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(坂田奈央)
――首相は自身を処分しなかった。
「おかしいと思う。裏金事件は安倍派と二階派だけの問題だと、人ごとみたいになってしまっている。岸田派も不記載のお金が3千万円以上あった。さらに元会計責任者は立件された。『事務的なミス』で3千万円とは、ちょっと常識的には考えられない」
――岸田派会長だった立場としての責任もあると。
「あると思う。 例えば短期間でもいいから総裁を辞めると言うべきだった。 党の役職は停止しても、首相を続けることは可能だから。 トップは何かあった時に責任を取るためにいる。潔さとか覚悟が感じられないのは残念だ 」
――他の議員への処分内容をどう見るか。
「離党勧告や党員資格停止は、その間に選挙があれば『実害』があるのだろうが、それ以外はほぼ影響がなく、実質的な処分になっていない。そもそも肝心の真相が究明されていない。裏金が何に使われていたのかが一番肝だ」
――選挙の年に裏金の額が多かった。
「地方議員も含めて自民党という組織の、特に選挙時の対処が関わる話ではないか。普通の選挙はすべて表の金でやれるはず。それができないことをやるから、ああいう格好(還流)でやったんじゃないか」
――政治への信頼を回復するためにやるべきことは。
「政治改革だ。だが私に言わせれば政治資金規正法すら守っていないだけの話。だから罰則の強化を考えた方がいい。法律に限らず大臣規範も守っていない。岸田さんは首相になってから(2022年に)パーティーを7回もやって1億何千万円も集めた。『勉強会だ』と言うが、詭弁(きべん)だ。自分たちがルールを守らないのに、国民がついてくるはずがない」
――首相は「国民、党員が判断する」という言い方をしている。
「選挙で判断してもらうという意味だとしか考えられない。他に国民に判断する材料はないのだから」
<みつや・のりお> 1950年、三重県伊勢市生まれ。東大教養学部卒業後、75年に旧運輸省(現国土交通省)入省。 2003年衆院選に自民党の藤波孝生元官房長官の地盤を継いで旧三重5区(現在は三重4区)から出馬し初当選。 21年まで6期務めた。2期目から、岸田文雄首相が最後の会長を務めた「宏池会」に所属。財務政務官、外務副大臣、自民党政調会長代理などを歴任。
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