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2011.11.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
 リビアのムアンマル・アル・カダフィ体制を倒すことに成功した NATO軍、事実上の米英仏軍の戦争犯罪が問題になり、ICC-CPI(国際刑事裁判所)が調査

 反カダフィ派がカダフィを「処刑」する様子はインターネット上で全世界に広まり、彼の息子が処刑されたことを示す報道もある。最後の激戦地、シルトではカダフィ派の兵士数百名が処刑されたことも明らかになった。

 内戦ではNATO軍の空爆で多くの市民が殺されているようだが、その NATO軍が劣化ウラン弾、あるいはそれに類する武器を利用した可能性 も指摘されている。終盤には肌の色が濃いというだけで多くの人が拉致、拘束、拷問されていると報告されている。中には処刑された人もいるようだ。 国連は反カダフィ軍が約7000人を拉致、不当に拘束していると批判 しているが、そのうち少なからぬ人がアフリカ中南部の出身者だと見られている。

 そうした中、カダフィの生き残った息子、 サイフ・アルイスラムはすでにICCと接触 、法廷に立つためにリビア国外へ脱出を図っているとも言われている。父親ほどではないにしろ、サイフはリビアと欧米諸国との緊密な関係、つまり西側諸国の一部エリートにとって都合の悪い情報を握っている可能性が高く、「暫定国民評議会」がリビア国内で彼を拘束、できたら「戦闘」で死んでもらいたいと思っていることだろう。

 カダフィ体制を実際に倒したのは米英仏軍だが、「民主化運動」を装うためにはリビア人の組織が必要だった。そうした役割を演じているのが「暫定国民評議会」なのだが、この勢力には アル・カイダ系のLIFG(リビア・イスラム戦闘団) アメリカ政府もテロリスト集団と見なしていたLIFG が新体制では軍事部門の中心になる可能性が高い。

 カダフィ体制崩壊後、新生リビアにおけるアル・カイダの存在感を示す出来事が目撃されている。リビアの都市、 ベンガジでは裁判所の建物にアル・カイダの旗が掲げられていた というのだ。イラクでサダム・フセイン体制を崩壊させた後、アル・カイダ系の武装集団が入り込んで破壊活動を続けたが、リビアの場合は軍隊を動かすようになるかもしれない。より深刻な事態だと言えるだろう。

 このようにリビア情勢はまだ混沌としているわけだが、そうした中、アメリカの一部勢力やイスラエルはイランを攻撃する計画を進めている。現在の状態でイランを攻撃したならイスラエルは破滅すると考える人間が攻撃計画を外部に漏らしているのだが、これを問題視したベンヤミン・ネナニヤフ首相は、モサド(イスラエルの情報機関)やシン・ベト(イスラエルの治安機関)の元長官を調査する意向だという。

 シリアでも反政府活動が激しくなり、政府は戦車を出して弾圧しているようだが、そうした反体制運動を仕掛けたのはジョージ・W・ブッシュ政権時代のアメリカ政府。サウジアラビア、ヨルダン、そしてイスラエルも支援していると言われている。

 反体制派の中でもバシャールの伯父にあたるリファート・アル・アサドを中心とする勢力、あるいは父親の政権で要職にあった人物で今はパリを拠点にしているアブドゥル・ハリム・カーダムを中心とする勢力などが有名だ。反政府派が武装していることを示す映像も流れている。

 ブッシュ・ジュニア時代、アメリカ国務省は「MEPI(中東協力イニシアティブ)」や「民主主義会議」といった組織を経由して反政府勢力へ資金を提供していた。 こうした事実を示す外交文書 が存在するとワシントン・ポスト紙は報道している。

 アメリカやイスラエルの好戦派は暴力での中央突破を試みているが、この戦術は1990年代の初め、ジョージ・H・W・ブッシュ政権のときにネオコン(アメリカの親イスラエル派)が描いたストーリーと似ている。機能しないことが明らかになっているにもかかわらず、暴走する姿は満州事変後の日本を彷彿とさせる。





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最終更新日  2011.11.04 18:28:41


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