森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.11.09
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神経症になった人はそれぞれの症状にとらわれて、本来の生の欲望を放り投げて、四六時中症状と格闘しておられます。

他方では、ほとんどの人は、世の中の物質的、刹那的な欲望追及の渦巻きにどっぷりとつかった生活をしている。
消費は美徳のもとに、楽しくて、便利で、楽ができるものはなんでも手に入れようとしている。低次の欲望が暴走しているのである。
「生の欲望」には自己実現などの高度な欲望もあるが、現代人は本能に近い低次元の欲望に翻弄されているのである。
つまり神経症の人は片方では不安に翻弄されて、もう一方では安易な欲望に振り回されているのである。ほどほどという考えはない。

バランスという考え方から見ると、いずれも両極端に偏り、とりつかれている状態である。
神経質者は普通の人と違い、その両極端のいずれにも大きく関わっているのである。
普通の人の2倍の苦悩を背負いながら、毎日生活している状態である。

森田理論は、欲望があるから不安があるという。

調和のとれた生き方。中庸の生き方である。

さて、私の目の前には45センチの「やじろべい」がある。
バランスを取るのはとても難しい。釣り合うところにしるしをつけている。
苦労して釣り合うと、そのみごとな「やじろべい」のバランスに見とれてしまう。
「やじろべい」を持っているといつもバランスということを考えられる。
皆さんも、お土産屋でよく売っている「やじろべい」を部屋に飾ってみてはどうだろう。

どうすれば「やじろべい」のように、「欲望と不安」のバランスのとれた生き方ができるのだろうか。

まずは森田理論学習によって、「欲望と不安」の相互の関係を十分に学習する事だと思う。
その上で、バランスをとることは、とても難しいことなのだということを自覚する事だと思う。
この自覚が持てないことは悲しいことである。
自覚が持てれば、刹那的、場当たり的な欲望の暴走の弊害がよく見えてくる。

すると欲望の暴走を警戒するようになる。

また一方では神経症で苦しんでいる人は、「生の欲望」の発揮を忘れて、不安、恐怖、不快感、違和感と格闘している。
これはコントロール不可能なことを可能にしようとしている無駄な努力である。
これは森田理論を学習している人は、理屈としてはよく知っておられると思う。

問題は2つのことをよく自覚して、バランスのとれた生活を実践することにあると思う。

そして最終的には、バランスが崩れそうになるとすぐに修正できる能力を身につけていく。
森田理論の学習はそのための大きな手段となるはずです。





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Last updated  2013.11.09 07:16:00
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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