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ギリシャ神話を下地にした戯曲を原作に”現代のシンデレラ”を描き上げたミュージカル映画の金字塔!! その1:”20世紀ミュージカルの最高傑作”と評された大ヒット舞台劇の映画化ワーナー・ブラザースが「マイ・フェア・レディ」の映画化権を買い取ったのは1962年、価格は何と550万ドル(当時の約20億円)という空前の金額だった。もっとも注目が集まったのは、みすぼらしい花売り娘から華麗なレディへ変貌を遂げるイライザ役を射止めるのは誰かということだった。最有力候補はブロードウエイの舞台でイライザ役を好演していたジュリー・アンドリュース。ところが白羽の矢が立ったのはオードリー・ヘップバーンだった。知らせを受けた彼女は歓声を上げて家中飛び回ったそうだ。その2:衣装は全1086種、費用は50万ドル「全部着て練り歩きたいくらいだわ」とヘップバーンを感嘆させた豪華な衣装。デザインしたのはイギリス王室の宮廷写真家でもあった衣装デザイナー、セシル・ビートンである。20世紀初頭エドワード朝時代のファッションはエレガントで、高い襟に細いウエスト、膝や膝下をすぼめた「ホブル・スカート」が特徴だった。社交界の華やかさを再現するためにビートンはサテンや金糸、ダチョウの羽など高級素材を使用したという。ヘップバーンは撮影の合間に衣裳部屋に潜り込み、試着しては楽しんだそうだ。その3:みすぼらしいアヒルから白鳥に変身「おまえは腐れキャベツだ。だが私なら王女に仕立てられる」ヒギンスの言葉にピッカリング大佐が答える。「面白い。この娘を大使館の舞踏会に出す? 出来たら世界一の教授だ!」”下品な”娘が優雅なレディに生まれ変わり、自我に目覚めていく過程を演じ分けたヘップバーンの演技力は実に見事と言うほかない。その4:発音をマスター出来たイライザが喜びを歌う「踊り明かそう」を熱唱するシーンはこの映画の白眉だ。 夜明けまで 踊り明かしたい それでも踊り足りないわ 夜空に翼を広げ 見果てぬ夢をかなえてみたい なぜかはわからないけど胸がときめくの・・・ヘップバーンの懸命の努力も報われず、歌はほとんど吹き替えられた。吹き替えは陰の大女優マーニ・ニクソンという。「王様と私」のデボラ・カーや「ウエスト・サイド物語」のナタリー・ウッドの歌声も吹き替えた人だ。撮影前からボイストレーニングで訓練し、撮影では全てのパートを歌い上げたオードリーだったが、ひどく打ちのめされたと言う。その5:巧みなエンディングとはどんな作品でもそうだが、エンディングが巧みだと席を立ちたくないものだ。「僕のスリッパはどこ?」戻ってきたイライザにヒギンズは訊ねる。ヒギンズの照れを巧みに表現した名ラストシーンといえるだろう。「レディと花売り娘の違い、それはどう振舞うかではなくどう扱われるかです」このセリフが、この映画の本質を突いているのではないだろうか。1964年 アメリカ・カラー 監督 ジョージ・キューカー 出演 オードリー・ヘップバーン レックス・ハリソン スタンリー・ホロウェイ ウィルフリッド・ハイド・ホワイト ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.29
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フレッド・アステアがシド・チャリシらと組んだ、楽しさ満点のミュージカル。落ち目のスターが友人の脚本家夫妻と組んで、舞台でのヒットを目指して大奮闘。数多いミュージカル映画の中でも一級品の作品だ。その1:アステアとチャリシのダンスシーンは、まさに芸術品といえる素晴らしいダンスナンバーの中でも筆頭に挙げたいのが、公園での踊りであろう。まさに”至芸”である。散歩している二人がごく自然に舞い踊る。この場面だけでも出来るものなら動画のまま切り取って部屋に飾っておきたい位だ。エレガントな二人のダンスはもう最高!!その2:シド・チャリシの素晴らしさの秘密は???一度見たら忘れられないチャリシの踊り、その秘密はバレエ・シーンにあった。この映画の冒頭でトウシューズを穿いてたっぷり見せてくれる古典バレエのダンス。プリマを見事にこなしている。やはりバレエの基礎を身体に染み込ませていたからであろうか。その3:54歳にして このエクセレントな踊り!?本作の撮影時、アステアは54歳だったそうだ。軽妙洒脱な演技と粋なダンスを披露してくれるのが何とも嬉しい。エンディング近くのギャングとの戦いの舞台はこれも見ものの一つである。この場面のチャリシがまた素晴らしい。その4:ミュージカルの揺籃期からスターだったアステアアステアとジーン・ケリーがいればこそミュージカル映画はアメリカで絢爛たる花が開いた。アステアはジンジャー・ロジャースと組んでダンスの妙を見せてくれた。ケリーは一人で”雨に唄えば”の雨中の踊りで見るものを唸らせた。まさにこれぞ『ザッツ・エンターテインメント』と言えるだろうか。その5:意外に少ないチャリシとのコンビアステアとのコンビ作品となるとこの作品以外に「絹の靴下」だけである。もっといろいろ二人の妙技を見せてもらいたかったと思う。これはミュージカルファンには絶対に見逃して欲しくない作品の一本であろう。1953年 アメリカ・カラー 監督 ヴィンセント・ミネリ 出演 フレッド・アステア シド・チャリシー オスカー・レヴァント ジャック・ブキャナン ジェームズ・ミッチェル ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.27
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本妻と9人の愛人が企んだ殺人とは・・・。浮気者の”あなた”は狙われている。浮気には気をつけたほうがいいよ、男性諸君!!十人とはちょっとオーバーだが、有り得ない話ではない。時間に追われ続けるテレビ・プロデューサーを主人公に持ってきたのは納得させやすい。その1:不気味な出だしの場面は秀逸だモノクロ画面の暗と明を際立たせ、女たちが集まってくるシーンは見事である。さすが 市川崑だけのことはある。少しばかり見えにくいのは残念だが、黒服の衣装だから致し方ないだろう。その2:男の名前は"風”、女の間をさまよい歩く風なのか・・・ここと思えば又あちら、思いのままに風(船越英二)は往く。映画のプロデューサーにも”風"らしき男がいたのを思い出した。そして、その風だが、奇妙なほど女にもてるのだ。風を巡って取っ組み合いをする愛人まで現れる始末。本妻の双葉(山本富士子)のところへ帰ってくるのはまれなのだ。その3:女たちは本妻の双葉中心に筆頭愛人の市子(岸恵子)、三輪子(宮城まり子)、塩(中村玉緒)ら9人と謀議双葉は寂しさをレストラン経営で紛らわせていたが、売り出し中の女優市子も行き詰まりを感じていた。女たちは風のことが気になるあまり二言目には「風がポックリ死ねばよい」「風を誰か殺してくれないかしら」と言うのだ。女たちは風の殺し方を相談する。いろんな案が飛び出してくる。ところが実行犯を誰にするかになると大もめに揉める。そして・・・その4:殺害計画を嗅ぎつけた風は不安のあまり・・・十人の女が自分を謀殺しようとしていると思い込む。根は気の弱い男なのだ。どうして自分が殺されようとしているのか彼にはわけがわからない。思い悩んだ彼の相談相手は、妻の双葉だった。「何で俺は殺されなきゃなんないの? 俺ってそんなに悪いことをした?」「可哀想な人」双葉は答える。その5:そして、計画は決行に移された女たちの前に風は呼び出された。双葉の手の拳銃が火を吹く。ばったりと倒れる風。胸の血が赤く染まる。果たして風は死んだのか・・・。女の怨念の恐ろしさ、はたまた愛らしさ、男と女の性の違いを見事に浮き彫りにした作品である。山本富士子、岸恵子が好演している。船越英二も主人公の風を飄々と楽しんで演じているようだ。一見の価値アリ。1961年 大映・モノクロ 監督: 市川崑 出演 岸恵子 山本富士子 宮城まり子 中村玉緒 岸田今日子 紺野ユカ 倉田マユミ 森山加代子 船越英二 永井智雄 ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ 浮気の証拠はこれで発見!?
2007.09.25
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007シリーズの第2弾、「ロシアより愛をこめて」はシリーズ中でも高い評価を受けている作品だ。若々しいショーン・コネリーの魅力をふんだんに味わえるのは有難い。その1:ケネディ大統領もボンドの大ファン。「ロシアより愛をこめて」は愛読書のひとつだったそうだ。ソ連の暗号解読機を渡すことを条件にイギリスへの亡命を望むタチアナ(ダニエラ・ビアンキ)が、ボンド(ショーン・コネリー)に接触する。すべてがスペクターの仕組んだわなだった。殺し屋グラント(ロバート・ショー)の魔の手がひそかに忍び寄る。その2:冷酷なソ連情報部のクレップ大佐(ロッテ・レーニヤ)の実像は・・・映画とは大違いのお茶目でやさしい女性だったそうだ。ところが撮影に入ると表情が一変、冷徹な女性に変身したという。その3:ペドロ・アルメンダリスは撮影後半になって重度の末期ガンと判明トルコ支局長ケリムを演じたペドロ・アルメンダリスは重病と判明、だが出演場面はスタッフ・キャストの協力もあって全部撮り終えて入院したそうだ。そんなところはおくびにも見せなかったのは大した役者根性と言えよう。その4:列車内でのボンドと殺し屋の格闘シーンの凄まじさ・・・この場面の迫力は申し分ない。本番の撮影は3台のカメラで狙い、窓ガラスの割れる音などの効果音は最大限まで上げたそうである。二人の格闘、効果音、音楽がミックスされ、この場面が作り出されたのだ。「動くな、手をポケットに入れ、ひざまづけ」「魚に赤ワインか。うかつだったな」「酒に詳しくても、貴様の負けさ」「・・・そうか、スペクターか。スペクターの陰謀か」「楽しいぜ。偉大なジェームス・ボンドが愚かな己に気づいたか。お前と女には死んで貰うぜ」ボンドが相手のスキを見て躍りかかる。その5:ボンド・ガールの乱闘シーン 危機一髪!!??タチアナの艶技はさすがに素晴らしいものがあるが、お楽しみはボンド・ガール二人の決闘であろう。ロマ人の女二人が男を巡って取り合いの喧嘩をする。数あるボンド映画でもこれは珍しい。どちらも美人コンテスト出身者というだけあって、半裸の娘の戦いは見物である。1963年 英・カラー 監督 テレンス・ヤング 出演 ショーン・コネリー ロバート・ショー ダニエラ・ビアンキ ペドロ・アルメンダリスブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.23
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これはブロードウエイで大ヒットした舞台劇の映画化である。第2次大戦の裏話というところであろうか。その1:無能な艦長と中尉の確執は・・・1945年、第二次大戦の末期、前線から遠く外れた太平洋をうろつく一隻のオンボロ輸送船があった。通称”バケツ”といい、60余名の兵士たちは退屈な毎日にうんざりしていた。指揮を取る艦長(ジェームス・ギャグニー)は、権威をかさに部下たちをいたぶるだけが生きがいのような男である。艦長と事毎に対抗するのは、貨物係のロバーツ中尉(ヘンリー・フォンダ)。ロバーツは艦長に拒否されながらも前線への転属願いを出し続けていた。その2:横暴極まりない艦長に睨まれる中尉は、一生飼い殺し!?もう1年以上も上陸を許可しない艦長を部下たちはあからさまに憎んでいる。それでも艦長は平気の平左、それを楽しんでさえいるようだ。勲功でゲットしたヤシの木に水をやるのがお楽しみである。そんなある日、岸にある看護婦宿舎を望遠鏡で覗いていた兵士が「お、こいつはすげえ」と大声を張り上げた。兵士達が争うように望遠鏡で眺めると・・・なんとシャワーを浴びているグラマーの姿。そして数日後、女性兵士たちが艦の視察にやってくる。望遠鏡に気がついた女性達に覗き見がバレてしまうのだ。密かな楽しみを失った兵士たちはがっくりする。その3:楽園天国に向かってゴー地上の楽園といわれる島に到着する輸送船。だが、艦長は上陸を許可しない。部下たちの思いを知るロバーツは艦長に掛け合う。そしてやむなく転属届けを書かないことを条件に許可を勝ち取るのだ。兵士たちは羽目を外して乱痴気騒ぎ。提督の家に乱入してぶちこわす。陸軍兵と乱闘はする。もう滅茶苦茶の始末。遂に船ごと島を追い出されてしまった。艦長は烈火の如く怒り狂った。ロバーツはいつもと違い、完全なイエスマンに成り下がっている。兵士達は「見損なったぜ。あいつも所詮ご機嫌とりかよ」その4:ヤシの木の運命はいかに???洗濯係のレモンは爆竹を艦長室で爆発させようと策を練っている、ところが決行しようとして洗濯室で爆発させてしまう。艦内の通路は泡だらけになる。本作が実質的なスクリーンデビューとなるジャック・レモンは、1955年度アカデミー賞の助演男優賞を受賞している。ロバーツは夜、決然としてヤシの木に近づき鉢から木を引き抜くと海に投げ捨てる。そうとは知らず水遣りに艦橋を下りてきた艦長、カンカンになって非常呼集をかける。何事かと配置につく部下たち。艦長のがなり声がマイクから響き渡る。艦長室に駆けつけるロバーツ。ロバーツは艦長と口論。一部始終がマイクをとうして部下たちに知れ渡る。取引のことも。その5:沖縄戦へと勇躍ボロ舟を出て行くロバーツ見送りを受けて艦を後にするロバーツ。実は転属願いの許可はニセのサインだったのだ。部下たちが艦長のニセのサインをつくり、提出した次第という。ドクがそれを公開する。バレたら軍刑務所行きという行為を平然とやってのける痛快さ。日本軍では起こり得ないことをやってのけるアメリカの民主主義を教えられたような気がする。1955年 アメリカ・カラー 監督 ジョン・フォード マーヴィン・ルロイ 出演 ヘンリー・フォンダ ジェームズ・キャグニー ウィリアム・パウエル ジャック・レモン ベッツィ・パーマー ワード・ボンド ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.20
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この作品は終戦直後の時代を過ごした人間にとって忘れられないメモリアルフィルムである。その1:開巻早々、軽快なグレン・ミラーの曲「イン・ザ・ムード」に乗って、厚木飛行場に到着するマッカーサー、ミズーリ艦上の調印式などを見せてくれ、タイトル・クレジットが流れる。実にスマートな出だしだと私は思った。昭和20年9月の淡路島。江坂町国民学校の初等科5年男組の級長、足柄竜太、バラケツ(ヤクザ)志望の正木三郎らは担任の中井駒子先生(夏目雅子)の指示に従って、国語の教科書の不適表現箇所を墨で塗りつぶしていた。当時、9歳の私は岡山で陛下のお言葉を聴いたが、何のことやらさっぱり分からず異様な雰囲気だけが頭の隅に残っている。教科書を塗りつぶした記憶はないが、ほとんど真っ黒けの教科書を手に戸惑ったのは忘れられない思い出だ。映画の中で海軍大将になることが夢だった三郎、父母を亡くした竜太、仲間のデブ国、ニンジン、ボラ、ガンチャ、ダン吉、アノネも、何にたよってよいか皆目見当がつかなかった。私も彼らと同じように精神的迷子だったと思う。その2:進駐軍は友達だった!?映画のように復員軍人が帰郷し、後を追うように進駐軍がやってきた。アメリカ兵に群がってガムやチョコを貰ったのは勿論、缶詰め、タバコまでせしめたものだ。私達は学校の往き帰り、ジープや軍用トラックまで停めて、車に乗り込み送ってもらうのが楽しみだった。「ヘイ、ストップ!」と道路に飛び出すと間違いなく止めてくれた。そして、戦利品をせしめて家に帰るのだ。これは暫く続いたように思う。その3:赤いリンゴと手縫いのグローブバラケツはじめ少年たちは駒子先生の勧めで野球を始める。ご多分に漏れず、私も野球で育った。グローブなど到底手に入らず、母に手縫いのグローブを作ってもらったものだ。映画を見ているとその思い出が脳裏に甦ってくるようだ。手縫いのグローブでキャッチボール、リンゴの唄を歌いながら・・・。その4:戦後は遠く風化してゆく・・・駒子先生の主人は生きていた英霊として島に戻ってくる。3本足の姿で。義弟に犯されて会うことを拒否するのだが、バラケツたちが仲を取り持つことになる。一方、武女の父”提督”はBC級戦犯として島から護送されていく。そして・・・シンガポールで死刑の判決を受けて死んでいく。バラケツ一人が島を出る武女の連絡線を岸壁から追い駆ける。叫び声を上げながら・・・。その5:いつまでも心に残る珠玉の作品!!敗戦直後の淡路島を舞台に、野球を通して子供たちに民主主義を学ばせようとする女教師と、スポーツに目覚めていく子供たちとの絆を描く。原作は阿久悠の同名小説で昭和五四年度下半期の直木賞候補作品である。夏目雅子が実にさわやかでいい感じだ。1984年 ヘラルド 監督 篠田正浩 出演 大森嘉之 佐倉しおり 夏目雅子 大滝秀治 加藤治子 渡辺謙 ちあきなおみ 伊丹十三 郷ひろみ 岩下志麻 ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.19
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アメリカとメキシコの国境沿いの町、サン・ミゲルではロホ一家とモラレス一家が対立していた。ある日、この町に凄腕のガンマン、ジョーがやって来る。これは世界的巨匠・黒澤明の名作「用心棒」を西部劇としてリメイクしたアクション映画の決定版だ。その1:黒澤映画の大ファンというセルジオ・レオーネ監督の、エネルギッシュな演出と凄まじいガン・アクションにより世界中で大ヒット、マカロニ・ウエスタン・ブームを生みだした作品である。当時はB級スターだったクリント・イーストウッドは、本作での凄味のきいた名演で一躍世界的に注目された。また、エンニオ・モリコーネの音楽も実にいい。その2:随所に工夫が凝らされているが、軍配はやはり黒澤の作品にあがる。軍隊の兵士虐殺シーンなどは余りにも陰惨だ。本作は東宝から著作権侵害で告訴された曰く付きの作品である。その3:火の海から逃げ出すモラレス一家全員を撃ち殺すシーンもやりすぎだ。やはり銃と刀の違いなのであろうか。ちょっと頭の弱い加東大介の役のような男が出てこないのは国民性の違いであろうか。その4:最後の決闘シーンはさすがに見応え充分だ。白煙が消え去るとジョーが立っている。ラモンが続けさまにライフルを連射、何度撃たれても立ち上がるジョーに慌てるラモン。カチャ・・・弾が出ない。ジョーはポンチョをはらい胸の防弾鉄板を足元に落とす。手下たちが銃を向けるより早くジョーの早撃ち。「拳銃とライフルの対決では拳銃に勝ち目はない。本当かどうか試そうぜ」手の拳銃から弾を出し地面に投げる。「弾を込めて撃てよ」二人、銃とライフルを拾い上げて弾込めして撃つ。一瞬、ジョーが早い。斃れるラモン。その5:一時期、マカロニ・ウエスターンはアメリカ本家のウエスターンを凌ぐ勢いだった。しかし、所詮マカロニはマカロニ、やはりいつの間にか衰退してしまった。クリント・イーストウッドというスターの名前を残して・・・。1964年 イタリア・カラー 監督 セルジオ・レオーネ 出演 クリント・イーストウッド マリアンネ・コッホ ジョン・ウェルズ ヴォルフガング・ルクシー ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ エンニオ・モリコーネの音楽をお楽しみください
2007.09.17
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日常の中に潜む恐怖や夢が現実になった世界、その世界を「トワイライトゾーン」と呼ぶ。これは4話のオムニバス版である。監督は、ジョン・ランディス、スティーブン・スピルバーグ、ジョー・ダンテ、ジョージ・ミラーの4人だ。その1:一台の車が真夜中の道を走っている。助手席の男が運転席の男にいう。「トワイライトゾーン」の話で二人は盛り上がる。助手席の男が言う。「もっと怖い話をしてやろうか、聞きたければ車を止めろ」車が止まり、男が顔を向けると怪物の顔!!プロローグからショッキングな出だしだ。第1話はセールスマン(ヴィック・モロー)がユダヤ人に昇進を横取りされたと酒場でぼやくお話だ。ユダヤ人や黒人を大声でののしり、バーを出ると、そこはドイツ占領下のフランス。忽ち「ユダヤ人」として追われる羽目に落ち、必死で逃げるがゲットー行きの貨車に放り込まれる。因果応報といった話である。ヴィック・モローはこれが遺作になったそうだが、『コンバット』の鬼軍曹が逃げ惑う作品が最後になったというのはいただけなかった。その2:4本の作品の中で一番良かったのは第2話だ。サニーヴェイル老人ホーム。子供に見捨てられたコンロイ氏。「人間は遊びを忘れた時から年をとり始めると私は思います。どうです、今夜、庭でカン蹴りしませんか」と黒人のブルーム氏(スキャットマン・クロザース)が提案する。コンロイ氏を除くみんなは賛成、真夜中に庭でカン蹴りをする。彼らは子供にもどった。だが「もう一度人生を繰り返したくない」「夫は死んでるの」といった理由で、みんなは大人にもどる。もう一度若くなりたいと願うコンロイ氏は一人、缶けりを続けていた。ほとんどの人が願うことだろう。「もう一度若くなりたい」と。でも同じような人生を繰り返したくないと思う人がほとんどだろう。あなたは同思いますか?その3:。(第3話)ヘレン(キャスリーン・クインラン)は教師の職を捨て旅に出る。途中のドラッグストアで知り合ったアンソニー少年(ジェレミー・ライト)を家へ送り届ける。少年の家族はみな異常な雰囲気をただよわせていた。アンソニーは超能力の持主で、全てを思いのままに出来る能力を持っている。でも幸せではないのだ。ヘレンはアンソニーを導く教師になろうと決心する。超能力を持った人間は果たして幸せになれるのだろうか。人は羨むだろうが、本人はそうは思わないのだから難しいものである。その4:第4話は幻影を見る飛行機恐怖症の男の話だ。嵐をついて空を飛ぶジェット旅客機に乗ったヴァレンタイン氏(ジョン・リスゴー)は、青白い顔をし、落ちつかぬようすですわっていた。窓から外をみると翼の上に怪物がいる。騒ぎたてる彼にスチュワーデスは精神安定剤を与えたが、彼がもう一度外をみると怪物はエンジンを食っていた。氏は狂乱状態になるが、副操縦士に押さえつけられる。やがて機は空港に着陸、ヴァレンタイン氏は救急車に乗せられていた。「ダンナ、ひどい目にあったそうだね」と話しかける運転手(ダン・エイクロイド)。さらに運転手はいう。「もっとこわい目にあいたいかい?」 その5:どれも超上現象というやつかもしれない。理解不能のことが起きるものだ。この世とあの世の接点がどこかに存在しているのだろうか。現実の方がもっと怖いという人も多い。あなたはどうですか?1983年 アメリカ・カラー 監督 ジョン・ランディス スティーヴン・スピルバーグ ジョー・ダンテ ジョージ・ミラー 出演 バージェス・メレディス ダン・エイクロイド アルバート・ブルックス ヴィック・モロー ダグラス・マクグラス スキャットマン・クローザース ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ こわい謎に迫りたい方は どうぞ
2007.09.15
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その1:偶然の出来事がふくれあがっていく恐ろしさ猛烈な風の吹き荒れる日、ニューヨーク郊外に住む専業主婦コニー(ダイアン・レイン)は町に出た。買い物をして外にでると風に吹き飛ばされそうになる。タクシーを呼んでも1台も止まってくれない。仕方なく歩き出した彼女は風に押されてフランス人のブック・ディーラー、ポール(オリヴィエ・マルティネス)にぶつかる。こんな日に持ちきれないほどの本を抱えて歩くというポールという男もどうかしてると思うのだが、路上で仲良く転倒、コニーは足をすりむく。手当てをするというポールに誘われて部屋に入る。次のステップは迷った末に電話し、ポールに呼ばれる。そして三度目に会って挙句はベッドイン・・・。その2:妻の浮気を疑い始める夫は、どう対処する???夫のエドワード(リチャード・ギア)は小さいながらも会社の社長だ。結婚以来妻を愛しており、小学生の子供までいる。いわば模範的な中流家庭の主人である。満足している筈の妻が何故浮気を???。緊張の糸が切れたコニーは夫にウソをついてまで、ポールと逢引きする始末。遂にエドワードは私立探偵に妻の尾行を頼む。そして・・・その3:フランス人の若い男、ポールは露出狂か!?ポールは自分の部屋でコニーを相手にするだけでは満足出来ず、図書館の中、トイレの部屋、路上の物陰とところ構わずSEXに耽る。こんな悪趣味の男の道具にされるコニーは半狂乱のようになりながらも男と離れられない。彼らに愛は存在するのだろうか。それはどのような形なのか? 偶然から発生した肉体関係を愛と呼べるのだろうか。その4:妻を愛していた夫は錯乱のあまり、男の額に・・・エドワードはポールの部屋を訪ねる。何が悪いのか、と言わんばかりのポールにエドワードは手にした透明の玉でポールを殴りつける。凶器になった丸い玉は彼がコニーにプレゼントしたものだった。ポールはその場に昏倒する。殺人者になってしまったエドワードは・・・その5:最後のカットは中々イキだ。「自首する」という夫にコニーはこういう。「メキシコでもどこでも逃げるのよ。私もついていくわ」走行する車が信号で止まる。二人、車の中で抱き合う。信号が青に変わるが二人は夢中でキスしている。後続車はない。カメラが引くと、何とそこは警察署の前だった。そこにエンドマーク。エロチック・サスペンスものとしてはまずまずの出来だ。浮気というやつはどこで芽を出すか分からない。単なる浮気が殺人事件になることはよくある話だ。こわ~いこわ~い結果を招かぬように充分気をつけましょう。思い出のシーンでコニーがポールにぶつかったあと、止まったタクシーに乗り走り去るイメージが描かれる。もしこうなっていればこの映画は出来なかったというメッセージであろうか。2002年 アメリカ・カラー 監督 エイドリアン・ライン 出演 リチャード・ギア ダイアン・レイン オリヴィエ・マルティネス エリック・ペア・サリヴァン チャド・ロウ 9月より映画評を全面リニューアルさせていただきました。単なるストーリー紹介から脱皮したいと思ったからです。この方が面白い、読みやすいとお思いでしたら、クリックして下さい。ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.07
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その1:文字通り”血も凍る”戦慄!! 身も心も涼しくなる??? 民話・伝承の世界を見事に映像化した作品。藤村志保が”雪の精”を個性豊かに演じている。特に雪女郎に変身したあとの演技たるや慄然とするものがある。中でも”目”がポイントだ。まさに氷のような”目”である。この映画をみれば残暑も大いに和らぐだろうと思う。その2:雪女郎も愛児には弱かった!! 激しい雪の夜に彷徨い歩く雪女郎!その姿を見たものは、戦慄と快楽のうちに死ぬというが、仏師の弟子の男、与作(石浜朗)に一目ぼれ。その後、与作はゆき(藤村志保)と会い夫婦となる。一子をもうけ、与作は観音像を彫るように命じられ制作にかかる。だが、どうしても慈悲の目が表現できない。ある時フッとゆきの目を見た与作は雪女郎のことを思い出し・・・。「ああ、あなたはとうとうお話になりましたね。それだけは言ってはならなかったのに」ゆきの姿はたちまち雪女郎に変身する。だが。いとし子を見て、「あなたとはもう一緒に暮らせません。この子をお願いします」と家を後にするのだ。今の時代、子殺し、親殺しが平然と行われている世の中にあって、せめて愛の心を持ってほしいと思うのは私一人ではないだろう。その3:タイトルはこれでいいのだろうか!? 「雪女郎」のタイトルはどんなものだろう。”雪女”か”雪の精”のほうが合っているように思うのだが・・・。タイトルのネーミングは難しいものである。その4:雪女の伝説とは? 雪女(ゆきおんな)は、雪の妖怪。「ユキムスメ」、「ユキオナゴ」、「ユキジョロウ(雪女郎)」、「ユキアネサ」とも呼ばれる。「ツララオンナ」、「カネコリムスメ」「シガマニョウボウ」など、つららに結びつけて呼ばれることも多い。雪女は『宗祇諸国物語』をもとにしたラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の『怪談』「雪女」の様に、美しい女性として語られることが多く、雪の性質からはかなさを連想させ、類人猿の姿をしている雪男とは対照的である。雪女が女(メス)であるのに対し、雪男は性別不明である。雪女が雪と深い関係があるのに対し、雪男は雪とほとんど関係はない。伝承では、新潟県小千谷地方では、男のところに美しい女が訪ね、女は自ら望んで男の嫁になるが、嫁の嫌がるのを無理にふろに入れると姿がなくなり、男が切り落とした細い氷柱の欠片だけが浮いていたという。山形県上山地方の雪女は、雪の夜に老夫婦のもとを訪ね、囲炉裏の火にあたらせてもらうが、夜更けにまた旅に出ようとするので、翁が娘の手をとって押し止めようとすると、ぞっとするほど冷たい。と、見る間に娘は雪煙となって、煙出しから出ていったという。(以上、 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』を参照)その5:他に雪女の映画はあっただろうか。 「怪談」(1964年東宝映画、小林正樹監督)中の「雪女」:雪女は岸惠子が演じた。 作品の出来としてはこちらの方が良かったように思う。1968年 大映・カラー 監督: 田中徳三 出演 藤村志保 石浜朗 長谷川待子 内藤武敏 鈴木瑞穂 須賀不二男 北原義郎 9月より映画評を全面リニューアルさせていただきました。単なるストーリー紹介から脱皮したいと思ったからです。この方が面白い、読みやすいとお思いでしたら、クリックして下さい。ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.05
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その1:人質交渉人がその真価を問われるのは? 人質を取り建物に立てこもるのが強盗の逃げ延びる手段の昨今、どうやって人質を犯人の手から救出するか、その安否を確かめ、中の様子を探り、犯人像を見る重要な役目が交渉人にはある。勇気、沈着、冷静、あらゆる資質が求められる大切な仕事だ。いらだつ犯人を落ち着かせ、人質を無事に救出しなければならず、しかも命の保障はない。その真価は?その2:役者は人並み外れた強靭な体力を持たなければ勤まらない!? この映画のエディ・マーフィと犯人役のマイケル・ウィンコットの対決たるや体力勝負の感を呈する。卑劣、凶悪、残忍な男と戦いをする刑事の憎しみが余すところなく描かれている。憎しみが増幅していく過程も良く分かる。暴走する路面電車内の殴り合いはその極致であろうか。その3:暴走する電車が車を跳ね飛ばす!! 息をするのさえ忘れさせる活劇シーン 一体何台の車がスクラップになっただろう。テストから含めると百台は下るまいと思える。その極めつけが電車の暴走シーンだ。シスコの下り坂を走る電車に犯人が乗り込み運転手を射殺、電車はスピードを増し、前方の車を片っ端から跳ね上げ横転させながら突っ走る。暴走電車に後を追う車からエディが飛び移り、激しい格闘になる。全部で30人を超えるスタントマンが協力しており、その成果は歴然としている。その4:卑猥なセリフをまくし立てるエディの真骨頂!!! エディが新人刑事に交渉人の訓練をする場面の機関銃のようなセリフは圧巻だ。「マコール刑事だ」「うるせえ、クソ野郎! 今から皆殺しにする」とすかさず答えるエディ。「力になりたい」「ほざくな、カス。くたばれ、失せろ、ニヤケ野郎」「要求は何だ」「要求だと?教えてやらあ。娘と逃げたウジ虫野郎をここえ連れてこい。タマをぶち切ってやる」「できない」「何だと?お前じゃ話になんねえ、カエルの小便野郎!クソの役にも立たねえ」「そこまで言うのか、言葉の虐待だ」「きにすんな、雰囲気が出るだろ」その5:”裸のタヒチ”で愛を語るスコットと恋人ロニー(カーメン・イジョゴ) 念願の休暇を貰ったエディが恋人と浜辺で愛を語るシーンのセリフは粋だ。「スコット、大切な話。私たちって、深い段階に入るべきよ」「深い段階?」「今こそ服を脱いで、素っ裸になるの」「裸になるってか? 俺はまた”け”のつく話かと思った」「”け”って、けっこん?」 こうして”裸のタヒチ”で結ばれる二人であった。1997年 アメリカ・カラー 監督 トーマス・カーター 出演 エディ・マーフィ キム・ミヨリ アート・エバンス マイケル・ラパポート ジェニ・チュア カーメン・エジョーゴ マイケル・ウィンコット 9月より映画評を全面リニューアルさせていただきました。単なるストーリー紹介でなくしたいと思ったからです。この方が面白い、読みやすいとお思いでしたら、クリックして下さい。ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓人気blogランキングへ
2007.09.01
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