フリーページ
投票率は56・26%。2005年小泉純一郎元首相の「郵政選挙」が67・51%。09年に自民党から民主党へ政権交代が起きた時の69・28%に比べてもかなり低い。
不人気だった岸田文雄、石破茂両元首相の衆院選(21年、24年)と同水準だ。高市氏支持が多いはずの18、19歳の投票率は、43%とさらに低い(抽出調査)。無党派層が大挙して投票に行くほどの熱狂は起きなかったわけだ。
確かに選挙戦後半、高市氏の街頭での集客力はすごかった。自民党の比例代表得票数2102万票は、「郵政選挙」の2588万票に次ぐ高水準で、得票率も歴代2位の36・7%だった。
元自民党事務局長で選挙実務を30年以上担った久米晃氏の解説。「世論調査で無党派層が最大勢力と言っても、半分は投票へ行かない。大半の選挙は無党派層が動いて決まるのではない。元々の自民党支持者が逃げたら自民党が負け、自民党に入れる時は無党派層も上乗せされて勝つ。今回は離れていた自民党支持者が戻った」
小選挙区(定数289)で自民党候補が獲得した絶対得票率は26・9%だが、獲得した議席数は86・2%(249議席)と、3倍以上に膨れ上がった。
他方、中道改革連合は絶対得票率11・8%で、獲得議席は2・4%(7議席)。風が吹くと勝敗の差が極端に振れる小選挙区制の欠点が最大限に表れた。 比例代表の議席を加味しても、民意と議席数の間には相当ずれがある。
にもかかわらず、直後の9、10日に共同通信が行った世論調査で、選挙結果に「民意が反映された」と思う人は「ある程度」を含めて64・9%。結果を「よかった」と思う人が56・3%。現状を肯定する空気が優勢だ。自民党の裏金議員公認を60・2%が「不適切」と考えているのに。
つまり、世論は既成事実を追認する。衆院選は憲法改正が争点ではなかったが、議席3分の2超の既成事実を得て、高市氏は「改憲に挑戦」すると言い出した。
尻上がりの高市人気は、自民党が数億円を投じたとされる動画の再生回数と同期していた。 改憲の国民投票はネット広告やSNS規制が手つかずだ。世論調査では68・2%が「衆院選でSNSなどを重視しなかった」と答えた。自覚がないらしい。
(専門編集委員)
中道の迷走(15日の日記) 2026年05月15日
現代に「刺さる」ルソーの言葉(13日の日… 2026年05月13日
差別・排外主義に警鐘 川崎でシンポ(12… 2026年05月12日
PR
キーワードサーチ
コメント新着