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日雇い派遣が存在する背景として、臨時的に働きたいという学生や主婦らのニーズがある一方、 正規雇用で働きたくてもその機会に恵まれない人が、生活のためやむを得ず選択している現実 もある。
そうした人たちが、派遣先の現場で「今日は手伝ってもらうが、明日は暇なので来なくていい」と言われるなど、 使い捨てのように扱われている。 事前に知らされないまま危険な仕事をさせられ、事故が起きても派遣先には雇用責任がないので、責任の所在があいまいにされてしまう。派遣会社の手数料の取り分が多く、きつい仕事の割にはわずかな賃金しかもらえない。こうした働き方は、スキルアップには当然つながらず、職場を転々としながら年齢を重ねる生活に陥ってしまう。
コスト優先の経営者にとって、都合よく労働者を使う究極の手段になっており、ワーキングプア(働く貧困層)を生む温床にもなっている。 法令順守の徹底で済む話ではなく、 働き方そのものの問題として政治が責任を持ってメスを入れないといけない。
原則禁止の対象にする日雇い派遣の期間は、月給という一般的な給料の支払い方に照らせば、30日以内の派遣にするのが妥当だろう。ただ、通訳やアナウンサーといった専門的で労働単価が高く、危険を伴わない業務については例外的に認めるべきだ。
日雇い派遣が原則禁止になっても、短期の仕事を望む人はもちろんいる。繁閑の激しい企業のニーズもなくならない。このため「原則禁止は行き過ぎだ」と反対の声もあるが、職業紹介会社やハローワークなどを通して募集し、企業が直接雇用する形に切り替えればいい。派遣労働が広がる前はそのようなやり方でアルバイトを集めており、混乱を招くことはないだろう。
直接雇用になれば、どんな仕事をするのか承知したうえで働ける。雇用責任も明確になりトラブルは減るだろう。私は何よりも、その仕事に興味を持ち、スキルをアップしようとする意欲が働く側にわくことを期待したい。企業にとっても、意欲のある人材なら、仕事を覚えてもらって長期間雇用した方が業績にプラスになるだろう。ワーキングプアの解消へ向けた一歩になってほしいと思う。
派遣労働はこれまで規制緩和が続いていたが、 社会のゆがみを招いてしまった部分があるのは確か で、見直していかないといけない。
ただ、規制強化へとすべてカジを切るべきではない。共産、社民、国民新党の3党は、仕事があるときだけ派遣会社と雇用契約を結ぶ「登録型派遣」について、原則禁止を求めているが、一気に禁止すると現実の雇用形態が崩れてしまい影響が大きい。製造業を中心に景気の落ち込みも予想されており、そうした経済状況をみながら判断していくべきだろう。 (聞き手・深津弘)
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