森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2016.10.16
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カテゴリ: 行動のポイント
有名な心理学の実験に「吊り橋の出会い」というのがあります。

ゆらゆらと揺れる危なっかしい吊り橋があって、そこを渡ってきた男性に待ち構えていた女性が話しかけ、自分の連絡先を教えます。
今度はがっちりとした丈夫な橋があって、そこを渡ってきた男性に同じ女性が話しかけ、自分の連絡先を教えます。
あとでこの女性に何度も連絡してきたのは、みんな吊り橋を渡ってきた男性でした。
ドキドキ、ハラハラしているときほど、人は恋に陥りやすいというのが実験の結果、導かれた答えです。(感情革命 和田秀樹 講談社 97ページより引用)

この話は、森田理論の精神の緊張と弛緩という学習に通じるところがあります。
森田先生は、走っている時は手の動きも前や後ろにいきおいよく振っている。
精神状態もこれと同じで、昆虫の触角がピリピリと動くように絶えず四方八方に気を配っている時は、精神が緊張状態にあり、いろんなことによく気が付く。
いろんな発見があり、アイデアが湧いてくる。


ところが、精神状態は緊張感がなくなり、全くの弛緩状態になる。
すると勉強しようという意欲がなくなり、ぼっとして過ごすということにもなりかねない。
反対に交通の激しいところや近所で人の話し声が聞こえてくるというような所では、頭で考えると騒音で勉強に集中できないように考えられる。
ところが、そういう場所では、精神が緊張モードに入っており、却って勉強がはかどるのである。観念で想像するのとは、全くあべこべになってしまう。

神経症で悩んでいる時は、行動や実践は控えて、観念の世界にどっぷりとつかっていることの方が多い。
すると外部からの刺激が少なくなり、精神は弛緩状態に陥りやすい。
そういう状態では、気づき、発見、アイデアを思いつくということは少なくなる。
また、夜も弛緩状態、昼間も弛緩状態では全く生活のリズムというものが作れない。
この状態を続けていると気分変調性障害(抑うつ神経症)に陥りやすい。

森田理論では昼間は無所住心を勧めている。
つまり行動・実践によって、四方八方に精神が躍動している状態である。

しだいにやる気や意欲、モチュベーションが高まってくる。
昼間活動的になると、夜は疲れて、早めに心身を休めるようになる。
精神の緊張と弛緩のリズムが生まれてきて、好循環が始まるのである。
生活のリズム、そしてバランスや調和という森田の考え方は是非とも身につけたいものです。





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Last updated  2016.10.16 07:02:47
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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