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北京ダックという食べ物がある。中華料理の中でも高級とされる料理の一つだ。アヒルをローストしたモノの、皮だけをはがしてネギやキュウリと一緒に小麦の皮で包み、甘めの味噌と一緒に食べる。まあ詳しく解説しなくても見たことのある人は多いだろう。高級料理なので、日本でも海外でも量のわりに値段は高い。そしてお父さんはこの北京ダックを美味しいと思ったことはない。
お父さんにとって中華料理というのは大好きな料理ジャンルの一つである。特に大衆向けの中華料理は見た目も味も香りも最高だと感じるものが多々ある。台湾や中国に出張に行って食べる中華料理は、美味しいモノがたくさんあるので、この地域への出張は食事を楽しみにきつい仕事を我慢できるという思いさえある。
だが北京ダックは何度食べても美味しいと思えない。そもそもアヒルの皮だけでなく、ネギやキュウリ、それに味噌を加えて皮で包む。全体の中のアヒルの皮の割合は多くて 20 %ぐらいである。食べた時にアヒルの皮のパリパリした感触はわかるが、味まではわからない。というより味噌の味と風味しかお父さんには感じられない。
食通と言われる人は、この美味しさがわかるのかもしれないが、一般の日本人がこれを美味しいと思い、好んで食べるとはどうしても思えない。中国人なら美味しいと思うのかもしれないが、真相はわからない。
広東省に、アヒルではなく豚の皮だけを食べる料理がある。これも食べ方はほぼ北京ダックと同様である。川は北京ダックよりもカリカリになっていて、サクサクと食感以外の風味や味はほとんど感じることができない。
料理の名前は知らないが、これも高級料理の一つである。誰かに昔聞いたことがあるが、位の高い人は皮を食べ、残った肉は庶民が食べるものだと言っていた。であるならば、お父さんは庶民として肉の方を食べたいと切に願ってしまう。
日本にも珍味で高級とされる食べ物はいくつかあるが、例えばこのわた(ナマコの内臓)とかアワビのキモなど美味しいとはあまり思わない。しょっぱいとか苦いとかいう否定的な印象の方が強い。
誰かが勝手にこれは高級な料理で、この味がわかるやつが食通だとでも決めたのではないかと思うほど、庶民のお父さんには良さがわからない。
王様にでも生まれ変わったら、高級料理の美味しさが理解できるのだろうか。先日マレーシアで北京ダックを食べながら、考えていた。