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マスメディア、新聞や放送に求められてきた選挙報道は、候補者の主張を伝え、争点を明示し、有権者の選択に役立てることでした。 そのために、新聞は各候補の政策をならべて論じたり、テレビは候補者同士の直接対決による討論会を開催してきました。
今回も新聞、テレビは、「少子化対策」「子育て支援」「非正規の格差解消」「神宮外苑再開発」など、各候補者の政策を紹介しました。
しかし、何を争点として掘り下げて提示するかが、ジャーナリズムの生命のはずです。都政の具体的問題である
「8年間で世帯14万円増の国保料」
「水道料金徴収民営化」、
「都立病院独立行政法人化」によるベッド減、
2年で48億円をつぎこむ都庁舎の「プロジェクションマッピング」、
前回選挙から続く小池知事の「カイロ大学卒業」の経歴詐称疑惑
などは、大手メディアはほとんど選挙の争点として明示しませんでした。それで「責任ある選挙報道」と言えるのでしょうか。
他方、『週刊新潮』『週刊文春』(ともに7月11日号)が「『東京都』と『三井不動産』癒着の伏魔殿」(新潮)、「『残業ゼロ』は嘘だった」「電通子会社が事件〔五輪談合〕後も続々受注」(文春)と特集。「神宮外苑」問題は「東京」が連続してとりあげ、「しんぶん赤旗」は三井不動産への都からの「天下り」(6月16日付)を追及しました。
大問題なのは、各候補によるテレビ公開討論会が、告示後ネット討論会以外、一度も開かれなかったことです。 蓮舫氏は「現職が欠席を続けて、(討論会が)成立しなかったのはフェアではない」(7日のYouTube番組)と話しています。 公開討論を拒否し政策や争点を明らかにさせないのは、選挙報道以前の問題です。 憲法上の国民の知る権利、選挙権、地方自治を踏まえた選挙報道を確立することは急務です。
(まるやま・しげたけ=ジャーナリズム研究者)
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