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2024年07月30日
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テーマ: ニュース(100303)
カテゴリ: ニュース
今月上旬に実施された東京都知事選挙では、有権者の「知る権利」を支援する役目を持つメディアが「己の保身」を優先して、有権者への情報提供&問題点のクローズアップを放棄したため、現職が圧倒的強さを発揮し、地方都市でろくな行政手腕も発揮できないどころか、ポスター印刷代を踏み倒して裁判所から有罪判決をくらった候補に160万票も獲得させるという結果をもたらしました。そのような選挙報道について、ジャーナリズム研修者の丸山重威氏は14日の「しんぶん赤旗」コラムに、次のように書いています;


マスメディア、新聞や放送に求められてきた選挙報道は、候補者の主張を伝え、争点を明示し、有権者の選択に役立てることでした。 そのために、新聞は各候補の政策をならべて論じたり、テレビは候補者同士の直接対決による討論会を開催してきました。

 今回も新聞、テレビは、「少子化対策」「子育て支援」「非正規の格差解消」「神宮外苑再開発」など、各候補者の政策を紹介しました。

 しかし、何を争点として掘り下げて提示するかが、ジャーナリズムの生命のはずです。都政の具体的問題である

「8年間で世帯14万円増の国保料」
「水道料金徴収民営化」、
「都立病院独立行政法人化」によるベッド減、
2年で48億円をつぎこむ都庁舎の「プロジェクションマッピング」、
前回選挙から続く小池知事の「カイロ大学卒業」の経歴詐称疑惑

などは、大手メディアはほとんど選挙の争点として明示しませんでした。それで「責任ある選挙報道」と言えるのでしょうか。

 他方、『週刊新潮』『週刊文春』(ともに7月11日号)が「『東京都』と『三井不動産』癒着の伏魔殿」(新潮)、「『残業ゼロ』は嘘だった」「電通子会社が事件〔五輪談合〕後も続々受注」(文春)と特集。「神宮外苑」問題は「東京」が連続してとりあげ、「しんぶん赤旗」は三井不動産への都からの「天下り」(6月16日付)を追及しました。

大問題なのは、各候補によるテレビ公開討論会が、告示後ネット討論会以外、一度も開かれなかったことです。 蓮舫氏は「現職が欠席を続けて、(討論会が)成立しなかったのはフェアではない」(7日のYouTube番組)と話しています。 公開討論を拒否し政策や争点を明らかにさせないのは、選挙報道以前の問題です。 憲法上の国民の知る権利、選挙権、地方自治を踏まえた選挙報道を確立することは急務です。
(まるやま・しげたけ=ジャーナリズム研究者)


2024年7月14日 「しんぶん赤旗」 日曜版 31ページ 「メディアをよむ-争点示さぬ知事選報道」から引用

 小池都政の8年間で、都民の国民健康保険料は14万円の負担増となり、都立病院は野党や都民の反対の声を無視して強行しベッド数が減少する結果となり、取引禁止になったはずの電通に対して巨額の「プロジェクトマッピング」を発注するなど、数々の「問題点」はどれも、現職の小池氏にとっては致命傷となる「大問題」であったにも関わらず、メディアは敢えて「傍観」する態度に出て、下手に騒ぎの種を巻いて「返り血を浴びる事態」を避けた、ということだと思います。つまり、電通との不正な取引や三井不動産との不適切な関係などを問題として取り上げた日には、これら大企業の広告をストップされて経済的なダメージを被る危険があるというわけで、メディアは恥も外聞もなく「職業倫理」をかなぐり捨てて実利をとったということです。メディアがこのように堕落すると、その後にくる「世の中」はろくなものではないということは、日本人は一度経験しているにも関わらず、またぞろ繰り返そうとしている。つくづく情けない民族だと思います。





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最終更新日  2024年07月30日 01時00分10秒


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