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いわゆる従軍慰安婦問題について、官憲による誘拐の証言は虚言だった。しかし、人身の自由を失った状態で多くの女性が日本軍人のために売春をさせられていたことは事実である。 虚言をそのまま報じた朝日の報道を批判しても、慰安婦の存在を消すことはできない。 今日、国際社会で批判を集めているのは、誘拐・略取による慰安婦調達ではなく、慰安婦の存在自体である。
福島第一原発事故の際の現地社員の行動について、他紙が吉田昌郎元所長の証言の内容をつかみ、現地従業員が所長の命令に反して逃げたというのは事実ではないことがほぼ明らかとなった。朝日の誤報に関心を奪われると、「東日本壊滅」の寸前まで行った原発事故の本質を見失う。
いずれの事例でも、朝日を批判する論者とメディアは、意図的に国民に木だけを見せ、森を見ないように誘導しているのである。 日本をおとしめているのは、事実を隠蔽(いんペい)し責任を逃れた軍の指導者であり、危険な原発をつくってきた官僚、電力会社である。 真の責任者を見失ってはならない。 (法政大教授)
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