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「解散権者」とされる安倍晋三首相は「私自身、頭の片隅にもない」と否定するが、甘利明自民党選対委員長が「可能性はかなり低いと思うが、ゼロではない」と述べるなど、首相に近い同党議員から同日選論が相次ぐ。
同じ与党でも、同日選を回避したい公明党の山口那津男代表が「リスクにさらし、日本を危機に陥れることもないとは限らない」と強くけん制するのも、ある程度、現実味を感じ取っているからだろう。
自民党政権は過去2回、同日選に踏み切った。1980年の大平正芳、86年の中曽根康弘両首相で、いずれも自民党圧勝だった。
3年に一度、半数が改選される参院選のたびに、衆参同日選が取り沙汰されるのも、過去2回の成功体験があるからに違いない。
内閣の判断で衆院を解散する「憲法7条解散」は慣例化 しているとはいえ、行政府の長である首相が、参院選に勝つために衆院議員の地位を奪うとしたら乱暴極まりない。
衆院解散は内閣の不信任以外、国論を二分する争点が浮上し、国民に信を問う必要がある場合に限るべきだ。 その必然性に乏しい問題を無理やり争点化し、解散を正当化する2017年の「国難突破解散」のような振る舞いも避けるべきは当然である。
(豊田洋一)
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