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従来の中国外交でまず思い浮かぶのは「韜光養晦(とうこうようかい)」だろう。当時の最高実力者の鄧小平(とうしょうへい)によって改革開放が進められていた1990年代に示された外交方針で、鋭気や才能を隠して時を待つという意味だ。国内の経済を発展させるために安定した国外環境が必要だとしてイデオロギーより利益を重視した姿勢で、自国の領土や主権に関わらない国際情勢に対して関心を示すことはほとんどなかった。
だが急激な経済発展とともに中国の利害関係も拡大すると、国際情勢への関与を強めていく。 2009年には外交方針を「韜光養晦」を堅持しつつも「積極的になすべきをなす(有所作為)」を掲げ、自国の利益を重視する姿勢に軌道修正。 15年には南スーダンに初めて国連平和維持活動(PKO)の要員を派遣し、同時期に 中国から欧州やアフリカ東部などを結んだ経済圏構想「一帯一路」を打ち出し、 各地で経済プロジェクトを進めていった。
政治外交面でも国際情勢に関与する姿勢が強まったことについて、民間シンクタンクの「安邦(アンバウンド)」の賀軍(がぐん)高級研究員は、 米国主導による外交、経済面の包囲網に対する「反撃」 であり、サウジとイランの外交関係正常化の仲介は「(米国との)新たな政治的駆け引きの場として中東を選んだ」と指摘する。今後は「東南アジアやアフリカ、南米などでも同様の動きがあるだろう」と予測した上で、中国外交は「もはや韜光養晦ではなくなった」と言い切る。
一方で賀氏は「内政不干渉」や「政治的解決」の伝統的な方針は変わっておらず、ウクライナ情勢でも中国が軍事的に国際紛争に関わる可能性は低いとみる。中国はイラク戦争やアフガン侵攻などを例に米国の軍事行動を批判してきただけに、同じ行動を取れば自家撞着(どうちゃく)のそしりは免れないからだ。ただ言うまでもなく、「核心的利益」と位置付ける台湾問題などはこの理屈に当てはまらない。
いずれにしても、米国が来年の大統領選に向けて国内情勢に追われるのは必至で、その隙を突くように国際社会で中国の存在感が高まっていくのは間違いない。
(中国総局)
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