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ちょっと遠くの街へ出張。ボックスシートの車窓から、初夏の海をのぞむ。昔から、電車が好きだ。旅をしても、目的地に着いた後のことより、行く道で乗った電車のことばかり強烈に覚えていたりする。午後の日差しにうとうとしてふと目を覚ましたら、どこか別の世界、別の自分にたどり着ける気がして。
2003.07.31
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丸谷才一「輝く日の宮」を読んだ。ストーリーを楽しむというより、章ごとに変わる文体の華麗さや、バウムクーヘンのように細やかに積み上げられた知識、それから小説家の「文学的想像力」を味わう、ちょっとインテリっぽい本。わかっていながら惹きつけられてしまう、読むのをやめられないのは、作家が日本語のうつくしさを知り抜いているから。それにしても高校時代、午後の気だるい光が差し込む図書室の片隅で、うっすらほこりの積もった源氏物語のページを繰った青春の日々を思って、少し胸が痛んだ。漠然と甘酸っぱい希望を抱いて、それだけを糧に生きていたあのころのわたし。5年後の自分が、港のある遠い街で、まさか本当にこんな仕事をするなんてね。夢には終着駅なんてなくて、地平線までのびる線路みたいに、ただつづいていくものなんだろう。…どこかにそんな歌があったな。
2003.07.25
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疲れた夜には、1本のろうそくと1冊の本。鴻上尚史の『トランス』を何気なく手にとる。高校生のとき読んだのと、まるでちがった印象だったので驚く。どんなふうにちがったのかはうまく説明できないけれど。思い入れがあるかないかは別にして、何年かに一度読み返したくなる本というのは確かにある。そしてそれらの印象的な物語たちは、紐解くわたしの心をうつして、読むたびにちがった表情を持つ。わたしはどこから来て、どこへゆくのか。
2003.07.18
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自分の本をつくった女性に会う。言葉を大切に、丁寧に紡ぐひと。こういう文章に出会うと、心のひび割れに水がしみて、気持ちに潤いが戻ってくるような思いがする。彼女は耳が聞こえないけれど、だからこそ、文章に純粋な静寂を保っている。その静けさが、多くの人を惹きつける。わたしの言葉は、行間は、騒音に満ちていないか。
2003.07.14
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雨の午後は美術館に限る。今日はクリムトをみた。芸術のむずかしいことはしらないが、このひと、本当に女のひとが好きだったんだな、と思ってなんだか微笑ましかった。雨。
2003.07.03
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…を読んでいる。「仕事」をするため見知らぬ街にやってきたのに、「仕事」の周辺をぐるぐるさまようばかりで、自分が思う「仕事」にたどり着けない男の物語。近代の職業とは、得てしてそんなものなのかもしれない。
2003.07.02
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マリンブルーのシャツを着てみる月曜日。
2003.06.30
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「自動起床装置」を読む。辺見庸の人間観は、わたしにはリアルすぎて、いつもすこし持て余してしまうのだが。この小説は、「眠り」のおとぎ話性がスパイスになって、全体に繊細な印象。
2003.06.19
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森絵都「永遠の出口」を読む。子どものころ、毎日つけていた日記を読み返すような、懐かしく切ない、甘酸っぱいきぶん。10年後の自分がこんな毎日を選ぶなんて、あのころは思いもよらなかったな。同じ作者の手による「宇宙のみなしご」もおすすめ。
2003.06.17
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髪をきる。夏物のスーツを買う。洗濯したシャツにさっとアイロンを当てる。ひさしぶりに本屋へ行き、森絵都「永遠の出口」を買う。平積みの棚に「少年カフカ」を見つけて、思わずそれも手にとる。村上春樹「海辺のカフカ」をめぐる作家と読者の文通を本にしたもの。ほんとうに大好きなホームページだった。インターネットは便利だけれど、手元に置いて大切にとっておくには、やっぱり本のかたちが適している。本を買うだけのすき間が、やっと心にできた。
2003.06.15
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ひとり暮らしを始めて最初に、料理らしい料理をつくる。時間にも、気持ちにも余裕がなかったんだと、卵をときながらしみじみおもう。たまごとねぎ、かりかりに炒めたあぶらあげのチャーハンと、しめじとひき肉のあんをかけたほうれん草。ささやかでも、自分でつくるごはんは食卓を明るくする。
2003.06.14
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あまりにもくたびれたのでちょっと息抜き。もともと銀行だったという天井の高いカフェで、ゆっくりお昼を食べる。トマト味のリゾットとフルーツヨーグルト。夜は小さな食堂に入り、はちみつレモンをのんで、炊きたてごはんに鶏そぼろときざみのりとふわふわのいり卵とオクラをかけた丼をいただく。おいしくて涙が出そうだった。癒やされるひとりごはん、が今月のテーマ。
2003.06.13
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いよいよ新しい街へ。電車がホームに滑り込む瞬間、胸にこみ上げるものがあった。今日からここが、わたしの街になる。心なしか、人の流れがゆっくりに感じられる。人びとの話す言葉がやさしい。潮風と、坂と、港のある街。会社に挨拶をした後、不動産屋の車で家の下見。家賃は高めだが、ものすごく気に入ったマンションに出会ってしまい、悩んだ挙句その部屋に決める。夜は、会社の人に連れられて、静かな雰囲気の洋食屋さんへ。これから始まる仕事に対しては覚悟を決めなくちゃならないけど、この街は本当に好きになれそうなので、今から楽しみで仕方がない。1年や2年で引っ越してしまうのはもったいないなあ。
2003.05.09
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アフタヌーンティーでフルーツティーをのみ、Bunkamuraで「北京バイオリン」をみる。ストーリーはともかく、音色のうつくしさに泣けた。もう3年以上触っていないけれど、新しい家にも連れて行こうかな、わたしのバイオリン。
2003.05.07
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