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サンフランシスコ市議会では中国系米国人らが提案した「慰安婦」像設置支持の決議を2015年9月に採択。当時の橋下徹大阪市長と後任の吉村市長が、「慰安婦」像を性奴隷とする「歴史認識」などに書簡で抗議していた。今年9月22日にフィリピン、中国、韓国の3人の女性が手を取り合い碑文に「数十万人の女性や少女が性奴隷にされた」とあるブロンズ立像の除幕式が行なわれた。
吉村市長は「『日本軍が強制連行し、数十万人の女性を性奴隷にし、そのほとんどが捕虜のうちに亡くなった』というのは一方的な主張だ。確実に歴史的事実でないものは日本バッシングになる。違うものは違うと明確に意思表示すべきだ」とし、9月25日にW・F・ハガティ駐日米大使と会談し公共の場に「設置されるなら姉妹都市を根本から見直さざるをえない」と伝えたが前進はなかった。
サンフランシスコ市市議会は11月に全会一致で寄贈受け入れを決議し、E・M・リー市長は吉村大阪市長が要請していた拒否権を行使せず承認した。吉村市長は11月24日、「自動執行を待たずに積極的に承認するのは積極的に『慰安婦』像を世界に見せたいということだろう」とした。
姉妹都市締結は1957年。これまで両市の市長や職員らの相互訪問や、着付け教室など日本文化紹介、サンフランシスコ市名物のケーブルカーの修復、高校生の交換留学など友好を深めてきた。
大阪市は「サンフランシスコ市は大阪市初の姉妹都市で全国有数の友好の歴史がある。(解消は)残念です」(経済戦略局立地交流推進部)と愕然とする。
◆解消は市長の専決事項か
最近では鳥取県境港市が北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核実験強行を理由に06年に元山(ウォンサン)市との友好都市を解消した例があるが、そもそも姉妹都市の締結や解消を市長の一存で決めることができるのか。同推進部によると、 市長の専決事項ではないが地方自治法では議会での決議が必要とはされていない。 条例で議決を定めている自治体もあるが大阪市にはなく慣例的に市長が締結や解消の意向を市議会の各派幹事長会に諮(はか)ってきた。今回、自民・市民クラブと公明両党の両市議団は11月22日、両幹事長名で吉村市長に、「慰安婦像」や碑文の設置、「慰安婦の日」制定には反対とした上で、「本来は日米間の問題ではなく日本と中国・韓国の問題」「60年の歴史を重く受け止め姉妹都市解消ではなく交流を進め対話を通した解決を」などの趣旨を申し入れた。公明党の土岐恭生(ときやすお)幹事長は「 自治体交流に国の政治を持ち込むのはどうか。こういう時こそ、姉妹都市交流が生きるのでは。 議会としても、正式に市長が伝える前に、アクションを起こしたい」と話す。
姉妹都市の解消で今後、両市長や両市議会代表団の訪問などの交流はなくなる。同市長は民間交流について「補助金は支出しない」と突き放した。
高校生アンバサダー(親善大使)のホームステイなどの民間交流を進めてきた「大阪・サンフランシスコユースコネクト」の久保井亮一代表(71歳)は「子どもたちが交流していれば将来、きっと解決できるはず。市長がばあっと決めてしまうと市の教育委員会も萎縮し、高校がアンバサダーの生徒さんを出してくれなくなる。そういう精神面が大きい」と憂える。
大阪市との姉妹都市締結はサンフランシスコ講和条約(1951年)からまだ6年目のことだ。吉村市長の眼中には、 戦争の恩讐を超えて築いた日米友好の歴史 は存在しないのだろうか?
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あわのまさお・ジヤーナリスト。
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