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生意気盛りの若者のころ、自由を主張して大人社会を批判したときに、自由には責任が伴うとか、一定ルールの中で自由は存在するという説教を何度か聞かされたことがあった。そういう説教をするのは保守的な大人であった。例の評論家は真正保守を自称しているが、 無責任に偏見をまき散らすことを自由と思い込むのは、保守ではない。
立場や思想は違っても、人間の尊厳を守らなければならない、うそ偽りを述べて他人を攻撃してはならないというルールは、言論の自由の大前提である。 人間の尊厳を否定する極論を、いろんな意見があると許容することは、結局社会を破壊し、自由を崩壊させることにつながる。
この騒動の源は、杉田水脈衆院議員がLGBTへの差別を公言したことである。自民党総裁選の際のテレビ討論でこの件についての感想を問われた安倍首相は、自民党には多様な意見があると述べ、杉田発言を許容した。 親分が言論の自由を理解していないのだから、その取り巻きにいる幇間連中が調子に乗って放言を繰り返すのも必然 である。これは日本社会の危機である。
(法政大教授)
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