全43件 (43件中 1-43件目)
1

今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「手あたり次第」でしょうか♪<市立図書館>・大学教授 こそこそ日記・あのころの日本映画101・日本移民日記<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【大学教授 こそこそ日記】 多井学著、三五館シンシャ、2023年刊<「BOOK」データベース>より「いくらでも手抜きのできる仕事」。現役教授が打ち明ける、ちっとも優雅じゃない生活。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、入荷待ち、予約?)>rakuten大学教授 こそこそ日記【あのころの日本映画101】 立花珠樹著、言視舎、2018年刊<「BOOK」データベース>より50年代の古典から“ちょい前”の問題作まで先がみえない時代だからこそ、生きるヒントや心の潤いになる101本を厳選。1本ずつ「心に残る名せりふ」を解説する。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenあのころの日本映画101【日本移民日記】 MOMENT JOON著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>より移民として生きる経験に根ざし、日本語表現の新たな地平を切り開くラッパーMOMENT JOON、待望にして初の著作!<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本移民日記
2024.06.30
コメント(0)

『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在88位・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、副本12、予約373)現在5位・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、副本7、予約177)現在11位・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、副本5、予約126)現在11位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在65位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在2位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在32位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在44位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在67位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在38位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在7位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在18位・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、副本1、予約8)現在1位・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、副本?、予約8)現在2位・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』(6/29予約、副本?、予約?)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・内田樹『勇気論』:図書館未収蔵・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』・文字の大図鑑<予約分受取:2/27以降> ・村上春樹×柴田元幸『翻訳夜話』(2/15予約、2/27受取)・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、2/27受取)・川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』(1/26予約、2/27受取)・呉叡人『フォルモサ・イデオロギー』(2/03予約、3/11受取) ・森見登美彦『太陽と乙女』(3/23予約、3/31受取)・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、6/05受取)・李琴峰『彼岸花が咲く島』(6/19予約、6/25受取)・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、6/29受取)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【墨のゆらめき】三浦しおん著、 新潮社、2023年刊<出版社>より実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/9予約、副本12、予約373)>rakuten墨のゆらめき【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【米番記者が見た大谷翔平】 ディラン・へルナンデス著、朝日新聞出版、2024年刊<出版社>より本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/16予約、副本1、予約8)>rakuten米番記者が見た大谷翔平【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望【ノイエ・ハイマート】池澤夏樹著、新潮社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりある日、難民になる。「新しい故郷」を求めて、歩きだす。そんなに遠い世界の話ではないのです。シリアで、クロアチアで、アフガニスタンで、満洲で、生きのびるために難民となった、ふつうの人たち。その姿と心を、てのひらで触れるようにして描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/29予約、副本?、予約?)>rakutenノイエ・ハイマート【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.06.30
コメント(0)

図書館に予約していた『彼岸花が咲く島』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。この李琴峰という日本で生まれた台湾人作家の使う日本語が興味深いのです。【彼岸花が咲く島】李琴峰著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【第165回 芥川賞受賞作!】記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だったーー。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。<読む前の大使寸評>この李琴峰という日本で生まれた台湾人作家の使う日本語が興味深いのです。<図書館予約:(6/19予約、副本?、予約0)>rakuten彼岸花が咲く島まず冒頭から語り口を、見てみましょう。p2~7 砂浜に倒れている少女は、炙られているようでもあり、炎の触手に囲われ大事に守られているようでもあった。 少女は真っ白なワンピースを身に纏い、長い黒髪が砂浜で扇状に広がっている。ワンピースも髪もずぶ濡れで黄色い砂がべったりと吸いつき、眩しい陽射しを照り返して輝き、ところどころ青緑の海藻が絡みついている。ワンピース以外に衣類はなく、持ち物も特にないようである。少女の白い裸足に、ワンピースの裾がめくれて露わになっている大腿に、折れそうなほど細かい首筋に、どこか寂しげな色を浮かべる顔に、あちこち傷跡がついている。鋭いもので切られたような傷口もあれば、鈍器で殴られたような暗い紫色の痣もある。 少女を包み込んでいるのは赤一面に咲き乱れる彼岸花である。砂浜を埋め尽くすほど花盛りの彼岸花は、蜘蛛の足のような毒々しく長い蕊(しべ)を伸ばし、北向きの強い潮風に吹かれながら揺れている。薄藍の空には雲がほとんどなく、太陽はちょうど中天に差し掛かる頃で、その下に際限なく広がる海水は浜辺から翡翠色、群青色、濃紺へとグラデーションしていく。白い波は彼岸花の群れに押し寄せては、岸を打つと音を立てて砕ける。この光景を見ると、少女は波で海岸に打ち上げられたのだということを誰も疑問に思わないはずである。 最初に少女の姿を目にしたのは、彼岸花を採りに砂浜にやってきた游娜(ヨナ)だった。少女と同じくらいの年齢に見えるヨナは笠を被り、ギンガムチェックの着物を着ていて、日に焼けた小麦色の細い手足が筒状の袖から伸びている。脹脛に届くくらいの長い黒髪は一つに結い、歩くと軽やかに躍動する。游娜は慣れた手つきで、満開を少し過ぎたくらいの彼岸花を丁寧に選別しては、はさみで緑の花径から切り取ると、左肩に背負っている麻袋に放り込んでいく。 鮮やかな彼岸花の群れに倒れている少女に気付いた瞬間、游娜は驚きのあまり麻袋を落とし、反射的にはさみを持ち直して身構えた。この砂浜には自分以外に誰もいないはずだ。しかし少女に目を凝らすと游娜はまた動揺し、ゆっくりとはさみを下ろした。少女の可憐な見た目に息が詰まりそうになったというのもあるが、彼女の身に纏っている白装束に気を取られたからである。(中略) 少女に見惚れた游娜は何かを考える前にほぼ衝動的に自分の顔を近付け、少女と唇を重ねた。目を閉じると世界の全てが遠退き、波の音だけが遠くで木霊する。冷たく柔らかい唇からは、海水の塩っぽい味がした。 唇を離すと、少女は悪夢にうなされるように瞼をきつく閉じ、両手で拳を握りながら、意味を成さない低い唸り声を発した。ややあって、ゆっくり瞼を開けると眩しそうに右手を目の前にかざし、影を作った。游娜の存在に気付いたのはそれからだった。「ノロ?」と游娜は訊いた。 もがきながら少女は身体を起こしてヨナを見つめ、何度か瞬きをした。そして、「ノロ?」と訊き返した。「ノロの服着てるアー!」游娜はやや興奮気味に言った。「リー、ニライカナイより来(らい)したに非ずマー?」「ここ、どこ?」昏睡していたとき顔に表れていた寂しげな表情が色褪せ、代わりに少女の顔に浮かんだのは純然たる恐怖だった。「なんでわたしはここにいるの?」「ここは〈島〉ヤー!」と游娜は答えた。「シマ?」少女は怯える目で游娜を見た。「なんのシマ?」「〈島〉は〈島〉ベー」
2024.06.29
コメント(0)

昨夜のNHK番組SONGSは中島みゆき特集だったので、ほぼすべての曲を楽しむことができました♪とにかく、彼女の曲は「希望」を歌うところがいいわけで、疲れた我々を鼓舞するというか、寄り添ってくれるように感じるのです。・・・ということで、11年前の記事を復刻してみたのです。*********************************************************泣きたい夜もあるだろう時代 中島みゆきでも聴いて、元気出してよ♪今夜のSONGSは、「時代」~中島みゆき初激白!であったが・・・よかった♪中島みゆき自身も、20年ほどの封印を解き最近になって、この歌を歌うようですが・・・時代の変遷がそれを求めたのかも?ライバルだった八神純子も恩讐を越えて(笑)、今この歌を歌っているが、それだけいい歌なんでしょう。(世界歌謡祭?で二人はグランプリを狙ったが、その栄冠を中島がさらったようです)東北の被災地に通い、八神純子は「時代」を歌う。~いつか、笑って話せる日が来るわ♪~一青窈なんか、この部分を歌うと涙が出るそうです。YouTube「時代」 YouTube「ヘッドライト・テールライト」***********************************************************************■2013年04月06日今夜のSONGSは「時代」https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201304060000/
2024.06.29
コメント(0)

日ソの領土問題をこのフランス人著者はどう見ているのか興味深いので・・・復刻して読んでみましょう。*********************************************************図書館で『地図で見るロシアハンドブック』という本を、手にしたのです。この本は2022年のウクライナ侵攻前に発刊されているが・・・2014年のクリミア半島侵攻には触れているので借りた次第です。【地図で見るロシアハンドブック】パスカル・マルシャン著、原書房、2021年刊<「BOOK」データベース>よりロシアの現状が一目瞭然でわかるアトラス!ウクライナ危機、国境の変化、世界の新たな均衡など、今日のロシアの地政学的利益が一目でわかる。<読む前の大使寸評>この本は2022年のウクライナ侵攻前に発刊されているが・・・2014年のクリミア半島侵攻には触れているので借りた次第です。rakuten地図で見るロシアハンドブック「ロシアの地政学的利点」から「極東のロシア」を、見てみましょう。あくまでもフランス人著者の見方ですが。p176~179<空白地域を管理する> エニセイ川より東の極東と東シベリアでは、1000万平方キロメートルの面積に1550万人の住民しかいない。1989年には1670万人だった。大多数を占めるロシア人は西に戻っていく傾向があり、数少ない先住民族はあまり多産ではない。この空白地域に隣接するのが、人口13億人の中国をふくむ世界でもっとも人口密度が高い地域である。 中国人移民はアメリカやヨーロッパ、アフリカなど、もっと温暖で実入りのいいところへの移住を好むので、ロシアへはほとんど入ってこない。 1990年代にはイルクーツク、ノヴォシビルシク、コムソモリスク・ナ・アムーレにあるスホーイ社の工場が、インドなどアジア諸国に作戦機を大量に輸出した。西部にある工場ではおこなわれなかった近代化がなされたのである。 現在、航空機産業の復興はこれらの工場にかかっている。最新型の戦闘機(Su—34、Su—35、Su—57)や、ソ連崩壊後に設計された民間旅客機、スーパージェット100やイルクートMS—21の製造がおこなわれている。 ロシア政府は2006年にヴォストチヌイ宇宙基地の建設をけっていした。2020年にはロシアのほとんどすべての有人飛行を担うことになるだろう。ロシアの民間船舶建造の刷新は、とくに韓国からの技術移転がおこなわれることになっているヴラジオストクのズヴェズダ造船所に託されている。将来のロシア製砕氷船の製造もうけおっている。(中略)<国境紛争> アムール川とウスリー川に沿った現在のロシアと中国の国境は、1858年のアイグン条約で定められたものだ。この条約は19世紀にヨーロッパの列強に押しつけられた「不平等条約」と中国がよんでいるもののひとつである。1969年には、ウスリー川流域でロシアと中国との軍事衝突が起こった。その後、国境が画定され、承認された。 中国は、東シベリアの豊富な鉱物資源に触手を伸ばしたいという気持ちはあるかもしれないが、これほど広大で過酷な地域の管理コストを負担するのは避けたいところだろう。いずれにしても、この地域からの販路としては中国や東アジアしかない。(中略) いっぽう、ロシアと日本の領土問題は数世紀前から続いている。千島列島は1644年から日本地図に描かれている。日本人は列島南部を支配し、ロシアのアザラシ猟師たちは北部にやってきていた。 1855年の下田条約(日露和親条約)で、列島北部はロシアに、列島南部は日本に割りあてられた。国境線は択捉島とウループ島(得撫島)のあいだを通っていた。 1875年のサンクトペテルブルク条約(樺太・千島交換条約)で、日本は千島列島すべてを獲得し、ロシアは樺太(サハリン)の統治権を得た。1905年にロシアが敗北したとき、ロシアは樺太北部の領有権を保持し、日本が樺太南部の支配権を得た。 1945年、ソ連軍が千島列島と樺太を占領した。樺太については日本から意義は唱えられなかった。1946年、ソ連は千島列島全体を併合し、南の4島に住んでいた1万7000人の日本人を追放した。1951年、サンフランシスコ講和条約により、日本は千島列島北部を放棄したが、南部の4島(歯舞、色丹、択捉、国後)はそうではない。 両国のあいだにはいかなる平和条約も結ばれていない。 2019年はじめ、日本の報道機関は、安倍晋三首相の発言にもとづいて、返還合意が間近にせまっていると報じた。このうわさは、ロシアのモスクワや、千島列島が属するサハリン州で抗議運動をひき起こした。『地図で見るロシアハンドブック』2:日ソの領土問題『地図で見るロシアハンドブック』1:2014~19年のウクライナ
2024.06.28
コメント(0)

太平洋戦争終戦時のソ連軍の火事場泥棒のような戦略を思いだし歯ぎしりするのであるが・・・このところ、プーチンの繰り出す悪だくみのなかなかのものであり、以下のとおり復刻してみます。***********************************************************プーチンのプロパガンダに一般のロシア人が感化されているそうですね。粗野な農奴に先祖帰りしているとすれば、プーチンの狂気はより罪深いわけで・・・以下の通り、復刻したのです。***********************************************************図書館で『一冊でわかるロシア史』という本を、手にしたのです。ウクライナ侵略でゆれるロシアであるが・・・この粗野で不可解なロシアは、如何にして生まれたのか知りたいではないか。【一冊でわかるロシア史】関眞興著、河出書房新社、2020年刊<「BOOK」データベース>よりロシアって、謎だらけ。極寒の大地で何が起こっていたのか?教科書よりもわかりやすいロシアの開拓と改革の歴史。【目次】1 キエフ・ルーシ/2 モスクワ大公国/3 ロマノフ朝の成立/4 19世紀のロシア/5 帝国主義と大戦/6 ロシア革命/7 「ソ連」の時代/8 現代のロシア<読む前の大使寸評>ウクライナ侵略でゆれるロシアであるが・・・この粗野で不可解なロシアは、如何にして生まれたのか知りたいではないか。rakuten一冊でわかるロシア史「chapter8 現代のロシア」で、(2020年までの)あのプーチンが述べられているので、見てみましょう。p188~192<後継者はプーチン> エリツィンは1999年末、突然大統領職を辞任します。体調不良のほか、いろいろな事情があったとみられています。そのひとつに新興財閥(オルガリヒー)との癒着という問題がありました。 ソ連末期、ゴルバチョフのころ、経済活力への規制が緩和される過程で有力者がわいろなどでその権益を獲得し、新興財閥が生まれました。天然ガスや石油のような国家資産を引き継いで成立した巨大な財閥が、経済や政治にも口を出すようになっていました。 この汚職が明かされて失脚するのを避けたいエリツィンが、自分を守ってくれる人物に政権を譲ったともいわれています。その人物は、首相になったばかりのウラジミール・プーチンでした。 プーチンは1952年、レニングラード(現在のサンクト・ペテルブルク)に生まれました。レニングラード大学で学び、卒業後はスパイ活動を主要任務とするKGB(ソ連国家保安委員会)に入ります。 1990年にKGBを退職して以降、レニングラード大学の学長補佐官を務めたのち、政治の世界に入りました。1999年、KGBの後身であるFSB(ロシア連邦保安庁)の長官に就任します。長官時代にエリツィンの汚職を調べていた検事総長を失脚させ、クーデターを未然に防ぎました。 自任するエリツィンから大統領代行に任命されたプーチンは、2000年3月のロシア連邦大統領選挙に出馬し、第二代大統領となりました。 <ロシアか、反ロシアか> 就任早々、プーチンは新興財閥のひとりで石油資本のユーコス石油会社を手にして巨大な利益を得たミハイル・ホドルコフスキーを逮捕するなどして特権を奪い、影響力を弱めます。逆に忠誠を誓う企業を優遇し、企業や財閥との交友関係を密にして、共存をはかりました。(中略) 堅実で実利的な政治姿勢で支持者を増やしたプーチンは、地方の有権者の集まりで、組織力を欠いていた「祖国・全ロシア」を2001年に吸収合併し、「統一ロシア」というひとつの政党とします。こうして、プーチンの支持基盤が成立しました。政策は大統領とその周辺の人物によって決めており、事実上は独裁とも見られました。 この年、アメリカで同時多発テロが起こります。チェチェン人のテロに悩まされていたロシアは、反テロリズムのためアメリカと歩調を合わせることを表明しました。このことからロシアは先進国首脳会議への参加が認められました。ただし、ロシアはチェチェンに対して圧力を加え、アメリカはその動きを強く警戒するようになります。 以後、アメリカとの関係はテロを共通の敵として友好的となっていきました。しかしウクライナ問題でのアメリカの反ロシア的態度を見て、アメリカとの関係は変化しはじめています。 こうした状況のなか、2002年10月、モスクワの劇場をチェチェンの急進的独立派が占拠するテロ事件が起こります。 その後も2006年にかけてテロ事件は連続しますが、プーチンは多くの犠牲者を出したものの一連の事件を鎮圧しました。国際社会から非難の声が上がっても、ロシアはチェチェンの独立を認めませんでした。『一冊でわかるロシア史』1:日露戦争あたり『一冊でわかるロシア史』2:後継者はプーチン
2024.06.28
コメント(0)

図書館で『女と男の大奥』という本を、手にしたのです。大奥といえば、なにやら隠微な興味が湧くではないか♪*********************************************************【女と男の大奥】 福田千鶴著、吉川弘文館、2021年刊<「BOOK」データベース>より江戸城本丸奥にあり、将軍の家族が暮らした後宮=大奥。その実態を知る上で不可欠な大奥法度から歴史・職制・機能を分析。多くの男たちが出入りしていた事実を明らかにし、「女たちの大奥」という固定観念を問い直す。<読む前の大使寸評>大奥といえば、なにやら隠微な興味が湧くではないか♪rakuten女と男の大奥まず「プロローグ」の冒頭で、江戸城大奥や女中たちの通用門が述べられているので、見てみましょう。P1~5<女たちの大奥に出入りする男たち>■大奥はどこにあるのか 本書のメイン・テーマは、江戸城大奥である。一般に大奥といえば、江戸幕府の後宮のことを指し、将軍の家族やそれに仕える多くの女性たちが暮らしていた。そう聞けば、女たちの愛憎劇や陰謀渦巻くいつもの「大奥」話を期待されるかもしれない。しかし、そのような「女たちの大奥」という固定観念を大きく改めたい、というのが本書のねらいである。 本書の舞台となる大奥は、いうまでもなく江戸城の中にある。では、「江戸城はどこにある?」。 今どきの学生にそう尋ねると、一瞬、思考が止まることがある。江戸城というからには東京にある、というところまでは思いつくのだが、そこから先が進まない。そこで、今の皇居だと教えると、「やはり、そうだと思っていました」という展開になる。 つまり、現在の皇居のある場所が、江戸城である。皇居を訪ねて坂下門から入ると、左手に宮殿がみえてくる。これは、もとは西の丸だった場所。そこから右手に、一段高くなった場所に本丸がある。 蓮池門を通って本丸エリアに向かい、左右に分かれた右手の道を選び、富士見櫓を左に見上げながら進むと、前方に二の丸エリアがみえる。その手前に本丸に登城するための中の門があり、門を通過して番所を背にして進み、U字に折れた坂道を上れば中雀門があり、表玄関付近に到着する。そうすると、その先に広がる本丸広場の一番奥に、巨大な天守台がみえる。そこまでが本丸エリアである。 大奥で女中の住居だった長局(ながつぼね)跡地付近には、今はカラフルでかわいらしい円筒状の宮内庁雅楽部桃華楽堂が建つ。令和元年(2019)の大嘗祭の際には、大奥エリアに大嘗宮が建立され、連日テレビで上空から映し出されていたので、ご覧になられて記憶に残っている方もいるだろう。■女中の通用門 では、大奥へはどのルートで入ったのか。通常、女中たちが出入りを許された通用門は、江戸城北側に設けられた平川門である。地下鉄の竹橋駅を降りて、大手町方面側の地上出口を出た先にある。平川門を入ると三の丸エリアがあり、それを背にして下梅林門を抜け、やや急な坂道を上がると上梅林門があり、左に曲がった先に本丸の裏門となる切手門があった。今は宮内庁書陵部がある。ここから先が大奥エリアである。 切手紋ではあらゆるものが改めを受け、門に届けられた書立に名がある者のほかは、門札や切手を持たなければ通行は許されなかった。 切手門を抜けると、中仕切門、広敷門があり、これを抜けるとようやく大奥玄関となる。これは将軍本妻専用の出入り口および姫君などの来客用であり、一般の女中たちはその右脇にある通用口(中の口)を使った。また、女中の使用人である部屋子やその親類、元女中などの来訪は、広敷門を入って右脇にある七つ口を通って各部屋に入った。 つまり七つ口とは、大奥女中たちに仕える部屋方(使用人)たちの出入り口であり、暮の七つ時(午後四時頃)に〆戸が閉まるのでその名がある。詳しくは、順次、本論で述べていくことにしよう。
2024.06.27
コメント(0)

クマムシの能力は驚異的であり、まるでSFではないかとさえ思われるわけで・・・以前に読んだ『クマムシ?!』という本を読み直したいので、以下のとおり復刻してみます。*********************************************************図書館から『クマムシ?!』の準備ができた旨のメールが届き、イソイソと図書館に出向いてゲットしたのです♪この本は成毛眞著『もっと面白い本』でも取り上げていたので、期待を込めて図書館に予約していたところ、待つこと8日で受けとったのです。【クマムシ?!】鈴木忠著、岩波書店、2006年刊<「BOOK」データベース>より乾燥すると樽型に変身!真空、高温、高圧、放射線にも耐え、レンジでチンしても平気。120年間水なしでも生き続ける生物がいる―?それは体長1mm以下の微小な生物・クマムシ。不死身伝説の真偽、18世紀からの研究の歴史、試行錯誤で飼育する笑いと苦労の物語など、生物研究のオモシロさ満載。身近なクマムシの観察方法や、ファン必見の図版も多数掲載。<大使寸評>画像が多くてわりと薄い本であるが、クマムシ研究の歴史やクマムシ観察の要領にも触れていて・・・ど素人でさえも、クマムシや生物学に誘う本であると大使は高く評価するのです。<図書館予約:(9/08予約、9/16出向いてゲット)>Amazonクマムシ?!子供でも興味をひくような、この本の語り口の一部を紹介します。<餌の問題>よりp20~21 じつはオニクマムシの培養はすでに1964年にドイツのバウマンによる報告がある。その記述によれば、オニクワムシはワムシだけでなくバクテリアや繊毛虫やカビなども食べているように書かれているのだが、日吉のクマムシを見ている限り、どうも繊毛虫を攻撃する気配は皆無である。バクテリアは小さすぎて食べているのかどうか、さっぱりわからない。カビなんてほんとうに食べるのだろうか?ちょっと信じられない気もする。 それでもしつこく観察するうちに、ある日、オニクマムシが小さなワムシをパクッと食べた。おおっ、食べた!今のワムシはどうもヒルガタワムシではなく、単生殖巣類のワムシのようだったが、ともかくワムシを食べるということは確かだ。うーむ、やっぱり餌はワムシに限るのかもしれない。でも、ワムシを増やすにはどうしたらよいのだろう? 肉食動物を飼う、ということはつまり、餌となる動物も飼わなければならないのだった。 さて、どうしたものか。もし、すでに大量に培養されているようなワムシがあれば、それを使うことができるかもしれない。最近では、なにか調べたいものがある時には、まずインターネットで検索する、という人が多いだろう。わたしもそうしてみた。しかし、ワムシ培養に関しては、魚の餌として使われている海産のシオミズツボワムシという種類の情報は山ほど出て来るのだが、淡水産のワムシに関しては得るものはほとんどない。図書室でいろいろ古い文献を探しても、なかなかこれはというものが出て来ない。うーむ、どうしたらよいのだ? この時、幸福な偶然に出会ったのだった。学生の生物学実験用に維持していたアメーバ培養のシャーレの中に、あろうことか、ワムシがウジャウジャ増えていたのである。しかも大型のヒルガタワムシではなく、体長0.1ミリ程度の単生殖巣類の小さなワムシだ。普通ならば、本来のアメーバ以外のコンタミ(混入物)として毛嫌いするところだが、このときはもちろん大喜びである。さっそくそのワムシを何匹かピペットで吸い取って、オニクマムシが歩いている所へ置いてみた。さて、どうだろうか…。食べるかな?食べてくれるかな?食べてくれ!その結果は…食べた!このときほど、動物が食事をする光景が嬉しく見えたことはない。鈴木さんが「あとがき」で、この本の成り立ちを述べています。<あとがき>よりp109~111 新たな仕事を始めるときに研究者としてすべきことのひとつに、文献探しがある。ところが、なにしろ日本語で読めるクマムシの一般書はまったくない。最初は、やや古めかしい『動物系統分類学』がほとんど唯一の頼りだった。日吉の図書館では他の本にもクマムシの記述を見つけたが、その中の「ヒトとの関係」という項目には、ただ一言「ない」と書かれていた。これは英語の本の翻訳だったが、元の本の記述を直訳すれば、経済的価値が「ない」ということであった。そのような扱いのせいか、英語圏でも一般書として読めるクマムシの図書はほとんどないような状態だったようだが、幸いなことに、1994年に出版された単行本が一冊だけ存在することを知った(Kinchin,I.M.,The Biology of Tardigrades)。さっそくそれを入手して、年度末で忙しい日本の大学教員としての日常の中で、久しぶりに嬉しい勉強の毎日が始まったのだった。 その後の日々は、おもしろいことの連続だった。研究者にとって、おもしろいことがなによりの原動力である。コケのすき間の世界をのぞいてみると、自分にとって新しいことを毎日のように発見できた。そして、文献探しをするうちに、どんどん古い世界にもぐっていく感じがした。つまり新しい文献が乏しく、受け売りでない情報を求めていくと、どんどん昔の文献までたどらなけっればならなかったわけである。 6年前の寒い冬の朝、クマムシのことを思ったときには、こうしてクマムシの解説をするとは想像もできなかったが、わたしは今、この原稿をコペンハーゲンの博物館で書いている。クマムシがわたしをこの街に連れて来たのだ。わたしは今ここで、海のクマムシの卵形成過程について研究している。(中略) この本では、あえて詳しく書かなかったこともたくさんある。特に、クリプトビオシスの分子機構や遺伝情報に関連するような研究については、今後急速な進展が期待され、あと数年先にはまったく情勢が変わっている可能性が高い。それらについては、また別の機会、別の著者に譲るとして、わたしはこの本ではおもに、これ以上古くなりようにない話をまとめてみた。そうすることで、伝説と事実の境界もかなり明確に示すことができたのではないかと思う。またできる限り、古い文献の挿絵を紹介した。たとえばミュラーやデュジャルダンのクマムシの図は、原著以外で紹介されるのは今回のこの小さな本がはじめてだと思う。ところで、ネットを巡っていたら、クマムシのサイトを見つけたのです♪クマムシ観察絵日記 より 低温にも負けず、高圧にも負けず、乾燥にも放射線の照射にも負けぬ、丈夫な体を持つものの、どこかかわいげのあるクマムシ。この魅力あふれる生きものを愛してやまない“クマムシマン”が絵とともにつづる、ある愛の記録。<著者:堀川大樹> 1978年、東京都生まれ。地球環境科学博士。2001年からクマムシの研究を始める。これまでにヨコヅナクマムシの飼育系を確立し、同生物の極限環境耐性能力を明らかにしてきた。2008年から2010年まで、NASAエイムズ研究センターおよびNASA宇宙生物学研究所にてヨコヅナクマムシを用いた宇宙生物学研究を実施。2011年から2014年まで博士研究員としてパリ第5大学およびフランス国立衛生医学研究所ユニット1001に所属。『クマムシ博士の「最強生物」学講座――私が愛した生きものたち』(新潮社)の著書がある。クマムシの画像より微小動物「クマムシ」宇宙空間で生き延びたより 研究を行ったスウェーデンのクリスチャンスタード大学(Kristianstad University)のIngemar Jonsson氏が率いる研究チームによると、宇宙空間で動物の生存が実験で確認されたのは今回が初めてだという。*********************************************************■2014.09.19XML『クマムシ?!』 https://plaza.rakuten.co.jp/foret/diary/201409190000/
2024.06.27
コメント(0)

図書館で『教科書には載っていない!明治の日本』という文庫本を、手にしたのです。この本の目次を見れば・・・どの歴史的事例も、そんな取り上げ方もあるのか♪と興味深いのである。【教科書には載っていない!明治の日本】熊谷充晃著、彩図社、2014年刊<出版社>より「明治時代」の表から裏まで、余すところなくご覧頂く。過剰なまでのエネルギーを放つ“19世紀の私たち”の奮闘を心ゆくまでお楽しみ頂きたい。(「はじめに」より)<読む前の大使寸評>この本の目次を見れば・・・どの歴史的事例も、そんな取り上げ方もあるのか♪と興味深いのである。rakuten教科書には載っていない!明治の日本第一章「明治日本の意外な姿」から武士の商売を、見てみましょう。p54~57<困窮した士族たちの「武士の商売」>■生き残りを駆けたお茶の栽培事業 武士の世が終わりを告げ、新しい世が始まりつつあった明治時代初期。 ちょんまげ、刀だけではなく、階級そのものまで喪失してしまった武士たちは、武力に頼ることなく生活の糧を得なければならなかった。しかし、所詮は「武士の商売」。経済活動とはほとんど無縁だった彼らが、すんなり成功できるほど甘くはない。 凍死者や餓死者が続出し定着に至らなかった北海道開拓事業の一部が代表的だが、沿岸部での昔ながらの手法による製塩事業や、浪士による石油発掘事業など、多くの「武士の商売」は、成功とは言いがたい結果に終わった。 そうして食い扶持にも事欠くような困窮士族が全国にあふれるのだが、廃藩置県後の静岡県は特に、その数が多かった。全国一の石高を誇っていた徳川宗家は静岡に移封され、250万石ともいわれる領地が70万石と、実に3分の1程度に激減。 旧幕臣に対する待遇を維持できないのはもちろん、養う人数自体を削減せざるを得ない状況に陥った。リストラされた旧幕臣は新天地に赴いてはみたが、後ろ指を指されて迫害にあう者、様変わりした生活に馴染めない者などを中心に、続々と静岡県に再集合する。そこには旧幕臣として、徳川家と運命を共にする覚悟をした者もいれば、行き場がないから仕方なく出戻った者もいた。 どんな背景があるにせよ、明日の食い扶持を稼ぐ必要があるのは、皆一緒。そこで彼らの生活を守るため、藩主導の救済事業が展開されることになる。その中で、現在まで脈々と続く成果を挙げたものが、お茶の栽培事業だ。江戸時代から茶の産地として知られていた静岡県だったが、明治に入ると困窮士族たちを救済する手段として拡大されていく。 まだ幕府と薩長が戊辰戦争を戦っていた時代、上野戦争で散った彰義隊と同時期に、剣豪として知られる幕臣・山岡鉄舟らが結成した「精鋭隊」という組織がある。 水戸に謹慎する慶喜の恭順路線に従った一団だが、「新番組」という名に改組してすぐに、静岡での窮乏生活を見越し、1869(明治2)年に静岡県にある牧之原台地の開墾を願い出て、藩庁から許可されている。 隊の名前も開墾方に改め、山岡とともに結成時に隊頭を務めた中條金之助をはじめ、200人ほどが茶の栽培に挑戦することになった。翌年には彰義隊の生き残りの一部が合流し300戸ほどの開墾集団になっている。 もっとも、実際に開墾するのは武士たち。即席の農民による事業は遅々として進まなかった。最初に拝領した開墾用地は1425町。対して1878(明治11)年に開墾を終えていた土地はたったの211町。しかも開墾に従事する戸数は100戸近くも減ってしまった。 それでも、武士の帰農チャレンジとしては成功の部類で、牧之原台地は今も県下有数の産地として知られる。 背水の陣を敷いた旧幕臣たちが見せた意地と努力は、成果を見るまでに時間はかかったものの「武士の商売」として結実したのだ。『教科書には載っていない!明治の日本』1:明治の選挙戦
2024.06.26
コメント(0)

今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「手あたり次第」でしょうか♪<市立図書館>・彼岸花が咲く島・幽囚回顧録・生命式<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【彼岸花が咲く島】李琴峰著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【第165回 芥川賞受賞作!】記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だったーー。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/19予約、副本?、予約0)>rakuten彼岸花が咲く島【幽囚回顧録】 今村均著、中央公論新社、2019年刊<「BOOK」データベース>よりインドネシアの軍政下で自治を認め、ラバウルでは自給自足を実現し、リベラル派で知られる軍人が理不尽な戦争裁判に立ち向かう。オランダ法廷では無罪になったが、オーストラリアの法廷では禁固十年が宣告されていたため、東京に送還されるも、部下と命運をともにしたいとマヌス島の刑務所に残留した。巻末に伊藤正徳のエッセイを収録。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten幽囚回顧録【生命式】 村田沙耶香著、河出書房新社、2019年刊<「BOOK」データベース>より文学史上、最も危険な短編集。自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten生命式
2024.06.26
コメント(0)

『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在90位・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、副本12、予約373)現在9位・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、副本7、予約177)現在14位・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、副本5、予約126)現在11位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在69位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在3位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在35位・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、入荷待ち、予約?)現在1位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在44位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在69位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在41位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在7位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在18位・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、副本1、予約8)現在1位・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、副本?、予約8)現在3位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・西東三鬼『神戸・続神戸』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・内田樹『勇気論』:図書館未収蔵・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』・文字の大図鑑<予約分受取:2/27以降> ・村上春樹×柴田元幸『翻訳夜話』(2/15予約、2/27受取)・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、2/27受取)・川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』(1/26予約、2/27受取)・呉叡人『フォルモサ・イデオロギー』(2/03予約、3/11受取) ・森見登美彦『太陽と乙女』(3/23予約、3/31受取)・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、6/05受取)・李琴峰『彼岸花が咲く島』(6/19予約、6/25受取予定)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【墨のゆらめき】三浦しおん著、 新潮社、2023年刊<出版社>より実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/9予約、副本12、予約373)>rakuten墨のゆらめき【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【大学教授 こそこそ日記】 多井学著、三五館シンシャ、2023年刊<「BOOK」データベース>より「いくらでも手抜きのできる仕事」。現役教授が打ち明ける、ちっとも優雅じゃない生活。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、入荷待ち、予約?)>rakuten大学教授 こそこそ日記【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【米番記者が見た大谷翔平】 ディラン・へルナンデス著、朝日新聞出版、2024年刊<出版社>より本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/16予約、副本1、予約8)>rakuten米番記者が見た大谷翔平【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.06.25
コメント(0)

「翻訳」も私のツボになるわけで、まったく、下手の横好きと言いますか♪ということで、『カーヴの隅の本棚』という本を読み直してみようと、思い立ったのです。*********************************************************図書館で『カーヴの隅の本棚』という本を、手にしたのです。【カーヴの隅の本棚】鴻巣友季子著、文藝春秋、2008年刊<「BOOK」データベース>より小説を読みつつ記憶のカーヴを探り、ワインの製法をたどり文学の本質に迫る。【目次】家政婦の血抜き/白バラの香り/そこに現前するもの/詩人の蝋燭/蛙を池にもどす/余韻の成分/骨肉の争い/描写の成分/訳しえぬもの/ハンプティ・ダンプティの口ぶり〔ほか〕<読む前の大使寸評>「翻訳」も私のツボになるわけで、まったく、下手の横好きと言いますか♪rakutenカーヴの隅の本棚翻訳のコツが語られているあたりを、見てみましょう。p98~100<おいしい新訳> その昔、ある処に、Meursault村の Charmeを飲んで、「ぜんぜんスモーキーでもバターっぽくもなく、やたらミネラルが強くて、酸っぱい」と言って怒った人がいた。これらはまさに、少なくとも若いMeursaultの特徴そのものなのであって、怒られる謂われはないのだが、こういう思い違い(?) が以前はよくあった。かく言うわたしもひと頃は・・・よく飲んでいたのはComtes-Lafonのものなのに・・・ひとえに先入観から、Meursaultはスモーキーでバタリーだと考えていた気がする。 いま思うと、「どこが!」と自分に突っ込みたくなるが、Ðominique Lafonや Coche-Ðuryらが大スターになる前の時代、そんな印象をもたらすMeursaultはよくあった。オーク樽を製造するさいこの産地では木板を火で炙って曲げるので、焦げた・煙ったような香りがつくのだという「説」もあるが、この製造法をとるのは同地方だけではない。(中略) * 前章では、先行する作品や解釈からの影響といった問題にふれた。翻訳者というのは原著に対してつねに「遅れてきた者」になるが、新訳者はその「遅れ」に輪をかけることになる。 新訳のさい、既訳を意識する・読む訳者と・意識しない・読まない訳者がいる。わたしはといえば、前者。すべての既訳に目を通すわけではないが、なぜ読むか、再読するかというと、先行する翻訳家のスタンスを知るということが、まずある。翻訳姿勢は訳文から垣間見えることもあるし、往年の古典訳書に決まって付されていた詳細な「訳者あとがき」からも窺うことができる。 当時のどんな考え方や学説の影響をうけて訳したか、知っておくのもわるくない。先行訳者の立ち位置というのは往々にして、作品の歴史的な受容のされ方を知るてがかりとなるからだ。後続の書き手というのは、先行作家からのダイレクトな影響ばかりでなく、読者の受けた「影響の影響力」もむろん被ることになる。 わたしが『嵐が丘』を翻訳したさいには、この小説が日本ではほぼ悲劇一辺倒の読まれ方をしてきたこと、また、語り手の存在が重視されていないことを実感するにつれて、違和感がつのり、結局はその違和感に照らされて、自分が漠然ともっていた「嵐が丘」が鮮明になり、「コミカルな場面はコミカルに」「語り手の家政婦も主役の一人として捉える」という翻訳姿勢が固まったと言える。原文と英語の研究所を読んでいるだけでは、こうしたヴィジョンは得られなかったろう。『カーヴの隅の本棚』1:中上健次や多和田葉子アイラウイスキーとクラフトビール BAR下手の横好き
2024.06.25
コメント(0)

図書館で『中世的世界とは何だろうか』という本を、手にしたのです。本書は週刊朝日百科『日本の歴史』(全133冊)に掲載された内容の一部とのことで、著名な歴史学者の語り口は如何なるものか?・・・興味深いのである。【中世的世界とは何だろうか】網野善彦著、朝日新聞出版、1996年刊<「MARC」データベース>より「源氏と平氏」から「後醍醐」までを縦軸に、遊女・海民、遍歴する人々、楽市と駆込寺、貨幣と税などの諸テーマを横軸に、広く深く日本の歴史をとらえなおす。<読む前の大使寸評>本書は週刊朝日百科『日本の歴史』(全133冊)に掲載された内容の一部とのことで、著名な歴史学者の語り口は如何なるものか?・・・興味深いのである。amazon中世的世界とは何だろうか冒頭の「海民と遍歴する人々」から縄文文化と弥生文化を、見てみましょう。p8~10<列島と海の民> 日本文化の最も古い基層といわれる縄文文化について、これを「島国的」で閉鎖性の強い文化とする議論を、しばしば耳にする。しかしこれが、「俗説」・・・日本を島国ときめこむ見方の産物であったことは、たとえば渡辺誠氏の研究によってすでに見事に明らかにされている。 渡辺氏は、縄文時代前期以来、西北九州と朝鮮半島東南岸との間を交流する漁撈民があり、この人々が結合釣針、曽畑式土器・石鋸など、海を越えた両地域に共通する文化の担い手であった事実を解明したのである。縄文文化は決して日本列島の中で完結した文かではなかった。 しかも、この漁撈民の文化は、縄文時代の漁撈の中心で、外洋性の釣漁撈、内湾性の網漁撈を発展させた東日本の漁撈民の文化に対して拒否的であり、異質であった。稲作はこの人々の朝鮮半島との交流の上にのって、まず西北九州に入ってくるが、それを契機に展開する弥生文化とともに、西日本には新たな外洋性の網漁撈が展開しはじめる。そしてこの弥生文化に対し、東日本の縄文人はやはり、少なくともその当初は多少とも拒否的だったのである。 渡辺氏はこうした漁撈民のあり方が、単に東日本、西日本の違いにとどまらず、北海道、沖縄もそれぞれに独自であったとする「常識」を覆す上でも、十分の根拠となりうるであろう。日本列島の各地域で、海を通じて大陸や北方、南方の島々と交流しつつ営まれてきたさっまざまな人間の社会が、一つの「民族」といいうるほどになるまでには、まだまだ長い時間が必要であった。 最近の研究はまた、縄文人の生活が、木の実などの採集に依存するところがきわめて大きかったことを明らかにした。こうした植物食を主とする内陸部の縄文人にとって、塩分は生理的にも不可欠であり、そのことが塩を生産し、魚介・海藻を採取する海辺の漁撈民との交易を早くから発展させた。関東・東北に縄文時代後期から土器製塩が発達し、漁撈民が専業的傾向を強めるようになるのは、こうした交易を前提としなければ理解しがたい。 そして弥生時代になると、土器製塩は西日本の瀬戸内海、大阪湾を中心に大きく発展し、古墳時代に入ると、さらに九州・北陸・東海にまで広がっていく。瀬戸内海には、漁撈・製塩を専業とする集団を率いた首長の古墳も、姿を現すようになる。周知のような西日本と大陸・朝鮮半島との活発な交流を担ったのが、こうした西日本の海の民であったことはいうまでもない。漁撈・製塩、海上の交通に従事するこれらの人々を、その一つの生業のみで呼ぶことは不適当であり、以下、海民とこれを呼ぶことにする。■貢納・神饌と海産物 畿内・吉備・山陰・北九州などの首長たちの激烈な競合の中で、中国大陸・朝鮮半島の政治勢力の動向と不可分の関わりを持ちつつ侵攻した、国家形成のすべてにわたって、これら海民集団が大きな役割を果してきたことは疑いない。その経緯は未だ十分に解明されたとはいいがたいが、海民の活動の一部は、確立した律令国家の制度の中にも、明確な刻印を残しているのである。『中世的世界とは何だろうか』1:さまざまな職能民
2024.06.24
コメント(0)

図書館で『教科書には載っていない!明治の日本』という文庫本を、手にしたのです。この本の目次を見れば・・・どの歴史的事例も、そんな取り上げ方もあるのか♪と興味深いのである。【教科書には載っていない!明治の日本】熊谷充晃著、彩図社、2014年刊<出版社>より「明治時代」の表から裏まで、余すところなくご覧頂く。過剰なまでのエネルギーを放つ“19世紀の私たち”の奮闘を心ゆくまでお楽しみ頂きたい。(「はじめに」より)<読む前の大使寸評>この本の目次を見れば・・・どの歴史的事例も、そんな取り上げ方もあるのか♪と興味深いのである。rakuten教科書には載っていない!明治の日本第一章「明治日本の意外な姿」から明治の選挙戦を、見てみましょう。p61~63<賄賂を贈り放題だった選挙戦>■身内同士で選び合うようなものだった 1890(明治23)年7月1日、日本初のアジアでも前例がない「制限選挙による投票」が実施された。第一回衆議院議員総選挙である。この国政選挙は板垣退助や大隈重信をはじめとする「民権派」たちの執念がようやく結実した日でもある。「選挙」というと、現在では満18歳以上の日本人であれば誰でも投票できる権利を持つが、初期のそれはご存知のように、今とは大きく異なるシステムだった。まず有権者は全国で45万365人で、これは全人口の1.13パーセントにすぎない。 有権者になるためには満25歳以上、かつ一定以上の納税をしている必要があり、その額は直接国税(地租と所得税)で年額15円以上。一方の非選挙民つまり立候補者の視覚だが、こちらは満30歳以上かつ直接国税15円以上を選挙区に納税している者。そして、官吏の一部は兼業が許されて一方で、神官や僧侶などの宗教者は立候補できず、現役の軍人は選挙権そのものを認められてはいなかった。 選ぶ側、選ばれる側どちらも似通ったフィルターを通して選別されていたわけで、巨額の所得税を納められるのは有力豪商などごく一部に限られていたから、有権者のほとんどは全国各地の大地主たちで、被選挙民リストもこれとほぼ重なっていた。 当時の地租は地価の2.5パーセントで、これを納税額15円に必要な土地の地価に換算すると600円。面積にすると全国平均で1.86町歩の土地を持つ大地主たちが選挙の主役だった、要するに、大地主たちが自分たちの代表を選んで「衆議院」を作っていたのだ。 衆議院の議員定数は300人。総人口で割ると、およそ12万人にひとりが選出される割合だった。選挙区は小選挙区制で全国257に振り分けられており、東京府は定員12名。ところが有権者は大地主、つまり都市部より農村部に偏っていたから、定員ひとりあたりの有権者数で見ると、東京は5715人なのに対して定数5の滋賀県は1万5456人もいた。 今でも「一票の格差」が選挙のたびに騒がれるが、当時はまるで比べ物にならない。おかげで、京都Ⅰ区の最下位当選者の得票数は27だったのに、滋賀3区では3085票でも落選するという、格差があったのだ。 立候補の制度も現代とは別物である。居住地制限がないので、納税義務さえ果たしていれば、複数選挙区で同時に立候補できたのだ。だから同一人物が別の選挙区で同時当選という珍事も生まれた。■現代ならアウトな選挙運動 選挙運動も今とは勝手が違う。前年に大日本帝国憲法が発布され、国中が中身も分からず熱狂した喧噪そのままに立候補した候補者が多かったから、彼らは自分なりの戦法で選挙を戦うことになった。中でも多かったのが「演説とはなんぞや」というトホホな疑問。 例えば、犬養毅と同じ選挙区に立候補したある候補者は、演説したいが、それが何か分からない。そこで知人に頼み込み、密偵として犬養の演説会場に潜り込んでもらい、結果もたらされた情報で演説の何たるかを知った、という笑い話がある。
2024.06.23
コメント(0)

<ブレードランナーあれこれR5>『ブレードランナーあれこれ』というテーマで書いてというか、集めてきたが・・・どうも構成が拙くて読みにくいので、全体的に構成を見直ししたのです。だけど、三浦しをんさんの『妄想炸裂』と同じで、ブレードランナー・おたくの妄想となっただけなのかも(^^;)*********************************************************<ブレードランナーあれこれR4>「ブレードランナー」を越えるSF映画がなかなか現れないが・・・・それだけ、この映画が素晴らしいことの証しなんでしょうね♪『SF映画の世界』というムック本を借りたこの際、「ブレードランナー」に限定してあれこれ集めてみました。・映画美術といえばシド・ミード・『ブレードランナー2049』・『妄想炸裂』3・『ブレードランナー』続編と『メッセージ』の共通点・SF映画の世界・ブレードランナーの未来世紀R5:全体的に構成を見直した。 <映画美術といえばシド・ミード(再掲)>映画美術といえば、ブレード・ランナーの美術シド・ミードなんですね、大使の場合。表紙に「シド・ミード大特集」と大書した「映像+ 2」という本を大学図書館で見つけたのです。「これや、これや、この本や」・・・・ということで、エッセンスを紹介します。【映像+ 2】 グラフィック社、2007年刊<大使寸評>拘りのシリーズ本であるが、今回は特集「美術・セットデザインの現場」となっていて・・・「ブレードランナー」や種田陽平「ザ・マジックアワー」がとりあげられています。Amazon映像+ 2「シド・ミード、BLADE RUNNERを語る」の冒頭コメントです。監督のリドリー・スコットは、画集「SENTINEL」を見て、私のことを知ったそうだ。「ブレードランナー」に出てくる2020年の車をデザインして欲しい、と連絡をもらったんだ。私はいつもたくさんのスケッチを描いて、何度も打ち合わせを重ねるんだが、この映画はスムーズだった。ほとんどのデザインが数枚のスケッチで決まってしまったよ。デッガードが乗るスピナーも、最初にシンプルなスケッチを描き、あとはパーツを加えるくらいで、仕上げたイラストがそのまま映画の中に生かされているんだ。リドリーが求めているイメージが、私の中にそのままあったんだと思う。シド・ミードの未来がBLADE RUNNER ( filming location video ) のセットに見られるが・・・・ええで♪リドリー・スコットやシド・ミード、美術スタッフたちが映画シーンの実例をもとに映画美術の何たるかを語っているわけで・・・映画作りの講義のようでおます。<ブレードランナー 2049>『ブレードランナー 2049』が27日から公開されているが…これは個人的には必見でおます♪【ブレードランナー 2049】ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督、2017年米制作、<movie.walker作品情報>よりフィリップ・K・ディックの小説を元に、レプリカントと呼ばれる人造人間と彼らによる犯罪を追う捜査官の戦いを描いた傑作SFアクションの続編。前作から30年後となる2049年の世界を舞台にした物語がつづられる。ライアン・ゴズリングが主演を務め、前作で主人公を演じたハリソン・フォードも引き続き出演する。<観る前の大使寸評>ブレードランナーへの入れ込みであるが…観る前に映画鑑賞フォームを作ってしまうところではないでしょうか(笑)しかし、ハリソン・フォードも年取ったなあ。movie.walkerブレードランナー 2049ブレードランナー 2049公式サイトなんだ、監督はリドリー・スコットではないのか、ちょっとガッカリするが…この際、リドリー・スコット監督の初代『ブレードランナー』を付けておきます。【ブレードランナー】リドリー・スコット監督、1982年米制作、<movie.walker作品情報>より近未来のLAを舞台にして、人造人間と人間との戦いをフィルム・ノワール調で描くSF映画。ジェリー・ペレンチノ、バッド・ヨーキン提供。アメリカでは、ラッド・カンパニーがサー・ラン・ラン・ショウの協力を得て、WBを通じて配給。マイケル・ディーリーが製作し、「エイリアン」のドリー・スコットが監督、フィリップ・K・ディックの「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」(早川書房)に基づき、ハンプトン・ファンチャーとデイヴィッド・ピープルズが脚色した。<大使寸評>メビウスの漫画は見たが、フィリップ・K・ディックの原著を読まずに、この映画を作ったドリー・スコットが監督がええでぇ♪movie.walkerブレードランナー<『妄想炸裂』3>図書館で三浦しをん著『妄想炸裂』という本を手にしたのです。就活作家になるまえの新鋭作家と呼ばれている頃の本である。さて、無頼作家の片鱗は見えるかな?三浦さんが『ブレードランナー』を語っています・・・・さて、どんなかな。p109~112<氷点下の青空> 雨が降っている。『ブレードランナー』(リドリー・スコット監督)の話をしよう。マイ・ダーリン、ルトガー・ハウアーと出会った、私にとっては忘れられない映画だ。 あ、ルトガーってのは今つきあってる彼氏よ、なわけはなくて、『ブレードランナー』にレプリカント役で出演している俳優です。彼のことを語り出すとどれだけ紙幅があっても足りないのだけど、プラチナブロンドで目は凍えた青空の色(さすがに自分が恥ずかしい)、M字ハゲでとっても格好良いのよ、うふ。ムキムキの筋肉を誇示しつつスパッツ一丁でハリソン・フォードを追いかけ回す、お茶目なあんちくしょうさ。 B級映画の帝王、「キ〇ガイ・キワモノ・少年好き」と三拍子揃った優れ者。彼のどの出演作を観るにつけても、自分自身の心の広さと「ルトガーへの愛」を試される。まるで宗教的試練みたいに崇高な映画体験。 そのうえ『ブレードランナー』から20年(!)が経とうとしているのですもの。ルトガーも寄る年波には勝てず、「体重増加・頭髪後退・歯抜け」という三重苦に。さらに激しく愛を試される私。でもちっともへこたれないの。ルトガーへの想いは深く静かに持続するのでした。これが愛し合って一緒になった夫婦ってものなのかしら。年とか外見の変化とか、私にとっては些細なことだ。ただルトガーがスクリーン上で細々と活躍している。それだけでいい。愛の力は偉大だ。 私は決してミーハーなわけではない。ほろ酔いかげんの大江健三郎を目撃したときも、電車を待つ小沢征爾を発見したときも、「あ」と思うにとどめた。しかし、「ルトガーに町で会ったら?」と思うと、とたんに平静ではいられなくなる。一度など健康診断で血圧を測っているときに、「渋谷の町でルトガーを発見したらどうするか」を考えてしまい、保健婦さんに、「あらあら、緊張しなくていいのよ」となだめられた。すいません、緊張したんじゃなく興奮してしまったんです。 さて、観ていない人のために、『ブレードランナー』のあらすじを簡単に説明してみよう。酸性雨ばっかり降ってる未来の町が舞台。屋台でうどんを食べてたデッカード(ハリソン・フォード)は、人間そっくりの外見を持つ、脱走した高性能レプリカント(人造人間)を捕まえて殺せと指令を受ける。かくして、デッカードとレプリカントたちとの死闘が始まるのであった・・・・。あらすじ終わり。度肝を抜くストーリー展開はナシ。 それにしても『ブレードランナー』は変な映画で、ハリソン・フォードは主人公のくせに、結局女のレプリカントしか殺せない。ヒーローが女しか殺さない映画。なんとも締まりがない。しかも、男のレプリカントにガンガン痛めつけられて殺されかけてるところを、ヒロインのレイチェル(ショーン・ヤング)に助けられるというふがいなさ。そんな情けない男のくせにレイチェルの前では偉そうなんだよ、おまえは。「キスしてって言え」だとう? 何様なんだっつうの。でも格好いいシーンだから許す。えへ。(中略) 『ブレードランナー』のラストの青空。その小さな心もとない雲の切れ間は一瞬後には閉ざされて、町にはまた酸性雨が降り注ぐだろう。のび太たちが土管のある空き地で昨日と同じように遊ぶとき、そこには常に青ざめたロボットがいる。硬直した日常と、崩壊への種を内包した日常。二つは実は同じものなのだ。それでも私は、その無力感と恐怖を希望と救済でコーティングした物語が好きだ。ルトガー・ハウアーがビルの谷間から力強くハリソン・フォードを引っ張り上げたように。とても細い光が、雨に濡れた空き地の土管に射している。よし、もう分かった。放っておくといつまでも、三浦さんのお話が続きそうなので、とりあえずきりあげます。【妄想炸裂】三浦しをん著、新書館、2001年刊<「BOOK」データベース>よりてらいなく「オタク」であることを語りながら、「オタク」のイメージを打破する溢れるユーモアと才気。毒があっても、なぜか新鮮なさわやかさ!本とマンガを何より愛し、そして三味線と盆栽(サイボン!?)をシュミとする、新鋭作家の爆笑エッセイ。<読む前の大使寸評>就活作家になるまえの新鋭作家と呼ばれている頃の本である。さて、無頼作家の片鱗は見えるかな?rakuten妄想炸裂<『ブレードランナー』続編と『メッセージ』の共通点>『メッセージ』という言語学的SF映画が5月19日公開とのことで・・・これは期待できるかも♪言語学とSF映画という大使のツボが二つかぶると・・・期待はいや増すのでおます♪このドゥニ・ヴィルヌーヴ監督は、『ブレードランナー 2049』も手がけるそうで、すごいやんけ。『ブレードランナー』続編と『メッセージ』の共通点より第89回アカデミー賞で8部門のノミネートを果たしたSF映画『メッセージ』(5月19日公開)のトークショーが4月13日にTOHOシネマズ六本木ヒルズで開催され、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督とタレントの関根麻里が登壇。『ブレードランナー』の続編『ブレードランナー 2049』(10月27日公開)も手がけるヴィルヌーヴ監督が、『メッセージ』と『ブレードランナー 2049』の共通点を明かした。本作は、巨大な宇宙船の襲来と地球外生命体とのコンタクトというSFの王道的な設定と、ヒロインの人生の物語とを繊細に絡ませたSFドラマ。200人の映画監督の卵たちが集ったこの日。『ブレードランナー 2049』に続き、『デューン 砂の惑星』の続編の監督にも抜擢されたヴィルヌーヴ監督が登場し、学生たちの質問に答えた。話題の監督とあって、学生たちからもたくさんの手があがった。映画監督を目指す学生から「準備をする時に追い詰められることがある。大きな作品を撮る時にそうなることは?」と聞かれると、ヴィルヌーヴ監督は「僕は撮影をしている時にパニックに襲われることがある。不安と戦いながら現場にいることが多い」と正直な思いを吐露。次々と大作を手がける監督でも壁にぶち当たる時があるとのことで、大きくうなずく学生も。ヴィルヌーヴ監督は「すぐに答えが見つからない状態も、それをうまく自分の味方にしてしまうことを学んだ。すると、それがすごくパワフルなものに変わる。その時間を居心地のいいものに変えてしまえば、そこから素晴らしいものが生まれてくる」。さらに「僕は準備がすごく好きなんだ。作品のことを夢想できるからね。準備を好きになるといいよ」と真摯にアドバイスを送っていた。『ブレードランナー 2049』は、現在「編集がそろそろ終わる段階。SFXも膨大だけれど、その作業も終わりそう。今、音を付けています」とのこと。それ以上「何もお話できない」と苦笑いを見せながらも、「僕にとってこれまでで一番の野心作で、一番難しい作品になった。早くお届けしたい」と胸を張ったヴィルヌーヴ監督。「『メッセージ』も『ブレードランナー 2049』に共通するのは、ほとんどグリーンバッグを使っていないこと。なるべくカメラの前で物理的にセットを組み、役者にも実際の環境に触れてもらいながら、演技をしてもらった。超大作をそのように撮れたことは、夢が叶ったような思い」としみじみと語っていた。【取材・文/成田おり枝】<『SF映画の世界』>図書館で『SF映画の世界』という大型のムック本を手にしたのです。「2001年宇宙の旅」「ブレードランナー」「スター・ウォーズ」に関して、多くのページを割いているのがええでぇ♪そのなかで、大使一押しのSF映画といえば、「ブレードランナー」になるわけです。p80~82 <ブレードランナー> 「ブレードランナー」のもとになったアイデアは、アメリカの現代SF作家の第一人者フィリップ・K・ディックのもので、彼が1968年に発表した『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』の映画化だ。未来における賞金稼ぎのリック・デッカードは、植民地化計画の一部として配置された火星から、地球へ逃げて普通の人間として生きたいと願っている6人のアンドロイドを追跡する。 彼らは主人を殺し、自由になろうとしていた! 彼らを本当の人間であるかどうか生物学的に見分けることは大変難しく、確認するには複雑な心理学のテストが必要である。その結果、デッカードは人間を偽物と本物と見分けることにまじめに悩み、葛藤する。 アンドロイド物語の最初の脚本は、1973年にロバート・ジャフィーが書いたが、ディックはうべてのものに同意しなかった。のちにオプションが別の人物に渡った後、ディックは『単なるアンドロイド狩りのアイデアに誰も関心を寄せないだろう』と望んだ。同じ目的を持っている次の脚本家ハンプトン・ファーンチャーが興味を示した。しかい、ディックは『フィリップ・マーローがステップフォードの妻たちに会う』というレベルの脚本に失望した。映画化権を持つフィルムウェーズ・プロが経営危機に陥り、最終的に新しい出資者ラッド・カンパニーが権利を取得し、全く新しい脚本が書かれることになり、ディックは満足した。デーヴィッド・ピープルズが執筆したバージョンにディックは大変感動した。 『私はエクスタシーを感じた。自分のエージェントに言った。朝、私は癌であると言われても、笑って病院に行きたい。なぜなら、私の本が実に名作であり、私が優れた小説家であるということが、皆に認められるというかつて無いほどの興奮を体験しようというのだから』と語った。 アンドロイドのボスをやるオランダの俳優ルトガー・ハウアーの写真を見た時、ディックはまた疑いの口調でブロンドの君主的人間を思い出すと語った。映画プロジェクトに対するディックの最後の意見も結局墓の中に入った。 1982年2月の終り、彼は身体が麻痺し、1週間後の3月2日に死亡した。神聖な大都会の沈黙 リドリースコット監督は、映画のために構築した2019年のメトロポリスが実際に時の終りを告げる廃墟(スモッグ、降り続く雨、人口過密)になると考えた。スコットは言った。『我々が観客に見せる町は悪夢である。ニューヨークもその悪夢の一つだ。我々は未来の40年間を構想し、一つのメガロポリスを写し出している。それは、例えばニューヨークとシカゴを一緒にしたような町で、人口が約1億人ぐらいである。それはまたサンフランシスコとロサンジェルスを一緒にしたようなものであるかもしれない。事実、我々はその町をサンジェルスという名にしようとした。もちろん西海岸の大きな植民都市としての郊外都市も含まれる。しかし我々は雨という点で、この町を東海岸におくことにした』 ディックのアンドロイドは、遠隔地の植民地を離れて壊れていく大都会にやって来る。【SF映画の世界】大型ムック、近代映画社、1991年刊<「BOOK」データベース>より「メトロポリス」を生んだSF映画発祥の地ドイツの伝統ある映画出版社と提携、特別編集で作りあげた決定版がこの“SF映画の世界”です。「2001年宇宙の旅」から「スター・ウォーズ」3部作、「E・T」まで、SF映画の名作・話題作を一堂に集め、さらに宇宙船やロボット、アンドロイド、スーパーヒーロー、怪獣まで各ジャンルごとの分析やキャラクター紹介も織り込んだ、これ一冊でSF映画のすべてが分かるファン必読の保存版です。<読む前の大使寸評>「2001年宇宙の旅」「ブレードランナー」「スター・ウォーズ」に関して、多くのページを割いているのがええでぇ♪amazonSF映画の世界<『ブレードランナーの未来世紀』>映画もさることながら町山智浩著『ブレードランナーの未来世紀』という本が良くて・・・・一粒で二度おいしい思いがするのです。この本で、大使がほれ込むエッセンスの個所を紹介します。<ポストモダンの荒野の決闘者>p223 「レイヤリングをした」と、監督のリドリー・スコットは言っている。つまり、レイヤー(層)を重ねるように、思いつく限りのアイデアを画面に詰め込んだのだと。詰め込みすぎたせいで説明不足や矛盾も多く、しかも当初ついていたナレーションを監督が最終的に削除してしまった。それでも、剥がしても剥がしても尽きぬ謎が今もなおファンをとらえて離さない。その意味で『ブレードランナー』は『2001年宇宙の旅』(68年)に似ている。 『ブレードランナー』は間違いなく1980年代で最も重要な映画だ。映画としてだけでなく、アート、音楽、建築など、あらゆる方面で論じられ、引用され、影響を与えた。とくに80年代を席巻した「ポストモダン」の象徴とされた。 カナダの社会学教授デヴィット・ライアンが学生のためのポストモダン入門として書いた『ポストモダニティ』は、冒頭でまず「ポストモダン映画の最高傑作である『ブレードランナー』から話を始めよう」と宣言し、この映画からポストモダンの諸問題を抽出している。「ポストモダン」は当時の流行語として消費されてしまったが、ここでは『ブレードランナー』という映画が80年代を震撼させた理由をしるため、当時のポストモダニストの批評を復習しながら、この映画の厚いレイヤーを剥いでいく。<未来のフィリップ・マーロウ>p225~230 1975年、売れない映画俳優のハンプトン・ファンチャーは友人のブライアン・ケリーと共同で出資して『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の映画化権を手に入れた。そして自らシナリオにまとめた。 ファンチャーの脚色で『電気羊』にあった二つの大きな要素が縮小された。 一つは「電気羊」。これは、核戦争でほとんどの動物が死滅した世界で飼われるロボット羊を意味している。本物の動物は大金持ちしか買うことができない、庶民の夢だ。この時代の人は、本物の動物を飼う行為ではじめて「」として認められる。主人公デッカードは妻との夫婦仲が冷え切っており、アンドロイドを五人殺して賞金を稼げれば、動物を買って夫婦の心も癒されるだろうと思っている。人間たちは本物の羊を飼うことを夢見ている。アンドロイドは電気羊の夢を見るのだろうか?というデッカードの疑問が書名の由来である。しかし、動物はファンチャーのシナリオでは小さな役割になった。 もう一つ、ファンチャーが縮小したのは「妻」だ。『電気羊』は『オデッセイ』ないし、『ユリシーズ』に似た構成で、家を出たデッカードがサンフランシスコの街で地獄巡りをした後、家に帰るまでの物語だ。途中、セイレーンのような三人の女性アンドロイドに心を動かされるが、ついに敵を倒して帰ってきたデッカードを、冷たかった妻は優しく迎え、ほんのり温かいハッピーエンッドとして幕を閉じる。しかし、ファンチャーはデッカードを女房に逃げられた男と設定し、妻をドラマから切り捨てた。 その代わりにファンチャーが強調したのは、ハードボイルド探偵ものの要素だ。 『電気羊』はいちおう刑事が犯罪者を追う話だが、デッカードはフィリップ・K・ディックの他の小説の主人公と同じく泣き言ばかり言っているしょぼくれた小役人だ。しかしファンチャーは、彼をレイモンド・チャンドラーが描く私立探偵フィリップ・マーロウのようなヒーローとした。舞台をサンフランシスコから、マーロウが活躍したロサンジェルスに移し、マーロウと同じソフト帽とトレンチコートを着せたのだ。ファンチャーのイメージは『さらば愛しき女よ』(75年)でマーロウを演じたロバート・ミッチャムだったという。そしてマーロウ調の自虐的な独白でストーリーを進めることにした。これはハリウッドのフィルム・ノワールの手法だ。<ロング・トゥモロー>p229~230 リドリー・スコットとハンプトン・ファンチャーは80年4月、ハリウッドに合宿して脚本の練り直しに入った。「映像においてスタイルはテーマそのものになる」それが、CM出身のスコットのポリシーだ。彼は、まずファンチャーに尋ねた。「窓の外はどうなっている?」『ブレードランナー』の舞台はどんな世界か、と訊いたのだ。ファンチャーが答えられないと、スコットは言った。「ヘヴィ・メタルだ」 それは、フランスのコミック雑誌『メタル・ユルラン』の英語版の名で、スコットがとくに意識したのはメビウスが描いた『ロング・トゥモロー』という短編だった。メビウスはスコットの『エイリアン』に宇宙服のデザインで参加している。『ロング・トゥモロー』はまさに「未来のフィリップ・マーロウ」だ。舞台は未来。主人公のピートは私立探偵。彼は美女の依頼で荷物の回収に行かされ、命を狙われる。ピートはその美女と恋に落ちてベッドをともにするが、彼女の正体はアメーバのように不定形の怪物だった。それは地球大統領暗殺のために異星から送り込まれたスパイだったのだ。タフな探偵の一人称の語り、依頼人の美女の誘惑、そして裏切り。『ロング・トゥモロー』はハードボイルド探偵小説のパターンを未来世界で展開する。 メビウスは『ロング・トゥモロー』の未来都市を空にそびえる摩天楼ではなく地下に向かって何百層も続く地獄のように描写した。さらに、すべての風景にゴミやガラクタをゴチャゴチャと描きこんだ。それはそれまでのSF映画で描かれるピカピカに清潔な未来都市とは正反対だった(ただし、ゴミと手垢で薄汚れた宇宙船なら72年にソ連のタルコフスキーが『惑星ソラリス』で見せている)。『ロング・トゥモロー』のストーリーを書いたのはダン・オバノン。スコットの『エイリアン』の最初のシナリオを書いた男だ。彼はフィリップ・K・ディックの大ファンで、『トータル・リコール』と『スクリーマーズ』でディックの原作を二回も脚色している。 この『ロング・トゥモロー』こそが、スコットにとっての『ブレードランナー』の「原作」である。何しろ彼は『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』を読んでいないからだ!<フィルム・ノワール>p230~231チャイナタウン 原作は読んでいないが、スコットはファンチャーの脚本の「未来のフィリップ・マーロウ」というアイデアに興奮した。彼はロマン・ポランスキー監督の「チャイナタウン」(74年)のようなフィルム・ノワールを撮りたいと思っていたからだ。 フィルム・ノワールとは、おもに1930年代のハードボイルド小説を原作として、40年代にハリウッドで作られた白黒の犯罪映画を指す。最大の特徴は闇だ。夜の闇に、雨に濡れた舗道、ネオンサイン、吹き上がる蒸気、タバコの煙、ブラインドや換気扇越しの光が白く切り抜かれる。フィルム・ノワールはたいてい主人公の憂鬱な独白で始まる。彼は謎めいた美女に誘われ、愛も情けも踏みにじられる暗黒の世界へと入っていく。フィルム・ノワールは、明るく勧善懲悪のハッピーエンドを描き続けたハリウッド映画史上の異端児だ。その厭世主義の原因は二度の世界大戦で残酷な現実を体験したせいだと言われている。「フィルム・ノワール」という呼び名は、それらの映画がフランスで上映されたときにつけられたもので、「フィルム・ノワール」という言葉がアメリカに逆輸入された50年代には、ハリウッドはすでにそういった暗くネガティブな映画を作るのをやめて、明るく健全で保守的なハッピーエンドの映画が主流になっていた。 しかし、60年代終わりから、ヴェトナム戦争を背景に、ハリウッドでは再びアンハッピーエンドの映画が作られた。いわゆるアメリカン・ニューシネマである。ハリウッド映画が描かなかったアメリカのダークサイドを描こうとしたニューシネマは、ハリウッドが闇を描いていた40年代のフィルム・ノワールを再生した。それがスコットの愛する『チャイナタウン』であり、ファンチャーが愛する『さらば愛しき女よ』なのだ。 「『ブレードランナー』の設定は(製作時から)40年後の未来だが、映画のムードは40年前の1940年代に作られたフィルム・ノワールを模した」とスコットは言っている。当初、デッガードはフィリップ・マーロウ風にトレンチコートにソフト帽を被る予定だったが、ハリソン・フォードが「レイダース/失われたアーク」(81年)で先にソフト帽を使ったのでコートだけになった。<アンドロイドからレプリカントへ>p231~232 リドリー・スコットはディックの原作にある「バウンティハンター」という職業名は平凡すぎるとファンチャーに言った。ファンチャーは自宅の本棚から『映画:ブレードランナー』という本を見つけた。著者はウィリアム・バロウズ。ファンチャーはバロウズのファンで『電気羊』の前に『裸のランチ』の映画化権を買おうとしていたのだ。バロウズもディックも麻薬常習者で、現実と妄想の区別が曖昧な文体が共通している。 Bladeは手術用メス、Runnerは「密売人」というスラングで、Blade Runnerとは医療用品の密売業者のこと(銃の場合はGun Runnerとなる)。そもそも、自身も医者だった作家アラン・E・ナースが74年に医療用品の密売人を主人公にした小説『ブレードランナー』を書いた。それを79年にバロウズが勝手にアクション風に書き直したのが『映画:ブレードランナー』だ。両者とも内容的には映画『ブレードランナー』とは関係ない。 スコットから次々に飛び出す要求に応えようとしたファンチャーだが、ついに二人は衝突してしまう。スコットは勝手に脚本家デヴィット・ピープルズを雇ってシナリオをリライトさせた。 スコットがまずピープルズに要求したのは、やはり呼び名の変更だった。「アンドロイド」という言葉は機械っぽい。生物学的に作られた人造人間には別の名前が必要だというのだ。そこでピープルズは生化学を学ぶ娘から教えてもらったクローン技術用語の「細胞複製(レプリケイション)」から、「レプリカント」という造語を作った。<虚空の眼>p233~235タイレル社(文字数制限により省略、全文はここ)<レトロフィット>p235~236ナイト・ホークス 原作者ディックは完成した映画を観ずに他界したが、死の直前にダグラス・トランブルによる未来都市の映像を見せられ、原型をとどめないほど変えられた脚本を読んで立腹していたことも忘れて、すっかり機嫌をよくしたという。 フィリップ・ノワールの主役は都市の風景だ。夜のビル街やネオンサイン、自動車のヘッドライトなしには成立しない。リドリー・スコットも『ブレードランナー』にとって都市こそが最も重要だと考えていた。 スコットは都市のデザインのため、前述の『ヘヴィ・メタル』などのコミックや画集を山ほどかき集め、使えそうなイメージを片っ端から抜き出していった。たとえばエドワード・ホッパーの絵『ナイト・ホークス』。深夜営業のコーヒー・ショップに佇む男女を描いた絵で、大都会の孤独が伝わってくる。 その資料のなかにフォード車のデザインなどをしてきた工業デザイナー、シド・ミードの画集『センチネル』があった。スコットはミードを雇って、タイレル本社ビルや、未来のぱとかー「スピナー」、主人公の持つ拳銃など、2019年のロサンジェルスをデザインさせた。 スコットがシド・ミードに与えたコンセプトは「レトロフィット(古い機械に新しい部品を組み込んで動くようにすること)」だった。1920年代のアールデコ調のビルに、未来的な巨大テレビモニターを組み込もう。完璧に最新式の建物ばかりの街など、核戦争か何かで前時代の建物が完全に一掃されない限りありえないからだ。たとえば、現在のニューヨークの建物の半分以上は百年近く前に建てられたものではないか。 「『ブレードランナー』はわずか40年後の世界だから地に足がついた未来像が欲しかった」とスコットは言う。 だが、リアルさ以上にスコットが欲しかったのは、40年前の1940年代に撮られたフィルム・ノワールの背景だった。撮影はハリウッドの北にあるワーナー・ブラザーズのスタジオにあるニューヨーク市街のセットで行われた。実際に40年代の映画で使われたセットである。そこに換気ダクトや得体のしれないパイプやネオンを取り付けて、2019年のロサンジェルスが作られた。<行き止まりの未来>p240~242 フレデリック・ジェイムソンは、同じ82年に、こんな題名のエッセイを発表している。 「進歩vsユートピア/我々は未来を想像できるのか?」 ジェイムソンの答えは「できない」だ。 1970年代まで、SF小説の挿絵やSF映画、それに科学雑誌では、数々の未来世界の予想図が描かれてきたが、平均するとだいたいこんなところだ。―天に向かってそびえる滑らかな超高層ビル群。それはモダニズム建築を推し進めたウルトラ・モダンだ。(文字数制限により省略、全文はここ)<チャイナタウンに呑み込まれた都市>p246~248(文字数制限により省略、全文はここ)<雨の中の涙>p277~278 (文字数制限により省略、全文はここ)<新しき夢を>p283~284 『ブレードランナー』以降、映画に登場する未来はみんな『ブレードランナー』になってしまった。『未来世紀ブラジル』『ロボコップ』『ターミネーター』『AKIRA/アキラ』『攻殻機動隊』・・・・。その間にサイバーパンクというSF小説のジャンルが生まれ、消えていった。ポストモダンという言葉も流行遅れになった。それでも『ブレードランナー』のロサンジェルスに代わる未来都市のイメージは生まれていない。「これから先にあるのは過去のスタイルの組み合わせだけで、まったく新しいものはもう生まれない」。ポストモダニストの学者たちはそう予言した。 未来都市だけでなく、すべてのハリウッド映画がポストモダン建築のように過去の映画の寄せ集めになっても、いちおう「オリジナル」の映画も、ほとんどは過去の映画のアイデアのパクリや引用、オマージュ、インスパイア、リスペクト・・・。技術の発達でビジュアルだけはずっと派手で豪華で、まさにハイパーリアルになったが、今までまったく見たこともないイメージはない。 それは映画に限ったことではなく、音楽、美術、文学、どれもコラージュ、パスティーシュ、サンプリング、シミュレーションばかり。本当に「革新的」で「革命的」なものは生まれなくなった。あまりにも多くのものがすでに作られてしまった。何をやっても誰かのレプリカになってしまう。メディアからの情報が朝から晩まで頭の中に入り続け、記憶のほとんどはメディアからインプットされたデータで、自分だけの生身の体験はどんどん小さくなる。表現すべき自己などないのに「本当の自分」などと言い続ける私たちはみんな、レイチェルと同じ、自分が人間だと夢見ているだけのレプリカントなのだ。 『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の冒頭には、アイルランドのロマン派詩人W・B・イエイツの『幸福な羊飼いの歌』が掲げられている。イエイツはその詩で、夢が失われていく時代に夢を求めることの大切さを歌った。 「新しき夢を、新しき夢を」 この先、新しい夢を見られるのはいつだろうか?リドリー・スコットもフィリップ・マーロウに執心のようであるが・・・大使もぞっこんであり、その思いを村上春樹のロング・グッドバイに書いております。【ブレードランナーの未来世紀】町山智浩著、洋泉社、2006年刊<内容(「MARC」データベース)より>保守的で能天気な80年代ハリウッド映画の陰で、スタジオから締め出された映画作家たちは、異様な悪夢の世界を描いた映画を作っていた。その理由を、入手可能な資料と監督自身の言葉を手がかりに解きほぐす。<大使寸評>著者の町山智浩さんの映画の見方や、薀蓄がいいですね。特にハリウッド映画の能天気さを意識しているところが大使好みです。Amazonブレードランナーの未来世紀
2024.06.22
コメント(0)

図書館で『中世的世界とは何だろうか』という本を、手にしたのです。本書は週刊朝日百科『日本の歴史』(全133冊)に掲載された内容の一部とのことで、著名な歴史学者の語り口は如何なるものか?・・・興味深いのである。【中世的世界とは何だろうか】網野善彦著、朝日新聞出版、1996年刊<「MARC」データベース>より「源氏と平氏」から「後醍醐」までを縦軸に、遊女・海民、遍歴する人々、楽市と駆込寺、貨幣と税などの諸テーマを横軸に、広く深く日本の歴史をとらえなおす。<読む前の大使寸評>本書は週刊朝日百科『日本の歴史』(全133冊)に掲載された内容の一部とのことで、著名な歴史学者の語り口は如何なるものか?・・・興味深いのである。amazon中世的世界とは何だろうか冒頭の「海民と遍歴する人々」からさまざまな職能民を、見てみましょう。p5~8<日本史像に海からの視点を>「日本は島国」という見方は、日本人の「常識」として広く通用している。その常識の上に立って、これまで、「近代化」を志向する人々は、国際的視野を欠いた日本人の「島国根性」を批判し、「日本的なるもの」を讃美する人々は、日本文化の個性は「島国」なるが故に育まれたと強調してきた。 しかしこのような見方は、日本を周辺地域から孤立したものと見て、列島をとりまく海を、人と人とを隔てる役割を果すものとしてとらえることによって、はじめて成立しうるといってよい。 しかし、対馬と朝鮮半島の間の狭い海峡が人々の交通を妨げ、九州と対馬の間の波荒い玄界灘がそうではないなどということは不自然である。北海道から沖縄にいたる日本国内の島々の間の海は、人と人とを結びつけ、北海道とサハリン・沿海州、沖縄と台湾の間の海は逆の意味を持つといえないのは、当然すぎるほど当然であろう。「日本は島国」という主張は、あまりにも当たり前の事実を無視し、現在の国境をそのまま過去に投影したところから生まれる虚像・・・学問的な根拠のない偏った「俗説」にすぎない、と私は考える。■海を旅する人々 これまでの日本の歴史・民俗・文化をめぐる議論をふりかえってみると、海の積極的な役割は顧みられることきわめて少なく、その結果、多くの盲点が生まれ、歪んだ歴史像がつくり出されてきたのが現実である。それ故、われわれは、まずそうした偏り、歪みの大前提となってきた「日本は島国」ときめこむ「俗説」を捨て去るところから出発しなくてはならない。 そしてこの立場に立ったときにはじめて、海に生きた人々・・・列島の島々を結び、それを大陸に結びつけた、海を旅する人々の姿が、われわれの視野に入ってくる。この人々の役割に注目し、またその人々自身の目から日本列島における人間の社会と歴史を見直してみたとき、これまでとはかなり異なる日本史像が浮かび上がってくることは間違いない。 さきのような偏りの結果、この分野の研究は著しくおくれており、宮本常一氏が目ざしたような、「海から見た日本文化論」を本当に展開するまでには、まだかなりの距離がある現状といわざるをえないが、ここではできる限り、こうした視覚から問題を提起することにつとめてみたい。 一方、この見方はおのずとわれわれを、列島の内部を旅する人々、商工民、芸能民など、さまざまな遍歴民の役割の追及に導いていく。そしてその道に進んだとき、「日本は島国」という見方と表裏をなす、「瑞穂国日本」を基調とした従来の日本文化論、水田稲作をもっぱら日本社会の基礎と見る「通説」の偏りが、また否応なしにわれわれの前に浮かび上がってくるのである。■地域を結ぶ「道々の輩」 もちろん、縄文時代末期以降、西日本にひろがり、やがて東北にまでおよんだ水田稲作が日本の社会に大きな意味を持ち、とくに支配体制の基礎となってきたことはいうまでもない。しかし、その単色で日本文化を染め上げ、日本人の生活をぬりつぶそうとすることの誤りは、いままで述べてきた海の役割を考えただけでも明らかであろう。 それだけではない。日本の社会には古くから水田稲作以外の農耕・・・焼畑や畠作に依存する人々、狩猟や採集、多様な織物や編物、木材や鉄・銅などの金属の加工といった手工業によって生活を支える集団、さらにさまざまな芸能に携わる人々が少なからず活動していた。11世紀に居ると、これらの人々の間には木工道・漆工道から「博奕の道」にいたる、それぞれの職能に即した「道」が生まれ、こうした職能民を「道々の者」「道々の輩」などと総称するようになってくる。 また同じころから、手工業の技術までふくむ職能そのものを「芸能」と呼び、「所職」「職」というようになる。「職人」という呼称が、こうした職能民をさすようになるのは多少おくれ、14世紀のことであるが、南北朝期以前のこれらの人々は、その範囲は広狭はあっても、自らの「芸能」そのもの、あるいはそれによって生産された製品を持って、遍歴するのをつねとしていた。
2024.06.22
コメント(0)

図書館に予約していた『マルクス解体』という本を、待つこと半年ほどでゲットしたのです。このところメディアで頻出する気鋭の論客がマルクスという古典をどう論じるのか・・・興味深いのである。【マルクス解体】斎藤幸平著、 講談社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりいまや多くの問題を引き起こしている資本主義に対する処方箋として、斎藤幸平は、マルクスという古典からこれからの世の中に必要な理論を提示する。本書『マルクス解体』は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論、プロメテウス主義の批判から、未来への希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語る。これまでの斎藤の活動の集大成であり、同時に「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。<読む前の大使寸評>このところメディアで頻出する気鋭の論客がマルクスという古典をどう論じるのか・・・興味深いのである。<図書館予約:(11/28予約、副本?、予約?)>rakutenマルクス解体まず「はじめに」の冒頭から、見てみましょう。p7~8<はじめに> ギリシャ神話の神プロメテウスは、全知全能の神ゼウスの怒りによって火が奪われ、自然の猛威や寒さに喘ぐ人類に同情し、ゼウスを欺いて火を盗み、人間に与えた。はじめ、火を手に入れた人類は自然の力に打ち克ち、プロメテウスの願い通りに、技術や文明を発展させていく。ところが、豊かになっていく過程で人類は、火を使って兵器を作り、戦争で殺し合いを始めてしまう。さらなるゼウスの怒りを買ったプロメテウスは、罰として、コーカサス山の岩場に釘づけされ、半永久的に鷲に肝臓を啄まれ続けることになる。 兵器だけではない。人類は「プロメテウスの火」の力で、原子力のような自分達では制御できないリスクの大きい科学技術を発展させ、さらには大量の化石燃料を燃やすことで、地球そのものを気候変動の影響で燃やし尽くそうとしている。 人類の擁護者であるプロメテウスの「夢」は、「自然支配」という人類の「夢」に転化した。だがまさにその夢が私たちのクラス文明の危機を引き起こしているのだ。その結果、ソ連崩壊後にフランシス・フクヤマが宣言した「歴史の終わり」は、当時はまったく想定されていなかったような終焉、つまり人類史の終わりを迎えようとしているのである。 実際、新自由主義とグローバリゼーションの席巻は、第二次世界大戦終結以降の人間活動による地球環境に対する負荷の急激な増大を加速させ・・・すべての主要な社会経済および地球システムにおける指標がホッケースティックのような上昇曲線を描く「大加速Great Acceleration」の時代だ・・・、文明の物質的基盤を破壊しようとしている。 現在のパンデミック、戦争、気候崩壊はすべてソ連崩壊後の「歴史の終わり」と資本主義のグローバル化がもたらした事態であり、民主主義、資本主義、生態系を慢性的な複合危機に陥れているのだ。 現在の生活様式が人類の破滅に向かっているという現実はもはや無視できないものになっているが、資本主義は終わりなき過剰生産と過剰消費に対する代替案を提供することはできていない。実際パリ協定が目指す1.5℃目標を達成しようとするなら、社会のほぼすべての領域における徹底的かつ急速なシステムの大転換が必要であるが、そのような動きはどこにも見られない。 さまざまな形での渓谷、批判、反対の声があげられてきたにもかかわらず、化石燃料の消費量が今も増え続け、格差が拡大している現状を見れば、資本主義が現在の姿を大きく変えることができると信じるに足る理由もない。 この調子で「はじめに」は19ページまで続くわけで・・・著者はマルクス主義を虚仮にして解体しようとしているようです。よう知らんけど。
2024.06.21
コメント(0)

東海林さんの漫画もいいが、エッセイもなかなかのもんですね♪・・・ということで『ざんねんな食べ物事典』という本を復刻して読み直してみましょう。*********************************************************図書館で「ざんねんな食べ物事典」という本を手にしたのです。おお 東海林さんのB級グルメ考ってか、漫画もいいが東海林さんのエッセイもええでぇ♪・・・ということでチョイスしたのです。【ざんねんな食べ物事典】東海林さだお著、文藝春秋、2019年刊<「BOOK」データベース>よりおいしい、とか、おいしくない、とか言っていいの?ラーメン、牛丼、はんぺん、トコロテン、天かす…いとしくて、残念な食べ物の数々。ショージ君的B級グルメ考、ここに極まる!<読む前の大使寸評>おお 東海林さんのB級グルメ考ってか、漫画もいいが東海林さんのエッセイもええでぇ♪・・・ということでチョイスしたのです。rakutenざんねんな食べ物事典ここで食べ物からはなれて、ショージ君の流行歌談義を拝聴しましょうね。・・・老人の繰り言とは一味ちがっているのでは♪p81~95<懐かしや「死んだはずだよお富さん」> 今回にかぎり本編は「オール読物」の中の「老人欄」としたい。 新聞に「家庭欄」とか「学芸欄」とかいうのがありますね。 あれと同様の「老人欄」。 実際の話、いまの時代、新聞に「老人欄」がないのが不思議なくらい老人全盛の時代となっている。 今回は流行歌の話をしたいのです。 それも、うんと古い昔の流行歌。 うんと古い昔の流行歌といっても、どのあたりにするか。 「赤城の子守歌」の東海林太郎あたりから話を始めようと思ったのだが、それではあまりにもあまりなので、ディック・ミネ、岡晴夫、近江敏郎、灰田勝彦あたりから、というのはどうでしょう。 え?誰?その人たち?ですって?(ここで10ページほど中略) かぐや姫の「神田川」も同棲ソングである。 二人で町の銭湯に行くなど、一見卑下しているように見えるが、実はあれは自慢ソングであることをぼくは見破った。 ♬小さな石鹸カタカタ鳴った などと貧乏くさいことを言っているが、なぜその石鹸は小さくなったのか。 それは「二人で暮らした年月」の長さを誇示して自慢しているのだ。 このように、流行歌というものは、一般的には人々の憧れを歌に託したものが多いのだが、時にはその歌詞が人々の妬みや僻みを買うこともあるということを制作者側は知っておいてほしい。 それにしても、流行歌の世界は何と男女の愛だとか恋だとかばかりを取り上げていることか。 好きだ、とか、愛してる、とか、口づけがどうのこうの、とか、抱き合う、とか。 男女の恋愛以外、すなわち政治、経済、道徳、世界情勢、などの大きな問題を歌いあげる流行歌はなぜないのか。 そういう流行歌もあってしかるべきだとぼくは思う。 道徳関係は、わずかではあるが流行歌として取り上げてはいる。 水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」はまさに道徳を扱った流行歌である。 ♬しあわせは歩いてこない/だから歩いてゆくんだね/一日一歩三日で三歩 人生とはそういうものだ、ということを人々はこの歌を通して知る。 村田英雄は、主として任侠の世界を通して、人としてしてはならないこと、なすべきことをせつせつと説く。 労働問題はどうか。 北島三郎の「与作」は、 ♬ヘイヘイホー、ヘイヘイホー という言葉によって、労働の苦しさ、楽しさ、大切さを人々に知らしめたのだった。 政治問題を歌謡曲にして歌いあげるのはとてもむずかしい。森友学園問題などは、その全内容を人々は熟知しているし、政治の非情、酷薄も随所に盛り込まれているし、籠池元理事長、安倍昭恵夫人の名ゼリフもたっぷりあるし、「森友エレジー」として歌いあげればかなりの娯楽作品になると思うのだが・・・。 ただ、この歌を誰に歌わせるか、ここがネックとなる。森進一では暗すぎるし、小林旭あたりがズンドコ節風に歌うのがぴったりのような気もするし・・・。 経済問題も歌謡曲にするのはむずかしい。 わが「オール読物」の読者は団塊の世代と重なる人が多いと思う。バブルも経験しているしバブル崩壊も経験している。 舟木一夫の「高校三年生」のメロディーでこういうのはどうか。 ♬赤い夕陽が社屋を染めてー バブルで踊ったお立ち台 あーあーあーあーあー リーマンショック ぼくら離れ離れになろうとも 定年仲間はいーつーまーでーもー『ざんねんな食べ物事典』3:流行歌談義『ざんねんな食べ物事典』2:ファミレスでちょい飲み『ざんねんな食べ物事典』1:牛丼チェーン店
2024.06.21
コメント(0)

「内田樹の研究室」の内田先生が日々つづる言葉のなかで、自分にヒットするお言葉をホームページに残しておきます。最近は池田香代子さんや、関さんや、雨宮さんなどの言葉も取り入れています。(池田香代子さんは☆で、関さんは△で、雨宮さんは○で、池田信夫さんは▲、高野さんは■で、金子先生は★、田原さんは#、湯浅さんは〇、西加奈子さんは♪で区別します。今回表示分は*)*死ぬってどういうことですか?*2024年度寺子屋ゼミのテーマは・箱根の温泉で感じた中国のリアル・『本の本』あとがき・「宗教の本領」とは何か?・『街場の米中論』を読んで・月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」・高校生に言いたかったこと・宮﨑駿『君たちはどう生きるか』を観て・平川克美『「答えは出さない」という見識』(夜間飛行)書評・「怪物」公式パンフレット解説・白井さんと話したこと・3.11から学ぶこと・韓国の地方移住者たちに話したこと・生産性の高い社会のゆくすえ・ウクライナ危機と反抗・「生きづらさについて考える」単行本あとがき・「街場の米中論」まえがき・図書館の戦い・村上文学の意義について・統一教会、安倍国葬について他・安倍政治を総括する・選挙と公約・無作法と批評性・徒然草 訳者あとがき・勇気について・病と癒しの物語『鬼滅の刃』の構造分析・「アウトサイダー」についての個人的な思い出とささやかな感想・コロナ後の世界 ・格差について・『コロナ後の世界』まえがき・紀伊田辺聖地巡礼の旅・成長と統治コスト・『日本習合論』中国語版序文・日本のイデオクラシー・後手に回る政治・倉吉の汽水空港でこんな話をした。(目次全文はここ)(その67):「死ぬってどういうことですか?」を追記2024-05-08死ぬってどういうことですか?より 人間はいろいろな仕方で病んでいるけれど、最も重篤な病は「死ぬ」ということである。他の動物は「自分が死ぬ」ということを知らない。人間は自分がいつか死ぬということを勘定に入れて生きなければならない。一人一人が「自分がいつか死ぬ」ことの耐え難さを緩和するために、それぞれの物語を作らなければならない。「死について何も考えない」というのも一つの物語である。私も一つ自前の物語を持っている。 私はもう古希を過ぎて久しい。歯はインプラントだし、膝には人工関節が入っている。狩猟民の昔だったら食物も噛み切れないし、集団について歩くこともできない老人だから、とっくに路傍に捨てられて死んでいたはずである。臓器もあちこち傷んで来たが、医学の進歩のおかげで生きている。 だから、私の今の状態は「生きている」というよりは「まだ死んでいない」という方が近い。だんだん死に始めているけれど、まだ死に切っていないというのが私の実感である。 そのうち生物学的な死が訪れて、葬式も済み、「偲ぶ会」も賑やかに行われ、遺稿集も編まれ、七回忌が済む頃には知人友人たちもだんだん鬼籍に入る。そして誰かが「みなさんももうお足がおぼつかないお年になられたので、この十三回忌あたりで内田先生の法要も仕舞にしようと思うのですが、いかがでしょう」と言い出して、みんな「そうだね」と頷く。あとは古い門人や教え子がたまに墓の苔を掃いに来るだけで、私の名前を記憶している人もしだいにいなくなる。 そう考えるとだいたい生物学的に死ぬ十三年前くらいから「死に始め」、十三回忌あたりで「死に切る」という計算になる。つまり人間は前後27年かけてゆっくり死ぬ。というのが私の作った「物語」である。 こんな話なんですけれど、いかがでしょうかと言うと、かの国会議員も深く頷いて、「なるほど、そういう考え方もあるんですね」と納得されていたようである。「自分が死ぬことの耐え難さ」を緩和するためにはいろいろな物語がある。現世で功徳を積めば来世はいいことがあるというのも、極楽浄土に往生するというのも、そのうち弥勒菩薩が救いに来てくれるというのも、どれも多くの人が選択した物語である。その中でもすぐれたものに「黄泉の国」を旅する物語がある。 村上春樹の長編小説の多くはある時期から主人公が「穴」に落ちて、「黄泉の国」を経巡ってから戻って来るという構造になっている。河合隼雄は村上春樹との対談で、「死後の世界」について想像力を行使するというのはとてもよい死への心がけだと述べている。「いろいろ方法はあるのだけれど、死後に行くはずのところを調べるなんてのはすごくいい方法ですね。だから、黄泉国へ行って、それを見てくるということを何度もやっていると、やがて自分もどこへ行ったらいいかとか、どう行くのかということがわかってくるでしょう。」(『村上春樹、河合隼雄に会いにいく』、岩波書店、1996年) さすがに河合先生は言うことが違う。(中日新聞「視座」3月号)2024-02-272024年度寺子屋ゼミのテーマはより 未来予測の精度は、問題になっている事象の前段をどれくらい過去まで遡れるかによって決まります。 今起きている事件について1年前から起きたことだけしか知らないなら、1年後や5年後に何が起こるかはわかりません。でも50年前弥100年前からの前段を含んだ「文脈」を知れば、それが選択しうる道筋はある程度見通すことができます。 未来予測をするのは「当てる」ためではありません。不意を衝かれて驚かされないための備えです。 ガザは停戦できるのか、ウクライナ戦争の帰趨はどうなるのか、アメリカはトランプが大統領になったらどうなるのか、中国の人口減と経済停滞はどのような変化をもたらすのか、トルコは帝国の版図を回復できるか、アフリカは中国の「勢力圏」になるのか、ヨーロッパ共同体とNATOは解体するのか・・・どれも熟慮に値する論件です。でも、新聞の解説記事やテレビのニュース解説者の論評くらいではなかなか「文脈」は見えてきません。 ここでいう「世界」にはもちろん日本も含まれます。 日本の「これから」を予測する場合(どのセクターについても)やはりそこにシリアスな問題が起きるに至った「前史」を十分に調べて頂きたいと思います。 以上がテーマについてです。このあとは「ゼミ発表とは何か」というもう少し一般的なことです。 寺子屋ゼミはあくまで「ゼミ」ですから、発表者に求められるのは「モノグラフ(monograph)」の提示です。論点は一つに限定すること。問題を提起し、それについて聴講生たちに十分な情報提供を行い、その論点について私見を述べること。 この間のゼミ発表を見ていると、最後の「私見を述べる」という点の詰めが甘いように思います。 この場合の「私見」というのは別にきわだってオリジナルな意見のことではありません。「私が言わないとたぶん誰も言いそうもないこと」です。必死で頭を絞らなくても、これは出てきます。ふだんだってそれと気づかぬうちにやっていることなんです。 自分が選んだテーマについて、あれこれ調べたり、考えたりしているうちに「ふと思ったこと(たぶん自分以外にはあまり思いつかないこと)」が「私見」です。 もしかすると、みなさんの中には「客観的な事実の摘示にとどめて、私見を述べないこと」が知的に抑制的なふるまいで、「よいこと」だと勘違いしている人がいるかも知れません。それ、違いますよ。「自分以外には誰も言いそうもないこと」だけが学術的な「贈り物」になります。 学術というのは集団的な営みです。あらゆる時代のあらゆる人たちがこつこつと積み上げた「煉瓦」でエンドレスに建物を作るようなものです。大きな岩を運んでくる人もいるし、岩と岩の間の「隙間」にぴったりはまる小石を持って来る人もいます。岩の大小はさしあたりどうでもいいんです。自分にしかできない贈り物をすること。それが学術的営為ということです。僕はみなさんに、みなさんだけの「小石」を見つけて欲しいと思います。以降の全文は内田先生かく語りき62による。
2024.06.20
コメント(0)

今回借りた4冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「日本史」でしょうか♪<市立図書館>・マルクス解体・中世的世界とは何だろうか・女と男の大奥・教科書には載っていない!明治の日本<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【マルクス解体】斎藤幸平著、 講談社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりいまや多くの問題を引き起こしている資本主義に対する処方箋として、斎藤幸平は、マルクスという古典からこれからの世の中に必要な理論を提示する。本書『マルクス解体』は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論、プロメテウス主義の批判から、未来への希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語る。これまでの斎藤の活動の集大成であり、同時に「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。<読む前の大使寸評>このところメディアで頻出する気鋭の論客がマルクスという古典をどう論じるのか・・・興味深いのである。<図書館予約:(11/28予約、副本?、予約?)>rakutenマルクス解体【中世的世界とは何だろうか】網野善彦著、朝日新聞出版、1996年刊<「MARC」データベース>より「源氏と平氏」から「後醍醐」までを縦軸に、遊女・海民、遍歴する人々、楽市と駆込寺、貨幣と税などの諸テーマを横軸に、広く深く日本の歴史をとらえなおす。<読む前の大使寸評>本書は週刊朝日百科『日本の歴史』(全133冊)に掲載された内容の一部とのことで、著名な歴史学者の語り口は如何なるものか?・・・興味深いのである。amazon中世的世界とは何だろうか【女と男の大奥】 福田千鶴著、吉川弘文館、2021年刊<「BOOK」データベース>より江戸城本丸奥にあり、将軍の家族が暮らした後宮=大奥。その実態を知る上で不可欠な大奥法度から歴史・職制・機能を分析。多くの男たちが出入りしていた事実を明らかにし、「女たちの大奥」という固定観念を問い直す。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten女と男の大奥【教科書には載っていない!明治の日本】熊谷充晃著、彩図社、2014年刊<出版社>より「明治時代」の表から裏まで、余すところなくご覧頂く。過剰なまでのエネルギーを放つ“19世紀の私たち”の奮闘を心ゆくまでお楽しみ頂きたい。(「はじめに」より)<読む前の大使寸評>この本の目次を見れば・・・どの歴史的事例も、そんな取り上げ方もあるのか♪と興味深いのである。rakuten教科書には載っていない!明治の日本
2024.06.20
コメント(0)

『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在97位・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、副本12、予約373)現在31位・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、副本7、予約177)現在16位・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、副本5、予約126)現在17位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在77位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在3位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在36位・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、入荷待ち、予約?)現在5位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在45位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在73位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在41位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在7位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在18位・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、副本1、予約8)現在1位・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、副本?、予約8)現在7位・李琴峰『彼岸花が咲く島』(6/19予約、副本?、予約0)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・西東三鬼『神戸・続神戸』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・内田樹『勇気論』:図書館未収蔵・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』・池澤夏樹『ノイエ・ハイマート』<予約分受取:2/27以降> ・村上春樹×柴田元幸『翻訳夜話』(2/15予約、2/27受取)・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、2/27受取)・川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』(1/26予約、2/27受取)・呉叡人『フォルモサ・イデオロギー』(2/03予約、3/11受取) ・森見登美彦『太陽と乙女』(3/23予約、3/31受取)・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、6/05受取)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【墨のゆらめき】三浦しおん著、 新潮社、2023年刊<出版社>より実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/9予約、副本12、予約373)>rakuten墨のゆらめき【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【大学教授 こそこそ日記】 多井学著、三五館シンシャ、2023年刊<「BOOK」データベース>より「いくらでも手抜きのできる仕事」。現役教授が打ち明ける、ちっとも優雅じゃない生活。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、入荷待ち、予約?)>rakuten大学教授 こそこそ日記【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【米番記者が見た大谷翔平】 ディラン・へルナンデス著、朝日新聞出版、2024年刊<出版社>より本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/16予約、副本1、予約8)>rakuten米番記者が見た大谷翔平【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望【彼岸花が咲く島】李琴峰著、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【第165回 芥川賞受賞作!】記憶を失くした少女が流れ着いたのは、ノロが統治し、男女が違う言葉を学ぶ島だったーー。不思議な世界、読む愉楽に満ちた中編小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/19予約、副本?、予約0)>rakuten彼岸花が咲く島【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.06.19
コメント(0)

早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?このところ、降れば大雨、晴れると真夏かと・・・日本は亜熱帯になったのか?、かつての季節感は求められないのか。宇宙や占星術の記事を見たり、書いたりしているが『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、夏至のあたりを見てみましょう。和暦p17<夏至>昼が一番長く、夜が一番短い日 夏至節季は、現代の暦で6月20、21日ころから始まり、次の節季「小暑」の前日までを指す。夏至に入った初日を特に「夏至日」あるいは「夏至の日」と呼び区別されている。 地球の北半球では、夏至の日は1年で昼がいちばん長い日であり、1年で昼がいちばん短い冬至の日から約半年後が夏至の日となっている。 『暦便覧』に記されている言葉は「陽熱至極し、また、日の長きのいたりなるを以てなり」である。また、陰暦6月の異称には、「水無月」、「風待月」、「常夏月」、「青水無月」などがあり、いずれも田植えにかかわった名称となっている。 水無月について、「田には田植えのための水が張られているのに、水が無い月?」―よく聞かれる疑問だ。諸説あるが、「無」は連帯助詞で「の」と解釈し、「水の月」とする説と、梅雨が明けると「水が無くなる」ので文字通り「水無月」とする説がある。 夏至の期間は、梅雨の真っ只中。農家は田植えに「大忙し」の時期ですが、燕は飛来し、筍は地上に顔を出し、蝉の初音など、気候風土の風物詩は一変する。 この時期の七十二候には 初侯「乃東枯」(ないとう、かるる)夏枯草が枯れる、 次候「菖蒲華」(あやめ、はなさく)あやめの花が咲く、 末候「半夏至」(はんげ、しょうず)など。「半夏生」は、一部の葉が白色に変わるドクダミ科の植物・カラスビシャクのことである。カラスビシャク和名の由来は、仏炎苞を「柄杓」に見立て、人が使うには小さいということで名づけられた。 塊茎は半夏(はんげ)という生薬に用いられる。 鎮吐作用があり、半夏湯(はんげとう)などの漢方薬に配合される。 俳句の季語は夏である。 二十四節季の立夏に注目(復刻)
2024.06.19
コメント(0)

図書館で『世界 2024年3月号』という雑誌を、手にしたのです。おお 特集1、2がUp To Dateで面白そうである。・・・ということでチョイスしたのです。【『世界』2024年3月号】雑誌、岩波書店、2024年刊<出版社>より【特集1】さよなら自民党 派閥・世襲・裏金 30年前の1994年1月29日、政治改革関連4法が成立した。改革の矛盾や問題点は様々に指摘されてきたが、今回の裏金事件でついに破断界に達したかに見える。【特集2】働けど、働けど どこの職場でも人員が削減される中で、労働時間やストレスばかりが増えている。物価がどんどん高くなる一方で、賃金は増えそうになく、税金や社会保険料で手取りは目減りする。働きつづけたからといって、「老後の安心」は手に入らない。こんな社会にだれがした?<読む前の大使寸評>おお 特集1、2がUp To Dateで面白そうである。・・・ということでチョイスしたのです。amazon『世界』2024年3月号「日本語のなかの何処かへ」という連載の最終回が面白そうなので、見てみましょう。温又柔さんの日本語体験が語られています。p288~290<私たちが愉快でいられるために:温又柔> あなたが楽しく愉快であるとき、それは、あなたが実際にそうである状態と、あなたが考えているあなたとのあいだにある埋めることのできない溝が何にも邪魔されることなく現れるがままになっていることを意味している。 あなたが首尾よく楽しく愉快になっているとき、それはあなたが自分が実際にそうなっていてこの溝において生きているとみんなが考えてよいと思っていることを意味している。あなたは自分の有限性を徹底的に受け入れている。(ティモシー・モートン) 幼少期に来日し、東京で成長する過程で私は、徐々に気づかされてきた。どうやら自分は「少数者」らしい。理由は明白。私が、日本人ではないから。 言うまでもなく、日本は、日本人だらけの国だ。それも、自分(たち)は「普通」の日本人であると信じ切ったまま、よほどのことがなければ、それをいちいち疑う必要にわざわざ迫られることのない人たちが、圧倒的多数を占めている。そして、かれらの大多数は、日本人の両親の子として生を享け、出生届が出されると同時に、日本国籍を所持する権利を獲得し、その人生のほとんどの時間を、日本列島内で暮らしている・・・こういう人があまりに多くを占めるため、自分自身がそうであるように、日本人といえば、普通は、そういう人であるはずだ、と漠然と感じている日本人は、現在も多い。 かくいう私自身も、ずいぶんと長い間、自分自身のことを、日本人みたいなぞんざいではあっても、日本人である、と思い切るのには、ためらってきた。 私が日本人? まさか、そんな。 私は、せいぜい、限りなく日本人に近い台湾人であるというだけで、日本人そのものでは決してないはずだ。 私は、日本人。 そう名乗るための「条件」を、私は十分に満たしていない。ましてや、私も日本人です、とほかの人(私と違って、自分は、自分は普通の日本人だと堂々と自称できる人たち)にむかって、主張しようだとは思いつきもしなかった。 特定の誰かに、君のような人間は日本人と名乗ってはならない、と禁じられたわけではない。君は日本人と名乗るな、と面と向かって命じられたこともない。 しかしながら私は、成長の過程で、何度も思い知らされた。 自分(たち)は普通の日本人なのだと信じている人たちの多くが、「日本語」と思っていることばの使用者に、私は含まれていない。【例】あなたは、日本語がお上手ですね。 私は、かれらが思うような「日本人」ではない。 【例】あの子って、日本人じゃないんだって。 かれらが「日本」と思っているこの国で、もしもかれらに「日本人」と認められたいなら私は、台湾人の要素を抹消しなければならない。【例】名前さえ言わなければ、君は日本人に見えるから安心しなよ。 だからと言ってかれらは、「日本人」に見える私のことを、自分たちと同じ日本人だとは認めていない。【例】さっさと帰化して、名実ともに日本人になればいいのに。 いつからか私は、たとえ日本国籍を取得したところで、自分のような「日本人」は、こんなふうに言われ続けるだけだと思っていた。(中略) 私は、自分としては、とっくのとうに「日本」や「日本語」のなかにいると感じてはいても、それをいちいち主張しなければならないらしい。そう、日本語を生まれながらの自分のものだと信じきっている人たちとはちがって。 それで私は、自分自身について、まずは書くことにした。・・・私は、この家にいたんです。この国ではなく、この家に。(李良枝「由煕」) 李良枝の、厳密に言えば由煕の、葛藤の果てにたどり着いたその境地が、私の出発点になった。この家、喃語を脱し、ヒトらしいことばを少しずつ口にするようになった私が、プィエ(太っちょの赤ん坊)という愛称からようやく、You rouと呼ばれるようになったばかりの頃の、私の台湾の家。アペエ、ココ、スゥスゥ、アムゥ、アヂン・・・父のきょうだいやその配偶者たちを正確に呼び分けられる幼い私は、日本語をまだ一言も知らなかった。 記憶のなかで氾濫する声に耳を傾けながら私は、日本語以外のことばが飛び交うそのようすを、書いてみたい、と欲望した。幸い、ほかでもない日本語という、漢字と仮名が混淆する文体を駆使すれば、本来ならば、たった一つの「国語」のみでは束ねきれないはずの、複数の言語に取り巻かれていた自分の幼少期を描写するのには、申し分ないように思えた。 今になって思えば私は、私の家があった台湾を書こうとしたことによって、私自身に最も相応しい日本語の姿を模索し、それを実現できる日本語の可能性に救われたのだった。何しろ、書いてみればみるほど、日本語という書きことばが、その実、私が赤ん坊の頃に耳にしていたことば(いわゆる「多数派」の日本人が普段の生活で耳にしたり、口にしたりすることは滅多にないような)を取り込む上で、大変に柔軟性のある、寛大な器だと感じ入ったのだから。日本語のこうした包容力を生かすべく試行錯誤することに、最初の小説を書いていた頃の私はとにかく興奮していた。
2024.06.18
コメント(0)

*********************************************************図書館で「中国、モンゴルの砂漠を訪ねて」という本を手にしたのです。当時(2014~19年)のモンゴルのゴビ砂漠のカラー写真が多く見られる本になっているが・・・現在ではビザが下りないのではないでしょうか。【中国、モンゴルの砂漠を訪ねて】 大谷和男著、風詠社、2020年刊<「BOOK」データベース>より砂漠には人を惹きつける不思議な魅力がある。高さ500m超の砂山、彼方まで続く地平線、砂の世界に浮かぶ湖、満天の星、美しい日の出、動物が描かれた岩絵…。バダインジャランの雄大な自然に魅せられ通い続けた砂漠歩きの記録。<読む前の大使寸評>当時(2014~19年)のモンゴルのゴビ砂漠のカラー写真が多く見られる本になっているが・・・現在ではビザが下りないのではないでしょうか。rakuten中国、モンゴルの砂漠を訪ねてバダインジャラン砂漠まず「Ⅱ章」で、内モンゴル自治区の砂漠(続き)を、見てみましょう。p109~119<2‐1 バダインジャラン砂漠(2014年)> 初めて砂漠歩きを試みたのがバダインジャラン砂漠で、その初めてのときの記録から紹介したい。砂漠を本格的に歩くのは初めてだったので、がむしゃらに歩いてみたところ膝には優しいということが分かったが、急斜面の登りは蟻地獄のようになり結構大変なことも分かった。 また、こんなに綺麗な風景が中国にあるということを知ったし、風さえ吹かなければ空気は綺麗で快適なせかいであるということも知った。しかし風が吹くとテントの中にいても砂まみれとなり大変なこともよく分かった。この最初の体験から、その後別の砂漠を経験したが4年後、5年後にバダインジャラン砂漠に再び戻ってきてしまったという話である。■(1)はじめに 膝の悪化に伴い色々なことを考えてきたが今回は「砂漠」を考えてみることにした。砂漠を歩くとはどういうことか? 今回はまずそのイメージを掴むため歩いてみようと思った。狙いは中国ではまだ行ったことのない内モンゴル自治区の砂漠。本来内モンゴル自治区の砂漠の旅の最適時期は7~8月で、4~5月は強風の時期ということだが、砂漠の旅を知るためには却って条件の悪い時期でもよいと開き直り出かけた。「楽しくない旅」、「何でこんあ所へ来てしまったのか」と思う旅になることを覚悟して出発した。 砂漠は幾つか候補があったが、砂漠のヒマラヤと形容されていることから巴丹吉林砂漠に興味を持ちこの地に決めた。旅の手配はいつものように中国の旅行会社の〇さんにお願いした。得意の単独行である。■(2) 行程(2014年 4/29~5/5 詳細は中略)■(3) メンバー 大谷和男単独■(4) 装備、(5) 食料、(6) ネット情報(詳細は中略)■(7) 記録 2014・4・29 東京‐上海‐蘭州 今日は移動のみだが、蘭州についたら明日と帰りに使用する列車のチケットを入手しなければならないのがポイント。蘭州に来たのは9年ぶり。上海は気温が高かったが蘭州はそうでもない。しかし空気が悪い。空港から列車のチケット交換所までタクシーで向かう途中タクシーの中に居ても喉がいがらっぽい感じ。空港は町の中心から離れているのと渋滞で時間がかかった。(中略) 時間はかかったが蘭州駅では無事チケットへの交換ができてほっとする。後は泊るホテルを探すだけだがなかなか見つからない。駅から離れてしまったところで、面倒なのでタクシーに乗ると何と駅のすぐそばでその前を歩いて通り過ぎていたことが分かった。しかしホテルに無事着いたことに安堵した。 蘭州は初めてではない。かつて出張で金昌にある企業を訪問するため蘭州に来たことがある。上海から飛行機で蘭州の空港に着陸しようとしたとき、窓から見えた大地があまりにも赤茶けていた砂漠地帯だったので火星に来てしまったのではないかと思ったほどだった。出張のときは蘭州から車で金昌まで行った。確か5時間くらいかかったと思うが、今回は明日汽車で金昌駅に向かう。 今回は名物の金昌ラーメンは時間が無く食べなかったが、かつて出張したときには着くとすぐに食べた。ラーメンと言っても実質うどんだが、上海に戻ってからも蘭州ラーメンを掲げる多くの店で5元の蘭州ラーメンを食べ続けた。旨いかどうかはスープの味で決まり店によってもずいぶん違う。 ついいろいろなことを思い出してしまうが、明日の朝も早いので日本から持ち込んだウイスキーを呷って寝る。長い1日だった。 (中略) 2014・4・30 蘭州‐金昌‐巴丹吉林鎮‐砂漠入り口‐敦徳吉林 蘭州発7:45の汽車に乗るのに1時間前の6:45に駅に行き待合室に入ると、とにかく人が多く圧倒される。時間に十分余裕があると思っていたが、しばらくすると自分が乗るべき列車の改札が始まった。こんなに多くの人が本当に乗れるのかと思うほどの長蛇の列に並び大群衆と共にホームに向かうが改札を通るときがやはり中国人らしく我先にという人ばかりで、改札の通過が大変だった。 ここ2年ほど中国に来てなかったので中国人に圧倒されている自分を感じた。しかし列車に乗り込むと一変し、軟座のため乗っている人の質が違うのか静かに過ごせそうだったのでほっとした。座って砂漠に関する文献に目を通していると汽車は静かに発車した。 (中略) 金昌に着くとかなりの強風でこの先が思いやられた。予定通り迎えは来ていた。タクシーのような車に乗り巴丹吉林鎮に向かいそこで4WDの徐さんとスイッチ。食料、水等の買い物をして出発。これから砂漠の4泊5日の間、徐さんと2人の旅となる。徐さんは4WDで先を行き大谷が後を一人で歩いていくというスタイル。 幹線道路の砂漠入口から砂漠に入ると天気は回復していたが風がやや強い。砂漠に入ってもすぐに歩くことはせずしばらく4WDで進む。私も全て歩きたいなどという拘りはないので徐さんに任せた。砂漠の中に入ると軟らかい砂上へと変わり徐さんはタイヤの空気圧を下げた。『中国、モンゴルの砂漠を訪ねて』3:内モンゴル自治区の砂漠『中国、モンゴルの砂漠を訪ねて』2:トングリ砂漠(2016年)『中国、モンゴルの砂漠を訪ねて』1:タクラマカン砂漠
2024.06.18
コメント(0)

「和紙スタジオかみこや」の紹介「和紙スタジオかみこや」という手漉き和紙工房のサイトに巡り当たったので紹介します。・・・和紙が私のツボであること、この工房の場所が私の出身県であること、という繋がりなんですが♪*********************************************************はじめまして、和紙スタジオかみこやですよりかみこやは高知県の山奥にある小さい手漉き和紙工房です。自然とアートが好きな方にはきっと感動して頂ける紙と体験をご用意しています。 ■かみこやの仕事私たちの主な仕事は下の2つ。・自家栽培の原料を使った美術用紙やインテリア・内装用紙の製造販売・1日1組限定のワークショップと宿泊紙作りは江戸時代末期の化学薬品や機械を使わない製法を基本にしています。理由の一つは「人と自然が共生する社会に貢献する」という私たちの理念を実現するため。それから何より「人の手と自然の力だけで作った紙が、一番美しくてメッセージがこもっている」と、かみこやのオーナー、ロギール・アウテンボーガルトが考えているからです。ロギール・アウテンボーガルト■和紙との出会いロギールが和紙に出会ったのは、母国オランダのアムステルダムで製本の仕事をしている時でした。光を透かすと紙の中に繊維が見えるその自然な美しさに、一度で心を奪われたのです。それから間もなくシベリア鉄道とフェリーを乗り継いで、1980年に来日。全国の手漉き和紙の産地を見学して翌年、手漉き和紙の「原料」「道具」「技術」が揃っている土佐和紙・高知県に工房を構えました。その後のロギールの良い紙を求める姿勢は評価されて、2007年に高知県から「土佐の匠」認定して頂きました。また、何度も一緒に仕事をしている建築家・隈研吾氏は、著書の中でロギールとの初対面を以下のように表現してくれています。狭い山道を登っていくと、古いボロボロの民家があって、そこでロギールが作業をしていた。捨てられた廃屋を見付けて住み込んだけれど、電気が来てないんだよという話だった。あんな真っ暗な中で、よく作業をしたり、暮らしたりできるものだと感心してしまった。隈研吾(2020)「ひとの住処 1964-2020」新潮新書■里山全部を体験するかみこやでは単に紙漉きの技術を体験してもらったり、作品を作ってもらいたいだけではありません。原料の畑に囲まれた集落に到着して、山の空気を吸い、自分の手で紙を漉く。夜は星空を見上げながら大切な人との時間を過ごし、和紙に囲まれた寝室で寝る。
2024.06.17
コメント(0)

神戸市民でもあった陳舜臣さんには親しみを持っていたのだが、陳さんが説く中華の歴史をもう一度見たいではないか♪・・・ということで、『東眺西望』という本を読み直してみようと思い立ったのです。*********************************************************図書館で『東眺西望』という歴史エッセイ集を、手にしたのです。陳舜臣さんというフィルターを通すと、中華の歴史に親しみが湧くので不思議なものです♪【東眺西望】陳舜臣著、たちばな出版、2006年刊<「BOOK」データベース>より「世界の歴史」を俯瞰する。困難があり危機を感じると、人は歴史をふりかえる。古今東西の果てしない人間の歩みを地球的スケールで考え、世界を念頭において考察する。人間の未来への英知をめぐる好歴史エッセイ。<読む前の大使寸評>陳舜臣さんというフィルターを通すと、中華の歴史に親しみが湧くので不思議なものです♪rakuten東眺西望イスラム教に関する薀蓄を、見てみましょう。p114~117 ササン王朝と東ローマ帝国は、ながいあいだ抗争をくり返し、おたがいに力をそそぎ合っていた。この状況は、新興のイスラムに「漁夫の利」をもたらし、ゾロアスター教国であったイランは、たちまちイスラム帝国に制圧されたのである。 誇り高い文明国イランの側からみれば、狂信の野蛮の徒の力に屈したっことになる。アーリア人種であるイラン人は、セム人種の宗教をうけいれざるをえなくなった。それにはもちろん抵抗があったにちがいない。またイスラムをうけいれるについても、そっくりそのままというわけにはいかなかった。<スンニー派とシーア派> 現在のイスラッム世界ではスンニー(スンナ)派が主流である。「シーア」ということばが、そもそも「党派」を意味して、分派というニュアンスが濃い。ただし、イランにかんするかぎり、シーア派が圧倒的に多い。 スンニーとかシーアとかいっても、教義の根本に大きなちがいがあるわけではない。マホメットの後継者である「カリフ」の正統性をめぐっての対立である。 マホメットの死後、彼の妻の父アブー・バクルが初代カリフに選ばれ、2年在職して死んだ。そのあと選ばれたウマルは暗殺され、三代目のウスマーンも刺客の手にたおれ、マホメットの娘ファーティマの夫であるアリーが四代目のカリフとなった。アリーもまたムハーウィアと対立し、最後に暗殺されてしまう。(中略)<イラン人の選択、シーア・アリー> 遊牧の民は有能な指導者をいただかねば、砂漠や草原のきびしい生活を、生き抜くことはできない。のちのモンゴルもクリルタイという部族会議で大可汗をえらんだが、アラブの遊牧民も首長は選挙でえらんだのである。 リーダーの能力の優劣が、自分たちの生死にかかわるのだから、素性は正しいけれども馬鹿殿様では困る。初期カリフが選挙によったのは、アラブの土地からめばえたイスラムとしてはとうぜんであろう。 だが、イランは農耕民が多く、また華やかな都市文明をもっていた。イスラムに制圧されるまで、イランはササン王朝という世襲政権に統治されること400余年に及んでいる。信仰の世界は俗世とはちがうといっても、上にいただく首長の血統を意識する伝統は、イランの住民の心の底にこびりついていたであろう。 イランがほかのイスラム世界の流れに逆らうように、シーア・アリー(アリーの徒党)となった背景がわかるような期がする。 もちろん預言者の血統を重んじるだけではなく、すぐれた文明をもっていたイラン人が、その自尊心から、イスラム世界の潮流に同調するのをいさぎよしとしない傾向があったことも一因といわれている。「ここは、ほかとはすこしちがうのだ」…改宗後も、イラン人の心の深層にはそんな呟きがあったにちがいない。この本も陳舜臣アンソロジーに収めておくものとします。『東眺西望』3:イスラム教に関する薀蓄『東眺西望』2:五胡十六国の時期『東眺西望』1:唐と宋
2024.06.17
コメント(0)

「全国アホ・バカ分布考」の調査を敢行した松本修プロデューサーに対するオマージュになるのだが・・・「全国アホ・バカ分布考」をもう一度読み直してみようと思い立ったのです。*********************************************************<アホ・バカの語源>これまでに、アホ・バカ分布図の中心は、京の都であることが証明されたが・・・アホ・バカの語源は、依然として謎のままであった。シロウト集団を率いる松本プロデューサーは、語源追求の旅を中国にまで広げたが、この歴史的かつ空間的な広がりが気宇壮大なんですね(アホやで)♪<「馬家」と「阿呆」の日本文化>p455~459 「アホ」と「バカ」の語源についての考えを、いよいよ百田君に話す日がやってきた。このふたつの言葉の語源がわからないかぎりアホ・バカ表現研究にも意味が乏しい、自分はこのふたつの言葉にしか興味を持てないといい続けてきた百田君を、果たして満足させることができるだろうか。 百田君と日沢君のふたりをステーキハウスに誘った。百田君は少年時代、肉というと鯨肉しか食べさせてもらえなかったので、牛肉には異常なあこがれを持っている。日沢君も肥満を気にしながらも、牛肉には目がないのである。 注文を済ませると、私は天神蔡の夜から始まる「バカ」と「アホ」の語源追求の旅について、懸命に語りだした。「バカ」は白楽天の風諭詩「君見ずや馬家の宅は尚お猶お存し、宅問題して奉誠園と作す」、ここからきている。奢りたかぶった末に没落した馬さんの家。馬家のようなやつという意味で「バカモノ」が生まれた。つまり「バカ」は本来、人の徳、人としてあるべき精神の美しさについて問いかけた言葉であった。罵倒語として、この言葉が日本を広く覆っている意味は大きい。裏を返せば、日本人は古くから、清廉な人生を生きたいと願い続けてきた、とも考えられるからである。 「アホ」は、もとは中国・江南の「阿呆(アータイまたはアーガイ)」。「呆」という字の意味は「ぼんやり。間の抜けていること」で、この字の頭に親しみの「阿」がついて、「呆ちゃん」つまり「おバカさん」のこと。中国の江南から日明貿易の船でやってきた。 わがままな奢りへの戒めとしての「馬家」、そしてまるで「惚れ者」や「惚け者」の単純な言いかえのような、「呆ちゃん」こと「阿呆」、どちらも婉曲的で、すでにくり返し見てきたように、いかにも日本人が好みそうな表現である。 「なるほど、なるほど」 と百田君は何度も頷きながら、私の長い話を聞き終えた。 「ついに、やりましたね」 と、百田君は確信に満ちて言った。 「ぼくもその考え方で、間違いないと思います。馬家と阿呆の説は『バカ』と『アホ』という言葉の持つ意味の微妙な色合いの違い、なんとなくそれまで納得させてくれそうな気がしますわ」 「助教授の先生が、僕につき合って飲めないビールを飲んで、こんなこと言うてくれはった。『その説は、いずれ定説として辞書に載るでしょうね』と」 「おお、すんばらすー」 と日沢君は喜んでくれた。 「それにしても、中国の影響力は思った以上に大きかった」 と、私は改めて説明した。 「古代から室町末にいたるまで、日本はやはり、中国から圧倒的な影響を受け続けた。もちろん日本固有の言葉も少なくないけれど、地理的分布に大勢を占めるのは中国渡来のもの。馬家・阿呆だけと違う。本地なし・虚仮・安居(鮟鱇)・田蔵田もまた、中国の存在なしにはあり得なかった。それは中国が、世界一の文明大国として君臨していた時代・・・」 「言葉は、京都から日本を東西に旅したけれど、それ以前に、はるばる中国から、あの東シナ海の波濤を越えて、京に旅してきたというわけですね」 と、日沢君は感慨深げにつぶやいた。 「そのとおり。日本人は、この世でいちばん優れた良きものを、中国から巧みに取捨しては吸収し、独自の工夫を施して日本文化を築いていった。つまりこれら京の流行りことば、すなわち日本のアホ・バカ表現は、世界最高の文明と同時代的に直結していた。その結果として成立した『全国アホ・バカ分布図』、これが描く多重の円こそは、日本人の尊い精神文化の年輪でもあった」 黙って聞いていた百田君は、やがて真剣な表情でこう言った。 「今までの話を聞いて、ぼくは『アホウ』だけが他の全てと違う、別格の言葉だという気がしてきましたね」 「たしかに、発音は別にして、これだけが中国・江南の方言をそのまま真似た言葉や」 「いや、ぼくが言いたいのは、ちょっと違うんです。『阿呆』の『呆』、その一字だけで、すでに意味をなしている。つまり『阿呆』は、ムダをすべて削ぎ落とした表現であるという点なんです」 「なるほど」 私は聞き入った。 「他のアホ・バカ表現は、全部、たとえなんですよ。惚れ者・惚け者と、わざわざ熟語を形成させてぼんやり者にたとえたり、鮟鱇・田蔵田といったように間抜けな動物にたとえる。また、本地なし・虚仮と、中身の空虚さにたとえる。『うとい』や『とろい』などの形容詞は、たとえそのものです。馬家もまさにたとえですよね。つまり、アホ・バカ表現は、すべて理屈なんです」 「そう。そのとおり」 「しかし、ただひとつ『阿呆』にだけは理屈がない。『呆』であること、すなわち『間の抜けていること』そのものを一音で示す単純明快さなんです。原始時代から中世にかけて日本人はさまざまなアホ・バカ表現を考えてきた。そして考えに考えつくした果てに、ついに中国から『阿呆』を手に入れて、もうこれ以後、新しい表現を考える必要がなくなったのです。それは『阿呆』こそまさに、何千年もかけて日本人が捜し求めてきた、究極のアホ・バカ表現だったからではないでしょうか!」 「なるほど、面白いなあ」【全国アホ・バカ分布考】松本修著、新潮社、1996年刊<「BOOK」データベースより>大阪はアホ。東京はバカ。境界線はどこ?人気TV番組に寄せられた小さな疑問が全ての発端だった。調査を経るうち、境界という問題を越え、全国のアホ・バカ表現の分布調査という壮大な試みへと発展。各市町村へのローラー作戦、古辞書類の渉猟、そして思索。ホンズナス、ホウケ、ダラ、ダボ…。それらの分布は一体何を意味するのか。知的興奮に満ちた傑作ノンフィクション。 <大使寸評>番組に依頼した人の着眼がよかったのか、それを採用し追及させた松本修プロデューサーが偉かったのか♪Amazon全国アホ・バカ分布考ノンフィクション100選★全国アホ・バカ分布考|松本修「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#1:「ダボ」と「アホ」の境界線を探す「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#2:方言周圏論の模式図「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#3:報告書完成にかける決意「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#4:「ハンカクサイ」の伝播「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#5:人の失敗や愚かしさは、蜜の味♪「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#6:このバカタレが!「全国アホ・バカ分布考」読書レポート#7:アホ・バカの語源全国アホ・バカ分布図
2024.06.16
コメント(0)

2019年、初めてブラックホールの「写真」が撮影されたことを記憶しておられる人も多いと思うのです。・・・そのことに触れた、『宇宙はなぜ美しいのか』という本を読み直してみようと思い立ったのです。*********************************************************図書館に予約していた『宇宙はなぜ美しいのか』という新書を、待つこと7ヶ月ほどでゲットしたのです。 ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪【宇宙はなぜ美しいのか】村山斉著、幻冬舎、2021年刊<「BOOK」データベース>より夜空を彩る満天の星や、皆既日食・彗星などの天体ショー。古来、人類は宇宙の美しさに魅せられてきた。しかし宇宙の美しさは、目に見えるところだけにあるのではない。これまで宇宙にまつわる現象は、物理学者が「美しい」と感じる理論によって解明されてきた。その美しさの秘密は「高い対称性」「簡潔さ」「自然な安定感」の3つ。はたして人類永遠の謎である宇宙の成り立ちを説明する「究極の法則」も、美しい理論から導くことができるのか?宇宙はどこまで美しいのか?最新の研究成果をやさしく解説する知的冒険の書。<読む前の大使寸評> ぱらぱらとめくってみると、カラー画像も多くてビジュアルであり、解説もわりと物理学的でかつ、美しくなっているのが、ええでぇ♪<図書館予約:(7/14予約、副本2、予約19)>rakuten宇宙はなぜ美しいのか「第1章 宇宙はこんなに美しい」からブラックホールの撮影を、見てみましょう。p53~55<ブラックホールの写真を撮ることに成功!> ブラックホールは入ってしまうと光も出ないので、直接見ることができません。ですが、2019年、初めてブラックホールの「写真」を撮ることに成功しました。 先ほど出てきたM87銀河は、私たちの銀河系の10倍ほど星がある大きな楕円銀河です。この銀河では、中心から高速で高エネルギーのガス「ジェット」が噴き出しています。何かとてつもないものが中心にあるに違いありません。 考えられるのは「超大質量のブラックホール」です。太陽の何十億倍もの重さのあるブラックホールの周りをガスがぐるぐる回り、落ち込むものもあれば噴き出すものもあるのだと考えられています。 大きさが太陽と地球の距離の120倍もある巨大なブラックホールですが、なにせ5350万光年先。よほど小さいものが見える望遠鏡でないと、その姿を写真に撮ることはできません。小さいものを見るには光景が大きな望遠鏡が必要です。しかもM87銀河の中心には星や塵がたくさんあり、ふつうの光は届きません。 このような観測で使われるのが電波望遠鏡です。 車でラジオを聞いていると、FMは建物の陰に入ると聞こえなくなりますが、AMは大丈夫。波長の長い電波は障害物を回り込んで届くからです。これと同じで、電波を使うと星や塵を回り込んで、銀河の中心からでも信号が届きます。 電波を使って天体を見る電波望遠鏡は、地球上のいろいろなところにあります。それらをつないでひとつの地球サイズの望遠鏡として使えれば、計算上、M87の中心のブラックホールのような小さいものも見える。私の視力の0.3に比べたらはるかに目がいい、視力1.4億が実現できるはずです。 そんな野心的なプロジェクトが始まり、日本も大きな貢献をしました。日本、アメリカ、カナダ、ドイツ、フランス、オランダ、スペイン、メキシコ、中国、台湾、韓国という、文字どおり地球サイズの国際協力プロジェクトです。 プロジェクトの名前は「イベント・ホライズン・テレスコープ」といいます。ブラックホールの周りの、出てこられるところともう決して出てこられないところの境目を「事象の地平線」といいます。英語ではイベント・ホライズンです。 「地平線」とは、たとえば山の上から海を見ると、地球が丸いために、あるところから向こうは見えない、この境目のことです。「事象」というのは、何かしら起きている現象のことです。「事象の地平線」とは、この境目の内側で起きたどんな事象も見ることができない境目のことです。そのイベント・ホライズンを見るテレスコープ(望遠鏡)というのが、このプロジェクトの触れ込みです。 こうして撮ったブラックホールの写真が写真[1-29]です。[1-29]M87の中心のブラックホールのシャドウ 周りの明るいところがブラックホールの周りを回るガス、真ん中の黒いところの縁は光がブラックホールの周りを公転してしまって出てこられなくなる「光子リング」、光子リングの内側の半径3分の2ぐらいのところに「事象の地平線」があります。写真の下半分はガスが私たちの方を向いているので明るく、上半分はガスの運動が遠ざかっているので暗く見えています。2019年、日本を含む国際研究チームの観測によって、ブラックホールが初めて視覚的に証明されました。2019/04/11ブラックホール初撮影 5500万光年先を直接観測 日本など国際チームより あらゆる物質をのみ込む巨大ブラックホールの撮影に、国立天文台などの国際研究チームが世界で初めて成功し、10日発表した。世界6ヵ所の望遠鏡で同時に観測して解像度を飛躍的に高め、真っ黒な穴を捉えた。ブラックホールの存在を直接裏付けたことになり、銀河の成り立ちの解明につながる。 撮影に成功したのは、地球から約5500万光年離れた銀河「M87」にあるブラックホール。 ブラックホールは重力が極めて強く、光も吸い込んでしまう。光が脱出できなくなる境界は「事象の地平線」と呼ばれる。巨大ブラックホールは宇宙に無数ある銀河の中心にそれぞれ存在すると考えられているが、誕生の仕組みなどはわかっていない。これまでは、周囲を回る星の動きなどから、間接的に存在を確認していた。 研究チームは、宇宙空間のちりなどに吸収されにくく、地球まで届きやすい電波「ミリ波」に着目。ブラックホールに吸い込まれる際に周囲のガスが発するミリ波を観測し、画像に変換することを試みた。 2017年4月、南米・チリのアルマ望遠鏡や米ハワイ、南極など世界6ヵ所、計八つの電波望遠鏡を使って計5日間、M87と、天の川銀河の中心にある「いて座A*(エースター)」のブラックホールを観測した。 最大約1万キロ離れた望遠鏡のデータを合成することで、解像度を月面に置いたゴルフボールを地球から見分けられるほどに高め、わずかな電波を捕捉。約2年かけ解析した結果、M87の画像では、ガスの光に包まれた黒いブラックホールの姿が確認できた。質量は太陽の約65億倍に相当することがわかった。いて座A*については解析中という。 研究チームで日本の代表を務める国立天文台の本間希樹(まれき)教授は会見で「写真はアインシュタインの相対性理論以来初めて、ブラックホールを視覚的に証明するもの。銀河の真ん中にブラックホールが存在することを決定づける意味のある一枚だ」と話した。(石倉徹也、小宮山亮磨)この記事も『ブラックホールを見たいR3』に収めるものとします。『宇宙はなぜ美しいのか』3:ブラックホールの写真を撮る『宇宙はなぜ美しいのか』2:星の誕生『宇宙はなぜ美しいのか』1:はじめに
2024.06.15
コメント(0)

新時代の捕鯨 歓迎と批判ネットを巡っていたら、朝日デジタルの『新時代の捕鯨 歓迎と批判』がヒットしたのです。とにかく、食文化としてのクジラにはツボが疼くというか・・・例のごとく朝日の使い倒し(紙とデジタルのダブル保管)となったのです。*********************************************************新時代の捕鯨、歓迎と批判 新母船「関鯨丸」がデビュー ナガスクジラ対象「黒字確保に期待」より 九州と本州を結ぶ関門橋付近を航行する捕鯨母船「関鯨丸」=21日午前10時57分、山口県の下関港沖、本社ヘリから、小宮路勝撮影 日本の商業捕鯨を担う新しい捕鯨母船「関鯨(かんげい)丸」が21日、初の操業に向けて山口県の下関港を出港した。商業捕鯨が低迷するなか、「新しい時代に入る」と業界の期待は高まっている。水産庁は捕鯨の対象に大型のナガスクジラを追加する方針だが、世界の反捕鯨国や環境保護団体からは批判や疑問の声が上がっている。 初出漁式で、関鯨丸を所有する共同船舶(東京都)の所英樹社長は「我々は一丸となって鯨文化を未来永劫続けていく」と語った。 関鯨丸は、30年以上操業し、昨秋に引退した「日新丸」の後継として約75億円で建造された。全長112・6メートル、幅21メートル、総トン数は9299トン。定員は100人で、航続距離は南極海に到達可能な約1万3千キロに及ぶ。捕鯨船が捕獲した鯨を船内で解体し、冷凍保存する機能を持つ。 近年、日本の捕鯨は揺れ続けた。国際捕鯨委員会(IWC)が1982年、商業捕鯨の一時停止を決めると、日本は「調査」として捕鯨を続けた。しかし2014年、オランダの国際司法裁判所は、南極海での調査捕鯨の中止を命じた。結果、日本は19年にIWCを脱退。日本沿岸での商業捕鯨の道を選んだ。 ただ、商業捕鯨は低迷気味だ。共同船舶は、ニタリクジラとイワシクジラを捕獲しているが、鯨肉の生産量は約1600トン。国内全体でも2千トンほどで、1960年代の20万トン前後に比べると極めて少ない。23年3月期の売上高は31億円で2億円の営業利益だったが、関鯨丸の建設費75億円がのし掛かる。 日本人の鯨離れも進んでいる。所社長によると、若者にとって鯨肉は「くさい」「硬い」とのイメージがあるという。 政府も関鯨丸への後押しになるような動きを見せる。水産庁は今月、捕鯨の対象にナガスクジラを指定する方針を決めた。十分な資源量があると判断。水産庁の審議会を経て今夏、正式に決める。 ナガスクジラは体長約20メートル。最大クラスは重さ80トンにもなる。仮に20党の枠で約400トンになるという。所社長は「これで黒字を確保できる」と期待する。 ■専門家「調査公表なく拙速」 しかし、ナガスクジラの追加には専門家らから批判の声も出ている。 元水産庁職員としてIWCに十数回参加して交渉に当たった小松正之さん(70)は「拙速だ。科学的な調査が公表されておらず、判断できない」と指摘する。 水産政策を調べるオーシャン・ガバナンス研究所の真田康弘・代表理事は「ナガスクジラは海洋生物の象徴だ。海外の政府機関も含めてリアクションが予想される。場合によっては、IWCで審議されることもありえる」と話す。 実際、世界の反捕鯨団体は懸念を示している。 南極海での日本の調査捕鯨を繰り返し妨害してきた反捕鯨団体「シー・シェパード」の元船長で、日本が傷害容疑などで国際刑事警察機構(ICPO)を通じて国際手配しているポール・ワトソン氏は朝日新聞の取材に、「絶滅危惧種であるナガスクジラの商業捕鯨は違法だ。日本の排他的経済水域(EEZ)外で行われるいかなる捕鯨も物理的に阻止する」と話した。 (白石昌幸、加藤裕則)「関鯨丸」が初操業を終えたとのことで、安価の鯨肉を期待するのです。待ってろよ「シー・シェパード」。ÝouTube『新型捕鯨母船「関鯨丸」が初操業終え仙台塩釜港に接岸で新母船「関鯨丸」が見られます。
2024.06.14
コメント(0)

「テルマ&ルイーズ」という映画を映画館で4回も観たのであるが・・・それはつまり、もっとも好きな監督がリドリー・スコットになるのかなあ。*********************************************************図書館で『映画の巨人たち リドリー・スコット』という本を、手にしたのです。「ブレードランナー」「ブラック・レイン」「テルマ&ルイーズ」とくれば・・・もっとも好きな監督になるのかなあ。【映画の巨人たち リドリー・スコット】佐野亨著、辰巳出版、2020年刊<「BOOK」データベース>よりSFから歴史劇まで、幅広い題材を描きながら、人間の悪意や文明論など明確なテーマ性と独自の映像美で、いまなお第一線で活躍し続けるリドリー・スコットーその魅力と本質をさまざまな角度から読み解く!<読む前の大使寸評>「ブレードランナー」「ブラック・レイン」「テルマ&ルイーズ」とくれば・・・もっとも好きな監督になるのかなあ。rakuten映画の巨人たち リドリー・スコットシド・ミードが作り出した近未来の景観が語られているので、見てみましょう。P48~50<アンドロイドの哀しみ:川本三郎> 核戦争後の荒れ果てた地球、環境汚染と人口過剰で窒息しそうな都市、メディア・テクノロジーの増殖で自己をホログラフィのような空像としか意識しえなくなった人間・・・1982年、53歳で死去したアメリカのSF作家フィリップ・K・ディックはそうしたディストピアとしての近未来にこだわり続けた病的な作家だ。 ディックの短篇集を編んだSF作家ジョン・ブラナーの言葉を借りれば、「ディックの世界はけっして人好きのするものではない。たいていの場合、その世界はさびれ果てている」。 廃墟、マシンや機械人形に囲まれた自閉空間、LSDやスピードやアンフェタミンといったドラッグが生む幻想世界、実像と虚像の差異がなくなったシミュレーションの仕掛け。晩年、霊的世界を見ようとするかのような衝動にとらえられたドラッグの常用へと落ち込んでいったディックは、SFの世界に、テクノロジーの悪夢、実体を喪失した人間の自己幻想、人造人間(アンドロイド)の孤独、現実そのものと現実認識のくい違いといった病的要素を導入していった。「それはけっして快適な世界でも、魅力ある世界でもない」。病気から逃れようと、「医師に処方してもらった薬は、病気よりもひどい副作用を起こす」(ジョン・ブラナー)。 だがその不快な近未来の風景は、読む者にいつか自分たちが見た「懐かしい」風景だと思わせていく魔力を持っている。なぜなら私たちは病なしにはもはや生きられないのだし、河合隼雄の言葉を借りるならば病気とは一つの「ファンタジー」なのだから。SFのFとはサイエンス・テクノロジーの異常な増殖がもたらした病気という「ファンタジー」であるということも可能なのだ。 1982年に製作され、公開当時はさほど話題にならなかったがその後ビデオ化されるや若い世代の圧倒的支持を受け、いまや“カルト・ムービー”になるつつあるSF映画『ブレードランナー』はこのディックの中期の作品(1968年)で、ディック自身が「私のもっとも気に入っている作品の一つ」といっている『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』の映画化作品である。 製作は『ディア・ハンター』の製作者でイギリスのEMI社に属するマイケル・ディーリー。監督はゴシック・ホラー調のSF『エイリアン』で名を上げたリドリー・スコット。そして特撮(SFX)は『2001年宇宙の旅』『未知との遭遇』で知られる特撮の第一人者ダグラス・トランブル。この映画ははじめほとんど無名に近い俳優ハンプトン・ファンチャーが原作を読んで感動し、ただちに自分で脚本を書き、SF作家レイ・ブラッドベリを通じて“ハリウッド映画人とほとんど没交渉”の孤高の作家ディックに会い、映画化権を獲得したという、スタートの時点ではごくマイナーな企画だった。 それがディーリーが製作し、リドリー・スコットが監督することになり、さらにダグラス・トランブルが特撮に加わることによって一気にマニアックなまでのSFX(特殊視覚効果)映画へと開花していった。ちなみに映画題名の「ブレードランナー」は、麻薬中毒者の異常な幻想を描いた『裸のランチ』で知られる作家のウィリアム・バロウズの作品からとられており、この映画のクレジットの最後にはバロウズに「スペシャル・サンクス」が捧げられている。 特撮のダグラス・トランブルがこの映画に加わりたいと思ったのは、「(これが)スペース映画ではない」からだったと語っているように、『ブレードランナー』が『スター・ウォーズ』や『スター・トレック』のような「星空をバックに宇宙船をあやつる」美しくファンタジックなSFではなく、近未来のディストピア、痛々しい地球にこだわった「さびれ果てている」病的なSFだったからだ。映画『タクシードライバー』で荒廃したニューヨークのアンダーグラウンドを描いたマーチン・スコセッシ監督もディックの原作を映画化したかった一人だというが、『ブレードランナー』の世界はたしかに未来の広大な宇宙空間よりも、むしろ“娼婦とオカマとヤクの売人と中毒患者がうごめいている”ネクロポリス(死の都)ニューヨークのほうにつながっている。『ブレードランナー』の舞台は21世紀のアメリカの巨大都市。環境汚染と人口過剰のために腐乱した地球から逃れるために人間たちは徐々に他の惑星に移住している。人間たちは惑星での都市建設のためにレプリカントと呼ばれる“人間そっくり”の人造人間を開発した。そのレプリカントの何人かが叛乱を起こし“故郷”の地球に戻ってくる。逃亡者であるレプリカントを殺害するためブレードランナーと呼ばれるハンターが起用される。 物語はこのブレードランナーによるアンドロイドの捜査、追跡、殺害と展開していくのだがこの映画でまず見る者の目を奪うのは、トランブルと、未来派のデザイナー、シド・ミードが作り出した近未来の都市の景観である。 『映画の巨人たち リドリー・スコット』5:アンドロイドの哀しみ『映画の巨人たち リドリー・スコット』4:リドリー・スコットの生い立ちなど『映画の巨人たち リドリー・スコット』3:「ブレードランナー」の論考『映画の巨人たち リドリー・スコット』2:「テルマ&ルイーズ」の論考『映画の巨人たち リドリー・スコット』1:冒頭の論考
2024.06.14
コメント(0)

日本の各地で、和紙が産業あるいは工芸として作られていて、興味深いのである。・・・ということで、以前の日記を以下のとおり復刻してみようと思い立ったのです。*********************************************************図書館で「和紙と暮らす」という本を借りたが・・・この本から故郷土佐の楮・三椏栽培のあたりを紹介します。大使が和紙に描くイメージは、森林に寄り添う産業という感じで、何と言うかエコロジーそのものなんですよ。(過酷な作業が見えないところが、極楽トンボなんですが)<楮・三椏栽培>p37~39 高知県の山あいの農家では、昭和30年ごろまで、県内では最高品質の赤楮(あかそ)と呼ばれる楮が生産されていた。現在はユズやお茶などの栽培に変わり、楮の姿を見かけることは少ない。それでも今なお、雪の残る山道で、畑で刈り取った重い楮の束を担いで釜床まで運ぶ姿を目にする。 楮は鎌で一本一本刈り取られる。枝を払い、4尺2寸(125センチ)の長さにきっちり揃える。蒸し器である甑の寸法に合わせたサイズだ。それを40本から60本くらい束ね、しっかり縛り、釜場まで運ぶ。釜場のある農家の庭先や山の斜面などでは、甑の径に合わせてさらに大きな束になった楮が、ごろんと横たわる。 いよいよ楮を蒸す段になると、村の集落は朝から活気づく。一家総出あるいは、昔から「結い」を結成している里では、近所の皆が手伝いに集まる。早朝3時頃より釜を焚いて、甑で楮を一度蒸すのに3時間は燃やし続ける。厳冬の甑上げでは、もうもうと上がる真っ白な蒸気は、向こうの山も周囲の物も甑自体をも包み消してしまう。 蒸しあがった束には総出で水をかける。水をかけ急激に冷やすことで、楮が収縮し、皮が剥ぎやすくなるという。 三椏は沈丁花科の落葉木で、苗を植えてから成木になり、刈り取るまでに3年かかる。3年ごとに収穫された三椏は、大蔵省印刷局に納入され日本銀行券となって日本全国に出回る。子どもの頃、楮は和紙に、三椏はお札になると親から教えられたものである。次に楮や三椏の生産者について、ネットで探してみました。楮農家の紹介より土佐和紙の原点は、楮。楮には、様々な種類があるが、農家さんたちは、ひっくるめて「梶」と呼んでいます。楮は、山間に建つ野村家の裏山や、清らかな清流を挟んだ向かい側の斜面で育てられています。日当たり抜群です。 楮原料の多くはタイなどからの輸入品に置き換わって、楮畑や甑上げなどが少なくなったそうだが、その生々しい実態までは知りません。 和紙は耐久性に優れる。繊維が長いため、しなやかで丈夫。高知県産の極薄和紙が、欧米の書籍修復に重宝されているそうです。透けるような紙なので、上から貼っても文字や絵がみえる。日本の刷毛とのりと和紙は修復家の羨望の的だとか。「かみこや」というサイトを知ったけど、オランダ人が三椏、和紙の生産に着目したことに・・・・逆に惹かれるわけです。和紙を作ること自体が、心和む普遍性を持っているんではないでしょうか。かみこやより四国カルストの風を受け、四万十川源流の水で暮らす。標高650Mの高台で99%緑に包まれた「かみこや」オーナーはオランダ人和紙作家で土佐の匠でもあるロギール・アウテンボーガルト。和紙の原料から育て、昔ながらの紙を漉き、作った和紙の優しさを製品にしています。 かみこやではロギールの手ほどきで紙漉き体験もできます。灯り・障子・襖に壁紙と和紙に囲まれた民宿のゲストルームは、1日1組~2組。暖かいおもてなしを心がけています。先日(4月4日)京都府立植物園で見た三椏です。ミツマタの花は黄色と白のツートンカラーだったんですね♪<本美濃紙>p52 最高の和紙として美濃の名を決定づけたのが、書院紙と呼ばれた障子紙の品質および江戸幕府の御用紙の指定だった。 薄く、均一、かつ強靭。障子を通過する光は技の冴えを際立たせる。 本美濃紙保存会会長を務める澤村正さんは話しはじめた。正倉院に残る現存最古の戸籍用紙(702年)から、少なく見積もっても1300年という歴史が導き出されること。平安時代には日本最大の産地になり、紙市場が開催されるようになった15世紀、書院紙(障子紙)で名声を獲得。その後も江戸幕府の御用紙に指定されるなど、美濃紙は常にトップの道を歩んできた。【和紙と暮らす(別冊太陽)】増田勝彦著、平凡社 、2004年刊<「BOOK」データベースより>データが見つからず。<大使寸評>昭和30年代までは、故郷のわが町でも楮の蒸し上げ作業を行っていて、幼い大使もかすかに覚えているのです。それだけ和紙作りが身近にあったわけで、里山では楮、三椏の循環生産を行っていたんでしょうね。和紙と森林の関わりが気になって、この本を借りたのです。rakuten和紙と暮らす(別冊太陽)
2024.06.13
コメント(0)

『漢字がつくった東アジア』(復刻)中華嫌いの大使であるが、最古の表意文字・漢字には高い評価を与えておるのです・・・・ということで、以下のとおり復刻してみます。*********************************************************「漢字がつくった東アジア」を読み進めています。日本が最初に中華圏から独立したとする切り口が、ええでぇ♪今はない渤海という国が大使にはエキゾティックなんですね。歴史上、日本とは友好的であったし、抗争も無かったようです。<渤海の辿った道>p173~176 それでは、独自の年号までもった渤海国とは、どのような歴史を辿ったのか。それは、あまり明らかではありません。なぜなら、渤海国自身によって書かれた歴史書が残っておらず、同時代の日本の『続日本紀』や、中国の『旧唐書』などから再現するしかないからです。 926年、第15代の大イセンという国王が契丹の耶律阿保機に亡ぼされ、渤海国の歴史はここで終わります。したがって698年から926年までの230年ぐらいが渤海国の歴史ということになります。それは、日本でいえばおおよそ奈良時代から平安前期。政治的に独立した後、中国的文化を意識的に学び、擬似中国的な国家を形成っしつつ、平仮名(女手)の誕生によって、文化的独立に至る時代に相当します。 靺鞨人の国家・渤海が、なぜ、日本や朝鮮のように安定した形態をとることがなかったかといえば、王を中心とするごく少数の官僚達は、漢詩・漢文に通じ、東アジアの政治的関係を理解していたとしても、圧倒的な数の民衆は、これとは無縁の無文字的空間にあったからであると考えられます。西にモンゴル、さらには突厥という遊牧の空間に接する靺鞨人は、東アジア漢字文明に半分だけ足を突っこんだにすぎなかったからです。 新羅が立ったのは676年で、その20年後には渤海国が立ち、ある意味でここに朝鮮半島での南北時代、北と南という二つの国が立つという構造が生じました。 さて、ここで見ていただきたいのは、698年から926年ということは、律令日本時代と重なるという事実です。日本は710年に奈良朝に入ります。794年には奈良から平安に遷都して、894年には遣唐使を廃止しています。 (1日文字数の制約で省略)wikipediaに靺鞨、渤海の位置づけが載っているが・・・ま~民族勃興史を見るようで感慨を覚えます。wikipedia靺鞨より靺鞨(7世紀後半)渤海(8世紀、9世紀頃) 靺鞨(まつかつ)は、中国の隋唐時代に中国東北部(現在のロシア連邦・沿海地方)に存在した農耕漁労民族。南北朝時代における「勿吉(もつきつ)」の表記が変化したものであり、粛慎,挹婁の末裔である。16部あったが、後に高句麗遺民と共に渤海国を建国した南の粟末部と、後に女真族となって金朝,清朝を建国した北の黒水部の2つが主要な部族であった。「中国からの独立」という白川さんの独特な切り口を拝聴してみましょう。<唐の滅亡と東アジアの文化的独立>p188~190 こうしたことを総合的に考えると、900年から1000年代のところで、東アジアの各地方は文化的に独立することがわかります。この900年から1000年代に越南でも独立の気運が起ってきます。 一方、朝鮮半島は、北では926年に渤海が亡び、南では919年に新羅から高麗に代わっています。ここでも文化的な独立めいた動きが生じます。 日本は、国が亡ぶような大きな政治的な変革は見られないものの、それに匹敵するような文化的な革命と断絶がこの時期に起きます。それは女手の成立です。再三繰り返すように、女手が誕生したことにより日本は文化的な独立を遂げますが、それがちょうど越南が中国から離れて独立する時期と重なるのです。 ここで非常に興味深い原理がひとつ抽出できます。それは、「東アジア漢字文明圏における独立は、自主的に中国風の体制を整え、漢字文明・文化を推進する」ということです。 一般的に、独立するという場合には、支配者の束縛から離れて自分たちのものを打ち立てることを意味しますが、東アジアで自分たちのものを打ち立てようとする場合には、かならずいちど政治的にも文化的にも中国化する必用があります。まず中国の政治制度を学び、中国の文化を積極的に取り入れ、あたかも中国と同じような政治的・文化的形態になる。その経験を経たあとに、はじめて文化的な独立が成立します。これが東アジア漢字文明圏における独立の条件です。 非常に矛盾に満ちていますが、わかりやすくいえば、京都と奈良の違いです。あるいは、京都の町でいえば、御所と禅院の違いです。奈良とはいったい何かというと、あれは中国です。中国のものをどんどん取り入れて、中国と瓜二つの姿になることを目指したのです。この逆説的な動きが、日本が白村江の戦いで敗れ、中国から独立したあとに起きます。つまり自主的に中国文化を吸収することによって独立するしかないのです。 それほど中華の文明というもの、知識学問というもの、政治制度というものが圧倒的に大きく、水圧が高いのです。それを自分のものとして取り入れなければ中国からの相対的な独立はありえないのです。 たとえば奈良時代の写経。写経によって中国の文字を知る、中国の文を知る、中国の知識を知ることを徹底することによって独立が果たされたのです。(中略) 越南でも、脱中国化を達成して独立しようと思えば中国化しなければいけない。つまり中国化することによって脱中国化するのです。日本の場合もそうですし、朝鮮の場合もそうです。これが漢字文明圏における独特な独立の形態だと思います。 拙著『日本書史』で詳しく述べていますが、私は900年を日本史におけるひとつの分水嶺と考えてもよい大きな区分と考えています。900年までを、奈良時代あるいは空海などが活躍する平安初期を含めて「擬似中国時代」と考えます。この時代の文化は、中国から独立していちばん最初にやってくる姿をしています。東アジアの国が政治的に独立したあっとには、中国のごとき姿をする時代がかならずやってくるのです。それを経た後にやがて「違いのわかる大人」になることがあります。日本でいえば、女手をつくることによって、和歌と和文の表現力を手に入れ、擬似中国段階を脱して日本化することになります。 同様の試みが、東アジアではやはり文字をめぐって起ります。日本では女手でした。朝鮮ではハングルをめぐって起ります。そして越南ではチェーノム(字喃)という、いわゆる越南文字をつくることを通じて起ってきます。この「喃」の字がまさにチェーノムです。「口」扁が表音のための借用字であることを表し、「越南」の「ノム(南)」という音を合わせてつくられた越南文字です。中国に組み込まれながら、一貫して反抗的だったヴェトナムの文化、王制を見てみましょう。辺境としての悲哀は朝鮮半島より大きかったようですね。チェノム<朝鮮、越南、日本の支配体制>p199~201 江戸時代までは一貫して、朝鮮半島は日本に大陸のいろいろな文化を伝えるというかたちで、ある意味での師匠役をしてきたわけです。けれども、半島側には豊臣秀吉の朝鮮侵攻に象徴されるような、とんでもないことをする、わけのわからない要素をもっている島だという認識もある。そういうなかで、朝鮮半島の、大陸と孤島のあいだにあるという中間の意識は、単に半島意識ということだけではなく、孤島との関わりを絶えず意識させられてきたと考えられます。 元の侵攻に対して、越南が選んだ対応は反抗でした。文化的民族主義としてチェーノムはつくられました。しかし先ほどいったように、大陸を北といい自分たちを南というように、基本的に自分たちを大陸と同格に見ようという意識が支配層にあります。 なぜか。それは越南が中国だからです。とはいえ、体制に組み込まれて、生活しているだけの被支配層は別です。支配する層は、要するに中国です。だから大陸の南朝なのっです。まさに南朝を建てるというような意識から越南は生まれてきたのです。チェーノムが基本的には漢字と同じ構造の亜漢字であり、また(それゆえ)越南語が中国語と同じ単音節孤立語でありつづけていることにも触れておきましょう。 さらに興味深いのは、朝鮮、日本、越南の三つの国で支配体制が異なることです。朝鮮は基本的に「王」、つまり王制です。この王制というのは、再三述べているとおり、皇帝のもとにある王制です。要するに冊封された王制です。あくまで「自分たちのところには王しかいない」という考え方です。皇帝がいるとは考えないし、また考えられもしないのです。 それに対して、日本の場合は「皇帝」です。皇帝とは名乗らないけれども、王とも名乗らずに、その中間的な概念、もしくは模擬皇帝概念として天皇をつくる。天皇制が強化されるのは近代以降です。しかも日本史の過半を実際的に支配したのは、古代には摂政や関白、あるいは院、そして中世、近世は征夷大将軍、つまり将軍でした。わかりやすくいえば、日本の場合、皇帝でも王でもない天皇という制度になります。 ところが越南の場合は異なります。対中国的には王でありながら国内的には皇帝と称するのです。実際問題としては中国の皇帝と冊封関係にあり、したがって王、あるいはもっと貶められて郡王ぐらいのこともあるのですけども、王でありながら国内的には皇帝と称するのです。したがって越南がいちばん中国的なのです。中国でありながら中国とは違うという、むろん朝鮮あるいは日本とはまた違った姿をとるのです。 話は少し脱線しますが、これは絶妙かなと思うのは、越南を含む半島をインドシナ半島と呼ぶことです。すなわちインドの文明と中国の文明がちょうどそこで交差し、共存している半島です。中国大陸に発する漢字文明は東海岸の方から越南へと南下してきますが、西の方からはインドの文明が押し寄せてくる。それは文字が、越南以外のところでは、アルファベットでもなく漢字でもない、いわゆるサンスクリット系の文字が基本的に使われていることと関連しています。 越南が独立するときに、「漢唐はわが帝国にして、孔孟はわが祖師なり」という考え方が払拭すべき意識として語られました。この考え方を払拭しなければ越南の独立はありえないというのが越南の独立のときの考え方です。それほど越南の知識人のあいだには、中国大陸の文化・文明が自分たちの礎であるという考え方が根強くあったのです。wikipediaチュノムによれば、一般のパソコンでも大多数のチュノムを表示、印字することが可能となっているそうです。ベトナム語のローマ字表記化についてはwikipediaクオック・グーに詳しいが・・・1945年独立を期に、中華のしがらみを絶ったのでしょうか?(クオック・グーとは、もちろん国語ですね)漢字がつくった東アジア1:現代の中国語漢字がつくった東アジア2:立ち上がる朝鮮半島漢字がつくった東アジア3:北端のアイヌと南端の琉球人漢字がつくった東アジア4:渤海の辿った道
2024.06.12
コメント(0)

「あなたの代わりに読みました」のスクラップ朝日新聞の「あなたの代わりに読みました」という記事を紙でスクラップとして保管しているのです。斎藤美奈子さんと言えば、書評のスペシャリストとして知られるが、それらの書評がまとめて見られる書評集とあれば・・・読むしかないでえ♪ *********************************************************明日への糧、忙しい読者に寄り添い 斎藤美奈子さん書評集「あなたの代わりに読みました」より 書評を書き続けて30年になる。文芸評論家の斎藤美奈子さんが書評集「あなたの代わりに読みました」(朝日新聞出版)を出版した。書評を書くこと、それは忙しい読者のための「読書代行業」のような気分だと斎藤さんは言う。「昨日を省み、明日を生きるための糧」になる読書という行為に寄り添ってきた。 本書は、週刊朝日で2013年から休刊した23年までに書いた490本の書評から154本を選んだ1冊だ。政治や社会、文学、暮らしや芸能のテーマに分けて収めた。連載した10年は東日本大震災後、令和が始まりコロナ禍を経験した時代だった。その時々の話題本を中心に紹介しているが、原発や安全保障、地域経済、ジェンダーなど、課題にあふれている。 例えば、浅田次郎著『日本の「運命」について語ろう』(15年刊、幻冬舎文庫)では、260年余り戦争をしなかった徳川幕府を再評価する本書に、戦後70年の日本を重ね「この記録を私たちはどこまで更新できるだろうか」と鋭く問う。松中権著「まずは、ゲイの友だちをつくりなさい」(同年刊、講談社+α新書)や、井上由美子著の小説「ハラスメントゲーム」(18年刊、河出書房新社)など、世の中の動きに素早く反応した本を書評に取り上げてきた。 ただ、評者本人は「今回全ての原稿を見返したけど一つも覚えていなかった」と言い、「借金を取り立てされるみたいに慌ただしく書いていたから」と笑いながら振り返る。入院先の病室から原稿を送ることもあったという。 毎週迫り来る「魔の火曜日」。書評と別の新聞コラムの締め切りが重なる日で、午前5時ごろから書評本に目を通し、原稿を書き終えるのは午後2時ごろ。そのままコラムに取りかかり、夜までに間に合わせる。 選書は自由で、時間が空くと書店に候補となる本を探しに行った。「自分の興味の範囲はせいぜい半径5メートル」。未開拓の本が潜む書店は「荒野のようで、サプライズがある」場所だ。偶然出合う本を求めて出向く。朝日新聞の書評委員で一緒だったドイツ文学者の池内紀さんから「本って出合い頭だから」と言われたことを心に留めているという。 執筆で重視するのは「自分を消し、いかに内容を的確に書くか」という点だ。「この本が言いたいことは何か、整理整頓されていない本が案外多い。分かりやすくかみ砕くには、ねじりハチマキ巻いて、大なたを振るって、下草を刈る作業をしなければいけない」と話す。 長年、雑誌や新聞を中心に書評を書いてきた。いまネットでは読書レビューがあふれ、動画投稿アプリで紹介された本が人気を得る。紙媒体の存在意義はどこにあるのだろうか。斎藤さんは「保存性に優れた媒体なので、本のダイジェストとして後になっても読め、書かれた時代を追える良さがある」と指摘する。まさに本書もこれから何十年後かに読み返せば、懐かしいだけではない、時代の一面や社会の流れを学ぶ糧となりそうだ。(森本未紀)私事になりますが・・・6/8から6/11の間はブログをお休みとしますので宜しく。法事があるため四国の故郷に帰省(今晩の夜行バスで)するものです。
2024.06.07
コメント(0)

「プロパガンダ映画にはまった」という記事を、14年ぶりに見直ししたのでUPします。*********************************************************・佐久間ダム・千里馬・栄光への脱出・父親たちの星条旗・キャピタリズムこれらの共通点は何か?・・・ハイ、そこのあなた!これらの共通点は、ジャンルはドキュメンタリー、商業映画とさまざまですが、私がはまったプロパガンダ映画なんですね(さよか)とにかく、映像の威力はすさまじいもので、年端もいかない大使などコロリとはまってしまったわけです。R1:千里馬、キャピタリズムの内容見直し、他*********************************************************その1子供の頃に「佐久間ダム」というドキュメンタリー映画を見て、土木技師を夢見たこともある大使であるが・・・・お役人も土建会社も、世のために働いた幸せな時期が確かにあったが、今となっては状況変化に対応できないその硬直性(石頭)に感慨深いものがあります。お役人とは、自省の予算が減ることを、会社倒産のように恐れるが(それはわかる)・・・ならば、ダム撤去予算をつけて、せめて世のために働いてほしいものである。同じ税金を投入するなら、せめて国民の為に使ってほしいものだが・・・継続性、整合性とかなんか?で、にっちもさっちもいかないのだろうな~?その2『チョンリマ(千里馬)―社会主義朝鮮の記録― 1964年度作品(2006年北朝鮮人権侵害問題啓発週間のシンポジウムより)より シンポジウム第1セッションで映画「チョンリマ」が上映されました。このような機会でもなければ観ることのできない映画のようです。公開された1964年は東京オリンピックがあり、そして拉致被害者 横田めぐみさんが生まれた年でもあります。 写真のパンフレットはシンポジウムでもお話されたジャーナリスト・萩原遼さん所有のもので、40年以上も前(2006年当時)のものです。萩原さんにお願いして見せてもらいました。写真掲載及びブログ掲載の許可もいただきましたので、ぜひご覧になってみてください。写真 映画は当時プロパガンダに利用されたとのことで、複雑な思いでいる方もいらっしゃると思います。そんな中、不謹慎かもしれませんが、私は最近の北朝鮮のテレビ映像ばかり見ているせいか、昔の映像にかえって何か新鮮さを感じました。(会場では時々笑いがこぼれていました)出演者の笑顔も最近の映像で見る作り笑顔と違い、まだ自然な感じがしました。もう一度じっくり観てみたいなと思う映画でした。 この映画を作った監督は、当時の日本人よりは北朝鮮の実情に詳しかったはずであるが、夢を紡いだ裏に、負の側面に目をつむった(見抜けなかった?)としたら犯罪的でさえあったと、今頃気づいた大使である。その3ものごころついた頃に「栄光への脱出」という映画を見て、ユダヤ人の帰国運動に虐げられた民族の希望を見たこともある大使であるが・・・・いま、パレスティナのガザ地区で砲撃を加える軍事大国ともいえるイスラエルには、映画で見たような虐げられた面影は見られません。それにしても、この映画に出演したポール・ニューマン、そしてスクリーンミュージックには惹かれたものです。栄光への脱出かように、プロパガンダ映画に惹かれた(だまされた)大使も、騙されながらも馬齢を加えたせいか・・・・プロパガンダ臭には「ちょっと おかしいんじゃないの?」と眉に唾することもおぼえたのです。その4「父親たちの星条旗」はプロパガンダそのものを描いた映画であり、プロパガンダに従事した者をヒーローとして描くわけでなく、戦争という愚かな行いを批判的に見る高い位置が感じられる映画だった。とにかく、これは別格ですね。その5プロパガンダ映画といえばマイケル・ムーアの最新作『キャピタリズム』はドキュメンタリーというより、プロパガンダ映画そのものなんだろうが・・・こういうふうに立ち位置を旗幟鮮明にした映画を、見たいとも思うのです。市民じゃなくて銀行にすべてを握られている資本主義って何なんだ?-マイケル・ムーア×是枝裕和監督対談より『キャピタリズム ~マネーは踊る~』公式ブログということで・・・関さんのプロパガンダ報道は民意をゆがめるか?などのタイトルに目が行くのです。
2024.06.07
コメント(0)

図書館で『中国共産党支配の原理』という本を、手にしたのです。このところ米中の緊張が高まっているが最悪の場合、習近平氏とトランプ氏が対立するケースがあるわけで・・・習近平氏支配の構造を見ておこうということでチョイスしたのです。【中国共産党支配の原理】 羽田野主著、日経BP日本経済新聞出版、2023年刊<「BOOK」データベース>より謎の巨大組織を縦横無尽に読み解く。「秘密結社」から始まった中国共産党は潜在的に守りの意識や被害者意識が強く、常に内側に不安を抱えている。結党目的の共産主義の実現はすでに失われ、政権党として君臨することが自己目的化している。米国の「圧力」にさらされていると受けとめる共産党は、軍事的統制を強め有事体制に移行しつつある。中国の隅々に張りめぐらされた党組織は硬直化し、自己改革できない「大企業病」に冒されているようだ。膨張の果てに戦前の日本と同じ道を歩むリスクさえ見え隠れするようになった。外部から見た不可解な行動をとる中国共産党の原理とは何か。共産党の憲法といわれる「党規約」の読み解きを交えながら、有益な中国分析を提供する。「党規約」最新版の全訳も掲載。<読む前の大使寸評>このところ米中の緊張が高まっているが最悪の場合、習近平氏とトランプ氏が対立するケースがあるわけで・・・習近平氏支配の構造を見ておこうということでチョイスしたのです。rakuten中国共産党支配の原理第3章で党幹部のビジネス活動が語られているので、見てみましょう。p128~131<最大勢力は「資本家」>(前略) 共産党は労働者階級のための組織である以上、資本家は対立するため「敵」だった。資本家から私有財産を没収してすべての富や資源、サービスを人民が共有する共産主義を目指していた。毛沢東時代は「清貧」が党幹部の美徳とされていた。 ところが江沢民が党規約で共産党が「広範な人民」を代表すると定義し直したため、改革開放以来、中国で増えた経営者や資本家らも含めることができるようになった。 これは、党内で市場経済化の流れに合わせて起業家らを取り込まないと、政権党として基盤を維持できないという危機感があったためだ。中国がちょうど世界貿易機関(WTO)に加盟し、経済のグローバル化に対応していこうとした時期に重なる。「労働者階級を代表する党」と位置づけてきた共産党は、改革を通じて幅広い層を取り込むことができるようになり、党の構成員が大きく変わるきっかけになった。<利権集団への変貌> ここでもう一つ大事なのは、江沢民の「三つの代表」理論は、民間の企業経営者を取り込んだだけではなく、巨大な権限を持つ共産党幹部が経済の市場化を通じて企業経営者や不動産所有者、金融資産保持者といった資本家にに変貌し、中國社会の大半の富を堂々と握ったことにある。 言ってみれば、共産党員がいよいよ共産主義という理想をかなぐり捨てて、大手を振って金もうけに邁進することができるようになった。既得権益層に党が政治的なお墨つきを与えたに等しい。貧富の格差が一気に広がるきっかけをつくった。 そこには労働者のための共産党という視点はほぼない。持てる者ほど共産党による統治の維持を必要とし、持たざる者ほど共産党から遠ざかってしまう矛盾をはらむようになった。 米紙「ニューヨーク・タイムズ」は、温家宝元首相の一族は平安保険公司を利用して27億ドルの不正蓄財をしていたと報道している。程暁農氏ら在米中国人経済学者の『中国・・・とっくにクライシス、なのに崩壊しない“紅い帝国”のカラクリ』によれば、共産党高級幹部の子弟や親族が権力を利用してビジネス活動を本格化したのは、江沢民と胡錦涛の時代だった。 具体的には、国有企業を管理していた共産党高官はその国有企業の純資産額を不当に低く見積もり、銀行融資で自ら購入。民営化プロセスの中で株の一部を高値売却し、巨万の富を得つつ、経営者としても居座るという手法が横行していたという。党高官は濡れ手に粟で、企業経営者にも大規模不動産や高額の金融資産の所有者にもなりうる。こうした勢力は、先ほどの党員区分の「ホワイトカラー層」に分類されている。 同書は「金融やエネルギー業界に進出し、私募ファンドの運営や国有企業の掌握によって、まさしく一族と国家が一体となった利益運搬メカニズムをつくりあげた」「彼らは公然と国有資源と公共財の山分けに走ったが、これは中層・下層の役人による腐敗行為のあしき手本となった」と指摘する。 さらに具体的に党幹部の名前を挙げて業界のつながりを記している。たとえば李鵬元首相の子女は、中国の電力業界を支配している。息子の李小鵬氏は中国華能集団の社長・会長を歴任し、「アジアの電力王」と呼ばれた。江沢民の息子、江綿恒氏が通信業界を牛耳ってきたのは、党関係者の間では有名な話だ。元国家副主席、曽慶紅氏の息子、曽偉しは石油業界に手を出していた。『中国共産党支配の原理』2:ウクライナに残された中国人7000人『中国共産党支配の原理』1:習近平氏の怖さ
2024.06.06
コメント(0)

図書館で『もぎりよ今夜も有難う』という文庫本を、手にしたのです。おお 片桐はいりの「もぎり生活エッセイ集」ではないか。・・・面白そうである。【もぎりよ今夜も有難う】片桐はいり著、幻冬舎、2014年刊<「BOOK」データベース>より映画「かもめ食堂」の初日挨拶で、シネスイッチ銀座の舞台に立ったとき、かつて銀座文化でもぎりのアルバイトをした7年間がキラキラした宝物のように思い出されー。「映画館の出身です!」と自らの出自を述べる俳優が、映画が活況だった頃の懐かしい思い出や、旅先の映画館での温かいエピソードをユーモアとペーソスを交えて綴る名エッセイ。<読む前の大使寸評>おお 片桐はいりの「もぎり生活エッセイ集」ではないか。・・・面白そうである。rakutenもぎりよ今夜も有難う「巴里の空の下ケムリは流れる」で石炭暖房の故障騒ぎを、見てみましょう。p29~32<巴里の空の下ケムリは流れる> 学生時代ストーブにコークスをくべた記憶があるのは、何歳から何歳くらいまでの世代だろうか。同い歳の東京生まれに聞いても、いったいそれ、何時代のどこ地方の話? と、まるで昔話を聞くように煙たい目をする人もいる。 東京の南のはずれの下町だけど、我が小学校時代、暖房はいわゆるだるまストーブだった。日直がバケツでコークスを取りに行き、休み時間に少しずつくべてゆく。人並みはずれた暑がりのわたしは、頼まれもせぬのにストーブ番を買って出て、炭の量を最小限にごまかしていた。 中学に入ると、校舎こそおんぼろの木造だったけど、暖房はすっかり全校温度調整されたヒーターが設置されていた。わたしは特別に許しを得て夏用の制服を着、窓際の席を与えられて、すきま風を入れてしのいでいた。 二十代になって、もう一度コークスの暖房に巡り合うことになるとは思いもよらなかった。時は昭和、でも最期の数年である。石炭やコークスの思い出なんて、終戦後に給食で脱脂粉乳を飲んだとか飲まないという話と同じくらい遠い過去になっていた、はずだった。 私が働いていた銀座文化では、入れ替え時間が忙しくないプログラムの時はたっぷりとお昼休みがもらえた。時間はあってもお金がないもぎりたちは、お弁当を持ち寄っては眺めの良い場所にくりだして、のんびりとランチタイムを楽しんだ。日比谷公園、晴海の埠頭、銀座通りに並んだデパートの屋上。なかでもわたしがお気に入りだったのは、銀座文化の屋上である。 裏通りのビルの上から眺めるこの街は、地上とはまるで別人の顔をしていた。銀座のどまん中とは言え、それぞれのビルの上には洗濯物がつるされた屋根部屋があったり、さびたデッキチェアやビーチパラソルが放られていたり、ひそかに育てられた植木が花を咲かせていたりする。日本一の高級商店街の上空にも、少しだけ暮らしの匂いが漂っていたのだ。 もぎりたちはスクリーンの向こうに広がる異国の街に憧れて、よく銀座通りをニューヨークの五番街に見立てたりしていたけれど、銀座文化の屋上はさながら、巴里の屋根の上だった。わたしたちは、「彼の地のアパルトマン暮してのはもしかしたらこんなふう?」と思いをはせながら、フランスパンならぬ、木村屋のあんぱんなどをかじったものだ。 ある冬の一日、そのアパルトマンからの眺めに異変が起こった。いつものように屋上の扉を開けると、夏場にはその存在に気づきもしなかった煙突から、もやもやと黒い煙がたなびいていたのだ。せっかく広げた白いごはんにススがふりかかり、風に合わせて右に左に向きを変える煙に追われて、わたしたちは大あわてで屋上から退散した。 その時はじめて、わたしはこの建物の秘密を知ったのである。「ボイラーの調子が変です!」と報告に行ったわたしたちに「石炭炊いてるからね」と語った社員の北村さんの口調には、ほんの少し内緒の響きがあった。世の中はバブル直前。すでに1980年代である。 そんな時代に映画館が二館と、東宝東和の試写室に川喜多記念映画文化財団なども入っていた銀座のどまん中のビルディングが、石炭の暖房であたためられていたことに、わたしはえらく衝撃を受けた。 ということは、わたしは最も多くの映画を石炭の暖房で観たことになる。銀座文化2で何度もかかった「ブレードランナー」の再映も、わたしたちは石炭のぬくもりの中で観たわけだ。ビルの谷間を車が飛びまわり、レプリカントが暗躍するサイバーパンクな近未来を、すでに手に届くところに感じていたはずなのに。 しかし不思議なことに、わたしはあのビル全体を暖めるだけの大量の石炭が搬入される様子を見た覚えがない。同期のもぎりたちにたずねても、その構造を確かめた者は誰もいないのだ。『もぎりよ今夜も有難う』1:渡り鳥映画館へ帰る
2024.06.05
コメント(0)

図書館で『もぎりよ今夜も有難う』という文庫本を、手にしたのです。おお 片桐はいりの「もぎり生活エッセイ集」ではないか。・・・面白そうである。【もぎりよ今夜も有難う】片桐はいり著、幻冬舎、2014年刊<「BOOK」データベース>より映画「かもめ食堂」の初日挨拶で、シネスイッチ銀座の舞台に立ったとき、かつて銀座文化でもぎりのアルバイトをした7年間がキラキラした宝物のように思い出されー。「映画館の出身です!」と自らの出自を述べる俳優が、映画が活況だった頃の懐かしい思い出や、旅先の映画館での温かいエピソードをユーモアとペーソスを交えて綴る名エッセイ。<読む前の大使寸評>おお 片桐はいりの「もぎり生活エッセイ集」ではないか。・・・面白そうである。rakutenもぎりよ今夜も有難うまず冒頭の「渡り鳥映画館へ帰る」を、見てみましょう。p9~12<渡り鳥映画館へ帰る> みずからの出自を問われたら、「映画館の出身です!」と胸張ってこたえたい。 俳優としての経歴ならば、「大学時代から小劇場の舞台に立ちまして、その後Cmに誘われて、ほどなく映画にも顔を出し・・・」などと言うのが筋かもしれない。でも心の底では、わたしは演劇でも映画でもなく、映画館の出身なのだ、とかたくなに思っている。 十八の頃から約7年間、銀座の映画館で働いた。いわゆるアルバイトの“もぎり嬢”として。大学があった吉祥寺より、劇団の稽古場があった池袋より、はるかに多くの濃いい時間を銀座で過ごした。四丁目の交差点、和光の裏にある銀座文化劇場、現在のシネスイッチ銀座が、もぎりのわたしの生まれ故郷である。 父親が死ぬまでJRのことを「国鉄」、映画のことを「活動」、と呼んではばからなかったように、わたしも新しいしゃれた名前を呼びなれず、二十数年経た今もなお、銀座文化、と呼んでいる。『キネマ旬報』という老舗の映画専門誌の上で、映画好き、を名のれるほど立派な鑑賞歴ではないけれど、とにかく中学に上がった頃から、少ないおこずかいをやりくりして映画にはまめに出かけた。勉強とか学生生活、というものに上手になじめなかったわたしには、放課後や週末ごとの映画通いは、日曜の礼拝に通うような、それは神聖な行事だった。映画を観ている間だけ、なにかから救われる。 学校の帰りが遅くなるたび父親に、「またカツドウか!」と怒鳴られたものだけど、でも、この特別な課外活動のおかげで、ぐれもせず大したまちがいも犯さず、とりあえずまっとうな大人になれたのだ、と今もわたしは信じている。 幼い頃から、どんな映画を観てもたいてい口もきけないくらい感動してしまう。見終わるとひと言もしゃべれなくなってしまうので、歳とともに、誰かと連れ立って行くことが少なくなっていった。 だいたい、せっかくロバート・レッドフォードやポール・ニューマンと同じ世界にいる時に、なぜ同行の友だちのひそひそ声に呼び戻さなければならないのか。それがわからなかった。わたし自身はよく覚えていないけど、わざわざクラスメイトと一緒に出かけたのに、「離れた席で観させてほしい」と主張して、ひとり、かぶりつきの席で背筋を伸ばし、身じろぎモセズスクリーンに観入っていたらしい。 あまりに映画の世界に入りこみすぎるので、明るくなっても夢からさめずに困った。「ジョーズ」を観て、湯船につかれなくなったのもこの頃だ。お風呂はじきに克服したが、海で泳げるようになるのには、それから数年がかかった。 あの頃は、映画を映画と思っていなかった。目の前の光景がつくりものだなんて、考えたくもなかったのだ。うっとりするようなラブシーンの後ろで、何十人のスタッフがカメラやマイクを構えているなんて想像すらしたくない。だからいくら好きでも、映画の中で働きたいとは思わなかったのである。 とにかく、ただスクリーンのそばにいたい。映画のそばで働ける仕事がしたい。受験勉強にいそしんでいた時分から、大学に入ったら映画館で働こうと決めていた。そしてできればそれは、幼い頃から通いなれた日比谷や有楽町、銀座界隈の劇場であってほしかった。 学生がアルバイト先を決めるのに、これほどピンポイントのこころざしを持っていることもそうないだろう。わたしは大学に入るなり、この地区の映画館に片っぱしから電話をかけた。 かつての日比谷スカラ座や日劇や有楽座、丸の内ピカデリーに松竹セントラル。しかしこれらの映画館は皆東宝や松竹の直営で、もぎり嬢もチケット売り場も売店も、正式の社員が雇われていたのだ。そして、この地域で唯一学生アルバイトが入りこむ余地があったのが、この銀座文化だったというわけだ。銀座文化は中高生の頃、名画座なのに一本立てでしかも250円というお手軽さが気に入って通っていた、なじみの映画館だった。 宝物のような7年間だった。毎日のように映画館に通い、好きな時に劇場に入り、好きな映画を何回も観た。そしてなにより、一緒に働く仲間たちはそろいもそろって大の映画好きで、仕事中も仕事後ものどが痛くなるまで映画の話に明け暮れた。時給が安いことなんて、ほとんど苦にならなかった。
2024.06.05
コメント(0)

早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?梅雨入り宣言はまだ出ていないが・・・梅雨入り前に、各地に大雨や雷雨が発生している様ですね。『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたりこの本で、芒種のあたりを見てみましょう。和暦p16<芒種>米、麦、穀類の種を蒔く、収穫へ向けた出発の季節 小満から数えて約15日、立夏から約30日を経ると「芒種」の節となる。期間は例年6月5~6日ころから始まり夏至(6月21日ころ)の前日までになる。 芒種とは、「穂の出る種類の穀物の種を蒔く時期」ほどの意味で、特に「米」を指した。米は寒冷に弱い性質を持っていたため、種を蒔くのはこの時期だったが、品種改良後の現在はもっと早く行われている。『暦便覧』には「芒(のぎ)のある穀物稼種する時なり」とある。芒とは、米・麦のように籾(もみ)でくるまれた種子のことだ。 米に限らず、農作業は1年間という長いスパンで、種蒔き→育成→収穫→収穫後の田畑の涵養→作付け計画などが進められる。長い間の経験や体験、試行錯誤を経て、最良の時期が選ばれてきた『暦便覧』はその集大成でもあったのである。 芒種のころは、西日本では梅雨入りしており、大量の水は必要とする稲作に適した時期でもあった。梅雨入りかその少し前の時期に当たる芒種節の気候は、暑さが日一日と増し、湿度が高く、徐々に梅雨めき始め、五月雨(さみだれ)を経て梅雨に入り、西日本から「田植え」が北上する。 芒種の期間の七十二候は、次の通り。 初候「蟷螂生(かまきり、しょうず)」 次候「腐草、為蛍(くされたるくさ、ほたるとなる)」 末候「梅子黄(うめのみ、きばむ)」籾(もみ)でくるまれた種子のことを芒(のぎ)というのか・・・暦便覧は勉強になりますね♪二十四節季の小満に注目(復刻)
2024.06.04
コメント(0)

漫画に関するディ-プな雑誌『ガロ』があったようで、発刊当時に見たわけではないのだが・・・でも、その内容が私のツボを突いていて、ええでぇ♪*********************************************************図書館で、『ガロ曼陀羅』という本を手にしたのです。貸し本屋系からメジャー系まで、ほとんどすべての漫画家がコメントしているのが、スゴイでぇ♪【ガロ曼陀羅】ガロ史編纂委員会編、阪急コミュニケーションズ、1991年刊<「BOOK」データベース>より創刊号(1964年9月)から318号(1991年6月)までの全表紙をカラー写真で収録。『ガロ』掲載全作品を作家別に網羅。約30年におよぶ『ガロ』の歴史と変遷。まるごとオリジナル書き下ろし。<読む前の大使寸評>貸し本屋系からメジャー系まで、ほとんどすべての漫画家がコメントしているのが、スゴイでぇ♪amazonガロ曼陀羅『ガロ』が見つけた異才・つげ義春のコメントを、見てみましょう。p20~22青林堂主人 長井さんとの最初の出会いは、ぼくが大塚に住んでいた頃、出来たての白土三平さんの『忍者武芸帳』第1巻を持ってひょっこり訪ねてきたのが最初で、三洋社を始めた頃だったと思います。 白土さんのデビュー以前から、ぼくは貸本向けのマンガを描いていましたが、白土さんはよく、ぼくの作品を読んでくれていたようですので、白土さんに言われて長井さんが来たのかな、とも思いました。 それで、三洋社の『忍風』に描くようになったのです。当時はミステリー、ハードボイルドものが人気があったので、その手の作品を描いていました。 しばらくして、僕も引っ越しして、少しマンガから遠ざかっていた頃、『ガロ』の本の柱に「つげ義春さん、連絡乞う」と出ていたのを友だちの漫画家が見て、ぼくに教えてくれました。別に放浪していたわけでもなかったのですが、引っ越し先の住所が分からなかったからでしょうか。 それで長井さんのところへ出向きました。白土さんが、『ガロ』を作るときのメンバーにぼくの名前も考えていてくれていたからでしょうね。 当時は、本当にこっちも苦しかったから、1ヵ月後の原稿料の支払いも待てず、原稿と引き換えにギャラをもらうということでやっていました。 でも、神保町の長井さんの待ち合わせがなかったときは、練馬の赤目プロに行って、白土さんに二回くらい立て替えてもらったこともありました。長井さん、白土さんにそれを返したのかな? それが気掛かりですが、もしそのままだったら、ぼくは未だに白土さんから原稿料を借りていることになってしまっていますね。 そのついでというわけでもないのですが、1週間くらいは白土さんの手伝いをしたこともあります。 「紅い花」がNHKで映像化されたことについて何か、ということなのですが、正直言って当時はあまり面白くなかったです。70分くらいの作品で、佐々木昭一郎さんがきれいな映像に仕上げてくれましたが、反戦思想を作品の中に盛り込んだりしたことがふあわしくないように思ったんです。 でも、ぼくにとっても初めての経験でしたし、エミー賞という海外の賞や芸術祭参加作品の大賞をいただいた作品なので、今思えばすごいことだったのでしょうね。ガロ曼陀羅1:佐々木マキさんのコメントガロ曼陀羅2:『ガロ』創刊当時のお話ガロ曼陀羅3:南伸坊・元編集長の昔話ガロ曼陀羅4:青林堂社長の「はじめに」ガロ曼陀羅5:蛭子能収さんのコメント『ガロ曼陀羅』6:つげ義春のコメント
2024.06.03
コメント(0)

図書館で『中国共産党支配の原理』という本を、手にしたのです。このところ米中の緊張が高まっているが最悪の場合、習近平氏とトランプ氏が対立するケースがあるわけで・・・習近平氏支配の構造を見ておこうということでチョイスしたのです。【中国共産党支配の原理】 羽田野主著、日経BP日本経済新聞出版、2023年刊<「BOOK」データベース>より謎の巨大組織を縦横無尽に読み解く。「秘密結社」から始まった中国共産党は潜在的に守りの意識や被害者意識が強く、常に内側に不安を抱えている。結党目的の共産主義の実現はすでに失われ、政権党として君臨することが自己目的化している。米国の「圧力」にさらされていると受けとめる共産党は、軍事的統制を強め有事体制に移行しつつある。中国の隅々に張りめぐらされた党組織は硬直化し、自己改革できない「大企業病」に冒されているようだ。膨張の果てに戦前の日本と同じ道を歩むリスクさえ見え隠れするようになった。外部から見た不可解な行動をとる中国共産党の原理とは何か。共産党の憲法といわれる「党規約」の読み解きを交えながら、有益な中国分析を提供する。「党規約」最新版の全訳も掲載。<読む前の大使寸評>このところ米中の緊張が高まっているが最悪の場合、習近平氏とトランプ氏が対立するケースがあるわけで・・・習近平氏支配の構造を見ておこうということでチョイスしたのです。rakuten中国共産党支配の原理第6章で共産党の死角が語られているので、見てみましょう。p242~246<ウクライナに残された中国人7000人> 中国外交を見てきて最もあぜんとさせられたのが、2022年2月24日に始まったロシアのウクライナ侵攻をめぐる対応だ。米国は1年以上前からロシア侵攻のリスクを把握し、日本や欧州だけでなく、中国にもくり返し伝えてきた。 2022年2月の侵攻前には、米国のインテリジェンスを信じて日本や欧州の主要国はウクライナにいる自国民に退避勧告を出した。2月中旬には退避を事実上終えていた。 対照的な対応を取ったのが中国だった。たとえば侵攻2日前の中国外交部の記者会見で、「ウクライナに駐在する中国大使館のスタッフは全員大使館にいるのか。ほかの公的機関はどうか」との記者の質問に、汪文斌副報道局長はこう答えている。「ウクライナ東部情勢に重大な変化が起きた。中国大使館はすでに在留中国公民と企業に対し安全を守るよう注意喚起した。中国外務省と大使館は引き続き在留中国公民、企業と緊密に連絡を取り、領事保護・支援を迅速に行い、その安全と正当な権益を確実に守る」。あとでわかることだが、事実何もしていなかった。 恥を忍んで白状するが、じつはこのときまで筆者も中国の判断が正しいのではないかと考えていた。ロシアの侵攻はないのではないか。なぜならウクライナ侵攻の直前に習近平氏がプーチン氏と会談していたためだ。2022年2月24日の北京冬季五輪の開幕式に合わせてプーチン氏を主賓として招待し、食事会まで開いている。共同声明では「上限のない協力」を謳ったばかりだった。 その中国が2月下旬になっても自国民をウクライナから退避させていないということは、ロシアの侵攻は「脅し」ではないかと推理した。だがものの見事に外れた。 侵攻した当日の中国外務省の記者会見はやはり歴史に残る内容となった。「現在、どれだけの中国公民がウクライナにいるのか。彼らに何か最新の指示を出したか」との記者の問いかけに華春瑩報道局長はこう答えた。「具体的人数については現在まだ把握していない。中国大使館は安全注意情報を出した。中国人民には団結奮闘し、互いに助け合うよい伝統がある。困難に遭遇したら、助け合うことを希望する。大使館は全力で支援する」 侵攻が始まっても中国が何の手も打っていなかったことがわかる。現地で団結して助け合えとはあまりに無責任な言い方だ。のちにウクライナに7000人以上の中国人が取り残されていたことが判明する。ロシアと蜜月を謳う中国はウクライナ侵攻をめぐる情報を何もとれていなかったことが、白日のもとにさらされてしまった。<ダイナミズムを欠く組織体質> 再び『失敗の本質』に戻る。同書は3つ目の失敗パターンとして「自己改革が起こらないダイナミズムを欠く組織体質」を挙げる。日本軍の最大の過ちは「言葉を奪ったこと」だと言う。戦争のやり方が歩兵と艦隊から空母機動部隊や航空機、重火器に移っても内部で声が上がらず、イノベーションが起きなかった。組織の末端や情報やアイデア、問題提起が中枢につながることを促進する若くて柔軟な「青年の議論」が許されていなかったと指摘する。 海外メディアの報道によれば、米国はウクライナ侵攻のリスクをくり返し中国に伝えたが、「西側のバイアスがかかった情報」と顧みることはなかった。だが7000人以上もの自国民がウクライナに残されている以上、退避の方法は最低限検討しておくべきだった。『失敗の本質』が指摘するいわゆる「青年の議論」がまるきり欠けていた。それが中ロ首脳会談で侵攻の情報をとれず→ゆえに侵攻はない、あってはならない→侵攻リスクにかかわる情報はすべて遮断・・・との判断に傾いていたとしたら、組織の病巣は深いと言わざるをえない。 「失敗の本質」から抜け出せなかった日本軍は、米国や中国との無謀な戦争に突入し、最後は無条件降伏まで追い込まれた。共産党が同じ病にかかっているとしたら、事態は深刻だ。東シナ海や南シナ海、台湾海峡で米国や日本、台湾と双方が予知せぬ衝突が待ち受けているかもしれない。<公務員試験に殺到する若者> ここから先は、いまの若者の視点から共産党が中国をどのような方向に導いているのかを見ていきたい。若者や女性ほど社会情勢の変化に敏感で、この国の未来を映し出す鏡となるためだ。 習近平氏を頂点とした共産党・国務院(政府)への権力が集中する状況を目の当たりにした若者は、民間企業への就職から公務員試験に殺到するように変わった。若者は自分の未来に真剣だ。リスクを恐れ、無難にやることが生き残る最善の道という風潮が、蔓延し始めている。 2023年1月7,8日に実施された国家公務員試験は、一部の職種の倍率は6000倍に達した。習近平指導部がIT(情報技術)企業などへの締めつけを強化し、民間企業離れが広がっていることが影響している。『中国共産党支配の原理』1:習近平氏の怖さ
2024.06.02
コメント(0)

図書館で『中国共産党支配の原理』という本を、手にしたのです。このところ米中の緊張が高まっているが最悪の場合、習近平氏とトランプ氏が対立するケースがあるわけで・・・習近平氏支配の構造を見ておこうということでチョイスしたのです。【中国共産党支配の原理】 羽田野主著、日経BP日本経済新聞出版、2023年刊<「BOOK」データベース>より謎の巨大組織を縦横無尽に読み解く。「秘密結社」から始まった中国共産党は潜在的に守りの意識や被害者意識が強く、常に内側に不安を抱えている。結党目的の共産主義の実現はすでに失われ、政権党として君臨することが自己目的化している。米国の「圧力」にさらされていると受けとめる共産党は、軍事的統制を強め有事体制に移行しつつある。中国の隅々に張りめぐらされた党組織は硬直化し、自己改革できない「大企業病」に冒されているようだ。膨張の果てに戦前の日本と同じ道を歩むリスクさえ見え隠れするようになった。外部から見た不可解な行動をとる中国共産党の原理とは何か。共産党の憲法といわれる「党規約」の読み解きを交えながら、有益な中国分析を提供する。「党規約」最新版の全訳も掲載。<読む前の大使寸評>このところ米中の緊張が高まっているが最悪の場合、習近平氏とトランプ氏が対立するケースがあるわけで・・・習近平氏支配の構造を見ておこうということでチョイスしたのです。rakuten中国共産党支配の原理習近平氏の怖さが語られているので、見てみましょう。p96~99<最大の危機、香港デモ> 習近平氏は軍改革を機に、一気に党・軍の権力を手中に収めることに成功する。2016年には毛沢東、鄧小平、江沢民に続いて4代目の党の「核心」に位置づけられた。2017年には国策映画「すごいぜ、中國」を制作し、まさに絶頂の時期だった。 強権を手にした習近平氏が最大の正念場を迎えたのが、2019年3月から2021年夏まで香港に広がった民主化を求めるデモだった。 このデモは、香港政府が捕まえた刑事事件容疑者を中国大陸に引きわたすことを可能にする逃亡犯条約改正案への反対運動で始まった。参加者は香港政府に①条例改正案の全面撤回、②これまでの衝突を「暴動」と認定したことの撤回、③デモ参加者への刑事責任追及の撤回、④警察による暴力行為を独立調査委員会を立ち上げて調べる、⑤香港の行政長官の辞任と直接選挙の実現・・・を突きつけた。これらは「五大要求」と呼ばれデモは大きなうねりをみせた。 2019年6月16日のデモでは、主催者発表で最大約200万が参加し、1997年の香港返還以降で最大のデモとなった。これは香港市民の4人に1人以上が参加した計算だ。デモ鎮圧までに8000人以上が逮捕される大混乱となった。 当時、習近平指導部が最も恐れていたのは、民主化デモの中国大陸への伝播だった。とくに香港と広東省は隣接しており、人々の往来も多く影響を受けやすい。広東省は中国国内で最大の国内総生産(GDP)を誇っており、経済発展が著しい。自由を求める空気はもともと強い。 広東省が香港のデモに「感化」されれば共産党の統治が足元から揺らぐリスクさえあった。ちまたでは習近平指導部が人民解放軍を投入してデモ隊を鎮圧するのではないか、天安門事件の再来かとささやかれていた。<軍投入も検討していた習近平氏> デモが勢いを増していた2019年8月29日、不気味なできごとがあった。人民解放軍の兵士を乗せた装甲車の車列が広東省深圳市から続々と香港に入ってきたのだ。香港市民がざわつくなかで中国国営の新華社は「22回目の香港駐留部隊の交代作戦が無事に終了した」と配信。「今回の交代は香港駐留部隊法の交代規定によって施行するもので、党中央軍事委員会の承認を受けた正常な定例作戦だ」と説明した。 だが奇妙な点がいくつもあった。まず中国のこれまでの公式資料に交代は11月下旬に行うと書いてある。なぜ8月下旬に前倒ししたのか説明がない。また兵士の入れ替えだというのに香港から出ていく兵士の姿が確認できなかった。香港市民は軍の動向を注視しており、出ていけばSNS(交流サイト)などに写真や動画が上がるはずだった。「以前の交代式で兵士はバスに乗ってきていた」との指摘もあった。なぜ今回は装甲車でやってくるのか。 9月を迎え中秋節が近づく頃、当時北京にいた台湾人の知り合いが突然連絡してきた。「大変だ。習近平は軍を投入してデモ隊を弾圧するつもりだ」という。彼は香港に行き、香港駐留部隊に月餅を差し入れている業者の話を聞いたという。月餅は中国のお菓子の一種で、月のように丸く、平べったい形をしていることからこう呼ばれる。9月の中秋節前に贈り物として用いられる。 この月餅業者は、毎年中秋節の前に5000個の月餅を香港駐留部隊に届けていた。部隊内で兵士一人につき一つの月餅を配る習慣があるという。とすれば約5000人の駐留軍がいる計算になる。公式資料で確認してみると、1997年の香港返還を受けて約6000人の解放軍が駐留するようになったとの記事があり、数字はおおむね一致している。 これが今年は1万個に増えたという。駐留兵士は5000人から1万人に倍増したことになる。これが何を意味するか。香港駐留部隊の指揮権は北京の中央軍事委員会にある。つまり今回の増員劇は習近平氏が指示していたことになる。 中国側は増員を徹底して秘匿していたことから、軍の投入を本気で検討していた可能性がある。ちょうどこの時期、北京にある米国の大使館と日本の大使館の駐在武官は、解放軍の投入の可能性をめぐって頻繁に情報交換をしていた。 米国側から武力鎮圧の可能性をどう分析しているか連日のように意見を求められたという。担当者は町中に張りめぐらされた監視カメラから逃れるため、変装して散歩をするふりをしながら情報を交換したとふり返る。 越えてはいけない一線、レッドラインはどこにあったのか。いざとなれば軍によるデモ弾圧もいとわない習近平氏の意思が伝わってきた事件だった。香港のデモはその後、2019年12月頃から広がり始めた新型コロナウイルスの流行で下火になり、2020年6月に香港国家安全維持法が施行され、完全に封じ込められた。
2024.06.02
コメント(0)

今回借りた3冊です。 だいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は強いていえば、「手あたり次第」でしょうか♪<市立図書館>・中国共産党支配の原理・もぎりよ今夜も有難う・『世界』2024年3月号<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【中国共産党支配の原理】 羽田野主著、日経BP日本経済新聞出版、2023年刊<「BOOK」データベース>より謎の巨大組織を縦横無尽に読み解く。「秘密結社」から始まった中国共産党は潜在的に守りの意識や被害者意識が強く、常に内側に不安を抱えている。結党目的の共産主義の実現はすでに失われ、政権党として君臨することが自己目的化している。米国の「圧力」にさらされていると受けとめる共産党は、軍事的統制を強め有事体制に移行しつつある。中国の隅々に張りめぐらされた党組織は硬直化し、自己改革できない「大企業病」に冒されているようだ。膨張の果てに戦前の日本と同じ道を歩むリスクさえ見え隠れするようになった。外部から見た不可解な行動をとる中国共産党の原理とは何か。共産党の憲法といわれる「党規約」の読み解きを交えながら、有益な中国分析を提供する。「党規約」最新版の全訳も掲載。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten中国共産党支配の原理【もぎりよ今夜も有難う】片桐はいり著、幻冬舎、2014年刊<「BOOK」データベース>より映画「かもめ食堂」の初日挨拶で、シネスイッチ銀座の舞台に立ったとき、かつて銀座文化でもぎりのアルバイトをした7年間がキラキラした宝物のように思い出されー。「映画館の出身です!」と自らの出自を述べる俳優が、映画が活況だった頃の懐かしい思い出や、旅先の映画館での温かいエピソードをユーモアとペーソスを交えて綴る名エッセイ。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenもぎりよ今夜も有難う【『世界』2024年3月号】雑誌、岩波書店、2024年刊<出版社>より【特集1】さよなら自民党 派閥・世襲・裏金 30年前の1994年1月29日、政治改革関連4法が成立した。改革の矛盾や問題点は様々に指摘されてきたが、今回の裏金事件でついに破断界に達したかに見える。【特集2】働けど、働けど どこの職場でも人員が削減される中で、労働時間やストレスばかりが増えている。物価がどんどん高くなる一方で、賃金は増えそうになく、税金や社会保険料で手取りは目減りする。働きつづけたからといって、「老後の安心」は手に入らない。こんな社会にだれがした?<読む前の大使寸評>追って記入amazon『世界』2024年3月号
2024.06.01
コメント(0)

『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・川上未映子『黄色い家』(7/24予約、副本?、予約504)現在115位・三浦しおん『墨のゆらめき』(8/9予約、副本12、予約373)現在36位・堤未果のショック・ドクトリン(8/25予約、副本7、予約177)現在23位・『ぼくはあと何回、満月を見るだろう』(9/18予約、副本5、予約126)現在22位・原田ひ香『図書館のお夜食』(10/04予約、副本17、予約402)現在105位・斎藤幸平『マルクス解体』(11/28予約、副本?、予約?)現在1位・吉岡桂子『鉄道と愛国』(12/04予約、副本?、予約?)現在3位・高野秀行『イラク水滸伝』(1/06予約、副本3、予約86)現在43位・大学教授 こそこそ日記(1/12予約、入荷待ち、予約?)現在12位・絲山秋子『神と黒蟹県』(3/02予約、副本3、予約63)現在46位・三浦しおん『しんがりで寝ています』(4/12予約、副本?、予約106)現在84位・カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」(4/27予約、副本1、予約48)現在45位・前田和男『昭和街場のはやり歌』 (5/10予約、副本?、予約8)現在8位・小倉ヒラク『アジア発酵紀行』 (5/14予約、副本2、予約5)現在21位・米番記者が見た大谷翔平(5/16予約、副本1、予約8)現在2位・椎名誠『続 失踪願望』(5/31予約、副本?、予約8)現在9位<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・グレタたったひとりのストライキ・カズオ・イシグロ『夜想曲集』・沢木耕太郎『深夜特急』<予約候補>・中野翠『ほいきた、トシヨリ生活』・鴨志田譲×西原理恵子『アジアパー伝』:図書館未収蔵・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・李琴峰『彼岸花が咲く島』:西図書館で見っけ・井上ひさし『本の運命』・ジェイムズ・ジョイス『フィネガンズ・ウェイク』・ケン・リュウ『草を結びて環を衡えん』:図書館未収蔵・九段理恵『東京都道場塔』:図書館未収蔵・外山滋比古『思考の整理学』・ガブリエル・ガルシア=マルケス『百年の孤独』・西東三鬼『神戸・続神戸』・「中国」はいかにして統一されたか・街道をゆく「モンゴル紀行」「南蛮のみち」・地球の歩き方 日本・畑正憲『どんべえ物語』:図書館未収蔵・内田樹『勇気論』:図書館未収蔵・有田芳正『誰も書かなかった統一教会』<予約分受取:2/27以降> ・村上春樹×柴田元幸『翻訳夜話』(2/15予約、2/27受取)・楊双子『台湾漫遊鉄道のふたり』(6/23予約、2/27受取)・川添愛『世にもあいまいなことばの秘密』(1/26予約、2/27受取)・呉叡人『フォルモサ・イデオロギー』(2/03予約、3/11受取) ・森見登美彦『太陽と乙女』(3/23予約、3/31受取)・Wedge 2024年2月号 霞が関の危機は日本の危機 (4/16予約、4/28受取)・本川達雄『ウマは走るヒトはコケる』(3/31予約、5/10受取)・南海トラフ地震の真実(10/20予約、5/15受取)**********************************************************************【黄色い家】川上未映子著、中央公論新社、2023年刊<「BOOK」データベース>より2020年春、惣菜店に勤める花は、ニュース記事に黄美子の名前を見つける。60歳になった彼女は、若い女性の監禁・傷害の罪に問われていた。長らく忘却していた20年前の記憶ー黄美子と、少女たち2人と疑似家族のように暮らした日々。まっとうに稼ぐすべを持たない花たちは、必死に働くがその金は無情にも奪われ、よりリスキーな“シノギ”に手を出す。歪んだ共同生活は、ある女性の死をきっかけに瓦解へ向かい…。善と悪の境界に肉薄する、今世紀最大の問題作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(7/24予約、副本?、予約504)>rakuten黄色い家【墨のゆらめき】三浦しおん著、 新潮社、2023年刊<出版社>より実直なホテルマンは奔放な書家と文字に魅せられていく。書下ろし長篇小説! 都内の老舗ホテル勤務の続力は招待状の宛名書きを新たに引き受けた書家の遠田薫を訪ねたところ、副業の手紙の代筆を手伝うはめに。この代筆は依頼者に代わって手紙の文面を考え、依頼者の筆跡を模写するというものだった。AmazonのAudible(朗読)との共同企画、配信開始ですでに大人気の書き下ろし長篇小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/9予約、副本12、予約373)>rakuten墨のゆらめき【堤未果のショック・ドクトリン】堤未果著、幻冬舎、2023年刊<「BOOK」データベース>より「ショック・ドクトリン」とはテロや大災害など、恐怖で国民が思考停止している最中に、為政者や巨大資本がどさくさに紛れに過激な政策を推し進める悪魔の手法のことである。日本でも大地震やコロナ禍という惨事の裏で、知らない間に個人情報や資産が奪われようとしている。パンデミックで空前の利益を得る製薬企業の手口、マイナンバーカード普及の先にある政府の思惑など…。強欲資本主義の巧妙な正体を見抜き、私たちの生命・財産を守る方法とは?滅びゆく日本の実態を看破する覚悟の一冊。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/25予約、副本7、予約177)>rakuten堤未果のショック・ドクトリン【ぼくはあと何回、満月を見るだろう】坂本龍一著、新潮社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「何もしなければ余命は半年ですね」ガンの転移が発覚し、医師からそう告げられたのは、2020年12月のこと。だが、その日が来る前に言葉にしておくべきことがある。創作や社会運動を支える哲学、坂本家の歴史と家族に対する想い、そして自分が去ったあとの世界についてー。幼少期から57歳までの人生を振り返った『音楽は自由にする』を継ぎ、最晩年までの足跡を未来に遺す、決定的自伝。著者の最期の日々を綴った、盟友・鈴木正文による書き下ろし原稿を収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/18予約、副本5、予約126)>rakutenぼくはあと何回、満月を見るだろう【図書館のお夜食】原田ひ香著、ポプラ社、2023年刊<「BOOK」データベース>より東北地方の書店に勤めるものの、うまくいかず、仕事を辞めようかと思っていた樋口乙葉は、SNSで知った、東京の郊外にある「夜の図書館」で働くことになる。そこは普通の図書館と異なり、亡くなった作家の蔵書が集められた、“本の博物館”のような図書館だった。開館時間は夜7時から12時まで、まかないとして“実在の本に登場する料理”が出てくる「夜の図書館」で、本好きの同僚に囲まれながら働き始める乙葉だったがー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本17、予約402)>rakuten図書館のお夜食【マルクス解体】斎藤幸平著、 講談社、2023年刊<「BOOK」データベース>よりいまや多くの問題を引き起こしている資本主義に対する処方箋として、斎藤幸平は、マルクスという古典からこれからの世の中に必要な理論を提示する。本書『マルクス解体』は、マルクスの物質代謝論、エコロジー論、プロメテウス主義の批判から、未来への希望を託す脱成長コミュニズム論までを精緻に語る。これまでの斎藤の活動の集大成であり、同時に「自由」や「豊かさ」をめぐり21世紀の基盤となる新たな議論を提起する書である。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(11/28予約、副本?、予約?)>rakutenマルクス解体【鉄道と愛国】吉岡桂子著、岩波書店、2023年刊<「BOOK」データベース>より戦後日本の発展の象徴、新幹線。アジア各地で高速鉄道の新設計画が進み、中国が日本と輸出を巡って競い合う現在、新幹線はどこまで日本の期待を背負って走るのか。一九九〇年代から始まった新幹線商戦の舞台裏を取材し、世界最長の路線網を実現した中国の高速鉄道発展の実像に迫る第一部、中国、香港、韓国、東南アジア、インド、ハンガリーなど世界各地をたずね、鉄道を走らせる各国の思惑と、現地に生きる人々の声を伝える第二部を通じて、時代と共に移りゆく日中関係を描き出し、日本の現在地をあぶりだす。<読む前の大使寸評>追って記入。<図書館予約:(12/04予約、副本?、予約?)>rakuten鉄道と愛国【イラク水滸伝】高野秀行著、文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>よりアフワールーそこは馬もラクダも戦車も使えず、巨大な軍勢は入れず、境界線もなく、迷路のように水路が入り組み、方角すらわからない地。権力に抗うアウトローや迫害されたマイノリティが逃げ込む、謎の巨大湿地帯。中東情勢の裏側と第一級の民族誌的記録ー“現代最後のカオス”に挑んだ圧巻のノンフィクション大作!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/06予約、副本3、予約86)>rakutenイラク水滸伝【大学教授 こそこそ日記】 多井学著、三五館シンシャ、2023年刊<「BOOK」データベース>より「いくらでも手抜きのできる仕事」。現役教授が打ち明ける、ちっとも優雅じゃない生活。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/12予約、入荷待ち、予約?)>rakuten大学教授 こそこそ日記【神と黒蟹県】絲山秋子著、 文藝春秋、2023年刊<「BOOK」データベース>より「黒蟹とはまた、微妙ですね」。日本のどこにでもあるような「地味県」の黒蟹県。そこで暮らす、そこを訪れる、名もなき人々や半知半能の神がすれ違いながら織りなす、かけがえなく、いとおしい日々。まだ名付けられていない人間関係を描き続けてきた著者真骨頂の連作小説集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(3/02予約、副本3、予約63)>rakuten神と黒蟹県【しんがりで寝ています】三浦しおん著、 集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より雑誌「BAILA」での連載4年分に、書き下ろしを加えた全55編!三浦しをんの沼にどっぷりハマる、最新&爆笑エッセイ集。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/12予約、副本?、予約111)>rakutenしんがりで寝ています【カレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」】 室橋 裕和著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>よりいまや日本のいたるところで見かけるようになった、格安インドカレー店。そのほとんどがネパール人経営なのはなぜか?どの店もバターチキンカレー、ナン、タンドリーチキンといったメニューがコピペのように並ぶのはどうしてか?「インネパ」とも呼ばれるこれらの店は、どんな経緯で日本全国に増殖していったのか…その謎を追ううちに見えてきたのは、日本の外国人行政の盲点を突く移民たちのしたたかさと、海外出稼ぎが主要産業になっている国ならではの悲哀だった。おいしさのなかの真実に迫るノンフィクション。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/27予約、副本1、予約48)>rakutenカレー移民の謎 日本を制覇する「インネパ」【昭和街場のはやり歌】前田和男著、 彩流社、2023年刊<「BOOK」データベース>より「はやり歌」から、明日の日本の姿が見えてくる…。歌とともに時代を共有した「団塊」といわれるベビーブーマー世代が、エピソードを交え描く歌謡社会文化論!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/01予約、副本?、予約8)>rakuten昭和街場のはやり歌【アジア発酵紀行】小倉ヒラク著、文藝春秋、2023年刊<出版社>よりアジアの巨大な地下水脈をたどる冒険行。「発酵界のインディ・ジョーンズ」を見ているようだ!ーー高野秀行(ノンフィクション作家) 自由になれーー各地の微生物が、奔放な旅を通じて語りかけてくる。ーー平松洋子(作家・エッセイスト)発酵はアナーキーだ! チベット~雲南の「茶馬古道」からインド最果ての内戦地帯へーー前人未到の旅がいま幕をあける! 壮大なスケールでアジアの発酵文化の源流が浮き彫りになる渾身作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/14予約、副本2、予約21)>rakutenアジア発酵紀行【米番記者が見た大谷翔平】 ディラン・へルナンデス著、朝日新聞出版、2024年刊<出版社>より本塁打王、2度目のMVPを獲得し、プロスポーツ史上最高額でロサンゼルス・ドジャースへの移籍が決まった大谷翔平。渡米以来、その進化の過程を見続けた米国のジャーナリストが語る「二刀流」のすごさとは。データ分析や取材を通して浮かび上がってきた独自の野球哲学、移籍後の展望など徹底解説する。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/16予約、副本1、予約8)>rakuten米番記者が見た大谷翔平【続 失踪願望】椎名誠著、集英社、2024年刊<「BOOK」データベース>より「おい、シーナ、逃げるなよ」親友からの最期の“檄”その真意とは?書き下ろし「さらば友よ!」収録。老いること、喪失を抱えて生きること、愛するものたちへの思いをまっすぐに。79歳の日録が静かに差し出す新たな人生の世界線…共感必至!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(5/31予約、副本?、予約8)>rakuten続 失踪願望【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索
2024.06.01
コメント(0)
全43件 (43件中 1-43件目)
1


