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2008年07月20日
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カテゴリ: 政治問題
 経済学の専門家である住信基礎研究所主席研究員の伊藤洋一(いとうよういち)氏は、5日の東京新聞「本音のコラム」で次のように述べている;




 今や途上国でも石油や穀物抜きの生活は考えられない。今の石油や穀物相場の上昇は、世界全体の誰にでも否(いや)応なしに降りかかってくる税金のようなものだ。それが急激に上がり、企業収益や我々の家計を圧迫している。産油国などに売る物がある企業や、その企業を抱える国はまだましだ。例えば日本は自動車も建機も産油国に売れる。それでも一般消費者は苦しむ。

 売る物とてあまりない途上国は悲惨だ。富を吸い取られるだけで取り戻せない。もともと薄い国富は枯渇し、社会と政治の不安に繋(つな)がる。中国、韓国で問題が起きたと思ったら、モンゴルでも大きな騒動が起きた。一つの根っこは貧しい人々の怨嗟(えんさ)だ。物価上昇は彼らの生活を直撃する。怨嗟は世界に燎原(りょうげん)の火の如(ごと)く広がりかねない。生活できなくなる人々が途上国を中心に激増するからだ。

 世界規模の不満爆発に発展する前に、主要国は手を打つべきである。サミットは世界的な会議の場としては広く認知され、地位が高い。その分だけ重い責任がある。少なくとも代替エネルギー開発の促進と穀物の増産が必要だ。日本にもこの両方をできる力がある。


2008年7月5日 東京新聞朝刊 11版S 25ページ「本音のコラム-富の移転」から引用

野生の動物なら経済活動というものが無いから、その年の穀物や木の実が不作のときは越冬できずに死亡して生存数を減らすが、人類の場合は経済活動が可能な社会を形成するので、多少の気候変動による食糧やエネルギーの不足にも対応する能力を備えていると言える。しかし、本来全人類の能力であるはずの食糧やエネルギーの備蓄が偏在したときは、持てる者と持たざる者のあいだに争いが生ずるのもまた自然の成り行きである。その根拠は、人は富者であれ貧者であれ、生きる権利は平等であるという近代人権思想である。






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最終更新日  2008年07月20日 19時21分11秒


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