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お父さんの長女は今大学生である。社会人になるまであと数年である。彼女がどんな企業に入り、どんな仕事をするのか楽しみと心配が交錯する状態にお父さんはなっている。
お父さんは就職するとき、やりたい仕事というのはあった。製造業に就職し、自分のアイデアを生かして改善や新しい生産方式などを追及したいというモノだった。だから、自動車会社に入りたいとか、飛行機を作りたいとか具体的な職種はなかった。
ちなみに開発というよりも改善がやりたかった。開発とはもっと頭が良い人がやればいいと思っていた。
最終的に自動車会社に就職して、希望通り生産の改善業務をすることができたが、実際の製造業は学生時代に想像していたものとは異なることが多かった。
さて、お父さんの会社にもいろいろな人が入社してくる。特に中途採用の人に多いのだが、前の会社が思っていた仕事と違ったという人がいる。こういう人はお父さんの会社に入社しても、「やっぱり違う」とやめてしまうことが多い。
そもそも自分が理想としている仕事とは、めったに世の中に存在していないし、その職に就くことができる可能性は限りなく低い。
そしてさらに言うなら、仕事ができる人というのは、自分の理想や願望と異なる仕事でも「優秀」と評価されるレベルで仕事ができるし、理想と異なった仕事の中に自分の興味ある部分を見つけて活躍することができる。
理想の仕事を探して転職を繰り返す人のほとんどが、どんどん理想と異なる仕事に着くことになるばかりか、給与も下がっていく。転職が当たり前というイメージの社会になってきているが、転職で成功した人というのはかなり少ないとお父さんは思っている。
理由は実に簡単で、自分が経験して「できる」と考えている仕事や能力を生かせる仕事に転職できることがほとんどないからである。
新卒で入社して、キャリアを重ねた人を追い越すことはとても難しい。同業他社に転職しても、会社によってやり方やシステムが異なる。なのでそのまま自分の知識や経験を生かそうとしても、うまくいかないことが多い。
もし転職をするなら、入社して 3 年以内、回数も多くて 2 回までがいいところだと思う。 35 歳を越えたら転職というより独立を狙う方がよほど成功する可能性は高いだろう。
面白いことに、大手の会社が不満で転職した人は、次の会社でうまくいかず辞めていくことが中小企業より多い。
大手の人は、入社以来どれだけ恵まれているかを理解していないので、仕事内容よりも待遇に不満を持ちやすいのだとお父さんは思っている。お父さんも大手メーカーから転職したので、その辺りは実体験としてよくわかる。
親の会社を継ぐためとか、友人と会社を立ち上げるとかでやめる人はともかく、「今の会社も仕事も自分に合わない」と会社を辞める人はほとんどが次の会社でもうまくいかない。そういう人はお父さんは山ほど見てきた。
話がズレすぎたかもしれないが、新卒にしろ転職にしろ、外からみたイメージや、勝手に予想していた仕事ができないことの方が多いのが現実である。お父さんは、それを当たり前と思って、与えられた環境で頑張ることが一番大切だと思っているし、子供たちに伝えたいと思っている。