森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.04.18
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103歳の墨絵画家に篠田桃紅さんという方がおられる。
この方はいまだ認知症とは程遠く頭脳明晰な方である。

その方は43歳の時にニューヨークに2年ほど住んでいた。
ニューヨークには400以上のギャラリーがあるが、その中に10ほど一流ギャラリーというものがある。
篠田さんはその中の一つバーサ・シェファーズ・ギャラリーで偶然に作品展をやる機会を得た。
そこで絶大な評価を得たのだ。

当時、ジョン・キャナディという、ニューヨーク・タイムズ紙きっての、大変な美術批評家がいた。
キャナディに否定的なことを書かれたら絵は一枚も売れないと、畏れられていた。

その人の絵画を見る時の態度は徹底していたそうだ。

アーティストに会うと、何となく情も移るだろうし、先入観が判断を鈍らせる。
だから作品だけを見て批評する。
もちろんその背景には、豊かな見識、広い視野、審美眼を持ち合せている。

篠田さんは、キャナディ氏にあるパーティで偶然会った。
気兼ねなく話をしていたら、キャナディ氏は、作品にタイトルがないほうがいいという。
タイトルがあると、想像の範囲が狭められて見るということになる。
自分は絵からいろんな想像力が湧くから、タイトルで自分の想像を限定されたくないのだ。
キャナディ氏はタイトルはあっても見ないようにしているそうだ。

このキャナディ氏の態度は森田理論学習をしているものからすると衝撃である。
キャナディ氏は400もあるギャラリーのすべてを回っているわけではない。
一流と言われている10のギャラリーを主に回って作品の批評をしているのだ。


その上でキャナディ氏は先入観を排して、自分の鋭い感性を頼りに作品を見て批評していく。
人間関係、縁故関係に影響されることはない。作品がすべてで、作品だけで判断する。

我々も森田理論を本当に自分のものにしようと思ったら、先入観や決めつけを排して事実そのものに向きあう姿勢を欠かすことはできない。
事実を土台にして生活できるようになることを森田では目指している。
キャナディ氏の心情はとても共感できる。






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Last updated  2016.04.18 07:00:05
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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