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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2017.03.11
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​ 免色の家から戻って来た秋川笙子とまりえは、
 私の家に立ち寄ることなく、そのままプリウスで帰って行った。
 免色は、今回のことについて私に礼を言う。
 ちょうど扇の要や触媒のような役目を果たしてくれていると。

  「しかし正直なところ触媒というよりは、
   なんだか自分が『トロイの木馬』になったような気がするんです」
  免色は顔を上げて、何かまぶしいものでも見るように私を見た。
  「それはどういう意味でしょうか?」

   贈り物に見せかけて敵方の城の中に運び込まれるようにした、
   例のギリシャの木馬です。
   特定の目的を持って作られた、偽装された容れ物です」(p.128)

免色は、彼の家での二人の様子について、私に話す。
まりえとは、二言三言しか言葉を交わさなかったと。
そして、まりえの父について語り始める。
彼が妻の死後、宗教団体と関わり、それに食い物にされているのだと。

   ***

この節における「私」と免色の会話は、とても面白いものでした。
ジョージ・オートウェルが 『1984』 を執筆したジュラ島のことや、
『1Q84』 を想起させられます。
若くして伝説になることが一種の悪夢だという部分も頷けます。

それでも、一番印象に残ったのは、次の免色の言葉。

  「この世界で何を達成したところで、
   どれだけ事業に成功し資産を築いたところで、

   それを次の誰かに引き渡すための便宜的な、
   過渡的な存在に過ぎないのだと。
   その実用的な機能を別にすれば、
   残りの私はただの土塊のようなものに過ぎないのだと」(p.132)

こちらには、 『犠牲 サクリファイス』
『そんなバカな! 遺伝子と神について』 を想起させられました。





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Last updated  2017.03.11 15:18:38
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