森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2025.10.04
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森田先生のお話です。

我々の精神は、外界の刺激と内界の精神発動との間の、種々の関係において意識の消長が起こる。
外界と内界とが全く調和する時に、刺激を感ぜず意識は零となり、刺激が適度の時に、快と興奮と緊張とを覚え、刺激が過度の時に、苦痛を意識するようになる。
空気が温度と湿度と風とが、適度である時に、我々はなんの感じもなく、あるいは春風に快を覚え、寒風に苦痛を感ずる等の如きである。
(森田全集 第5巻 646ページ)

森田先生は外界の状況は刻々と変化している。
その変化は私たちの内界にさまざまな影響を与えている。
感情の発生は外界と内界の相互作用であると言われている。
私たちは湧き上がってきたその感情に基づいて対応しているのである。


ガス栓の締め忘れやドアの施錠が気になるというのは、火事や盗難で全財産を失うことを心配するからです。
どうしても気になって心配だという場合は、再び家に帰り再度点検をする。
閉め忘れていた時は再度やり直して安心して出かけることができます。
「精神拮抗作用」は、気がかりなことや欲望が発生すると、同時にそれを打ち消すような考えが湧き上がってくるというものです。
「精神拮抗作用」が人間に備わっているおかげで、大事に至らずに済んでいる。
欲望の暴走を制御しているのは「精神拮抗作用」が働いているのである。
大変ありがたい機能が人間には標準装備されているのである。
この機能を大いに活用させてもらいたいものです。

普通の人でも、ガスの元栓、クーラーの電源の切り忘れ、ドアの施錠が気になることがあります。
そういうとき、心ここにあらず状態で何か他のことに気を取られたまま確認行為をしていることが多い。
これは車の運転をしている時に、わき見運転をしているようなものです。


きちんと向き合い、呼称確認をすることが大切です。
「ガスの元栓OK」「電源OFFもOK」「ドアの施錠OK」とやれば、後から「きちんとやったかどうか」と迷うことはなくなります。
それでも、不安や恐怖に取りつかれてしまう人は、不安の裏に欲望が存在していることを理解することが必要です。
しかし現実には理解できても実行できないようです。
不安や恐怖に行動が乗っ取られている状態です。

一人ではパニックになっても二人で確認すれば安心できます。
でも一人暮らしの人は無理ですね。

不安と欲望はコインの裏表の関係にあることをしっかりと理解して、不安になった時は自分の欲望について考えてみるようにしたいものです。
不安と欲望の関係は、長い棒を持ったサーカスの綱渡りのように上手にバランスを取らなければすぐに落下してしまいます。
落下してしまえば、自分本来の目的に向かって前進することが不可能になってしまいます。





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Last updated  2025.10.04 06:20:03
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分からない歴20年子@ Re[2]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田生涯さんへ  お返事ありがとうござ…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 分からない歴20年です子さんへ コメント…
分からない歴20年です子@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田を知って随分経つのに今だに難しく感…
森田生涯 @ Re[1]:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 長谷川勤さんへ 読んでいただいてありが…
長谷川勤@ Re:成功するためには感謝力が必要となる(04/09) 森田理論学習のすすめ のブログ 本日初…

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