乱読・積んどく・お買い得!?

乱読・積んどく・お買い得!?

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Calendar

Comments

chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2024.05.05
XML
カテゴリ: 文芸

 詠国皇帝の座を巡って殺し合った熾烈な権力闘争・十星奪嫡。
 そこで唯一生き残ったのが、末皇子だった弦耀、皇太子・尭明の父である。
 父は息子に、 鎮魂祭 当日までに『慈粥礼(じしゅくれい)』を行うよう告げる。

 皇太子の妻である雛女たちを、陰の気の強い被災地に赴かせ、炊き出しをさせる。
 それは、皇太子と雛女を引き離すだけでなく、朱 慧月を孤立させることを狙いとするもの。
 朱 慧月の方は隠密・丹に任せ、皇帝は皇后不在の場で黄 玲琳を直接尋問しようとしていた。
 弦耀は、術師を捕まえ「必ず取り返してみせます、兄上」と、笛に語りかけるのだった。


悪路で荷車が落ちて食材の半量を失うも魚を釣って補填し、態度の悪い女官は猛省させ、
襲来した山賊たちも鎮圧して、炊き出しの目処を立てると単身雲梯園へ。
そこでは、玲琳の姿をした慧月が、突然来臨した弦耀から執拗に正体を見極めようとされていた。

しかし、慧月は他家の雛女たちや、景彰、辰宇、冬雪に助けられ、次々に難関をすり抜けていく。
玲琳の姿勢に思いを馳せ、黄家淑妃から生まれた先代第一皇子・護明を貶めることも見事に回避。
そして、その場に駆けつけてきた尭明によって、弦耀の尋問からようやく解放されたのだった。
一方、玲琳は雲梯園に辿り着いたものの、慧月との間でまたしても思いがすれ違ってしまう。

慈粥礼翌日、 烈丹峰再訪後の帰途で突如馬が暴れだし、籠に乗った玲琳と莉莉は崖下に転落。
玲琳が救助を求め夜空に花火を打ち上げると荷持ち筆頭の安基が現れるが、彼こそが隠密だった。
一方、尭明や辰宇、景彰、冬雪らによって玲琳の言動を誤解していたことに気付かされた慧月は、
玲琳の危機を知ると、尭明と共に剛蹄馬に乗って救出に向かう。


慧月が丹に炎で襲い掛かると、景彰、辰宇、尭明、さらには景行も加勢する。
戦闘が続く中、玲琳は丹に交渉をもちかけ、水害の原因となっていた氷河を爆破してみせる。
玲琳は丹を翻意させることに成功し、さらに皇帝への直訴を思い立つ。

しかし、そんな玲琳たちに、弦耀が術師を捜している理由は、
弦耀の異母兄である廃嫡された第一皇子・護明のための復讐のためであり、


   ***

「特別編 砕氷」では、18歳の春から騰丹渓で暮らし始めたアキム(安基、丹)が、
移住して3ヶ月後に、川の氾濫で妻・ファトマや家族、家屋、田畑をすべて失った様子と、
徴税官2人を殺害後、皇帝の殺害をも図ろうと寝所に侵入した際、次期皇帝・弦耀と出会い、
その直属の隠密となって前金家領主を殺害、復讐を果たしていった経緯が描かれています。

さて、今巻の中で私が最も印象に残ったのが、玲琳と芳春の次のやりとり。

  「何を語るかが知性、何を語らずにいるかが品性、と申します」
   まくし立てる芳春を、玲琳は凜とした声で遮った。
   「経典の内容を語れぬ慧月様に知性がないと仰るのなら、
   それを悪し様に喧伝する芳春様の品性は、いかばかりなのでしょうね」
   鏡をお持ちしましょうか? と微笑まれ、芳春はかっと頬を紅潮させてしまった。
   そしてそんな自分に驚いた。

ここで玲琳が述べた姿勢が、慧月の最大の危機を救うことになったわけですが、
とても感銘を受ける一言でした。
取り敢えず、第一皇子・護明と現皇帝・弦耀との関係が明らかになることで、
今後、色々なことが分かってくるのでしょうね。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2024.05.05 19:19:55
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: