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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2023.07.02
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カテゴリ: 文芸
「この世の喜びよ」 で第168回芥川賞を受賞した井戸川射子さんが、
 第43回野間文芸新人賞を、史上初の選考委員満場一致で受賞した表題作と、
 小説家としてのデビュー作である「膨張」とを合わせて収録したもので、
 紙面に添えられた最後の頁番号が’162’というコンパクトな一冊。

 しかしながら、「この世の喜びよ」と同様、
 読み進めるのには、想像以上にかなりの労力を要しました。

    ***

表題作は、近所を淀川が流れている児童養護施設で暮らす小学5年生の集が、

私は関西弁を聞いたり話したりすることは、普段から当たり前のようにしている状況なので、
そこがネックとなって、読み進めるのが困難ということにはならないはず……

それでも、関西弁を活字として拾い上げ、理解するとなると、
また、違った難しさが生じてしまうからなのかとも考えましたが、
阪神タイガースの岡田監督の囲み取材でのやりとりを、
そのまま活字として掲載した記事を読むのに、苦労したことはただの一度もありません。

そして、アドレスホッパーについて、標準的な日本語で描写した「膨張」を読み始めても、
読み進めるのに要する労力は、ほとんど変わりませんでした。
これは、やはり関西弁がネックになっていたわけではないと悟った私は、
改めて、本書のページを最初から捲り直し、あることに気付いたのです。

井戸川さんの書く文章は、一つ一つはそれ程長いわけではないけれど、改行が極端に少ない。

読み手は、息継ぎのタイミングが上手くつかめないまま、読み続けなければならない。
その結果、息苦しくなり、次第に疲れがたまり、読み進めるペースが遅くなってしまう……

井戸川さんが描き出す世界観は独特のものがあり、読む者に強烈なインパクトを与えます。
だからこそ、数々の賞を受賞し、今注目される作家となっておられるのです。
そして、それを支えている一つの要素として、このような個性的な文体があるのでしょう。





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Last updated  2023.07.02 10:46:48
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