。


  近年、異変が起こっているようだ。
  プレーリーハタネズミ型が主流だったライフスタイルが、
  サンガクハタネズミ型が主流になろうとしているようだ。
  多くの人が、一緒にいることに喜びや満足よりも苦痛や不愉快さを覚え、
  一人でいることを好むようになっている。(p.184)

この二種類のネズミについての説明は、次の通り。

  気候が温暖で、
  餌がふんだんにある草原という環境で暮らすプレーリーハタネズミにとっては、
  大家族で、巨大な巣をつくって暮らすのが、
  外敵から身を守り、子育てするうえで有利だ。
  だが、気候も厳しく、

  そのライフスタイルを捨て去らねばならなかった。(p.185)

そして、人間のライフスタイルも、環境の変化に伴い、
「経済優先」そして「個人主義主流」へと、大きく変貌しました。

  お金によって得られる楽しみや快適さが増し、
  お金に依存する部分が非常に大きくなったため、

  それ以外の営みを犠牲にするようになった。
  犠牲となるのは、経済的な豊かさにはつながらないものということになる。
  その代表が、子育てだ。(中略)

  子育てと同様、家族や隣人、友人との交わりも、
  経済的にはメリットをもたらさないという理由で、次第に切り詰められてきた(中略)

  もう一つの環境圧は、個人主義の浸透だ。
  個人の自由や権利を重視し、自己実現を人生の目的とする考え方が広まったのだ。
  そうした価値観やライフスタイルを邪魔するものとみなされたのが、家族であり結婚だ。
  どちらも、個人の自由を縛り、自己実現を阻む封建的な制度として目の敵にされ、
  そうした制度からの自由な生き方の模索も行われてきた。(p.186)

確かに、特に若い年齢層においては、この傾向が顕著であるような気がします。
「結婚しない」「子どもはつくらない」ということが、
選択肢の一つとして、普通に語られるようになりました。
ひと昔前には考えられなかったことです。

そして、このような状況下、不安定な愛着スタイルを抱える女性は、
新しいライフスタイルを確立しつつあるように思えると、岡田さんは言います。
それは、母子の絆を優先し、夫やパートナーを事情に合わせて取り替えていくというもの。
つまり、夫婦はずっと一緒にいるということに拘らないという生き方。

  古臭い道徳や世間体、それに、永遠の愛を誓ったという手前もあって、
  もう飽きてきたとも言い出せず、我慢しながら暮らしているだけだ。
  その我慢が、イライラや嫌悪感、うつ状態を生む。
  誰であれ、本心を欺き、不本意なことを強いられる生活は苦痛なだけでなく、
  その人が本来もっている活力や輝きを失わせてしまうからだ。(中略)
  こう考えると、母親が働けるくらいまで子どもが育てば、夫婦が別れて暮らし、
  夫は生活費だけを負担するというライフスタイルは、
  新たな出会いを必要とするこのタイプの男女にとっては、
  非常に理にかなったものだと言える。(p.239)

かなり、先鋭的な考え方のようにも思われますが、
ルー・サロメやオードリー・ヘップバーンのケースを読むと、
そういう人もいるんだなとは思いました。
が、根本は「愛着」の問題であり、それが環境の変化で変容してきているからでしょう。





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Last updated  2016.05.14 17:38:04
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