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今月4日、ミシガン州の民主党上院予備選で41歳の医師、アブドゥル・エルサイドが勝利した。両親はエジプトからの移民で、左派のバーニー・サンダース上院議員やアレクサンドリア・オカシオコルテス(AOC)下院議員などが応援に駆け付け、民主党の重鎮らが推し親イスラエル・ロビー等から集めた多額の資金を投入した候補を僅差で破った。
昨年秋のニューヨーク市長選で自称民主社会主義者のゾーラン・マムダニが当選したのに続き、急進派の候補がミシガンというパープル州(共和党と民主党が競っている州)の上院議員候補に選出された現実をどう受け止めるべきかー。米国で論争の的になっているが、主な論評は四つほどに分類できそうだ。
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一つ目は「民主党左派の新しい全国モデル論」。エルサイドが訴えた「普通のアメリカ人の生活を、企業・億万長者・外国への軍事支出を優先するアメリカファーストから奪い返そう」との主張を評価。トランピズムに対抗するサンダース議員の意見に近い。
二つ目は「党のエスタブリッシュメントへの反乱・世代交代論」だ。対立候補が過去の実績を表看板に戦ったのに対し、エルサイドは「今の仕組みが壊れている」と強調した点に着目し、「現状肯定」対「システム変更」という対立を明確にした点を評価する。
三つ目は「党内権力戦で左派は本当に強くなった論」。政策的にはエルサイドに批判的な一方、「穏健派がトランプを倒すことばかり考えている間に、左派は民主党そのものを奪うための組織づくりを進めた」と、左派が穏健派より戦略的に上手との見方。
四つ目は「民主党は危険な賭けをした論」だ。「予備選では左、だが本戦では中央」という民主党の伝統的な投票行動を見越し、共和党は本戦に向けてエルサイドは「ミシガンには過激すぎる」との広告を大量に流す、結果として民主党は票を失う-。予備選では、理念的に純粋な候補ではなくトランプ州(2024年の大統領選でトランプが勝利した州)で勝てる現実的な候補を選ぶべきだったとの見方も散見される。
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1990年代以降、民主党は社会的に多様化した支持基盤を持ちながらも指導部や組織が都市化・エリート化し、労働者階級との結びつきを弱めてきた。結果として、「誰を代表し、何を実現するために政権を取る党なのか」が見えにくくなっている。AOCやマムダニ、エルサイドのような若い政治家・候補者が台頭、する中、住宅や医療、物価や賃金など生活問題を訴え、大型献金に依存しない選挙を展開する組織に生まれ変わるのか。
米国では成人の4割を超える人々、特にミレニアル・Z世代を中心に自らを政治的無党派と認識する人が政治の最大層になっている。もはや無党派化か構造的なものになっているとき、民主党は「反トランプ」以外に何をどう訴えていくのか。中間選挙に向けた党内論争、そして有権者の判断に注目したい。
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