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尖閣事件で中国が自らの主張する領土・領海や海洋権益を確保する衝動を強め、単独では日本が中国の圧力に抗しきれないことがわかった。
■ベトナム外交に学ぶ
尖闇の実効支配や海洋権益をいかに守るのか。日米安保で米国に尖闇防衛の保証を求めたくなる心情もわかる。しかし、常識で考えよう。 米国が自らに直接かかわりがない東シナ海の無人島のため米国青年の血を流し中国との戦争のリスクを冒すだろうか。
2005年に日米が署名した文書「日米同盟 未来のための変革と再編」は日本が「島嶼(とうしょ)部への侵略」を「自ら防衛する」と明記している。
米国が尖闇への安保適用をリップサービスすることがあっても、それは中国をけん制するとともに日本に対中コストの負担増を求める意図があると考えた方がよい。
ただ、米国を東シナ海問題に本気で取り組ませる方法はある。この点ではベトナム外交に大いに学ぶべきだ。
■米国を本気にさせる
南シナ海では中国は西沙(パラセル)、南沙(スプラトリー)など諸島の領有権を主張。海域の大半を自国の排他的経済水域(EEZ)として両諸島の領有権で対立するベトナムやフィリピン、マレーシア、インドネシアなどの漁船を駆逐し拿捕(だほ)してきた。
ベトナムは今年7月、ハノイで開いた東南アジア諸国連合地域フォーラム(ARF)の議長国として南シナ海の紛争に介入を避けてきた米国を引き込むことに成功した。
クリントン国務長官は領土紛争には中立を維持するとしながら「航海の自由」を守る必要を訴え、武力による威嚇を強く戒めた。背景には昨年3月、米海軍の調査船が南シナ海で中国の情報収集艦など5隻に取り囲まれ航行を妨害された事件がある。
トラブルの場所を米国は公海上としたが、中国は自国のEEZで米艦は許可なく活動したと主張した。発足直後のオバマ政権は対中関係改善を優先し深入りを避けた。
しかし、中国は、その後も米国の海洋調査への嫌がらせを続けたため、米国はついに「航海の自由」を掲げ、東南アジア諸国と連携して中国をけん制する道を選んだ。
東シナ海でも中国は自国の主張するEEZで、海上保安庁巡視船の海洋調査を妨害する事件を起こしている。南シナ海と同じく「航海の自由」を侵し、資源を運ぶシーレーンを脅かしかねない行動で米国も神経をとがらせている。
■中国に協調姿勢促す
日本は米国や周辺国に尖閣問題への理解を求めるだけでは不十分だ。「航海の自由」を掲げそれを侵す行動に反対する連帯を求めるべきだ。
中国も「航海の自由」には真っ向から反対はできず、協調姿勢への転換を促すきっかにもなろう。これまでは中国に対する米国や周辺国との連携を語った。次回は中国自身への働きかけについて書いてみたい。 (論説主幹)
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