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図書館で『日本語のへそ』という新書を、手にしたのです。金田一先生といえば金田一京助だろうと思ったが、金田一秀穂ってか・・・でも、日本語に関する蘊蓄が面白そうである。【日本語のへそ】金田一秀穂著、青春出版社、2017年刊<「BOOK」データベース>より言葉の真ん中には何がある?マジメすぎる日本人に贈る金田一先生の痛快日本語論。<読む前の大使寸評>金田一先生といえば金田一京助だろうと思ったが、金田一秀穂ってか・・・でも、日本語に関する蘊蓄が面白そうである。rakuten日本語のへそプロローグあたりを、見てみましょう。p3~4<へその序> いい加減にしたらどうだろうと思う。「今年は去年より業績が上がらなかった」「来年こそは今までの挽回をはかろう」そういうことを言うのを。永遠に成長が続くはずがないではないか。成長はいつか必ず止まることになっている。盛者必衰は真理なのだと、なぜ気づかないのか。 世は、効率万能で、何でもかんでも、コストパフォーマンスで優先順位が決まる。より安く、より簡単に、より早く。そんな掛け声があふれているかれど、それで本当に幸せになれたのだろうか。 東京から日帰りで札幌出張に行けるようになって、それで幸せか。 もういい加減やめたほうがいい。それでないと、人は心折れてしまう。 今必要なのは、言葉のむだ遣いである。すなわち、人と人のむだ遣いであり、心のむだ遣いである。 時代はAIである。機械にできることは、任せたほうがいい。AIと共存する世界では、人が人であることになる。人にしかできないことをするしかない。効率を無視する。能率を無視する。暇と退屈を味わう。楽しむ。 へそのように、なくてはならないけれど、なくてもいいようなもの。 言葉のへその力をこの本で知ってもらいたい。「第1章」の冒頭あたりを、見てみましょう。p12~14<1 日本語はむだの宝庫>■多すぎる1人称は、むだなのか「私」「僕」「わたくし」「オレ」・・・。 特定の人を表す代名詞を「人称代名詞」という。 にのん後はこの人称代名詞が、他の言語に比べてとても多いそうだ。 たとえば“1人称”だけを見ても、冒頭にあげたもののほか、「わし」「うち」「あたし」「あちき」「拙者」「余」なんてものまである。 実に多い。無駄に多い。 英語ならば、これらはすべて「I」で済む。それなのに、日本語を使う私たちは「自分」を指し示す選択肢があまりに多いのだ。おかげで、余計な悩みごとを抱える。「もう40歳を過ぎているのに、“僕”って使うのはどうなんだろう?」「友だち相手に“わたくし”って、ちょっと堅いかな」と言った類の悩みだ。 それにしても、日本語は、どうしてこんなに人称代名詞が多いのか。 私はその理由を、“空気を読みやすくするため”じゃないかと踏んでいる。「人は見た目が9割」と言われるが、実のところ、見た目だけでは「あの人は、こんな性格の、こんな立場の、こんな職業についている人だな」とまでは分からないものだ。やたらと大きな会社の社長なのに、腰が低くて存在感も薄く、見た目だけではそうと分からない人を見かける。見るからに反社会的な団体に属していそうな強面ファッションに身を包んだ塾講師なんていう人もいた。 けれど、その人が使う“言葉”をみると、案外とこれができる。 言葉には「位相」というものがあるからだ。 位相とは「こういう言葉を使う人は、社会的にこれくらいの階層で、こういう職業が多い」というカテゴリーのようなもの。 そして、自分を表す1人称は、この位相が最も分かりやすく表出する言葉なのだ。 たとえば時代小説などを読んでいても、私たちは「拙者は・・・」という登場人物が現れたなら、「ああ、お侍様なのだな」と分かる。別にその人がチョンマゲだとか、帯刀しているとか書かずとも、瞬時にそう理解できるわけだ。
2022.01.31
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図書館で『人権の世界ハンドブック』という本を、手にしたのです。人権問題といえば、まず中国のウイグル問題であるが・・・そのようなホットスポットがこの本にはザラに載っています。【人権の世界ハンドブック】カトリーヌ・ヴィトール・ド・ヴァンダン編、原書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より80を超える地図と資料が専門分野の筆者のテキストとともに世界の人権を保護するための問題点と立ち向かうべき試練を明らかに!<読む前の大使寸評>人権問題といえば、まず中国のウイグル問題であるが・・・そのようなホットスポットがこの本にはザラに載っています。rakuten人権の世界ハンドブックインターネットやデジタルが語られているあたりを、見てみましょう。p126~129<インターネットと新しいテクノロジー:マリーズ・アルチィグロン> 28年前に誕生したインターネットは、世界の人口の半数以上によって利用されている。知識と変化を手に入れられる、信じがたいような道具だ。インターネットとデジタルテクノロジーによって、教育の新しい形態や遠隔医療が可能となり、人工知能が決定を助けてくれる。携帯電話とモノのインターネット[IoT。モノがインターネットに接続され相互制御する]によって、つながった人間が幾何級数的に増加している。■どれだけ安全なのか? こうしたデジタルがもたらすものは棄権なしではいない。膨大な数のデータを収集し、その出所をジオロケーション[地理的位置決定]するのだが、偏在的なストックや同意のない個人情報の使用は、アイデンティティの不当な取得、ハラスメント、差別をひき起こし、誤った情報の伝播は、民主主義の機能を侵害する。 この道具は、国家や企業や個人の、他人の私生活に入り込む能力を増大させる。こうしてGAFAM(グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフト)は「無償」のサービスを提供しているが、その代価は、彼らが売り、彼らの経済モデルであるターゲットをしぼったマーケティングに利用するデータの目に見えない集約的な使用であり、彼らはすべてを意のままに支配しようとしている。 購買の提案、価格の差別化、アルゴリズムがある人物について「危険がある」と判断した場合のサービス提供拒否など。さらにすべてのデータは、アメリカやヨーロッパの情報機関にもたらされる可能性があることは、エドワード・スノーデンが2013年に明らかにしたとおりである。 テロや犯罪との闘いを口実に、国家はメタデータ[データについてのデータ]の採集と分析のような監視手段を配備し、交信の秘密を保証する暗号の使用を制限し、個人識別の手段として生体認証を一般化しようとしている。 ヨーロッパの住民はとくに欧州連合基本権憲章や欧州司法裁判所、あるいは欧州人権裁判所の判例のような手段によって、比較的保護されている。だが多くの国ではそうではない。 多くは個人の私生活を保護する法律をもたず、世界人権宣言の第12条がうたう「何人も私生活、家族、自宅、通信に対して恣意的な介入をされない、また名誉、評判を傷つけられない。すべての人は、このような介入や攻撃に対して法律の保護を受ける権利を有する」ということを重んじていない。■閲覧の自由とは 2012年、国連はインターネットへのアクセスは基本的権利であり、「個人がオフラインで享受できる権利、とくに表現の自由はオンラインでも保護されるべきである」と評価した。しかしながら、多くの国では国家の安全保障、反乱の防止あるいはテロ、犯罪との闘いの名のもとにインターネットの切断やソーシャルネットワークの検閲を強行している(イラン、カメルーン、中国、ミャンマー、チャド、スーダン、コンゴ民主共和国、インド、ナイジェリア、パキスタン、シリア、バーレーン、アラブ首長国連邦、マレーシアなど)。 こうした措置は権利の侵害である(ジャーナリストの活動、人権活動家など、そして企業の活動に対しても同様だ)。これらの国では、反体制派、活動家、ジャーナリスト、危険な兆候を警告するような人々は、おどされ、刑務所に入れられ、暗殺されることさえある。
2022.01.31
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図書館に予約していた『デジタル・ファシズム』という新書を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム第3章で「忘れられる権利」が語られているので、見てみましょう。p91~94<私たちにはネット検索されない権利がある> 個人情報に関して、もう一つの朗報を紹介しよう。 2011年、フランスのある女性が、ネットに掲載された過去のヌード写真の削除をグーグルに要求した。「ネット上の個人情報は、本人である私に消去する権利があるはずだ」 結果は勝訴。裁判官は、個人情報の扱われ方は本人に帰属するとして、女性の訴えを承認した。「忘れられる権利」として有名なこの裁判をきっかけに、欧州議会ではネット上の個人データを消去する権利についての法整備が開始される。 GAFAの傍若無人ぶりに嫌気がさしていた欧州議会は、その後もデジタル時代に守るべきものを時間をかけて話し合い、2020年12月には、GAFAを厳しく規制する法案を提出している。 だがその後グーグルが控訴し、「忘れられる権利」は個々の国の規制に従うべきだというグーグル側の主張が認められ、適用はEU域内のみに限定された。 つまりグーグルはこう言っているのだ。自国民の個人情報を守るのは、その国の政府の自己責任だと。 企業には企業のロジックがある。 だがそれが、デジタル政府という公共サービスである限り、私たちは自分や家族、そして自国の未来を守るために、その説明責任を求めていかねばならない。<デジタル政府に必要なたった一つのこと> パンデミックをきっかけに、デジタル先進国の名を世に轟かせた台湾では、個人情報保護は、政府の誠実さの指標だと考えられている。 国民の信頼を得ることを優先リストの上位に置いている政府閣僚の一人、デジタル担当大臣オードリー・タン氏は、政府が提出した法案について討論できるオンライン上のプラットフォーム「vTaiwan」、市民が行政に対して日常の問題解決のための提案をする「Join」を設置した。 政府からの提案の中身はここで全て見ることができ、台湾国民であれば誰でも、年齢や性別、職業に関係なく入室し、自由に意見を言うことができる。 日本でも政府に意見を伝えるための陳情書や意見書、署名、政府ホットラインなどが存在するが、台湾のシステムがそれと違うのは、決して一方通行ではないことだ。国民側から書き込まれた提案の賛同者が2ヶ月以内に5000人を超えると、政府はそれを正式な請願として受け付けなければならないというルールがある。 16歳の女子高生が書きこんだ、プラスティックストローを禁止するというアイデアが、あっという間に法律として成立したのも、このルールがあったからだ。 法律は社会の仕組みを変える。『デジタル・ファシズム』3:第4次産業革命『デジタル・ファシズム』2:デジタル庁、三つの特徴『デジタル・ファシズム』1:利権の館「デジタル庁」
2022.01.30
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今回借りた4冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・『他者の靴を履く』・『人権の世界ハンドブック』・『藤田嗣治パリを歩く』・『日本語のへそ』<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』という作品を読んで以来・・・著者の作品をフォローしているのです。<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【人権の世界ハンドブック】カトリーヌ・ヴィトール・ド・ヴァンダン編、原書房、2021年刊<「BOOK」データベース>より80を超える地図と資料が専門分野の筆者のテキストとともに世界の人権を保護するための問題点と立ち向かうべき試練を明らかに!<読む前の大使寸評>人権問題といえば、まず中国のウイグル問題であるが・・・そのようなホットスポットがこの本にはザラに載っています。rakuten人権の世界ハンドブック【藤田嗣治パリを歩く】清水敏男著、東京書籍、2021年刊<「BOOK」データベース>よりフジタの足跡をたどる「エコール・ド・パリ」15日間の旅ー。ピカソやモディリアニなどとともに時代のど真ん中で活躍した画家・藤田嗣治。藤田の足跡を追ってパリを追体験し、作品の背景や込められたさまざまな物語を読み解く。当時の面影が強く残るパリの美しい街並みの写真も多数掲載。パリへの慕情も募る、もう一歩深く楽しめるガイド。<読む前の大使寸評>先日『パリの日々』という本を読んだところだが、その勢いでチョイスしたわけです。rakuten藤田嗣治パリを歩く【日本語のへそ】金田一秀穂著、青春出版社、2017年刊<「BOOK」データベース>より言葉の真ん中には何がある?マジメすぎる日本人に贈る金田一先生の痛快日本語論。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten日本語のへそ************************************************************図書館大好き531
2022.01.30
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在41位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在38位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在133位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在135位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在8位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在12位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在18位・ 堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、副本6、予約61)現在51位・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在325位・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、副本1、予約18)現在17位・ドードーをめぐる堂々めぐり(1/09予約、副本4、予約6)現在4位・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)現在531位・『スマホ脳』(1/28予約、副本40、予約537)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・「諸星大二郎の世界」・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』:図書館未収蔵・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/19以降> ・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)・『生物の驚異的な形』(12/11予約、12/19受取)・みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』(1/04予約、1/10受取)・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、1/19受取)・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、1/29受取予定)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【暁の宇品】堀川恵子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争、上海事変、ガダルカナル、そして8・6-。日本の「海の戦争」を支えた輸送基地=宇品港の三人の司令官と、軍都・広島が背負った「宿命」。日本軍事史上の最重要問題に光を当てる傑作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/14予約、副本6、予約61)>rakuten暁の宇品【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【鴨川ランナー】グレゴリー・ケズナジャット著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日本と世界の狭間で生まれた中篇二作。外国から京都に来た青年の日常や、周囲の扱い方に対する違和感、その中で生きる不安や葛藤等を、「きみ」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。京都文学賞受賞作(「鴨川ランナー」)。福井の英会話教室を突如やめる羽目になった主人公は、ある日同僚の紹介で結婚式の牧師役のバイトを紹介されるが…(「異言」)。第二回京都文学賞満票で受賞。日本語を母語としない著者が紡ぐ、新しい感性による越境文学。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/23予約、副本1、予約18)>rakuten鴨川ランナー【ドードーをめぐる堂々めぐり】川端裕人著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>より江戸時代初期のこと。『不思議の国のアリス』や「ドラえもん」にも登場する絶滅鳥ドードーが、日本に来ていたらしい!四〇〇年の時を超え、その後の行方を追って、四国へ長崎へ、チェコ、イギリス、オランダへ…ついにはモーリシャス島に這いつくばり生命のワンダーに分け入る!日本史と西洋史、博物学と生物学の間を行き来する旅に、ご一緒しましょう。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>rakutenドードーをめぐる堂々めぐり【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>shueisha塞王の楯【スマホ脳】アンデシュ・ハンセン著、新潮社、2020年刊<「BOOK」データベース>より平均で一日四時間、若者の二割は七時間も使うスマホ。だがスティーブ・ジョブズを筆頭に、IT業界のトップはわが子にデジタル・デバイスを与えないという。なぜか?睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存ー最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなたの脳が確実に蝕まれていく現実だ。教育大国スウェーデンを震撼させ、社会現象となった世界的ベストセラーがついに日本上陸。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/28予約、副本40、予約537)>rakutenスマホ脳【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.01.29
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図書館で『パリの日々』という本を、手にしたのです。表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。【パリの日々】丸山直子×丸山垂穂著、三修社、2020年刊<商品説明>より1978年、パリの丸山圭三郎一家。かの大著『ソシュールの思想』を世に問う前夜、丸山圭三郎は家族を伴いパリに一年間暮らした。パリで一服の解放感を味わう夫と、現地でことばを覚え、とまどいながらもフランスにとけこんでゆく娘。その生き生きとした姿を、当時のパリの空気とともに、妻であり母親の視点から描く。-そして娘は字幕翻訳者への道を選ぶ。当時公刊されたエッセイに加え、新たに書き下ろした四十年後の思い、親子三人の往復書簡(初公開)を収録。<読む前の大使寸評>表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。rakutenパリの日々娘(丸山垂穂)さんが、フランス語学習とか字幕翻訳を語っているので、見てみましょう。p220~225<時を紡いで> 2018年9月の深夜、母は(当時83歳)が脳梗塞の疑いで救急搬送された。幸い症状は軽く2週間後には退院、後遺症もなかった。そういえば私は一人娘で兄弟もいない。長年マイペースで自由に暮らしてきたが、そろそろ潮時か。子育ても一段落したので、高齢の母の見守りも兼ねて30年ぶりに同居することになった。退院後、しばらく気弱になっていた母は不死鳥のごとくよみがえり、娘の助けも要らなくなるほど回復した。それどころか最近は逆に世話を焼かれている。いくつになっても母親にとって娘は心配の種らしい。 2019年5月、平成から令和へと元号が変わった。偶然の物語はゴールデンウィーク中に友人から届いた一通のメールから始まる。「何気なくラジオを聴いていたら、お父さんの名前が出てきた」という知らせだった。ラジオに出演されていた辞典編集者、〇川栄治氏がパリ留学中に知り合った父・丸山圭三郎の紹介で三修社へ就職することになったというのだ。その時は「へえ、そんな出会いがあったんだ」くらいの軽い気持ちだった。 ところが、その数週間後に今度は同業の友人の紹介で、三修社の編集者、上山直寛氏から連絡をいただく。同社で製作しているFMラジオ番組『ゼッタイForeign Love!~外国語と海外文化にFall in Love~』への出演依頼だった。「えっ、三修社? なんという偶然。しかも出版社なのにラジオ?」と面食らった。よくよく話を聞いてみると母の著書『街角のクレープ』(三修社刊)を読んでくださり、私が通ったパリの現地校でのエピソードやフランス映画字幕翻訳者になった経緯を話してほしいとのこと。父の著書も愛読してくださっていると伺い、これも何かのご縁だろうとお引き受けすることになった。 さて、ラジオ出演の前に40年前のパリでの暮らしを思い出そうと『街角のクレープ』を読み直した。すると、両親や祖母に宛てた私の手紙が何通も収録されているではないか。プライバシーもなく冷や汗をかくような描写も多いが当時の様子が懐かしくよみがえってきた。 ラジオでは幼少期の栄華との出会いから現在までを話し、自身の半生を振り返る良い機会となった。だが、それだけでは終わらない。絶版となっていた『街角のクレープ』に加筆し、母娘の共著として新たに出版してはどうかという提案をいただいたのだ。当初は母も「若気の至りで未熟な文章。今さら人様にお見せするなんてとんでもない」と渋っていたが「またとない企画だし、きっと良い記念になるから」と母を説得。その日から母娘の共同作業が始まった。(中略) 当時は今のようにインターネットもメールもない時代。夏休みの両親あてのキャンプ便りでも「日本から手紙来てますか?」「もし暇があったらお手紙ください」と書いているように、いかに手紙を待ち焦がれているか分かる。時折、知人から日本の雑誌や書籍が届くと、むさぼるように読んでいた。 週末になると、日本映画を上映する映画会や名画座へ、いそいそと出かける。当時パリでは『東京物語』『秋刀魚の味』(小津安二郎)、『七人の侍』(黒澤明)、『裸の島』(新藤兼人)、『愛のコリーダ』(大島渚)など巨匠といわれる日本人監督の旧作が大人気で繰り返し上映されていた。『二十四時間の情事』(Hiroshima mon amourアラン・レネ監督)を初めて観たのもパリだ。日本で高校生活を送っていたら、決して観なかったであろう作品を集中して鑑賞できた。今から思うとなんと贅沢な時間だろう。 パリでの生活にも慣れた頃、東宝東和の制作部長で、後に映画字幕翻訳家として活躍された清水馨氏が出張の合間にわが家を訪ねて来られた。父の大学の先輩で同人誌仲間である。大人たちの映画談義に興味津々の私を見て「そんなに映画が好きなら、日本に帰ってきたら映画のチケットをあげるよ」と言われ、帰国後は新作が公開される度にチケットを送ってくださった。清水氏は、私にとって“あしながおじさん”のような存在だ。その十数年後には私自身も字幕翻訳者としてスタートを切り、清水氏と再会を果たすことになろうとは想像もしていなかった。『パリの日々』2:パリでの買い物『パリの日々』1:フランスへの憧れ
2022.01.29
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図書館で『パリの日々』という本を、手にしたのです。表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。【パリの日々】丸山直子×丸山垂穂著、三修社、2020年刊<商品説明>より1978年、パリの丸山圭三郎一家。かの大著『ソシュールの思想』を世に問う前夜、丸山圭三郎は家族を伴いパリに一年間暮らした。パリで一服の解放感を味わう夫と、現地でことばを覚え、とまどいながらもフランスにとけこんでゆく娘。その生き生きとした姿を、当時のパリの空気とともに、妻であり母親の視点から描く。-そして娘は字幕翻訳者への道を選ぶ。当時公刊されたエッセイに加え、新たに書き下ろした四十年後の思い、親子三人の往復書簡(初公開)を収録。<読む前の大使寸評>表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。rakutenパリの日々前編「パリの日々1978~1979」でパリでの買い物を、見てみましょう。p30~33<朝市の商人たち> わが家の門を出て北へ百メートルくらい歩くとポール・ロワイヤル大通りに出る。この通りには火・木・土の午前中パリ名物のマルシュ(朝市)が立つ。メトロのポール・ロワイヤル駅から少し下ったあたりから、数十軒のいろいろな店が所狭しと並ぶさまはまことに壮観である。 パリの朝は早い。6時半、空はまだ真暗で星を仰ぎながら朝市の商人たちのトラックが続々と到着する。荷台から板や囲いのガラス戸を運び出し、手早く組み立てる。積み荷を降ろし、商品を並べる。中年のおやじさん、おかみさん、息子や娘たち、家族総出できびきびと立ち働く。 肉屋、魚屋、八百屋、菓子屋、パン屋、香料屋、総菜屋、チーズ屋、鼻や、小間物屋、古道具屋、およそありとあらゆる種類の店がここにはある。店と店の間のちょっとした空間には、ヤギの背にラベンダーの香袋を山と積んだ若い女性がひっそりと立っていたりする。 端布で縫った花柄のプリントの袋には紫色のラベンダーの花びらを干したものが入っていて、いい香りがする。パリジェンヌたちは、この袋を衣装箪笥の中にしまっておいて移り香を楽しむ。 白い髪の黒人のおじいさんが奏でる物悲しげな笛の音に誘われて、何人かの客が人垣を作り、前に置かれた空き缶の中にそっと硬貨を入れて行く。 毎週三回ずつ朝市に通ううちに、商人たちも私たちの顔を覚え、歩いていると、「ボンジュール、マダム、サヴァ?(奥さん、元気?)」 などと声がかかる。この頃になるとこちらも少しは余裕ができてきて、笑顔で、「サヴァ、メルシー、エヴー?(元気よ、ありがとう、あなたは?)」 などと受け答えができるようになってくる。「肉屋さんの行列に並んで挽肉を五百グラム買ってきてごらん」 と言うと、娘はいそいそと列に並んで買ってくる。「何て言ったの?」「簡単、Cinq cents grammes de viande hachee, s'il vous plait. でしょ。今日は一発で通じちゃった」「この前、八百屋さんでホウレン草を五百グラム下さいって言ったら、ハイハイ、1リーブル(1ポンド)だね、と言うの。いいえ、五百グラムと言うと、五百グラムと1リーブルは同じさ、と笑いながら教えてくれたの。そう言われてみれば1ポンドは四百五十グラムだから、大ざっぱなフランス人から見れば同じかもしれないね」 ポンドとグラムが共存している点、メートル法を採用している点など日本と同じで何となく親しみがもてる。アメリカでは、ポンド、インチ一点張りだったから、メートル、グラムで話してもピンとこないばかりか、この地球上にそんな遅れたシステムをまだ使っている国があるのか、といった反応が返ってくる。 一般のアメリカ人にとって、異なる文化や習慣が他に存在するということは想像を越えることらしいのである。1960年代のアメリカではホンダのバイクが大人気で、毎日のようにCM“You meet the nicest people on a Honda.(素晴らしい人々、ホンダに乗る)”がテレビに流れていた。私たちはよくアメリカ人が誇らしげにこういうのを聞いたものだった。「日本にはHondaとかSonyなんてのはあるかい?」 こういったナイーブな人たちにはホンダやソニーが日本製だと言っても信じてはもらえなかったので、私たちも最後には無駄な抵抗はやめることにしたのであった。 少々横道にそれたけれど、再び朝市に戻ることにしよう。朝市には何十軒という店があるが、しばらくするうちに肉ならこの店、魚ならあの店というように行きつけの店が何軒かできてくる。私たちはそれらの店にこんなあだ名をつけて呼ぶようにしていた。 肉屋のおじさんは色白、ちょっと薄くなってはいるがブロンドの髪、青い目の美男子で、若い頃の藤原義江そっくりであったから、「藤原義江の肉屋さん」と呼ぶことにした。 日本に比べるとフランスの食料品は安く、中でも肉は半値以下だったから私たちは毎日ふんだんに肉を食べた。牛肉の上等なヒレが1キロ三千円くらい、サーロインが1キロ二千五百円くらい、挽肉や煮込み用の肉ならが1キロ千二百円くらいで買うことができた。「ポトフ用の肉を1キロください」 と言うと大きな肉塊をヨイショと持ち上げて切ってくれる。そして必ず、「骨もつけますか?」 と聞く。これは真ん中にとろりとしたモワル(髄)の入っている子牛の骨で、これを一緒に入れて煮込むと非常においしいスープがとれるのである。これはタダでサービスくれる。日本では子牛肉を売っている店も少ないし、子牛の骨などはどこにも見かけないが、こんなにおいしい物を捨ててしまうのであろうか。 子牛の骨つき煮込みにイタリア料理のオッソ・ブッコがあるが、やはりこのモワルがついているので彼らはナイフですくい出してきれいに食べてしまう。私たちも一度食べたら病みつきとなり、家族みんながモワルのたくさんついたところを好んで食べるようになった。『パリの日々』1:フランスへの憧れ
2022.01.28
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図書館に予約していた『デジタル・ファシズム』という新書を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム第4次産業革命が語られているので、見てみましょう。p81~85<世界のエリート集団が描くデジタル新世界「グレート・リセット」> あらゆるものをデジタル化し、5Gでつないだスーパーシティの先にあるのは、一体どんな世界だろう? 人間はデジタルテクノロジーを使った第4次産業革命によって、今の資本主義を一度リセットし、次のステージに移行しなければならない。「グレート・リセット」を呼びかけるメッセージを、世界に向けて毎年発信し続けているエリート集団がいる。 2016年。 世界経済フォーラム創設者であるクラウス・シュワブ氏は、その著書『Shaping the Fourth Industrial Revolution(第4次産業革命を生き抜く)』の中で、これから来る第4次産業革命についてこんなふうに予測した。 そこでは全てをつなげる5GやAIなどの新しい技術が、日常を送るうえで必要な様々な事柄を本人の代わりに決定してゆくようになるという。そして私たちの小さな行動から個人的傾向、人間関係に至るまで、24時間デジタルで監視された個人データが、フェイスブックやファーウェイやグーグルのような、一握りの巨大プラットフォーマーの元に集められてゆくようになる。 政府が私たちの頭の中に侵入し、私たちの思考を読み取り、行動にまで影響を与えることを可能にする世界。 シュワブ氏はそれらが、革新的な技術の進化と共に、物理的制限を超えてゆくだろうと断言する。 手首に装着するサイズのコンピューターから、三次元の音と映像を映し出すバーチャル・リアリティー・ヘッドホンなで。やがてデバイス自体が皮膚の奥や脳に移植される時代が来るのは、ほぼ確実なのだ、と。 私たち人類の前に、肉体とデジタル、個人のアイデンティティを融合させる技術(すでに完成済みだ)を伴う「第4次産業革命」がもたらす、新世界の扉が開きつつあるというシュワブ氏の予測は、彼が創設した世界経済フォーラムの理事たち(世界的な金融大手の経営陣や欧州中央銀行、国連やIMFのトップ、中国の億万長者、その他の著名なメガ投資家たち)にとって、大いに賞讃に値する内容だった。 人間の脳は、特定の条件下でドーパミンを分泌する。新しいものに出逢う時、リスクが伴う時、そしてそこに「報酬が期待される時」だ。 彼らの脳内で、第4次産業革命への期待と興奮がさざ波のように拡がってゆく。 そしてそこから、それぞれが世界規模の人脈と巨額の資金力を使い、グレート・リセットという一つの共通ゴールに向かって、各地で動き始めたのだった。『デジタル・ファシズム』2:デジタル庁、三つの特徴『デジタル・ファシズム』1:利権の館「デジタル庁」
2022.01.28
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図書館で『日本の異国』という本を、手にしたのです。昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。【日本の異国】室橋裕和著、晶文社、2019年刊<「BOOK」データベース>より2017年末で250万人を超えたという海外からの日本移住者。留学生や観光客などの中期滞在者を含めれば、その数は何倍にもなる。今や、都心を中心に街を歩けば視界に必ず外国人の姿が入るようになったが、彼らの暮らしの実態はどのようなものかはあまり知られていない。私たちの知らない「在日外国人」の日々に迫る。<読む前の大使寸評>昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。rakuten日本の異国地域に根付いたコミュニティを、見てみましょう。p82~86<高田馬場:難民たちのリトル・ヤンゴン>■なぜ、高田馬場にミャンマー人が集まるのか 新宿区高田馬場、都三小通り。夕刻となるとこの道は、アジア系の留学生でごった返す。日本語学校がいくつもあるのだ。勉強を終えた若者たちが方々に散っていくが、その中にいま目立って多いのが、ミャンマー人だ。 夏場になると、頬を白く染めた女の子も見る。「タナカ」というミャンマーの伝統的な化粧だ。タナカという名の樹木を粉末やペースト状にしたもので、これを頬や額に塗る。おしゃれでもあり日焼け止めでもある。行き交うタナカ姿は高田馬場の夏の風物詩とさえなりつつあるのだ。「リトル・ヤンゴン」と呼ばれる高田馬場。どうしてこれほどミャンマー人が集まる場所になったのだろうか。「ひとつのきっかけは1988年ではないでしょうか」 と語るのは来日17年となるサイ・ミンゾウさん。ミャンマー料理店「ノング・インレー」を経営する。在日ミャンマー人社会でも重鎮のひとりだ。 長年、軍事政権の独裁が続いてきたミャンマーで、大規模な民主化要求デモが起こったのが1988年のこと。全土で激しい反政府運動が燃え広がっていったのだが、軍政はこれを武力で弾圧。多くの犠牲者が出た。そしてまた、たくさんのミャンマー人が国を離れて難民となった。 そのうちの一部は日本にもやってきた。彼らが根を下ろしたのが、西武新宿線・中井駅の周辺だったのだ。というのも、中井には当時、ミャンマー人の僧侶がいるお寺があったからだ。 やがて中井からふた駅、JR山手線も乗り入れる、より便利な高田馬場にコミュニティは移っていった。 彼ら「第一世代」が築きあげていった在日ミャンマー人社会だが、いまの主役は留学生であり、技能実習生たちだ。 その理由もやはり政治にあった。ミャンマーでもようやく民主化が進み始めたのだ。かつてミャンマーではパスポートを取得すること自体が難しく、ブローカーを通して日本円で10幡ほど支払う必要があったという。当時のミャンマー人では大金である。それが、申請すれば正規に、簡単に取得できるようになったのだ。 日本の留学ビザも緩和された。また日本政府の方針で、ミャンマーからも国費留学生をどんどん受け入れるようになった。民主化を受けて進出が活発になった日系企業と、ミャンマーとを結ぶ、橋渡し的な人材に成長してくれることを狙ってのものだ。(中略)■少数民族の文化と出会える街 いまでは20軒ほどのミャンマー料理レストランがある。多民族国家らしく、同じミャンマーでも、モン族料理レストラン、シャン族料理レストランなど、民族ごとに分かれているのも面白い。ミャンマー少数民族の文化と出会える街なのだ。「ノング・インレー」はシャン族料理だ。和食とけっこう共通点がある。納豆や豆腐をふんだんに使うのだ。漬物などの発酵食品も多い。揚げた豆腐もあれば、ペースト状にして麺を入れたりもする。納豆を混ぜ込んだチャーハンもいける。ちょっとピリ辛のシャン風高菜は和えたり炒めたりさまざまに使われる。肉味噌を溶いた鶏がらベースのスープに米麹を入れたシャン・カウスエは日本人にも馴染める味わいだろう。(中略) 僕も、実は常連である。ミャンマービールを飲みながら高菜炒めなどを食っているのだが、最近は日本人の姿もやけに増えたなあと思う。いつ来てもミャンマー人オンリーの食堂だったのだが、日本人が多くなった。『日本の異国』2:竹ノ塚:魅惑の癒しスポット『日本の異国』1:はじめに
2022.01.27
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図書館で『パリの日々』という本を、手にしたのです。表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。【パリの日々】丸山直子×丸山垂穂著、三修社、2020年刊<商品説明>より1978年、パリの丸山圭三郎一家。かの大著『ソシュールの思想』を世に問う前夜、丸山圭三郎は家族を伴いパリに一年間暮らした。パリで一服の解放感を味わう夫と、現地でことばを覚え、とまどいながらもフランスにとけこんでゆく娘。その生き生きとした姿を、当時のパリの空気とともに、妻であり母親の視点から描く。-そして娘は字幕翻訳者への道を選ぶ。当時公刊されたエッセイに加え、新たに書き下ろした四十年後の思い、親子三人の往復書簡(初公開)を収録。<読む前の大使寸評>表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。rakutenパリの日々前編「パリの日々1978~1979」でフランスへの憧れを、見てみましょう。p9~13<パリは本当に花の都?>ふらんすへ行きたしと思へどもふらんすはあまりにも遠しせめては新しき背広をきてきままなる旅にいでてみん(萩原朔太郎) 50年余も昔、萩原朔太郎がこの詩を書いた頃から今に至るまで、フランスに対する日本人の憧れはずっと変わることなくつづいているようである。知人のだれかれを思い浮かべても、フランスびいきがかなりいる。特に40代、50代の中年男性に熱烈な親仏家が多いように見受けられる。わが夫にしてもその例外ではない。 日本人の中にはフランスの好きな人が多いようだが、世の中にはフランスなんか嫌いだという人もいるに違いない。そしてフランスびいきに負けないくらい熱烈なドイツびいき、英、米、スイス、イタリア、スペインびいきだってたくさんいるはずである。それなのに、フランスだけがもてはやされるのはどういうわけだろう。フランスの、とかパリのなになに、と名がつけば本の売れ行きも違うらしい。 フランスかぶれは中年の専売特許かと思えば、さにあらず、子供たちまでが特別な反応を示す。娘の垂穂が東京で通っていた私立の女子高からも、毎年何人かの生徒が、父親の転勤などのために海外へ行くケースがあり、外国へ行くこと自体はさして珍しいことではない。ところが、行き先がフランスとなると、これは別問題なのだ。級友たちから山のようなお餞別を頂いてしまい、「おみやげはグッチかルイ・ヴィトンのバッグをお願い」 とバッチリ念を押されてしまった。「夏休みになったらパリへ遊びに行きたいの。あなたのお家に泊めてね」 と言う娘の友だちの宿泊希望者が続々と現れ、出発前にわが家のパリのアパルトマンは、民宿予約で一杯になりそうな気配であった。そして、夫の友人は、「中学生の娘をパリに留学させたい。君の家からフランスの学校へ通わせてくれないか」 と言う。 さんざん考えた末、私たちは民宿も留学も丁重にお断りしたのだが、断られた方々はさぞがっかりされたことだろう。
2022.01.27
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図書館で『日本の異国』という本を、手にしたのです。昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。【日本の異国】室橋裕和著、晶文社、2019年刊<「BOOK」データベース>より2017年末で250万人を超えたという海外からの日本移住者。留学生や観光客などの中期滞在者を含めれば、その数は何倍にもなる。今や、都心を中心に街を歩けば視界に必ず外国人の姿が入るようになったが、彼らの暮らしの実態はどのようなものかはあまり知られていない。私たちの知らない「在日外国人」の日々に迫る。<読む前の大使寸評>昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。rakuten日本の異国地域に根付いたコミュニティを、見てみましょう。p14~18<竹ノ塚:魅惑の癒しスポット、リトル・マニラ>■リトル・マニラは朝5時から営業「足立区のおじさんたちは、口は悪いけど目が優しいんだよね」 アニーさんはそう言って笑う。「『このヤロ』『バカヤロ』でまず始まるけど、言っていることは正しかったりする。接客のマナーや態度についてよく怒られたけど、勉強になりましたよ」 そんな足立区を拠点に、日本で働くこと25年以上。アニーさんはいま、東武スカイツリーライン竹ノ塚駅のそばにあるフィリピンパブ「カリン」のママだ。 店はなんと、朝5時から営業している。「タクシーの運転手たちから、夜勤が明ける朝方に店を開けてほしいって言われて」 運転手たちだけでない。夜の仕事を終えた日本人のホステスやホストたちも飲みにくる。夜が明ける頃になると、今度は年金暮らしのおじいちゃんたちが訪れる。雑多というか、もはや意味不明な客層かもしれない。朝方に飲める店はほかにもあるだろう。でも、足立の人々は老若男女、ここにやってくるのだ。 朝5時から11時までは、飲み放題・歌い放題で、さらに和定食がついて3時間2000円。一般的なアジアンパブだと、1時間3000~5000円というところが多いだろうか。早朝だからか、やたらに安いのである。それにフィリピン人がパブの台所で和食を仕込むという姿もまた足立区ならでは、かもしれない。「あまりお金がなくても、ここに来れば友だちがいて会話して、好きな歌を歌って楽しめる。朝や昼のお客さんは増えてますよ」 店内に漂うのは、南国そのままのほどよい脱力感だ。扉を開けたとたんに、ゆるい空気に包まれる。そして出迎えてくれるのは、熱帯の花のような笑顔。いきなり温度と湿度があがったような気さえする。 そして妙に距離が近いのだ。エッチな意味ではない。お店のフィリピーナたちは、会ったとたんに友達感覚というか、やけに気安いというか、ぜんぜん気を使わせてくれないのである。かっちり身構えて緊張感すら漂わせながら接客する日本スタイルとはぜんぜん違う。 テキトーにがちゃがちゃ水割りをつくり、ほかのフィリピーナとカダログ語でなにやらバカ笑いをして、隣のテーブルの会話に割り込み、かと思ったらじっと目を見つめてきて「オツカレサマ」なんて言ったりする。くだらない冗談ひとつにケタケタと笑い転げてお腹を抱えたり、「ほらほら」とスマホで故郷の農村や家族の写真を見せてきたりする。 どのテーブルもこんな感じで、なんだか女子高の教室にお邪魔しているようなかしましさなのである。彼女たちももちろん仕事だからこうやって接してくれるのだろうが、それにしたって距離が近い。仕事とプライベートの区別がぜんぜんついていない。「みんな一緒に遊んでいるだけだから」 とアニーさんは笑うが、客とホステスという垣根を取っ払ったような友達感覚は日本のキャバクラやガールズバーとはまったく違う。 客もだんだん、染まってくる。 明るいうちから泥酔して寝込んでいるおじさん。がいしゅつしたかと思ったらハンバーガーとチキンを買ってきて店にいる人々に振る舞う人。流暢なタガログ語でカラオケを熱唱しては、ギャルたちをどっかんどっかん盛り上げているおじさん。そして家で作ってきたという故郷の料理を持ち寄るフィリピーナたち・・・。 いい意味で弛緩したアットホームな空気と、常連でなくともすぐになじめる親しみやすさは、アジアそのものだ。ひと昔前の淫靡なフィリピンパブのイメージは、あまりない。 フィリピンパブというと誤解されがちだが、お客の多くが求めているのは性的なサービスではない。フィリピーナの大らかさと、ホスピタリティに甘えに、癒されにやってくるのだ。彼女たちとひとときバカ騒ぎをして、腹の底から笑うことで、救われている日本のおじさんたちがいる。『日本の異国』1:はじめに
2022.01.26
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図書館に予約していた『デジタル・ファシズム』という新書を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム『第1章 最高権力と利権の館「デジタル庁」』の「デジタル庁」あたりを、見てみましょう。p28~31<最強権力を持つ「デジタル庁」が来る」> 2021年5月12日。「デジタル庁設置法」や「デジタル社会形成基本法」など、合計63本もの法案を束ねた「デジタル改革関連法案」が、参議院本会議で可決された。 発足に向かって動き出している日本初のデジタル庁には、大きな特徴が三つある。 一つ目は、権限がとてつもなく大きいこと。 デジタル庁は内閣の直轄機関であり、デジタル改革担当大臣は内閣総理大臣を直接補佐する立場に置かれる。そしてつうじょうは閣議決定を通さないと出せない他の省庁への勧告も、直接出せるほどの強い権限が、デジタル改革担当大臣に与えられる。 つまり、デジタル庁が内閣府より上位に位置する省庁になるということだ。 二つ目は、巨額の予算がつくこと。 デジタル庁の年間予算は8000億円。これに加えて菅総理が1兆円の予算をつけた。総理は世界経済フォーラムの席で、日本は脱炭素とデジタル化に力を注ぐことを公言している。さらに今後全ての省庁の給与と人事、補助金申請などの業務はまとめてデジタル庁の管轄になる。 全国自治体のシステムの統一や国税の管理、財務省の予算に総務省のマイナンバー発行と全国民の情報の一元管理、AIによる監視システムの整備、文部科学省のデジタル教科書に厚生労働省のマイナンバーカードと健康保険証の紐づけなど、ありとあらゆる省庁の担当プロジェクトを、それがデジタル化されというだけですべてはいかに収めるのだ。もちろんスーパーシティにも巨額の予算がつく。 三つ目は、民間企業とデジタル庁の間の「回転ドア」だ。 デジタル庁が予定している職員は500人。うち150人の管理者・技術者を、民間企業から迎え入れる。 世界は米中を筆頭に、IT人材の争奪戦が起きている。 では日本政府の本気度はどうだろうか。平井大臣は、鍵を握るのは「回転ドア」だと言う。IT人材不足が著しいここ日本で、公務員レベルの給料で良い人材を集めようとしても限界がある。ならば回転ドアをくぐるように、民間企業と政府の間を自由に出入りする形にすれば、今の仕事を辞めずに柔軟に働いてもらえるだろうと言うのだ。 だが本当にそうだろうか? グローバル企業と政府の間を、利害関係者が頻繁に行き来するアメリカでは、「回転ドア」は利益相反と同義語だ。企業から出向してくる人間達は政策決定の場に入り、自社に都合の良い政策を誘導した後、再びドアをくぐって会社に戻り、出世の階段を上がってゆく。政府の内部事情がわかるので、インサイダー的な情報漏洩も危ぶまれるポジションだ。 企業側に有利なこの仕組みによって、軍需産業に製薬業界、食品、農業、エネルギー、金融業界に教育ビジネスと、巨額の税金が企業に流れ続けている。 まごうかたなき<合法的利益相反システム>なのだ。 国民の幸福のために奉仕する公務員にとって最も大事なことは、利益や生産性より、<公正性>だ。だから日本の「官民人事交流法」では、公務員の利益相反を防ぐために、兼業や出身企業から給与を受け取ることを固く禁じてきた。 だがデジタル庁はこの法律を、さり気なく滑り出しから無視している。デジタル政策を企画・立案する「IT総合戦略室」に勤務する100人以上の民間企業出向者は、自社に籍を残したまま、非常勤公務員として働いているのだ。 「デジタル改革推進に向けた機運を一緒に形作ってゆく想い・覚悟のある人材募集」という熱い言葉と共に、デジタル庁はハイレベルな実務経験を必須条件に人材募集をかけている。 だが政府の本気度が現れるのは、言葉よりもそこに書ける予算額だ。募集条件を見ると、週2・3回勤務、勤務時間は90時間以内、賞与ゼロ、昇給なしの非常勤、各種社会保険なしという、大臣の言う「想いと覚悟」など瞬時に吹っ飛ぶような非正規待遇になっている。この条件で集まれるのは、大手IT企業から出向で送り出される社員だけだろう。 想像してみてほしい。ひどい待遇の政府と、十全な給与をくれる自社と、非常勤職員は一体どちらの利益のために働くだろうか? どれだけ華々しく打ち上げても、デジタル化は方法論にすぎない。そこに、私たちがこの間嫌と言うほど魅せられてきた、税金を私物化する「官民癒着の構造」が見えるだろうか? まさに今世紀最大級の巨大な権力と利権の館、それがデジタル庁だ。 『デジタル・ファシズム』1
2022.01.26
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図書館に予約していた『デジタル・ファシズム』という新書を、待つこと3ヶ月半ほどでゲットしたのです。堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム『第1章 最高権力と利権の館「デジタル庁」』の冒頭あたりを、見てみましょう。p17~22<3・11と「日本デジタル化計画」> 2020年12月25日。 国会閉会後のクリスマスに、ひっそりと閣議決定された「デジタル・ガバメント実行計画」をご存知だろうか? 2018年1月に政府の「eガバメント閣僚会議」で策定され、2019年に成立した「デジタルファースト法」(行政手続きを原則としてデジタル化する法律)に後押しされ完成された計画だ。 青写真は約10年前。2011年3月に東北を襲った東日本大震災にまで遡る。 この時、アメリカのシンクタンクによって書かれた日本復興シナリオの中で、医療を始めとする重要な個人情報のデジタル化と、それらのデータを共有する「企業主導でのデジタルネットワーク構築」が提案された。「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」という言葉がある。 カナダのジャーナリスト、ナオミ・クラインが世に出した表現で、戦争や災害などが起きた際、その混乱に便乗し、政府やグローバル企業、銀行や投資家などの利権につながるルール変更を一気に導入する、新自由主義的手法のことだ。 ショック・ドクトリンは、歴史的にアメリカやイギリス、旧ソ連や中国、近年ではイラクやリビア、南米など多くの国で行われてきた。そして2020年には、パンデミックを理由に様々な国で実行されている。通常ならば憲法や法の規制が邪魔をして少しずつしか進まない<市場化>が、緊急事態下では驚くほどスピーディに進むからだ。 震災から5ヶ月後の2011年8月。 世界最大の米系コンサルティング会社アクセンチュア日本法人が、被災地である福島県会津若松市に、地域創生を掲げたイノベーションセンターを設立する。 同社は社員48万2000人、売上高4兆4000億円(2018年度)、広告・コンサル業界としては日本の電通グループを抑えて6年連続世界トップの座に君臨し、成長率は5年連続二桁という剛腕グローバル企業だ。 大規模な津波と人類史上最悪の原発事故が起きた福島の被災地で、同社が描く「地方創生」は、通常とは全く異なる未来に続いていた。 会津若松市をデジタル技術の実証実験地とし、ここで作ったモデルを日本全国煮拡げていくのだ。 復興支援の名の下に「会津地域スマートシティ推進協議会」が立ち上がり、市と大学に様々なアドバイスを提供しながら、アクセンチュアは震災復興プロジェクトの主要メンバーとして、デジタル化を主導していく。 スマートシティとは、交通、ビジネス、エネルギー、オフィス、医療、行政などの様々な都市機能をデジタル化した街だ。政府主導でスマートシティを推進する中国やシンガポール、3か国に投資するサウジアラビアやビル・ゲイツ氏がアリゾナ州の無人の砂漠に8000万ドル(88億円)を投じて巨大なスマートシティをけいかくするなど、近年世界各地で開発が進められている。 会津若松市では、手始めに個人の年齢や家族構成に合わせて提供される情報が変わるデジタル情報サイトや、最適な水分や養分を計算して農地に自動供給するスマートアグリ、外国人訪日客向けの言語別の刊行サイトや医療データ共有など、様々な情報がオンライン上でつながれていった。 アクセンチュアは、2015年1月に会津若松市が「デジタル自動創生モデル都市」ににんていされると、今度は同じく被災地の宮城県気仙沼市で、やはり震災復興の名の下に漁業の民営化を手がける、三菱UFJリサーチ&コンサルティングと手を組んだ。 そして両社は住民と企業、観光客にまとめてサービスを提供するための<全国共通自治体デジタルプラットフォーム>を全国に提案する。 2019年4月。会津若松市内に「スマートシティAiCT」が立ち上がり、アクセンチュア、マイクロソフト、フィリップスジャパン、金融のTISにドイツ系のSAPなど、国内外の企業がここに終結した。この街で実証した様々なデジタルサービスを、日本全国に売り込んでゆくためだ。国内ではこれまでにも神奈川県藤沢市や香川県高松市など、スマートシティの取り組みを始めた地域があるが、まだまだまばらな動きでしかない。(中略) 2020年3月16日。アクセンチュアは日本を含む11ヵ国で6500人以上の成人を対象とした独自の調査を行い、その結果を発表した。「市民の大半は、公共サービス向上のためならば、行政機関と個人情報を共有することに前向きな考えを持っている」 だが本当にそうだろうか? デジタル時代に利益を生み出す個人情報を、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)をはじめ世界中の企業やハッカーたちが奪い合う今、それを扱う側のセキュリティ意識がかつてないほどに求められている。この間日本の行政は、どんな危機意識を持って私たちの個人情報を扱ってきただろう?ウーム この巨大なアクセンチュアというのが曲者なんでしょうね。ネットをめぐると、アクセンチュア・イノベーションセンター福島が実現することがヒットしたので見てみます。
2022.01.25
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図書館で『日本の異国』という本を、手にしたのです。昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。【日本の異国】室橋裕和著、晶文社、2019年刊<「BOOK」データベース>より2017年末で250万人を超えたという海外からの日本移住者。留学生や観光客などの中期滞在者を含めれば、その数は何倍にもなる。今や、都心を中心に街を歩けば視界に必ず外国人の姿が入るようになったが、彼らの暮らしの実態はどのようなものかはあまり知られていない。私たちの知らない「在日外国人」の日々に迫る。<読む前の大使寸評>昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。rakuten日本の異国まず「はじめに」を、見てみましょう。p3~6<はじめに> 僕も「外国人」だったことがある。 30代の10年間を、タイ・バンコックで過ごした。記者として。記者として熱帯の街を職場にしていたわけだが、「よそもの」からしても実に住みやすい場所であったと思うのだ。外国人だからといって蒙る不利益はあまりなかった。 長期滞在用のビザや労働許可証の手続きがややこしいくらいだろうか。マンションはパスポートひとつあればその日から住めた。日本食には事欠かない。なによりタイ人は、外国人とのつきあいによく慣れているようだった。バンコクには日本人だけでなく、欧米人、韓国人や中国人、インドや中東の人々なども生活していた。 それに建設や飲食、工場などの現場を支えているのはミャンマー人やカンボジア人だ。隣に外国人が住んでいる、働いているというのはごく普通のことだった。 体は歴史的にも地理的にも外国人を広く受け入れ、その力をうまく利用する形で発展してきた。けっこうな国際社会なのである。僕も日本人だからといって特別視されることもなく、かといって警戒や不信の目で見られることもなく、というよりは単なる隣人として放っておかれた。それは僕にとっては居心地が良かった。溶け込みやすい社会だと思った。 そんな体から帰国してみると、日本もまたずいぶんと外国人の多い社会になっていた。コンビニでも居酒屋でも、どこに行っても外国人が働いている。はたして彼らはなぜこの国に来て、何を考え、どう暮らしているんだろう・・・そう思ったことが取材のきっかけだった。 調べていくと日本でもいつしか、たくさんの外国人によってコミュニティが形成されていることがわかった。 高田馬場に行けばミャンマー人たちが多く、インドのIT技術者は西葛西にたくさん暮らす。神奈川県の大和周辺には、ベトナムやカンボジア、ラオスの人々が寄り集まっている。西川口は新しいチャイナタウンとして注目されている。 どうして彼らはその場所に集住するようになったのか。 コミュニティのできた背景に興味を持って現地を訪ねてみれば、おいしい料理を食べられ、活気ある食材店が並び、あの懐かしいアジアのやわらかな空気に再び包まれた。日本の中に「異国」を感じることができたのだ。 そして、出迎えてくれた外国人たちが話してくれる物語に引き込まれた。日本を目指した理由、その街に流れ着いたいきさつ、いまの暮らしとこれから・・・。 彼らのたどってきた旅程や、日本での生活の実感というか息遣い、そんなものを伝えたいと思って取材を進めてきた。何を食べ、どんなときに笑い、日本の何を疑問に思いあるいは共感し、職場や学校でどう過ごしているのか。 昨今多くのひとの関心事となり刊行が続いている、いわゆる「移民本」には、さまざまなデータや専門家の分析、論評が連なる。それらも重要だがそこからは見えてこないもの・・・日本に暮らす外国人のひとりひとりの人格、人生を知りたいと、僕のタイでの「外国人体験」と何か共通するものはあるのだろうかと、さまざまな街を訪ね歩いた。 「日本に住んでいるのだから、特定のコミュニティに引きこもるな」という意見もあるかと思う。 でも、海外移住というのはたいてい、そうならざるを得ないものなのである。現地にある母国のコミュニティを、まず頼りにする。 タイでも7万人の日本人が住んでイテ、バンコクでいえばプロンポンやトンローといった地域に集住し、コミュニティをつくっている。そのあたりには和食レストランや居酒屋、日系スーパーや日本人の子供向け学習塾、そして日本語の通じる病院があり、日本人学校へと行き来するスクールバスが走る。そんな場所に並ぶ日本語のフリーペーパーや新聞や書籍のひとつを、僕は制作して暮らしていた。 こうした「日本人村」を母港のようにして、現地タイ人社会とゆるやかにつながっていく。そういう日本人が多かった。 これは日本人だけの傾向ではない。たとえばインド人も韓国人も、ロシア人やドイツ人も、自分たちのコミュニティをタイにつくっていた。誰しも、どんな国の人でも、母国のネットワークや生活インフラがあるからこそ、海外暮らしにチャレンジできるのだ。 そんな「異国」が、気づいていないだけで日本にもたくさんある。そしていま、これらのコミュニティを核にして、外国人が急速に増える時代を迎えている。大きくなりつつある外国人社会が、僕たちの生活空間に触れはじめてきたのだ。 やっと目に見えるようになってきた「日本の中にある異国」に、日本人は戸惑っている。生活習慣や文化の違いを前にして、困っている日本人もいるだろう。でも、外国人の手を借りなければ、社会はもう回らなくなっている。で、あるなら、彼らがどんな人々であるのか知ったほうがストレスは少なくなるに違いない。そして外国人もまた、日本についてより知ってほしい。日本の慣習も尊重してほしいと思うのだ。
2022.01.25
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図書館で『異国トーキョー漂流記』という文庫本を、手にしたのです。高野さんは自分を評して「間違う力」があると言っています。どういう方に間違うのか・・・興味深いではないか。【異国トーキョー漂流記】高野秀行著、集英社、2005年刊<商品レビュー>より外国に住んでる人は、ちょっと変わり者が多い。他の国と言語を共有しない日本に住んでる外国人は、さらにバラツキの多い「変さ」があるように思う。高野氏の文章は実感をそのまま記していく筆致で、「本の雑誌」らしい。それはネット時代には見つけづらくなった堅実なものだ。<読む前の大使寸評>高野さんは自分を評して「間違う力」があると言っています。どういう方に間違うのか・・・興味深いではないか。rakuten異国トーキョー漂流記第3章で“ひとりよがり”あるいは“アホ”について、見てみましょう。p94~<スペイン人は「恋愛の自然消滅」を救えるか!?> 私は本格的にあさはかでした。このままではいけない。なんとかしなければ。 そして、思いついたのはアマゾン旅行に彼女を連れて行くという前代未聞の荒業だった。ふつうのOLに会社を辞めさせ、秘境の代名詞であるアマゾンに誘うとは、荒業どころではないかもしれないが、「恋愛の自然消滅」が時間の問題となっている今、そんなことを言ってられない。多少人権や民主主義は犠牲にしてもドラスティックな手を打たねばならん、全ては国家、いや恋愛のためだ・・・と、政権末期の独裁大統領じみた考えにとりつかれた。 政権末期の独裁大統領は得てして逆上しているもので、逆上すると人はみな自分の慣れ親しんだ方角に物事を強引にひっぱり、そしてそれがうまくいくものと都合よく解釈する。 私もそうだ。 3ヵ月か4ヵ月、一緒に辺境を旅すれば、万事オーケーだと思った。日本の常識など絶対に通用しないはずだから、私が口を酸っぱくして言ってきたことを身をもって理解してくれるだろう。困難を乗り越える過程で、二人の絆も深まるにちがいない・・・。 ああ、なんという“ひとりよがり”! 冷静に思考すれば、スペインのアルハンブラ宮殿でもコスタ・デル・ソルでもよかったはずだ。というより、そっちのほうが百倍も現実的だったろう。しかし、私の頭の中は「スペイン語=アマゾン」であり、スペイン語を習ってスペインへ行くなんて発想は微塵も浮かばなかった。「一緒にアマゾンへ行こう」という私の呼びかけに、ナナは呆れ果てたかというと、そんなことはなく、真剣な顔で「ちょっと考えさせて」と答えた。私があまりにも確信を持って、「アマゾンへ行けば人生が変わるよ!」と言うので、圧倒されたのだろう。 彼女は悩み続けた。今から思えば「いったい何を悩んだのか?」と言いたくなるくらい悩んでいた。何が悲しくて、会社を辞めて、うんざりするほどひとりよがりな男とアマゾンくんだりまで行かねばならないのか。とっくに結論は出ているだろう、と今の私は彼女に声をかけたくなる。 いつまでも返事をしないまま、時間がたった。そろそろ飛行機のチケットを買わなければならないという段階になった。土曜日、いつものように駅からパロマの家へ歩きながらそう詰め寄ると、彼女は「来週の授業までにはっきり返事をする」と言った。 だが、その口調に明るさはない。まだ迷っているのだ。可能性は五分五分と見た。「どうしよう・・・」と私も悩んだ。 放っておいたら、サイの目はどう転ぶかわからない。でも、私がこれ以上押しても無理強いに映りそうで怖い。「よし、最後の切り札を出そう!」私は決意した。 最後の切り札とはパロマである。彼女には、私がアマゾンに行くつもりだとは言っていたが、ナナを下手に刺激しないために、二人で行くことについてはあえて伏せていた。長くなるので、紹介はここまでとします。「間違う力」がある高野さんの女性遍歴であるが・・・“ひとりよがり”の自覚はあったが、“アホ”にまでは考え及ばなかったようです。『異国トーキョー漂流記』2:変なフランス人(続き)『異国トーキョー漂流記』1:変なフランス人
2022.01.24
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今回借りた4冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第」でしょうか♪<市立図書館>・『デジタル・ファシズム』・『淋しい狩人』・『パリの日々』・『日本の異国』<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>堤さんは、新設された「デジタル庁」を利権の館と喝破しているが・・・現在の政府と官僚が主導するなら、さもありなんと思うわけです。<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【淋しい狩人】宮部みゆき著、新潮社、2014年刊<「BOOK」データベース>より東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。店主のイワさんと孫の稔で切り盛りするごくありふれた古書店だ。しかし、この本屋を舞台に様々な事件が繰り広げられる。平凡なOLが電車の網棚から手にした本に挟まれていた名刺。父親の遺品の中から出てきた数百冊の同じ本。本をきっかけに起こる謎をイワさんと稔が解いていく。ブッキッシュな連作短編集。<読む前の大使寸評>冒頭の1篇「六月は名ばかりの月」を読みかけると・・・古本屋を営むイワさんが出てきて面白そうである♪rakuten淋しい狩人【パリの日々】丸山直子×丸山垂穂著、三修社、2020年刊<商品説明>より1978年、パリの丸山圭三郎一家。かの大著『ソシュールの思想』を世に問う前夜、丸山圭三郎は家族を伴いパリに一年間暮らした。パリで一服の解放感を味わう夫と、現地でことばを覚え、とまどいながらもフランスにとけこんでゆく娘。その生き生きとした姿を、当時のパリの空気とともに、妻であり母親の視点から描く。-そして娘は字幕翻訳者への道を選ぶ。当時公刊されたエッセイに加え、新たに書き下ろした四十年後の思い、親子三人の往復書簡(初公開)を収録。<読む前の大使寸評>表紙に書かれた副題「言語哲学者の休暇、あるいは字幕翻訳者のプロローグ」にキャッチされたわけです。rakutenパリの日々【日本の異国】室橋裕和著、晶文社、2019年刊<「BOOK」データベース>より2017年末で250万人を超えたという海外からの日本移住者。留学生や観光客などの中期滞在者を含めれば、その数は何倍にもなる。今や、都心を中心に街を歩けば視界に必ず外国人の姿が入るようになったが、彼らの暮らしの実態はどのようなものかはあまり知られていない。私たちの知らない「在日外国人」の日々に迫る。<読む前の大使寸評>昨今の日本のコンビニでは、レジで外国人が客に対応しているが・・・当たり前になったこの「異国」が興味深いではないか。rakuten日本の異国************************************************************図書館大好き530
2022.01.24
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在57位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在49・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在3位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在144位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在143位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在9位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在13位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在19位・ 堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、副本6、予約61)現在53位・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在341位・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、副本1、予約18)現在19位・ドードーをめぐる堂々めぐり(1/09予約、副本4、予約6)現在5位・今村翔吾『塞王の楯』(1/21予約、副本11、予約522)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・「諸星大二郎の世界」・半藤一利『太平洋戦争への道 1931-1941』・『スマホ脳』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/13以降> ・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)・『生物の驚異的な形』(12/11予約、12/19受取)・みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』(1/04予約、1/10受取)・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、1/19受取)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【暁の宇品】堀川恵子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争、上海事変、ガダルカナル、そして8・6-。日本の「海の戦争」を支えた輸送基地=宇品港の三人の司令官と、軍都・広島が背負った「宿命」。日本軍事史上の最重要問題に光を当てる傑作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/14予約、副本6、予約61)>rakuten暁の宇品【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【鴨川ランナー】グレゴリー・ケズナジャット著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日本と世界の狭間で生まれた中篇二作。外国から京都に来た青年の日常や、周囲の扱い方に対する違和感、その中で生きる不安や葛藤等を、「きみ」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。京都文学賞受賞作(「鴨川ランナー」)。福井の英会話教室を突如やめる羽目になった主人公は、ある日同僚の紹介で結婚式の牧師役のバイトを紹介されるが…(「異言」)。第二回京都文学賞満票で受賞。日本語を母語としない著者が紡ぐ、新しい感性による越境文学。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/23予約、副本1、予約18)>rakuten鴨川ランナー【ドードーをめぐる堂々めぐり】川端裕人著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>より江戸時代初期のこと。『不思議の国のアリス』や「ドラえもん」にも登場する絶滅鳥ドードーが、日本に来ていたらしい!四〇〇年の時を超え、その後の行方を追って、四国へ長崎へ、チェコ、イギリス、オランダへ…ついにはモーリシャス島に這いつくばり生命のワンダーに分け入る!日本史と西洋史、博物学と生物学の間を行き来する旅に、ご一緒しましょう。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>rakutenドードーをめぐる堂々めぐり【塞王の楯】今村翔吾著、集英社、2021年刊<出版社>より近江の国・大津城を舞台に、石垣職人“穴太衆”と鉄砲職人“国友衆”の宿命の対決を描く究極のエンターテインメント戦国小説。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/21予約、副本11、予約522)>shueisha塞王の楯【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.01.23
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図書館で『オール読物(2021年8月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に「永遠の向田邦子」というコピーが出ていたので、キャッチされたわけでおます♪【オール読物(2021年8月号)】雑誌、文藝春秋、2021年刊<商品説明>より没後四十年の時を超えて、永遠の向田邦子/高見澤俊彦連載小説第三回<読む前の大使寸評>表紙に「永遠の向田邦子」というコピーが出ていたので、キャッチされたわけでおます♪rakutenオール読物(2021年8月号)向田邦子さんの妹・和子さんへのインタビューの続きを、見てみましょう。(インタビュアー:伊吹有喜)p124~125<五十歳のスタートライン>■お店の中をウロウロと向田:脚本から小説へ転向する時、姉がずいぶん悩んだだろうというのはその通りだと思います。最初の短篇連作、『思い出トランプ』の担当者は、新潮社の横山(正治)さんという方だったんですが、原稿用紙二枚くらいを書いて、それをまずお渡ししていたんです。お店(ままや)の開店前にそこで待ち合わせをして、その場で原稿を読んでチェックしてもらうんだけど、姉はすごくドキドキするらしく、お店の中をウロウロ歩き回っていました。やはり姉は脚本と小説が違う部分で、納得がいっていなかったんですね。(中略)「ままや」で働く和子さんとカウンターの邦子さん伊吹:出会いって大事ですよね。向田:当時の「小説新潮」の編集長は、姉と実践女子専門学校で同級生だった、川野(〇子)さんでした。川野さんは姉に対してあれこれ細かく言うことはしなかったけれど、本当のところではズバッと言ってくださる方でした。姉がせっかちなことや、褒めたら木に上るようなタイプだということも見越して、横山さんを担当編集につけてくれた気がします。伊吹:向田さんの小説を読んでいると、時々、ドキドキするような表現が出てきます。たとえば長編小説『あ・うん』(文春文庫)の中に、新品の靴を「若いけものの匂いがした」と描写する。その一文にすごく情緒があって、その感覚と言葉の選択に独自のものを感じます。おそらく編集の方は、そうした感性にも魅せられたのだと思います。向田:本を読むのは好きでたくさん読んでいたかもしれませんが、それまではエッセイと脚本しか書いていなかったわけで、いざ自分が小説を書く時は色々と勝手が違ったはずですよね。 エッセイも書きたい題材が書きはじめた頃とは違ってきて、突然、質問が飛んできたりしました。「この頃、気になった女優さんはいる?」とか「戦争で一番記憶に残っていることは何?」とか、普通に家で料理を作っているような、なんでもない時に聞かれるんです。パッと答えないと期限が悪くなるので、「エッ、戦争? おばあさんの背中」と答えたのが、『父の詫び状』(文春文庫)に収録されている「ごはん」に出てくるエピソードで、3月10日夜、東京大空襲での出来事です。伊吹:東京大空襲のことは、自分が『彼方の友へ』(実業之日本社文庫)を書く時に、生存者の方の記録やアメリカ側の記録も含めて、ずいぶん色んな資料を読みました。昼間のように明るくなっている夜空を、想像もつかない数の飛行機が埋め尽くしたというのは、尋常ではない状況ですよね。向田:本当に手が届くほどの低空で飛行機が飛んでいるのに、ここでは焼夷弾を落とさないだろうと平気で見ていたり、今考えてみたら、完全に感覚が麻痺していました。異常事態に犬の鳴き声も狼のような獣の声で、赤ん坊の泣き方も生半可ではなかった。そういうまともじゃないことが起きるのが戦争です。 私はあの夜、もしかすると死んでいたんですよ。兄(保雄さん)と一緒に、水に浸した夏掛けの布団を、火除けのため頭に被って逃げたんですが、予め行く場所は油面小学校のプールの方だと決まっていました。ところが途中で反対方向へ逃げて行く人が多いことに兄が気づいて、逆方向を目指したから命拾いしたんです。空襲警報が解除されて帰る時に、ずいぶん遠くの知らない場所まで来てしまって、お腹も空きました。 そこで兄が「カンパン食べよう」と言ってくれて、私が「でも食べたら叱られる」と答えたら、「僕が責任持つから」って。長い間、カンパンのことしか覚えてなかったんですが、兄が亡くなってから、あの夜、私は兄に助けられたんだ、と改めて気づきました。伊吹:でもそうやって思い出されたということは、忘れていたわけではなく、記憶の奥底に大事なこととして、しまわれていたのではないでしょうか。『オール読物(2021年8月号)』1
2022.01.23
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<『「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)』>図書館で『「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)』という雑誌を、手にしたのです。パラパラとめくってみると・・・キャバレー王が選び集めた絵がええでぇ♪【「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<出版社>より【特集】キャバレー王は戦後最高のコレクター「福富太郎」伝説福富太郎コレクション10選妖しくも哀しい日本画篇多士済々の洋画篇PART1 キャバレー太郎一代記PART2 見た、買った、調べた!福富流コレクター道<読む前の大使寸評>パラパラとめくってみると・・・キャバレー王が選び集めた絵がええでぇ♪shinchosha「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)河鍋暁斎の孫が暁斎の絵を語っているので、見てみましょう。p48~50<暁斎が結ぶ、同い年の縁:河鍋楠美> 私は福富さんと同い年なんです。 あの方は昭和6年(1931)の確か10月生まれで、私が4月1日ですから、私の方が少し先輩ね。私の曽祖父の河鍋暁斎(1831~89)の絵を福富さんが早くから募めていたご縁で、奥さんも交えて長くお付き合いさせていただきました。その中で印象に残っている出来事を、いくつかお話ししましょう。 そもそも暁斎は、戦前には誰もが知る画家だったのに、戦後はすっかり忘れられてしまっていたの。たまに知っている人がいても、くだらない戯画ばかり描く画家でしょうと。私は大学を出て眼科を開業したんですが、そんな不当な扱いを正したくて、自分の家に伝わっている膨大な下絵を整理したり、ヨーロッパの美術館に収蔵されている暁斎画の写真を撮ってきたり、暁斎の顕彰運動を始めたんです。 その延長線上で、昭和52年(1977)、埼玉県蕨市に新築した自宅の一部を展示室にして、河鍋暁斎記念館をオープン。61年(1986)には財団法人として認可され、私が館長をつとめる現在の河鍋暁斎記念美術館になりました。 福富さんが暁斎を初めて買われたのは昭和38年(1963)のことですから、うちの記念館もまだない頃だった。福富さんがたまたま手に入れた暁斎の絵を、中国文学者の奥野信太郎先生がご覧になり、「これから暁斎を募めたらどうだい。いまは値段もそう高くないから、のちのち金儲けにもなる」と薦められたんですって。募め始めた動機は、わりと不純なのよね(笑)。だけど、そのうちに暁斎の虜になってしまい、44年には『』[下]という本まで出された。ですから福富さんという方が暁斎を募めているのは知ってたんですが、直接お目にかかったのは記念館が出来てからでしたね。 私も会いたかったし、福富さんも会いたいと言って、夜の食事会に読んでいただいたの。(中略) それはともかく、福富さんとしては、食事の後、自分のキャバレーに連れて行こうという魂胆だったのよ。その時はたまたま私に先約があって、残念ですけどって失礼したんですが。あの方は大学の先生なんかをそうやってキャバレーでもてなし、いろんな情報を得ていたのね。そんなふうに根っからの勉強家で、うちに来館される時も、運転手付きの黒塗りの自動車の後ろにたくさん本を積んで、読みながらいらしたし。 コレクションを預けていたトランクルームに私を呼び、暁斎の絵にABCのランク付けをしてくれと言われたこともあったわね。数が多いので朝から晩までかかり、終わったらキャバレーに連れてってくれた。「C」の絵はすぐ売っちゃったらしいけど(笑)。そうして私の方も北専従のハリウッドの5階にあった福富さんの事務所を訪ねるようになったの。奥さんもご一緒されて、西行の話はもちろん、たわいない話もよくしたわね。 昭和62年(1987)にリッカー美術館で「河鍋暁斎版画版本展」をした時には、福富さんが春画を展示しようとしてるって、美術館から電話があってね、私が開幕前に行って外しちゃった。あの人はアイデアマンで集客のプロでしたからね、少しでも多くの人に暁斎を知ってもらおうと思ったんでしょうけど、まだ暁斎が軽く見られていたあの頃にsyんがなんて並べたら、どんな悪口をいわれたことか。 それが四半世紀後の大英博物館の春画展では、暁斎のユーモラスの春画が大人気になるんですから。福富さんはちょっと早すぎたわね。暁斎の絵を鑑賞してみましょう。百鬼夜行図屏風地獄太夫と一休『新形三十六怪撰 地獄太夫悟道の図』『「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)』1
2022.01.23
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<『「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)』>図書館で『「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)』という雑誌を、手にしたのです。パラパラとめくってみると・・・キャバレー王が選び集めた絵がええでぇ♪【「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<出版社>より【特集】キャバレー王は戦後最高のコレクター「福富太郎」伝説福富太郎コレクション10選妖しくも哀しい日本画篇多士済々の洋画篇PART1 キャバレー太郎一代記PART2 見た、買った、調べた!福富流コレクター道<読む前の大使寸評>パラパラとめくってみると・・・キャバレー王が選び集めた絵がええでぇ♪shinchosha「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)山あり谷あり華もあり86年の痛快人生を「キャバレー太郎一代記」に見てみましょう。p14~18<その1 夢は少年飛行兵> 昭和6年10月6日、東京府荏原郡(現・品川区)大井町に生まれる。本名・中村勇志智。家に会った絵を見た記憶は3歳にさかのぼるというから、まさに三つ子の魂百まで。 小学校入学前後に新橋駅のホームから、東京のキャバレーの元祖というべきカフェー「新橋処女林」の軍艦型の建物を目撃し、「大人になったらあそこに遊びに行くんだ!」と心に誓った。 小学校に上がり、「将来は小説家になりたい」と言って先生に殴られるが、太平洋戦争開戦を迎えた4年生の時、夢は少年飛行兵に変わっていた。 18年(1943)の東京府立園芸学校入学後は朝5時登校でイモ作り。 20年5月24日、家が空襲で焼け、家人は親戚の家に移るが、自分ひとり自宅裏に防空壕を掘って住む。穴蔵暮らしは8月15日の敗戦後も1年続き、手作りイモ飴を売った金で農家からイモを買い出し、ヤミ家をしてしのぐ。<その2 水商売の第一歩> 22年の秋に学校中退、新橋のパン屋の職人見習募集に応じるが締め切った後だった。がっかりして銀座通りを歩くうち、「ボーイ募集」の貼り紙を見つけ、ティールーム「ニューギンザ」に即応募・即採用。月給350円、ボーイとは名ばかりの雑用係ではあったが、水商売の第一歩。 翌年には店の隣の中華料理店に仕事ぶりを見込まれて引き抜かれ、月給2500円と大幅増になるも、銀座のダンスホール「メリーゴールド」に転職。ボーイとしての採用だったが、割りのいいバーテンダーがうらやましく、経験ありと偽って異動志願。カクテルの作り方は、先輩の本を必死に筆写しておぼえた。それなのに店は池袋に移転、当時としては「都落ち」だったので、やってられるかと思って辞める。 再びヤミ屋に手を染めて何度もパクられ、18歳になる今が潮時かと考えていた24年秋、キャバレー「新宿処女林」の開店時よりボーイとして住み込みで働き始める。 本名・勇志智はゴーイとしては立派過ぎるので、勇吉と名乗る。喜劇俳優グルーチョ・マルクスにならってヒゲを描いた「ヒゲのボーイ」の出世のきっかけは、臭い出来事。台風でトイレの汚水がフロアまであふれるが、園芸学校で糞尿には慣れており、汚物掃除に孤軍奮闘。それが社長に認められ、月給3000円が5000円に! 2年後の1月、回転以来1日も休まず働いた19歳は、一躍支配人に抜擢される。出世魚のごとく近衛千代麿と名前を変え、臨時ボーナスで鏑木清方の絵も買えた。絵画コレクション、ここに始まる。(中略) 昭和27年3月からは、渋谷の“泣く子も黙る宇田川町”といわれた治安の悪い地域のバーやキャバレーで3年間働き、文字通り身も細る思い。30年に品川のキャバレーのマネージャーとなり、ようやく黒歴史から脱出。(中略)<その3 「ハリウッド」旋風おこる> 26歳にしていよいよ独立。 32年11月6日、神田に「巴里の酒場」オープン。「21人の大部屋女優の店」と称し。架空のママの名で案内状を出す。大部屋女優なら副業で働いているかもと客に期待させる抜群のアイデア。 翌33年には新橋に昔懐かしいカフェーを開店。その名も「新橋処女林」。幼い頃に見た、あの店と同じ名前です。この年、近衛千代麿から福富太郎への改名挨拶状を出す。改名の理由は「金を儲けたい!」から。 そして昭和35年3月、ついに「新橋ハリウッド」オープン。3階建ての民謡酒場を改造、1、2階を吹き抜けにし、3階はホステスの住み込み用とした。以後、渋谷、横浜、池袋、銀座と、毎年1店舗ずつ「ハリウッド」開店というラッシュ攻勢。(一代記はその5まで続いているが、長くなるので割愛します)キャバレー王が集めた鏑木清方『妖魚』を鑑賞してみましょう。鏑木清方『妖魚』
2022.01.22
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<クリント・イーストウッド監督作品集R1> 昨日、大学図書館で「アウトロー」を観たのだが、大使好みの映画でした。「グラントリノ」にも似たテイストの映画というか、「グラントリノ」の原点のような映画なんでしょう。とにかく歳を経ても基本がぶれないのがいいではないですか。監督としても秀逸なクリント・イーストウッド・・・・長生きしてくれよな~。これまでに観たクリント・イーストウッド監督作品を集めてみます。私がベスト3を選ぶなら、1:グラン・トリノ、2:硫黄島からの手紙、3:アウトローあたりになります。【R1:クライ・マッチョを追加】***********************************************************・クライ・マッチョ(2021年)・アメリカン・ スナイパー(2014年)・ジャージー・ボーイズ(2014年)・人生の特等席(2012年)・ヒヤアフター(2010年)・小林信彦の「ヒアアフター」評・グラン・トリノ (2008年)・父親たちの星条旗 (2006年) ・硫黄島からの手紙 (2006年) ・ミリオンダラー・ベイビー (2004年)・ミスティック・リバー (2003年) ・スペース・カウボーイ (2000年) ・パーフェクト・ワールド(1993年)・アウトロー(1976年)・イーストウッド監督のことば1,2・監督プロフィール・クリント・イーストウッド監督作品・このあと観たい作品wikipediaクリント・イーストウッド【クライ・マッチョ】クリント・イーストウッド主演・製作、2021年、米制作、2022.01.17鑑賞<Movie Walker映画解説>よりかつてのロデオスター、マイクは落馬事故以来、苦難続きの孤独な日々を送っていた。ある日、マイクは恩義のある元雇い主から、元妻が引き取った息子のラフォをメキシコから連れ戻すという誘拐まがいの依頼を引き受ける。母に愛想を尽かし、闘鶏用のニワトリと路上で暮らしていたラフォはマイクと共に米国境への旅へ出発。メキシコ警察や母の放った追手などの試練が迫るなか、2人は人生の岐路に立たされる。<大使寸評>メキシコとの国境に沿った沙漠のシーンといい、馬やニワトリ(マッチョ)などの動物シーンには大使のツボが疼くのです。それから猛々しいラフォの母親とのかけ引きとか、メキシコ警察陣や盗んだ車のオンボロ具合など・・・見どころも多いのがええでぇ♪公式ホームページMovie Walkerクライ・マッチョ【アメリカン・ スナイパー】2015/01/26映画「アメリカン・ スナイパー」のヒットと反イスラム感情より 週末の北米映画興行収入ランキングは、ブラッドリー・クーパー主演の戦争ドラマ「アメリカン・ スナイパー」が6440万ドル(約75億7000万円)と、2週連続で首位を飾った。北米での累計興行収入は2億ドルを超え、クリント・イーストウッド監督作品の興行収入記録を塗り替えた。 イラク戦争で活躍した米海軍特殊部隊(ネイビー・シールズ)の狙撃手クリス・カイルの半生を描いたワーナー・ブラザースの「アメリカン・スナイパー」は、作品賞を含むアカデミー賞6部門にノミネートされている。 監督のクリント・イーストウッド(84)は、イラク戦争には反対の立場だが、この映画には政治的な意味はないと発言しているといわれる。しかしこの映画は、最近の中東、イスラム情勢の緊張を反映して、米国内では、反イスラム、そして、イラクなどの中東諸国の多数を占めるアラブ人への反感をあおるきっかけになりつつあると報道された。 イランの国営メディア、プレスTVによると、映画「アメリカン・スナイパー」の一般公開が始まったことで、アメリカではイスラム教徒に対する嫌がらせが急増し、反イスラム感情が高まっており、アメリカ・アラブ反差別委員会の報告によると、この映画が一般公開されてから、この委員会やイスラム教徒に対する脅迫が3倍に増えたという。 この委員会はまた、「これらの脅迫の捜査のため、FBI・アメリカ連邦捜査局と協力する」と述べた。さらに、この映画の監督を務めたクリント・イーストウッド氏と、主役を演じたブラッドリー・クーパー氏に書簡を送り、立場や見解を表明し、イスラム教徒に対するこの映画の悪影響や過敏な反応を緩和するよう求めている。 日本での公開は2015年2月の予定。 【ジャージー・ボーイズ】大使は原則として、アップル製品は買わないこと、ハリウッド映画は見ないことにしているのだが・・・リドリー・スコットとイーストウッドの作品だけは別扱いで、これらはわりとフォローしているのです。で、イーストウッドの最新作の『ジャージー・ボーイズ』が気になるのです。(9/27より全国公開中とのこと)以上、個人的な予告編を書いていたが・・・気持ちがはやるわけで、結局、今日観てきたわけです。【ジャージー・ボーイズ】クリント・イーストウッド監督、2014年、米制作、2014年10月1日鑑賞<Movie Walker映画解説>より60年代に数々のヒットを生んだ4人組グループ、ザ・フォー・シーズンズの栄光と挫折を描きトニー賞に輝く大ヒットミュージカルを、クリント・イーストウッド監督が映画化した人間ドラマ。ニュージャージー州の貧しい地区で育った青年たちが体験する出来事の数々を、大ヒットナンバーに乗せて描き出す。<観る前の大使寸評>ハリウッド映画をボイコット中の大使であるが、クリント・イーストウッド監督の作品とあれば、観るしかないか♪それに、60年代オールディーズが聴けるのも・・・ええでぇ♪<鑑賞後の大使寸評>大使が知っていたメロディーはシェリーともう1曲だけでした。でも劇中に流れる60年代ポップスがええでぇ♪田舎町でクラブバンド兼アルバイトでしのぐしがないグループでも夢は大きいのです。なにより、歌に妥協をゆるさない本物志向がいいですね。御歳84歳ならば、普通はもうちょっと枯れた映画になると思うのだが・・・イーストウッド監督のどこに、こんな荒々しい若者感覚があるのか不思議に思うほどです。(合計5人の女性との間に7人の子供がいるとされるようで、女好きなところが活力の素なのかも・・・うらやましい限りです)イーストウッド監督自身、クラブでピアノを演奏した経験もあるとのことで、この作品を造るうえで、音楽的センスは申し分ないようです。Movie Walkerジャージー・ボーイズ『ジャージー・ボーイズ』オフィシャルサイト【人生の特等席】4年ぶりの俳優復帰作が11月23日より全国公開されるそうです。(注)この映画は監督作品ではないけど、最新情報ということでエントリーしておきます。8/29イーストウッド、4年ぶりの俳優復帰作が日本公開決定!老スカウトの悲哀を描いた『人生の特等席』より [シネマトゥデイ映画ニュース] 実質的な俳優引退を宣言していたクリント・イーストウッドの復帰作『人生の特等席』が、11月23日より全国公開されることが明らかになった。現在82歳のイーストウッドの俳優出演は、2008年の映画『グラン・トリノ』以来4年ぶり、自身の監督作以外では1993 年の映画『ザ・シークレット・サービス』以来、実に19年ぶりとなる。 映画『グラン・トリノ』を監督・主演したイーストウッドは「もう積極的に役は探さない」とインタビューで語り、実質的な俳優引退を宣言。その言葉の通り、監督として『インビクタス/負けざる者たち』『ヒア アフター』『J・エドガー』を制作したイーストウッドだが、この4年間、俳優活動を行うことはなかった。 だが、本作では1995年の映画『マディソン郡の橋』以来、17年にわたってイーストウッドから映画作りを学んだ、まな弟子のロバート・ロレンツが監督を務めるということで、スクリーン復帰を快諾。これが最後になるかもしれない出演作で、映画に生涯をささげてきたイーストウッドが演じるのは、野球に生涯をささげてきた男だ。 主人公・ガスは、老化で視力が弱まってきている今、衰えをごまかしきれない大リーグの伝説的なスカウト。それでも引退するつもりのないガスに周囲の目は冷たいが、ひょんなことから娘のミッキーが、ガスの目となるため、スカウトに同行することに。決して仲が良いとはいえない父娘が何年かぶりに時を共にするうちに、お互いを見つめ直すという上質なヒューマンドラマとなっている。【ヒアアフター】クリント・イーストウッド監督、2010年制作、H24.5.9観賞<大使寸評>クリント・イーストウッド監督の最新作ということで観たのだが・・・・とにかく冒頭の津波の場面がリアルである。(津波の場面があったので、東日本大震災のあと公開中止になったとか?) 米英には、わりと霊能者テーマの作品が多いようだが、ご贔屓にしていたシャーリー・マクレーンが神掛かってしまい、いたく幻滅したように・・・・クリント・イーストウッド監督作品であっても、霊能者テーマにはもうひとつのりきれない大使である。goo映画ヒアアフター<小林信彦の「ヒアアフター」評>週刊文春に小林信彦がエッセイを連載しているが、映画評が面白いのです。特にアメリカ映画に対する膨大な薀蓄がすごいのだが、彼の好みに頷くこともあるが、そうでないことも多い。だいたいこの人は戦中派なんで、映画評のターゲットがやや古く、ついていけないのだ。小林信彦の「気になる日本語」というエッセイ本のなかで、2009年度洋画のベスト1として「グラン・トリノ」を挙げていた。おお イーストウッドが好きなのか、大使の好みと同じではないか♪このエッセイ本より、イーストウッド監督の「ヒアアフター」を紹介します。<暗い時代のイーストウッドの最新作>p244~248 あいかわらず机に向かっている。小説はもうすぐ完成する予定だが・・・。 しかし、これがわからない。電車のプラットフォームから落ちて・・・ということがないとはいえない。ラジオを聞いていると、東京ではおびただしい人身事故がおこっている。 人間ドックでは、この1年で、体重が1キロ増えたと注意された。なるべく歩くようにしなければならない。 気が弱くなる日は、もう充分生きた、という気がする。友人たちは病いの床にあるか、亡くなっている。特に2010年は、友人知己がバタバタと倒れた。 政治のニュースを聞くと、これはもう、どうしようもない。タクシーの運転手さでさえ、「小沢一郎さんはどうなりますか」と訊く。1年前にはなかったことだ。 「検察がデキる人間を働かさないようにしている」 私は答える。鈴木宗男も収監された。日本はに占拠され、今のところ、光はまったくない。 戦後の65年を見てきたぼくは、最悪の時代に突入したと思っている。 検察と政治家が悪いだけではない。ダマされる国民がもっとも悪い、とぼくは気づいていた。 すべてが、ユルんでいる。 例―NHKの「龍馬伝」の最終回を観た。龍馬の暗殺には諸説があるが、このドラマでは犯人設定がどうなっているか、興味があったからである。11月28日夜の放送を観た方は呆れたに違いない。1時間に200件もの苦情が局に寄せられたという。 龍馬が暗殺者の奇妙な気配に気づいた瞬間、福山雅治(龍馬)の顔のアップにこういう文字が重なる。―このテロップが26秒出た。 故トリュフォー監督が日本にきた時、テレビで映画を観ていて、そこに何かのテロップが出て、怒り狂ったという話を読んだことがある。 愛知県知事選のテロップを26秒も出すことはないのである。ドラマを作った人たちの側に立てば、このドラマの真のクライマックスはここにあるのだ。テロップは、少しあとで出せばいいのである。 ドラマなどどうでもいいというユルみ―これはNHKに限らず、民放各局にもあるが、11月28日夜のNHKはひどかった。しかも、ドラマのあとに詫び一つないのである。国民は改めて受信料を問題にするべきだ。 外出をしないので目方が増えるのだが、12月3日の夜にパーティがあるので、その前に、クリント・イーストウッド監督の「ヒアアフター(Hereafter)」の試写を見せていただいた。映画を観に出かけるのは7月以来である。 宣伝関係の人が「いつものイーストウッドとちがうので・・・」と困ったように言う。ぼくはストーリーを知らないが、漠然とした紹介文を読んでいたので、そうですか、と言って試写室に入った。 映画はスピルバーグ製作総指揮らしく、すさまじい津波で始まる。場所はタイということになっているが、ロケ地はハワイのマウイ島だ。津波が海岸近くの町まで押し寄せ、人々や自動車を呑みこんでしまう。恋人と休みにきていたパリのテレビ局のキャスターのマリー(セシル・ドウ・フランス)は水の中で奇妙な光景を見る。呼吸停止状態になった彼女は、やがて回復するが、そのを忘れられない。パリのスタジオに戻った彼女は仕事が困難になり、臨死体験を本にまとめようとする。 サンフランシスコ かつては霊能者として活躍していたジョージ(マット・デーモン)は、あの世の人々との対話に疲れ、工場で働いている。人生を変えようとして、夜はイタリア料理の教室に通い始め、そこでメラニーという女性と知り合うが、メラニーのお過去が見えてしまったため、二人は会えなくなっる。メラニーにともなうは、以後、説明がなく、彼女は消えてしまう。 ロンドン 双子の兄と母親と暮らす少年マーカスは、突然の事故で兄を亡くす。問題のある母親と引き離され、里親にあずけられたマーカスは、もう一度、兄に会いたいと思い、たちを訪ね歩くが、いずれもインチキである。インターネットをチェックするうちに、マーカスはジョージの古いウェブサイトにぶつかる。 本を書き上げたマリーは、ロンドンのブックフェアに参加し、自分の本を説明する。ジョージは思いきってロンドンに渡り、大好きなディケンズ(伏線あり)の博物館を訪ねる。 こうして、パリ、サンフランシスコ、ロンドンの三つの生がロンドンに集まり・・・という成り行きで、これからあとは書くのをやめよう。 霊能者が出てくるのはイーストウッドらしくない、というのはどうだろうか。「荒野のストレンジャー」や「ペイルライダー」の主人公は亡霊であり、「チェンジリング」のヒロインもまたではなかった。 5月に80歳になったイーストウッドが、、またはを考えるのは当然であり、そこに持ち込まれていたのがこの脚本と考えれば、映画の方向はきわめてわかり易いが、そうだろうか?をと訳すと、別な意味が生じるが、この題名はと考えていいのではないか。 きわめてイーストウッドらしいショットと感じたのは、少年マーカスが地下鉄のチャリングクロス駅のホームで落とした帽子をなかなかひろえず、電車に乗りそこなう。数秒後にトンネルの中で電車が爆発し、煙が吹き出してくる。 この成り行きにも意味があるのだが、よく考えるとおそろしい。監督第一作「」以来、ヒッチコックが興味を持つようなテーマとイースットウッドがすれちがってきたことを、ぼくたちは了解していたはずだ。このように小林信彦は「ヒアアフター」評価しているが、霊能者テーマにはもうひとつのりきれない大使である。【グラン・トリノ】クリント・イーストウッド監督・主演、2008年制作、2009年観賞<大使寸評>朝鮮戦争の英雄でもあるコワルスキーは子育てに失敗しているような有様で、つれあいを失ったあとは生活が崩壊しかかるが・・・・隣屋のモン族の一家の優しさに、徐々にその偏見が溶けていくのです♪一家の息子の意気地なさに業を煮やしたコワルスキーが、建設会社への就職前に男としての特訓を行うのだが・・・・・なに 建設会社のオーナーの気を惹く態度、ため口の特訓なのだが、笑ってしまいます。寅さんのため口をもっと柄を悪くしたようなもので、このへんのセンスは日本人の不得意とするもので・・・・・それは見てのお楽しみ♪その隣屋が、チャイナマフィアのようなごろつき連中から機関銃の掃射を受けるや・・・・・行き着けの散髪屋で髪をととのえ風呂にまで入り(つまり死に装束を調えて)、丸腰で出かけるが・・・・連中を死出の道連れにしてして一掃するところが、過激な老人の面目躍如というところです。連隊記念のライターを握り締めて、こときれるところなんか・・・泣けるぜ。goo映画グラン・トリノグラントリノbyドングリ【父親たちの星条旗】クリント・イーストウッド監督、2006年制作、2007年観賞<大使寸評>むかし「硫黄島の砂」という戦意高揚プロパガンダのような映画を観た記憶がかすかにあるのですが・・・・この「父親たちの星条旗」はプロパガンダそのものを描いた映画でもあり、ストレートな反戦ではないかも知れないが、戦意高揚とは相容れない映画なんですね。硫黄島の戦いは、国単位で争った地上戦としては最も過酷なものだったかもしれないが・・・この壮大な喪失を描く映画で、何か語るとしたらやはりイーストウッド監督のことばになるのでしょう。事実を風化することなく記憶することが、双方の死者に対する最善の弔意になるのかもしれませんね。goo映画父親たちの星条旗【硫黄島からの手紙】クリント・イーストウッド監督、2006年制作、2007年観賞<大使寸評>せりふは全て日本語であり、役者は全て日本人だし・・・見終わったあと、これはアメリカ人監督の作った映画だったんだとあらためて思った。確かな考証があり、日本人が見ても違和感のない“日本映画”であったと思うが・・・・まず感慨を覚えるのはこのような“日本映画”を作ったアメリカ人とは?監督とは、脚本家とはどんな人なのか?ということです。goo映画硫黄島からの手紙渡辺謙さんの【硫黄島からの手紙】プレミア舞台挨拶僕はこの映画は日本映画だと言い続けています。僕たちが忘れ去ろうとしていた日本の歴史を、クリント・イーストウッドというアメリカの監督が撮ってくれる、そのように思っていました。素晴らしい理解をクリントは示してくれました。本当に僕たちの先輩たちの無念を、そして彼らが受けた辛い思いをしっかりと受け止めて、この映画に残してくれました。この映画に参加できて心から誇りに思っています。皆さん、僕たちが少しでも感じた硫黄島の苦しみや哀しみ、そして少しだけの喜びを今日一緒に体験してください。そして、僕らが忘れ去ろうとしていた日本の歴史を思い直すきっかけにこの映画がなれば、本当に僕らは幸せです。ありがとうございました。【ミリオンダラー・ベイビー】クリント・イーストウッド監督・主演、2004年制作、H24.1.27観賞<解説>より「自分を守れ」が信条の老トレーナー、フランキーは、23年来の付き合いとなる雑用係のスクラップと、昔ながらのジム、ヒット・ピットでボクサーを育成している。有望株のウィリーは、教え子を大事に思う余りタイトル戦を先延ばしにするフランキーにしびれを切らし、別のマネージャーの下へと去ってゆく。そんな折、フランキーの前に現れた女性ボクサー、マギー。マギーはフランキーの指導を乞うが、昔気質のフランキーは女のボクサーを認めようとしない。<大使寸評>マッチョだけど弱い者の味方という(桃太郎のような)イーストウッドの基本を押さえた作品です。終わり方が静かすぎるのはやや拍子ぬけという感もあるが、これがいいのかも知れません。goo映画ミリオンダラー・ベイビーミリオンダラー・ベイビーbyドングリ【ミスティック・リバー 】クリント・イーストウッド監督、2003年制作、2004年観賞<解説>よりボストンの貧困地区。路上ではジミー、デイブ、ショーンの3人組がボール遊びに興じていた。ボールが排水溝に落ちたとき、不審な車が少年たちの傍に停まる。警官を名乗る2人連れは、3人の内からデイブだけを車に乗せ、静かに走り去った。数日後、デイブは暴行を受け、無残な姿で発見される。それから25年・・・<大使寸評>重い題材なので、私好みではないのです。goo映画ミスティック・リバー【スペース・カウボーイ】クリント・イーストウッド監督・出演、2000年制作、2001年観賞<解説>よりロシアの宇宙衛星が事故を起こし、これを修理できるのは、伝説のパイロット・チーム“ダイダロス”の一員だったフランクしかいないことが判明する。フランクはかつての仲間たちと宇宙へ飛び出すことを条件に、ミッションを引き受ける。40年前宇宙へ飛び出す機会を、こともあろうにチンパンジーにさらわれた4人のパイロットたち。その夢をついに実現させる勇気と誇りの物語。<大使寸評>この映画の記憶が薄れています。goo映画スペース・カウボーイ【パーフェクト・ワールド】クリント・イーストウッド監督・主演、1993年制作、1994年観賞<解説>より脱獄犯と人質の少年との交流、そして男を追う警察署長の苦悩を描いた犯罪ドラマ。「ボディガード(1992)」のケヴィン・コスナーが主演し、「ザ・シークレット・サービス」のクリント・イーストウッドが監督・出演と、二大スターの初顔合わせが話題を呼んだ。<大使寸評>ケヴィン・コスナーがいい味出てます。この二大スターには多民族の血が混じっているところが似ています。goo映画パーフェクト・ワールド【アウトロー】クリント・イーストウッド監督・主演、1976年制作、H24.6.13観賞<解説>より南北戦争も終わろうとしていた1860年代なかば。ミズリーの丘を越えてやってきたカンサス・レッドレッグ(北軍秘密軍事組織)の一隊が、罪もない農夫ジョージー・ウェールズ(クリント・イーストウッド)の妻と息子を殺し、リーダーのテリル大尉(ビル・マッキニー)の剣で重傷を負ったジョージーを残して立ち去った・・・・南北戦争時代。北軍に妻子を殺された男の復讐の旅を描く。製作はロバート・デイリー、監督は「アイガー・サンクション」のクリント・イーストウッド、脚本はフィリップ・カウフマンとソニア・チャーナス。<大使寸評>「グラントリノ」にも見られたイーストウッド監督・主演のプリンシプルが、ここにも見られました。。つまり、マイノリティに寄り添い、単身でも暴力集団に立ち向かう基本が1976年の作品にすでに貫かれています。インディアンとの交流は「ダンス・ウィズ・ウルブス」を、暴力集団との攻防は「7人の侍」を彷彿とします。とにかく、インディアンをまともに描いた西部劇という点では、「ダンス・ウィズ・ウルブス」と双璧ではないでしょうか♪(そんなにたくさん西部劇を観たわけではないが)goo映画アウトロー■イーストウッド監督のことば1私が観て育った戦争映画の多くは、どちらが正義で、どちらが悪だと描いていました。しかし、人生も戦争も、そういうものではないのです。私の2本の映画も勝ち負けを描いたものではありません。戦争が人間に与える影響、ほんとうならもっと生きられたであろう人々に与えた影響を描いています。どちらの側であっても、戦争で命を落とした人々は敬意を受けるに余りある存在です。■イーストウッド監督のことば2クリント・イーストウッドの手紙より確かに両サイドから描いていますが、アメリカ側からの視点は戦闘場面だけではありません。硫黄島はアメリカ海兵隊にとって最大の激戦地でした。でも私が描いているのはあの島で戦った兵士たちが帰還後、どのような人生を歩んだが、戦争のために彼らの人生がどのように変わったかを描くことが主眼です。硫黄島の経験がネガティブに働いた人もいるし、まあまあの人生を歩んだ人もいますが、特にクローズアップしたのは擂鉢山に星条旗を掲げて生還した3人です。彼らはとても有名になり祖国に戻って国債を集めるために政府に利用されたのです。国債を売って戦争費を集めるために利用されたのです。ですから彼らにとってこの戦争は個人的な影響が大きかったのです。心の葛藤さえも与え、戦いのインパクトがその人たちを変えていったということが、アメリカ側のエピソードが描くところです。 日本側は守備の立場でしたが、あの島に行った兵士たちはもちろん生き残って国に帰りたいと思ったでしょう。でも最初から帰ることはできないと覚悟して行った人たちです。私は彼らの気持ちや死を覚悟するとはどのようなことか共感できず、出来る限り日本兵の気持ちになろうと一生懸命自分で勉強し、共感できるように持っていきました。2005年4月に硫黄島へ行ったとき、島を歩いて本当感動しました。多くの母親があの戦争で息子を失ったのです。それは日本側もアメリカ側も同じです。ですからこの映画はどちらが勝った負けたの映画ではないのです。戦争というものが、特に若い人たちの人生を中断させ、あるいは人生を失わせて、どういう効果・結果を及ぼしたかを描くことが日本側のポイントです。 <監督プロフィール>1968年に映画制作会社マルパソプロダクションを設立。1971年に『恐怖のメロディ』で初監督。俳優業の傍ら『荒野のストレンジャー』『アウトロー』などの作品を立て続けに発表。監督業に進出した他の役者と違い、所謂「大作」や賞レースに関わる作品への出演はせず、自らのプロダクションで製作した小規模ともB級とも呼べる作品でのみ主演し、監督業と俳優業を両立しながら地位を確立した。1987年の第45回ゴールデングローブ賞において、生涯の功績を称揚するセシル・B・デミル賞を受賞。1992年、師であるセルジオ・レオーネとドン・シーゲルに捧げた“最後の西部劇”『許されざる者』を監督兼主演で制作。第65回アカデミー賞監督賞、作品賞を受賞、第50回ゴールデングローブ賞監督賞を受賞した。この頃から『マディソン郡の橋』『ミスティック・リバー』といった文芸性の高い作品も手がけている。<クリント・イーストウッド監督作品>1970年代:恐怖のメロディ (1971年) - 荒野のストレンジャー (1973年) - 愛のそよ風 (1973年) - アイガー・サンクション (1975年) - アウトロー (1976年) - ガントレット (1977年) 1980年代: ブロンコ・ビリー (1980年) - ファイヤーフォックス (1982年) - センチメンタル・アドベンチャー - (1982年) - ダーティハリー4 (1983年) - ペイルライダー (1985年) - ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場 (1986年) - バード (1988年) 1990年代:ホワイトハンター ブラックハート (1990年) - ルーキー (1992年) - 許されざる者 (1992年) - パーフェクト・ワールド (1993年) - マディソン郡の橋 (1995年) - 真夜中のサバナ (1997年) - 目撃 (1997年) - トゥルー・クライム (1999年) 2000年代:スペース・カウボーイ (2000年) - ブラッド・ワーク (2002年) - ミスティック・リバー (2003年) - ピアノ・ブルース (2003年) - ミリオンダラー・ベイビー (2004年) - 父親たちの星条旗 (2006年) - 硫黄島からの手紙 (2006年) - チェンジリング (2008年) - グラン・トリノ (2008年) - インビクタス/負けざる者たち (2009年) 2010年代:ヒア アフター (2010年) - J・エドガー (2011年) - スタア誕生 (2012年) <このあと観たい作品>・許されざる者・J・エドガー
2022.01.22
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<二十四節季の大寒に注目(復刻)> 早朝に散歩する太子であるが、南東の空に月と金星が見えるのです。 ちょうど三日月の内側に金星が位置しているが、これって中東諸国が好むマークではないか。また、このマークは春分と関係があるのではないか?『日本のならわしとしきたり』という蔵書に二十四節季の記事があることを思い出したのです。 今年の大寒は日本海側地域の降雪量が記録的であるが・・・この地域の降雪量は世界一であることが知られているようです。【日本のならわしとしきたり】ムック、 徳間書店、2012年刊<内容紹介>ありふれたムック本ということなのか、ネットにはデータがありません。<大使寸評>とにかく「今日は二十四節季でいえば、何になるか♪」を知りたいロボジーにとって、座右の書となるでしょう♪Amazon日本のならわしとしきたり節分の恵方巻この本で、大寒のあたりを見てみましょう。和暦p5<大寒>二十四節季が新たに始まる直前の節気 「大寒」は、現行の暦では1月21日ころ、第1日目を迎え、立春(2月4日ころ)に入る前日までとなっている。前節気「小寒」からは「寒」に入っており、寒明けと同時に「大寒節気」も終わる。寒が明けると、暦の上では「春」になる。 寒の入りは、前節気「小寒」から始まっているが、手が切れるほど冷たい「大寒の水」には、その清らかさのために霊力があると考えられていた。 朝の水は1年間腐らないとも言われ、容器などに汲み保管し、薬を飲むときや祝い事の料理に使う家庭も少なくないという。寒の水は、酒造や化粧水にも用いられている。 1年で最も寒さが厳しいとされる「大寒」を『暦便覧』では「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と説明している。 また、寒の厳しい最中の鍛錬は、心身共に向上するとして、武道では「寒稽古」が行われる。加えて、「寒施行」も寒中の独特の行為だ。 これは餌の乏しい寒中に、野の動物に与えることだが、これは「放生会(ほうじょうえ)」を行う仏教の影響のようだ。ちなみに「放生会」は、殺生を戒め生き物を野に放つ仏事で、秋の季語になっている。 大寒の期間の七十二候は、次の通り。 初候は「蕗冬華(ふきのはなさく)」蕗の薹が蕾を出し始める。 次候「水沢腹堅(さわみずこおりつめる)」沢に氷が厚く張りつめる。 末候は「鶏始乳(にわとりはじめてとやにつく)」鶏が卵を産み始める。 寒中の微妙な気候の変化が読み取れる。二十四節季の小寒に注目二十四節季の冬至に注目(復刻)
2022.01.21
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<『もっと知りたい ミュシャ』3>ミュシャといえば、ポスター作家として登場したようであるが・・・横尾忠則のポスターに惹かれるように、ポスターには大使のツボが疼くのでおます。【もっと知りたい ミュシャ】千足伸行著、東京美術、2019年刊<出版社>よりアール・ヌーヴォーの代名詞的存在として名を馳せたパリ時代の華やかで優美なグラフィック作品から、自身のルーツであるスラブ民族の文化に根ざした壮大な油彩画まで、ミュシャの真実の姿がわかる入門書。<読む前の大使寸評>ミュシャといえば、ポスター作家として登場したようであるが・・・横尾忠則のポスターに惹かれるように、ポスターには大使のツボが疼くのでおます。rakutenもっと知りたい ミュシャ「第3章 故郷に帰る」でプラハに帰ったミュシャを・・・見てみましょう。p72~73<パリからプラハへ> 80年近いミュシャの生涯を彼が住んだ場所別に見ると、最初のおよそ18年間を故郷で過ごした後、ウィーン→ミュンヘン(それぞれ約2年)→パリ(24年)→祖国(30年)となる。アメリカにも断続的に滞在しているが、これからしても、デビューの地パリは彼の第2の故郷であった。 にもかかわらず、1910年、50歳のミュシャが故郷に帰り、ここを拠点として活動することを決意した背景には何があったのか。祖国を離れても決して変わることのなかった祖国愛、スラブ民族主義はもちろんだが、アール・ヌーボーのスーパースターとして功成り、名を遂げたミュシャが祖国で、日本的な言い方をすれば“恩返し”をしたいと思い始めたこともあろう。 また、ややネガティブな見方をすれば、1900年のパリ万博がアール・ヌーボーの頂点を印すと同時に、その凋落の始まりでもあったことを肌で感じたミュシャがパリに見切りをつけ、祖国に活動の拠点を移そうとしたこともあろう。しかしミュシャを迎えるプラハの空気は必ずしも歓迎ムードではなかったようである。<祖国での無理解>「預言者はふるさとに容れられず」というが、チェコの人々にとってパリのアートシーンを席巻したミュシャがヒーローであり、誇りであったのは事実としても、また1918年に誕生した新生チェコスロヴァキアの政府関係の仕事を任されたのも事実としても、いわゆる進歩派の一部の芸術家や批評家にいわせると、ミュシャは(以下、息子のイージーによる)「チェコ美術にとって何も意味しない。父は祖国ではいうべきことをもたないフランス人であった。父は自分が理解されないことに深く傷つき、無理解の壁を破ろうとすればするほど、祖国で多くの敵を作った」。 1910年ともなると、プラハの美術界もキュビスム、フォーヴィズム、表現主義などのモダニズムのうねりに呑み込まれつつあった。モダニズム全盛期にミュシャがある意味で時代遅れに見えたのもわかるが、しかし彼が軽々しくこの種の前衛的な“イズム”に乗らず、スラヴの画家としての使命感と信念を貫き通したことは、我々にとってむしろ幸せなことであった。スラヴ叙事詩より『もっと知りたい ミュシャ』2:ベル・エポック『もっと知りたい ミュシャ』1:ミュシャの描いたポスター
2022.01.21
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<『もっと知りたい ミュシャ』2>ミュシャといえば、ポスター作家として登場したようであるが・・・横尾忠則のポスターに惹かれるように、ポスターには大使のツボが疼くのでおます。【もっと知りたい ミュシャ】千足伸行著、東京美術、2019年刊<出版社>よりアール・ヌーヴォーの代名詞的存在として名を馳せたパリ時代の華やかで優美なグラフィック作品から、自身のルーツであるスラブ民族の文化に根ざした壮大な油彩画まで、ミュシャの真実の姿がわかる入門書。<読む前の大使寸評>ミュシャといえば、ポスター作家として登場したようであるが・・・横尾忠則のポスターに惹かれるように、ポスターには大使のツボが疼くのでおます。rakutenもっと知りたい ミュシャ「第1章 誕生からパリ・デビューまで」でベル・エポックが語られているので・・・見てみましょう。p20~21<ベル・エポック>■世紀末の束の間の楽園「1780年頃の時代を体験していない人に、生きる喜びがどんなものか、わかるわけがない」。大革命前のフランスをいった政治家タレーランの言葉であるが、このころ、つまりロココから新古典主義時代にかけての“バラ色の人生”とは、一部の特権階級のそれにすぎなかった。 それからおよそ1世紀。ある歴史家によると、世紀末のパリで「暮らせること自体が、うっとりするほど素晴らしいことだった。金がなくとも、生活は苦しいにしても、パリにいるだけで生きる喜びを感じられたのである」。 いわゆるベル・エポックがいつ始まるかについては定説があるわけではないが、フランス革命100周年を記念して開催され、エッフェル塔がそのシンボルマークとなった1889年のパリ万博をベル・エポック元年とすることもできよう。この年はまた、ベル・エポックのシンボルマークのひとつで、ロートレックその他のポスターでも有名なムーラン・ルージュ(赤い風車)がオープンした年でもあった。■華やかな大衆文化を演出したポスター ムーラン・ルージュに象徴されるように、ベル・エポックとはモンマルトルの黄金時代でもあったが、この頃続々とオープンした「シャ・ノワール」(黒猫)、「ル・ネアン」(虚無)、「ディヴァン・ジャポネ」(日本風の長椅子)などのカフェ、キャバレー、あるいはこれらを宣伝するロートレック、スタンランなどのポスターは、ベル・エポックの華やかな大衆文化を演出している。 同時に、テニス、ゴルフ、アイススケート、サイクリングなどのスポーツが人気を集め、1896年のアテネで復活した近代オリンピックの第2回大会が1900年のパリ万博を記念して開かれるなど、スポーツの時代が幕を切って落とされた。 ブーローニュの森のなかの高級レストラン、プレ・カトラン、グルメの殿堂として日本でも有名なマキシムなどは、いうまでもなく一部の上流階級のためのものであったが、彼らの文化、彼らの文化、たとえばオートクチュールのファッションもまたベル・エポックの一翼を担った。 しかし1914年の世界大戦の勃発は、こうした夢の時代を悪夢の時代に一転させるのである。 『もっと知りたい ミュシャ』1:
2022.01.20
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<『もっと知りたい ミュシャ』1>ミュシャといえば、ポスター作家として登場したようであるが・・・横尾忠則のポスターに惹かれるように、ポスターには大使のツボが疼くのでおます。【もっと知りたい ミュシャ】雑誌、東京美術、2019年刊<出版社>よりアール・ヌーヴォーの代名詞的存在として名を馳せたパリ時代の華やかで優美なグラフィック作品から、自身のルーツであるスラブ民族の文化に根ざした壮大な油彩画まで、ミュシャの真実の姿がわかる入門書。<読む前の大使寸評>ミュシャといえば、ポスター作家として登場したようであるが・・・横尾忠則のポスターに惹かれるように、ポスターには大使のツボが疼くのでおます。rakutenもっと知りたい ミュシャ「第1章 誕生からパリ・デビューまで」でミュシャの描いたポスターを・・・見てみましょう。p36~39<37歳 モナコ・モンテカルロ>■コート・ダジュールの地上の楽園 19世紀後半の鉄道網の急速な発達に呼応して、今でいう観光旅行がブームとなったが、カンヌ、ニースからモンテカルノ(モナコの首都)に至る地中海沿岸のリビエラは“コート・ダジュール”(紺碧海岸)として特に人気が高かった。このポスターはこのドル箱路線を走らせる鉄道会社のためのもの。右下に会社名その他の文字情報が入っているが、最下段には「豪華列車で16時間の旅」とある。 地中海を背に、旅への憧れを象徴するような若い女性を囲む円形にアレンジされた花や、ゆるやかな曲線を描く4本の茎は記者の車輪とレールを暗示しているともいわれるが、これらのモチーフにはウイリアム・モリス、あるいは日本美術の影響も感じられる。<37歳 カカオ・シャール>■インスタント食品はミュシャの時代に始まった ベル・エポックがポスターの黄金時代となりえた背景には、機械、産業技術の高度化、多様化により一般向けの商品、製品が飛躍的に増大したという状況がある。当時、ポスターで宣伝の対象となったものには、石鹸、洗剤、化粧品、オイル・ランプ、薬品、ゴルフなどのスポーツ用品、演劇、サーカスといったイベントなど様々ある。 しかし中心となったのは一般家庭とゆかりの深い食品関係で、これもそのひとつ。若い母親に子供がココアをせがんでいるところだが、別の版には画面下にフランス語で「溶ける粉末」とある。インスタント・ココアである。ミュシャらしいのは商品自体より、ココアからゆらゆらと立ち上る、ミュシャ特有のロングヘアのような湯気を強調していることである。
2022.01.20
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図書館で『オール読物(2021年8月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に「永遠の向田邦子」というコピーが出ていたので、キャッチされたわけでおます♪【オール読物(2021年8月号)】雑誌、文藝春秋、2021年刊<商品説明>より没後四十年の時を超えて、永遠の向田邦子/高見澤俊彦連載小説第三回<読む前の大使寸評>表紙に「永遠の向田邦子」というコピーが出ていたので、キャッチされたわけでおます♪rakutenオール読物(2021年8月号)向田邦子さんの妹・和子さんへのインタビューを、見てみましょう。(インタビュアー:伊吹有喜)p120~<五十歳のスタートライン>■お礼状でもう一回椿餅が伊吹:今日はお目にかかることができ、とても光栄です。自宅から向田先生の脚本も何冊か持ってきました。向田:うちの姉は「先生」っていうタイプではないから「向田」にしてください。きっと居心地悪いって言いますよ。伊吹:それじゃあ「邦子さん」ってお呼びしちゃおうか・・・いや、それも恐れ多いので、「邦子先生」では?向田:いいんですよ、「邦子さん」でも「お姉さん」でも。伊吹:かえって緊張するので、せめて「向田さん」にします(笑)。私と向田さんの初めての出会いは、小学生時代にテレビで偶然にみた、『阿修羅のごとく』(1979年、NHK)でした。パート1の「虞美人草」の回で、母親が夫の愛人のアパートの前に立っているところを娘にみられ、倒れてしまうという場面だったんですが、その母親の買い物かごに入っていた卵が割れて、黄身がどろっと流れ出すというのが、子供心にもすごく強く残って。あのシーンでは有名なトルコの軍楽曲が鳴っていたイメージをずっと持っていました。 向田:『阿修羅のごとく』というと、皆さんトルコ軍楽曲(ジェッディン・デデン)が頭に鳴っちゃうんですよ。伊吹:ところが今回、対談にあたってアーカイブで見直してきたら、あそこで音楽は入っていなかったんです(笑)。大人になって改めて見ると、その後で母親が亡くなり、ラストシーンで喪服姿の四姉妹が振り返る場面が印象的で、まさに「女は阿修羅だ」と唸らされました。もちろん子供の頃はそんなことは考えず、ただ、ビックリさせられたことだけはずっと覚えていて。 飛行機事故で亡くなられた時の衝撃も大きかったです。活字で初めて向田作品に出逢ったのは、高校時代、友人が誕生日に贈ってくれた『寺内貫太郎一家』(新潮文庫)でした。向田:『阿修羅』と『寺貫』とは、ずいぶん対照的ですね。伊吹:その差にとても惹かれまして。さらにもう一回、夢中になって拝読するようになったのが、就職して出版社に勤め出してからです。向田:姉も若い頃は出版社(雄鶏社)に勤めていました。基本的には編み物の本がメインで、唯一の映画雑誌の編集に携わっていたんですが、作家になるきっかけがそこにあったのかどうか、私にはよく分からないんです。ただ、昔から文章を書くのはうまくて、保険会社に勤めていた父のところへ届く盆暮れの贈り物へのお礼状を、代わりに描いたこともありました。 食べ物の事だったから、私はよく覚えているんですけれど、ある時、送られてきたお菓子が椿餅で、届いた時には箱の中で偏って、形がペシャンコになっていたんです。それでも美味しくて、姉がお礼状を返したところ、その内容に感動した送り主が、もう一回、今度は完璧な形の椿餅を送ってきてくれました。その時に「お姉ちゃん、手紙を書くのがうまいんだな」と(笑)。伊吹:想像するに椿餅のおいしさや、葉のつやつやした感じとお餅の組み合わせの妙をお書きになったうえで、「残念ながら傾いていたのもまた一興」みたいな感じで書かれたのかな。向田:父は筆まめなほうで手紙を代筆させるようなことはあまりなかったんですが、とにかく姉はそういうところは機転が利くんです。あとは小学校の夏休みの日記なんかも、私が何も書いていないのにへっちゃらでいるのを見ると、嬉々として代わりに書いてくれました。伊吹:あまりに上手すぎて、逆に困ることはなかったですか。向田:中学に入ってからも私の作文を代わりに書きたがって、それを提出したところ随分褒められたので、さすがにまずいと思って止めました。だけど、中学3年生の3学期に私が入院し、試験と宿題の作文が重なってしまった時だけは、姉に作文を頼みました。出来上がったものを一読して「私にはこれは書けない」と、はっきりと分かりました。 特に難しい言葉は何も使われていないのに、そこには色彩があって、本当に胸に詰まる作文でした。それ以来、姉に代わりに書いてもらうのは、一切止めたんですが、懲りもせずに書きたがるんですよ。私の就職試験の時に出された課題にさえ、「私が書いてあげる」と嬉しそうに言うんです。NHKドラマで観た『阿修羅のごとく』は、かなりインパクトがありました。土曜ドラマ『向田邦子シリーズ 阿修羅のごとく』より向田邦子さん■音楽も内容もインパクト抜群 和田勉CD(チーフ・ディレクター/当時)が初めて手がけたホームドラマが向田邦子さん脚本の『阿修羅のごとく』だった。和田CDは、「テレビの特性はドラマよりドキュメンタリーの方によく現れると一般的にいわれますが、本当はテレビドラマはもっと面白くて、もっと人間の深いところを描くべきだと思います」と、当時のグラフNHKのインタビューに答えている。その言葉どおり、一見、穏やかに暮らしている平凡な家族の内に秘めた「修羅」を描いて反響を呼んだ。 またドラマの人気をいっそう高めたのがテーマ曲だった。印象的な管楽器と打楽器の強烈なリズムと音色が耳にこびりついたという人も多い。トルコの軍楽隊が演奏する「ジェッディン・デデン」という行進曲だが、実は和田CD自身がかつて訪れたトルコで録音してきたものだ。軍楽資料館前で軍楽隊が演奏している様子を見て、持参していた小さなレコーダーで録音。日本に持ち帰り、6,7年温めていたものだという。『阿修羅のごとく』のテーマ曲にしようと決めてから、音質の悪い素材を整音したそうだ。
2022.01.20
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<『震度7何が生死を分けたのか』2>阪神・淡路大震災の命日に合わせたように、この本を借りていたのです。【震度7何が生死を分けたのか】日本放送協会編、ベストセラーズ、2016年刊<「BOOK」データベース>より阪神・淡路大震災で当日亡くなられた5036人の検案書。21年間埋もれていた一人ひとりの死の記録。私たちに残してくれたのは、次の大地震から命を守るためのメッセージでした。NHKスペシャル取材班渾身の書き下ろしドキュメント。<読む前の大使寸評>阪神・淡路大震災の命日に合わせたように、この本を借りていたのです。rakuten震度7何が生死を分けたのか「序章 5036人の死」で震災死の実態が語られているので・・・見てみましょう。p26~28<明らかになった意外な事実> 私たちは時間の経過とともに亡くなった人がどのように増えていったのかを、被災地の地図上に5036人一人ひとり、人型で示していく可視化を行った。その詳細は第1章以降に譲るが、分かったことは要約すれば左記の通りだ。 一番、犠牲者が集中するのは地震発生の最初の1時間だ。死亡場所と住宅損傷のデータ(死体検案書とは別の44万件に及ぶデータ)とを組み合わせると、犠牲者が集中するのは全壊した家屋。家屋の下敷きになるなどして、およそ4000人が亡くなっていた。犠牲者は震度7の揺れに襲われた地域に集中した。実はデータをみると、多くは瞬間的な死を意味する圧死ではなく、「窒息死」だった。いったいこの窒息とは何なのか。 この後の時間帯の分析で、さらに意外なことが分かった。1時間後、900人以上の方が生存していた。地震直後の死を免れ、助けを待っていた人たちだ。この人たちを襲ったのが「地震発生よりも数時間遅れて発生する謎の火災」だった。生き延びた人たちの多くが、この遅れた火災によって命を落としていたのだ。 さらに5時間後、なお500人近くが助けを待っていた。全国から救助隊が駆けつけようとしていたが、意外な要因によって起きた「渋滞」に行く手を阻まれ、救助が進まなかった。こうして、次々と、命が奪われていった。 あの時、もし火災や渋滞が起きなければ、起きたとしても最小限に留めることができていれば、多くの命が救えていたはずだ。しかし、震災から21年経った今も対策は進まず、「未解決」のままであることも分かってきた。<震災死を「3つの時間帯」で検証する> 私たちは前述の分析に加えて100人を超える遺族や、救助にあたった当事者に取材をお願いした。いったい、現場で何が起きていたのか? 多くの方が、辛い記憶を話してくれた。死の実像に迫ることは遺族の皆さんを傷つけるおそれがある。しかし、「悲劇を繰り返さないでほしい」という思いに触れる中で、今こそ、明らかになった事実を伝えていく必要があると確信した。 そして私たちが得た結論は、もし阪神・淡路大震災と同じクラスの地震が東京などの大都市を襲ったら、また同じ悲劇が繰り返されるに違いない、ということだった。早く対策をを進める必要がある。 本書では、震災死の実態を「①地震直後」、「②地震発生1時間後」、そして「③地震発生5時間後」と3つの時間帯に分けて検証する。それぞれの時間帯で、死の原因と死を防ぐための対策が異なるからだ。そして、今すぐ、それぞれの局面に応じた対策に着手してほしい。この本については忘れない神戸でも取り上げています。
2022.01.19
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図書館で『浮世絵』という新書を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【浮世絵】大久保純一著、岩波書店、2008年刊<商品説明>より中古本につきデータ無し<読む前の大使寸評>カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten浮世絵「第二章 錦絵のジャンル」で戯画をひとつ・・・見てみましょう。p82~83<擬人化された動物たち> また国芳には、動物や植物をたくみに戯画化したものにも秀作が多い。とくに猫を題材とした錦絵が多いのは、彼が無類の猫好きだったからである。それは、万延元年刊の仮名垣魯文の滑稽本『滑稽富士詣』四編に、「そんなにねこがほしきやァ国芳のとこのをいつぴきもらつてやらう」と楽屋落ち的に書かれるほど有名だった。 家中猫だらけで、門弟たちは相当迷惑したらしいが、それだけに猫の仕草に対する観察眼は他の絵師の追随を許さないものであった。国芳「猫のすずみ」 団扇絵として制作された「猫のすずみ」は、屋根舟で夕涼みを楽しんだ客が、桟橋で芸者の出迎えを受けているところを、舟の船頭も含めて、みな猫の姿で描いている。場所は隅田川で、遠景に両国橋と筵掛けの見世物小屋が見える。手招きするような芸者猫の仕草や、満足そうに目を細める船頭猫、客の猫の表情に猫の生態を知り尽くした絵師の鋭い観察眼が認められる。 この種の動物戯画には、対象となる動物特有の形態や動作と、人間らしい仕草との絶妙なバランスが大事だが、国芳の戯画にはそれが十二分に備わっている。彼の同趣向の戯画として、金魚を擬人化した揃物「金魚づくし」や、ホウヅキの実を擬人化した揃物「ほうづきづくし」なども人気がある。 戯画が日本絵画で古い伝統をもつことは前述したが、動物の擬人化という面で観れば、「鳥獣人物戯画」が想起される。兎や蛙、狐などの形態や仕草を、人間臭い営みと見事に融合させたこの絵巻を、国芳は知っていたのではないかとさえ思いたくなる。もちろん、一介の浮世絵師が京都・高山寺に秘蔵される原本を見る機会を得ていたはずはない。『浮世絵』3:名所絵(風景画)『浮世絵』2:美人画『浮世絵』1:はじめに
2022.01.19
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大使は原則として、アップル製品は買わないこと、ハリウッド映画は見ないことにしているのだが・・・リドリー・スコットとイーストウッドの作品だけは別扱いで、これらはわりとフォローしているのです。イーストウッドの最新作『クライ・マッチョ』が公開されたので・・・久々に映画館に出かけるでぇ♪・・・というわけで、くだんのフォームで予告編を作ってみました。【R1:大使寸評を追記】【クライ・マッチョ】クリント・イーストウッド主演・製作、2021年、米制作、2022.01.17鑑賞<Movie Walker映画解説>よりかつてのロデオスター、マイクは落馬事故以来、苦難続きの孤独な日々を送っていた。ある日、マイクは恩義のある元雇い主から、元妻が引き取った息子のラフォをメキシコから連れ戻すという誘拐まがいの依頼を引き受ける。母に愛想を尽かし、闘鶏用のニワトリと路上で暮らしていたラフォはマイクと共に米国境への旅へ出発。メキシコ警察や母の放った追手などの試練が迫るなか、2人は人生の岐路に立たされる。<大使寸評>メキシコとの国境に沿った沙漠のシーンといい、馬やニワトリ(マッチョ)などの動物シーンには大使のツボが疼くのです。それから猛々しいラフォの母親とのかけ引きとか、メキシコ警察陣や盗んだ車のオンボロ具合など・・・見どころも多いのがええでぇ♪公式ホームページMovie Walkerクライ・マッチョちなみに、イーストウッド監督作品についてはクリント・イーストウッド監督作品集としてフォロー中でおます。
2022.01.18
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<忘れない神戸>1月17日、阪神・淡路大震災の命日には、毎年、東遊園地に出かけてモニュメントに合掌するのだが・・・今年の文字は「忘れない」となっています。ちょうど『震度7何が生死を分けたのか』という本を借りていたので・・・見てみます。【震度7何が生死を分けたのか】日本放送協会編、ベストセラーズ、2016年刊<「BOOK」データベース>より阪神・淡路大震災で当日亡くなられた5036人の検案書。21年間埋もれていた一人ひとりの死の記録。私たちに残してくれたのは、次の大地震から命を守るためのメッセージでした。NHKスペシャル取材班渾身の書き下ろしドキュメント。<読む前の大使寸評>阪神・淡路大震災の命日に合わせたように、この本を借りていたのです。rakuten震度7何が生死を分けたのか「序章 5036人の死」で死体検案書データが語られているので・・・見てみましょう。p23~25<5036人の死体検案書データ> 阪神・淡路大震災から20年となる2015年1月、私たちはNHKスペシャルで、自身を起こす活断層の脅威を伝える番組を制作した。訴えたかったのは、今の技術では自身の予知などとても無理で、いつどこで震度7の地震が起きてもおかしくない、結局は「事前の備えこそすべて」ということだった。 政策スタッフの間では、21年目の1月17日は、備えの重要性を強いインパクトを持って訴える番組を制作しよう、という話をしていた。そんな中、担当の吉見和紀ディレクターが、ある研究者から貴重な資料を入手した。それは、神戸市で最も多い1469人もの方が亡くなられた、東灘区における消防署の救助活動の全記録だった。誰がどのように動いたのか、救助はうまく進んだのか、応援部隊はいつやってきたのか、など、救助活動の課題を分析する手がかりになる資料だった。 実は、阪神・淡路大震災の直後、行政や研究者が膨大な調査を行い、建物の損害や火災の広がり方など、多くのデータが遺されていた。防災・減災を考える貴重な資料となった一方で、分析が不十分なまま眠っているデータが数多くあった。 私たちは、この「消防署の救助活動の全記録」の入手をきっかけに、大都市を襲う地震の実像に迫り対策を提言できないかと、埋もれたデータを徹底的に掘り起こす取材を始めた。 その中で入手したのが、5036人分の死体検案書のデータだった。 死体検案書とは、医師が死亡を確認した際に、死亡場所や死因、死亡時刻などを詳細に記したものだ。それをまとめた5036人分のデータを入手したのだ。この数字、6434人よりも少ないのは、震災当日、1995年1月17日に亡くなった人のデータだからだ。名前など個人情報に関する部分は削除されていたが、性別・年齢なども記されていて震災死の実像を知るには十分な手がかりとなる資料だった。初めて見た時の衝撃を忘れることはできない。「本当にこんなものが残っていたとは・・・」言葉を失った。 同時にある発想が芽生えた。死亡時刻がわかる。これは、時間の経過とともに、どのように命が奪われていったのか、見ていくことが可能なのではないか?さらにこれまで蒐集してきた火災や家屋損傷度のデータと組み合わせることで、何が原因で命が奪われたのか、検証できるはずだ。あの震災から21年、人々の記憶は風化しても、記録は風化しない。私は、大都市を襲う直下地震の実像に、初めて迫れるのではないかという感触を得ていた。 (追って記入予定)
2022.01.18
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大使は原則として、アップル製品は買わないこと、ハリウッド映画は見ないことにしているのだが・・・リドリー・スコットとイーストウッドの作品だけは別扱いで、これらはわりとフォローしているのです。イーストウッドの最新作『クライ・マッチョ』が公開されたので・・・久々に映画館に出かけるでぇ♪・・・というわけで、くだんのフォームで予告編を作ってみました。【クライ・マッチョ】クリント・イーストウッド主演・製作、2021年、米制作<Movie Walker映画解説>よりかつてのロデオスター、マイクは落馬事故以来、苦難続きの孤独な日々を送っていた。ある日、マイクは恩義のある元雇い主から、元妻が引き取った息子のラフォをメキシコから連れ戻すという誘拐まがいの依頼を引き受ける。母に愛想を尽かし、闘鶏用のニワトリと路上で暮らしていたラフォはマイクと共に米国境への旅へ出発。メキシコ警察や母の放った追手などの試練が迫るなか、2人は人生の岐路に立たされる。<大使寸評>追って記入予定Movie Walkerクライ・マッチョちなみに、イーストウッド監督作品についてはクリント・イーストウッド監督作品集としてフォロー中でおます。
2022.01.17
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図書館で『浮世絵』という新書を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【浮世絵】大久保純一著、岩波書店、2008年刊<商品説明>より中古本につきデータ無し<読む前の大使寸評>カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten浮世絵「第二章 錦絵のジャンル」で名所絵を・・・見てみましょう。p55~<3 名所絵(風景画)>■北斎と広重 名所絵すなわち風景画で知られるのは、葛飾北斎と歌川広重である。今日浮世絵の展覧会などで目にする名所絵作品も、そのほとんどがこの二人の絵師の作である。 北斎は享和から文化(1801~18)にかけて、美人画や狂歌絵本、あるいは読本の挿絵などですでに高い人気を得ていたが、天保初期に刊行した「富岳三十六景」が人気を得ることにより、錦絵に名所絵というジャンルを定着させるのに大きな役割を果たした。 一方広重は、北斎の「富岳三十六景」の成功に刺激を受けて本格的に名所絵の筆をとるようになり、「富岳三十六景」より数年遅れて世に出した保永堂版「東海道五拾三次」で大きな人気を得ることになる。北斎は天保中頃には絵手本や肉筆画に作画の重心を移したため、北斎と広重がともに名所絵を多作していた時期はけっして長くない。 一般にイメージ化されているように、果たして両者がライバル関係にあったかどうかは疑問だが、この二人の作風がかなり好対照をなしているということはいえそうである。作画数の両者のこと、例外も多々あるが、一言でいえば、北斎の名所絵が構築的・理知的であるのに対し、広重の作はスナップショット的でかつ情緒的といえるだろう。■理知的な構図「御厩川岸より両国橋夕陽見」 そうした作例は、「富岳三十六景」の中に事欠かないが、「御厩川岸より両国橋夕陽見」を一例としてみよう。黄昏時の隅田川の御厩川岸の渡し場を描いた本図は、ものみなシルエットに沈みかけ遠景には灯火がぽつぽつと点る景で、北斎にしては珍しく一抹の感傷的雰囲気が漂う作であるが、構図の組み立ては彼の面目躍如たるものとなっている。 画面で大きく描かれているのは近景の渡し舟と遠景の両国橋であるが、この弧を描くふたつのモティーフは、渡し舟の船頭の頭を回転の中心として、ちょうど点対称の位置に配されている。渡し舟の先端と船頭の頭、両国橋の左端は一直線上に並び、渡し舟の後尾と船頭、両国橋の右端も直線で結ぶことができ、しかもその先に重心ともなるべき富士山が置かれている。 何度も推敲をかさね周到に練り上げたとしか思えないこの構図は、決して偶然の産物ではない。前近代の浮世絵に点対称的配置など信じがたいかもしれないが、北斎は文化9年(1812)刊行の絵手本『略画早指南 前編』の中で、すべての画法の基本は四角形と円の組み合わせにあると説き、ぶんまわし(コンパス)と定規による作画の実例をいくつも示している。それから約20年の歳月を経た時点で、モティーフそのものをコンパスで回転させたような構図をつくりだすに至ったとしても不思議ではない。北斎「東都浅草本願寺」『浮世絵』2:美人画『浮世絵』1:はじめに
2022.01.17
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今回借りた4冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「手当たり次第本」でしょうか♪<市立図書館>・『もっと知りたい ミュシャ』・『「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)』・『震度7』・『オール読物(2021年8月号)』<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【もっと知りたい ミュシャ】雑誌、東京美術、2019年刊<出版社>よりアール・ヌーヴォーの代名詞的存在として名を馳せたパリ時代の華やかで優美なグラフィック作品から、自身のルーツであるスラブ民族の文化に根ざした壮大な油彩画まで、ミュシャの真実の姿がわかる入門書。<読む前の大使寸評>追って記入rakutenもっと知りたい ミュシャ【「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)】雑誌、文芸春秋、2021年刊<出版社>より【特集】キャバレー王は戦後最高のコレクター「福富太郎」伝説福富太郎コレクション10選妖しくも哀しい日本画篇多士済々の洋画篇PART1 キャバレー太郎一代記PART2 見た、買った、調べた!福富流コレクター道<読む前の大使寸評>キャバレー王が選び集めた絵が、ええでぇ♪shinchosha「福富太郎」伝説(芸術新潮2021年5月号)【震度7何が生死を分けたのか】日本放送協会編、ベストセラーズ、2016年刊<「BOOK」データベース>より阪神・淡路大震災で当日亡くなられた5036人の検案書。21年間埋もれていた一人ひとりの死の記録。私たちに残してくれたのは、次の大地震から命を守るためのメッセージでした。NHKスペシャル取材班渾身の書き下ろしドキュメント。<読む前の大使寸評>追って記入rakuten震度7何が生死を分けたのか【オール読物(2021年8月号)】雑誌、文藝春秋、2021年刊<商品説明>より没後四十年の時を超えて、永遠の向田邦子/高見澤俊彦連載小説第三回<読む前の大使寸評>追って記入rakutenオール読物(2021年8月号)************************************************************図書館大好き529
2022.01.17
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図書館で『猫が歩いた近現代』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【猫が歩いた近現代】真辺将之著、吉川弘文館、2021年刊<「BOOK」データベース>より化ける・祟ると恐れられた猫は、どのように今日の地位を獲得したのか。文豪に愛されネズミ駆除で重宝される一方、三味線や毛皮用にも使われた猫たちへのまなざしの変化を描き、人間社会に猫の歴史を位置づける。<読む前の大使寸評>モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten猫が歩いた近現代「第5章 猫の戦後復興と高度成長」で戦後の猫を・・・見てみましょう。p142~<摘発困難だった猫捕り> 猫捕りそのものは1950年代から横行していたが、逮捕される事例は稀であった。東京では、戦後、前述した1971年の逮捕まで、三味線用の猫捕りで逮捕された事例はなかったようであるが、地方では1964年に九州で逮捕された事例がある。一件は長崎で飼い猫を片っ端から捕まえていた男が逮捕、また鹿児島市や指宿市でも大掛かりな猫捕りグループが逮捕されている。 鹿児島の場合、捕まえた猫を一日数十匹ずつとさつ施設に運んで皮を剥いでいたといい、また指宿でもトラックに数十匹を積み込んで大阪方面に売り飛ばしていたということで、いずれも大規模なものであったために逮捕されたようである。 しかし、戦前には、猫捕りは頻繁に逮捕されていた。戦前と戦後でいったい何が変わったのであろうか。猫捕りの取り締まりは明治初期から行われているが、その根拠法令としては、早い例では1871年に、京都府からの伺いに答える形で、猫や犬の皮を剥いで売る者について、飼い猫を捕まえた者については窃盗同様に処罰すべしとの指令が太政官から出されている。(中略)<猫をめぐる世論状況> このような状況に対して、特に被害の集中していた台東区に住む猫好きが、1971年10月「ネコ取り被害者の会」を結成した。猫捕り業者によって猫が殺されても、多くが野放しとなってしまっている現状に対して、同会は当局へ取り締まり強化を陳情した。 結成されるやいなや、同会には連絡が殺到し、手紙は二ヶ月で200通以上、電話は鳴りっぱなしの状態となった。しかしその中身は、猫捕りの苦情や相談ばかりでなく、猫が飼えないから引き取ってほしいという連絡や、小鳥やコイを猫に捕られたという苦情、さらに小鳥を飼っているという人から猫捕り「大歓迎」という電話などもあったという。 その一方で、被害にあった人の連絡から、下町中心だと思っていた被害地域が、杉並や中野など都内全域に広がっていることがわかり、このため東京の各区域に1ヵ所ずつ連絡所を設けることとなった。日本動物愛護協会も、警視庁および東京地検に厳しい処罰を求め、マスコミでもこうした動きが大きく報道された。そのため、全国邦楽商業組合は業界のイメージダウンにつながるとして、捕獲数量を決め、野良猫だけを捕る方針を打ち出すことになる。 しかし、これ以降も、猫捕りは止むことなく、愛護団体との衝突もたびたび起こった。とはいえ、後述する動物愛護管理法の制定などもあり、捕獲に対する風当たりが次第に強まるなか捕獲数は減っていき、1980年代には日本だけでは三味線皮の製造が賄いきれなくなり、輸入に頼るようになっていく。また三味線自体の需要の低下もあって、多くの製造業者が廃業することになった。『猫が歩いた近現』2:あとがき『猫が歩いた近現』1:プロローグ
2022.01.16
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本屋で『2022大予測 東洋経済』という雑誌を、手にしたのだが・・・2021~22年の年越しに読むのはいいではないか♪と、買い求めたのです。【2022大予測 東洋経済】雑誌、 東洋経済新報社、2021年刊<出版社>よりいま世界は夜明け前なのか、それとも暗闇迫る夕暮れか──。新秩序と混沌が交錯する2022年の幕開けに、起こりうる激変のすべてを先読みする。<読む前の大使寸評>2021~22年の年越しに読むのはいいではないか♪と、買い求めたのです。toyokeizai『2022大予測 東洋経済』 陸運とネット通販の辺りを、見てみましょう。p137<♯57 大口荷主との連携が加速> 小売り企業などのEC(ネット通販)シフトを追い風に取扱個数を延ばしている宅配便。国土交通省によれば、2020年度の宅配便の取扱個数は前年度比11.5%増の47.8億個に拡大した。21年度4~9月期も宅配便の増加傾向は変わっておらず、複数の業界関係者は「今後もEC荷物が減ることはない」と口をそろえる。 とくに成長著しいのが投函型荷物だ。EC事業者などからは配送料を抑えられることが点が支持されており、取扱個数は5年で6.5倍に拡大した。20年度の日本郵便の「ゆうパケット」とヤマト運輸の「ネコポス」の取扱個数は合わせて約7.9億個と、宅配便の取扱個数は16.5%程度を占めている。 こうしたEC荷物をめぐり、価格競争力のある地域別の中小運送会社(デリバリープロバイダー)が勢力を拡大。宅配業界の競争は足元でも激化している。 そうした中、宅配便首位のヤマトは価格攻勢を仕掛けることで荷物を獲得している。21年4月には、ヤフー出店者向けに全国一律料金の格安配送サービスの提供を開始し、業界に波紋を広げた。 ヤマトはアマゾン出店者にも割安な配送サービスを提供すると発表しており、荷主の囲い込みに余念がない。親会社のヤマトホールディングは、21年度の宅配便の取扱個数を23億個(前年比9.7%増)と見込む。横ばい計画のSGホールディングス(佐川急便の親会社)など大手他社と比べても独走状態だ。 対して、業界3番手の日本郵便は、楽天グループとの連携強化を急ぐ。楽天とは、21年6月に合弁会社のJP楽天ロジスティクスを設立し、倉庫の協働運営などを推進する。日本郵便の親会社である日本郵政の増田寛也社長は「楽天から引き受けるEC荷物の増加にいちばん期待している」と語った。 こうしたECなどの荷物を求める宅配会社と、安定した配送網を必要とする大口荷主による連携は、今後さらに加速するだろう。『2022大予測 東洋経済』2:半導体の需給逼迫『2022大予測 東洋経済』1:ブレイディみかこへのインタビュー
2022.01.16
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図書館で『浮世絵』という新書を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【浮世絵】大久保純一著、岩波書店、2008年刊<商品説明>より中古本につきデータ無し<読む前の大使寸評>カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten浮世絵冒頭の「はじめに」が、ええので・・・見てみましょう。pi~iii<はじめに>■世界でもっとも有名な日本美術 浮世絵は日本の美術の中で、もっとも広く知られているジャンルであろう。国内では、写楽や歌麿、北斎や広重らの代表作のイメージが商業デザインの分野でさまざまに利用されているし、小学生の頃に記念切手収集に熱を上げたことの人なら、菱川師宣の「見返り美人」や広重の「月に雁」、あるいは写楽の「市川蝦蔵」などを、知らず知らずのうちに覚えてしまっているのではないか。写楽「市川蝦蔵」 浮世絵は国外では文句なく日本美術の代表選手である。北斎や広重の版画がヨーロッパ近代の絵画や工芸に大きな影響を与えたことはよく知られているが、浮世絵の研究も欧米からはじまり、日本に逆輸入されたものといってよい。また浮世絵のすぐれたコレクションの多くは、ボストン美術館やシカゴ美術館、あるいはホノルル美術館など、海外の美術館に所蔵されているが、これらは近代になって、浮世絵の価値を見出して精力的に収集した個人のコレクションが核になっている。 現在でも欧米には熱心な浮世絵コレクターが数多くおり、ヨーロッパには浮世絵専門の出版社さえ存在する。維新後の急激な近代化の流れの中で、浮世絵版画は日本国内ではほとんど顧みられない時期があった。日本美術の流出を惜しむよりも、その保存につとめてくれたことに感謝すべきであろう。 浮世絵が国内外でこれほどまでに親しまれている大きな理由は、浮世絵の主体をなす版画のもつわかりやすい美しさであろう。明快な線によってかたちづくられる印象的な構図と明るい色彩は、多色摺浮世絵版画の最大の魅力である。何を隠そう筆者もまた、浮世絵版画のもつこの造形上の魅力にひかれて、浮世絵を研究対象に選んだ一人である。(中略)■どのように売られていたか また、よく江戸の庶民芸術といわれる浮世絵版画であるが、当時はいったいいくらぐらいで、またどのように売られていたのかについても、一般にはあまり知られてはいないようであり、市民講座のような場所で浮世絵版画についてのレクチャーをした後で、しばしば質問をいただくことがある。 錦絵などの浮世絵版画は江戸市中で市販されていたもので、商品として生産・流通していたものだとの視点が欠けると、研究や鑑賞の上で思わぬ誤りを犯すことにもなる。また、美人画、役者絵、名所絵といったジャンルごとに商品としての性格も異なっており、それらを理解することも個々の作品を見るのに不可欠となる。
2022.01.15
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図書館で『浮世絵』という新書を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【浮世絵】大久保純一著、岩波書店、2008年刊<商品説明>より中古本につきデータ無し<読む前の大使寸評>カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten浮世絵「第二章 錦絵のジャンル」で美人画を・・・見てみましょう。p40~43<1 美人画>■微妙な表情をとらえる 歌麿の美人画が浮世絵美人画の歴史の中で傑出している点は、たんにモデルの容貌を描きわけようとしたことだけにとどまらない。彼の絵師としての非凡さは、人物のわずかな表情の違いや手や指の仕草、あるいは上半身の動きなどを的確にとらえる鋭い観察眼にもあった。その観察眼でとらえたわずかな仕草や表情によって、無背景の大首絵という制限された画面形式の中に、描かれた女が身を置いている境遇までが描きだされている。 たとえば寛政中期に描かれた五枚揃いのシリーズ「北国五色墨」をあげてみよう。北国とは吉原の異称のひとつで(吉原が江戸城の北にいちしていたことに由来する。北里、北楼などとも呼ばれた)、幕府公認のこの遊里に生きる最高級の遊女である花魁から、最下級とされる遊女までを見事に描きわけている。 掲出の図「川岸」は、「河岸見世」と呼ばれる小見世の下級遊女である。入浴後で髪をくくり上げたままで胸元も露わなしどけない姿、何かを値踏みするような鋭い目つきと口の端で楊枝を使う仕草に、苦界の泥水に浸かりながらも、その境遇に押しつぶされない芯の強さ、あるいはふてぶてしさが滲み出ている。おなじ浴後の寛いだ姿であっても、最高位の花魁で当時全盛を誇っていた扇屋の花扇が端正で気品を湛えているのとは好対照を見せている。「歌撰恋之部」もまた五枚揃いのシリーズで、表題は和歌の「歌仙」と歌集の部立て「恋之部」にならったものである。さまざまな恋に身を置く女たちの姿を描きわけたもので、「物思恋」と「深く忍恋」が秀逸である。二図ともに描かれた女はその服飾や化粧から、既婚者か年増であることがわかる。「深く忍恋」では、吸いかけの煙管を口から離し、物思いに沈むかのように上半身をひねって視線を下に向けている。『浮世絵』1
2022.01.15
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図書館に予約していた『みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。ぱらぱらとめくると・・・カラー画像満載のビジュアル本となっているのがええでぇ♪【みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)】雑誌、平凡社、2020年刊<出版社>より国境を超えて活躍する絵本作家、五味太郎。400冊以上の著作から厳選した作品紹介、国内外の編集者や仲間の証言から人気の秘密を探る。書き下ろし絵本&年譜付き!<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると・・・カラー画像満載のビジュアル本となっているのがええでぇ♪<図書館予約:(1/04予約、副本5、予約0)>rakutenみちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)五味さんの年譜がおもしろいので・・・見てみましょう。p136~149<五味太郎調書的年譜:取調・構成/内海陽子>1945 東京都下、北多摩軍調布町(現・東京都調布市)に生まれる。 最初の記憶。近所の畑で、白い夏服の少女に手招きされる。姉か? たぶん2歳 くらい。 近くになかったので幼稚園にも保育園にも行かずぼんやり過ごす。1952 調布町立八雲台小学校(現・調布市立)に入学。 1年1組、担任のⅯ先生はおばあさんで動きも緩慢、いつも「ゴローちゃん」と 名前をまちがえられたりして気分盛り上がらず。その由を父親に話すと「あき らめろ」と言われる。人生、あきらめるということが必要と知る。 2年生の夏、学校からの帰り道、蒼天の畑道でなぜか転ぶ。周りに誰もいなかっ たせいか、初めて“孤独”を感じる。(中略) 4年生の冬、肥溜めに落ちる。全身肥えまみれになって穴から這い上がりなが ら、行動を共にしていた友人ⅯとOが逃げていく後ろ姿を確認。いざとなると 人は頼りないものだと知るが、なぜか許すという気持ちも学ぶ。あとでひと悶 着。(中略) 鉄棒に熱中。後方回転(大車輪)が得意技で、自分を中心に宇宙が回り始める瞬間の快 感を味わう。1958 私立桐朋中学校(中高一貫男子校)受験。学科試験はそこそこの点数。面接試験 で体操部希望の旨を伝え、試験官の前で倒立し、見事にピタリと静止。ゆえに 合格(と認識する)。 入学即体操部入部。秋の東京都中学校体操競技会で三位入賞。1964年の東京オ リンピックを薄々目指して猛練習の結果、膝を傷める。 翌夏に体操部を退部。13歳にして人生の目標を失う。以後、「趣味に生きよ う」と決意し街に出る。学校は適当にサボって吉祥寺・渋谷・新宿・銀座あた りをウロウロし、ジャズや落語、歌舞伎などに出合う。 中学三年生で山岳部に入部、いくつかの山を縦走などするが、結構ハードで途 中で気を失ったり幽体離脱のような不思議な現象も味わう。1961 ややトラブルもあったが、とりあえず桐朋高等学校に進学。 極力楽しい山岳部を追及しようと、仲間とともにワンダーフォーゲル部設立を 学校に申請、受理される。初代部長に。顧問は数学のK先生。穏やかな紳士 で、キャンプの夜、理論数学という世界を教わる。数を使って哲学をしていく という方向に魅力的なものを感じるが、人生の主軸にしていくには弱いなと思 う。キャンプ料理に目覚め、新宿「二幸」(現アルタビル)などで食材調達。(書き写しに疲れたので大幅に中略)2018 ベトナムの出版社More Production Vietnam に招かれ、ハノイで講演会およ び小学校でワークショップなど。2019 講談社絵本賞受賞。『みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』1
2022.01.15
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図書館で『文学界(2021年10月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ているように『失われた時を求めて』が語られているので、これがゲットする決め手となりました。【文学界(2021年10月号)】雑誌、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【リレーエッセイ】「『失われた時を求めて』と日常」いつか読みたいと思いながら、その長大さに尻込みする人が多い20世紀文学の高峰を、これまで読み通したことがなかった14人が一人一巻ずつリレー形式で読む前代未聞の試み。プルーストを読む経験は作家たちの日常をどのように変えるのか?【創作】磯﨑憲一郎「日本蒙昧前史 第二部」魔術的に語られる、生真面目な外務大臣とパンダ飼育係の物語<読む前の大使寸評>表紙に出ているように『失われた時を求めて』が語られているので、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年10月号)ブレイディみかこ『他者の靴を履く』が語られているので、見てみましょう。p316~317 <分断社会を生きる処方としてのエンパシー:千葉一幹> 分断。トランピズム、ブレグジット、Mee Too運動、格差社会、ブラック・ライブズ・マター運動、新型コロナ蔓延といった、数年前から今日にいたるまで論争を呼び世を悩ませた、あるいは未だ悩ませ続けている社会事象に通底するのは、この分断という二文字だろう。 我々は、政治的立場、経済状態、国籍、人種、性自任等々により分断された世界に暮らしている。ブレイディみかこが『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』で言及し、「他者の靴を履くこと」に擬えたエンパシー、すなわち、自身と立場を異にする他者への「共感」こそ、種々の分断にあえぐ世界への最良の処方箋ではないか。「アナーキック・エンパシーのすすめ」という副題を持つ『他者の靴を履く』は、エンパシーに対するそうした甘やかな期待を素朴に満たすものではない。ブレイディは、エンパシーには、その「危険性や毒性」があることを冒頭から指摘するからだ。「すすめ」というのだから、ブレイディはエンパシー否定論に与しているわけではない。彼女は、「大事」なエンパシーと「ダメ」なエンパシーとを分別するため、4種類のエンパシーについて説明する。この中で、重要なのは、コグニティブ(認知的)・エンパシーとエモーショナル(感情的)・エンパシーだ。 ポール・ブルームの『反共感論』の指摘に従いつつ、他者に感情的に入り込むエモーショナル・エンパシーは、危険だとする。それは、自分と異なる他者に感情移入し、一見多様性を許容するように見えて、実は特定の個人に同化しているだけで、社会にある他の可能性を否定することになりかねないからだ。 他方、ブレイディが重視するのは、コグニティブ・エンパシーだ。「意図的に自分と他者の違いを担保しながら、他者の視点を取り、自分以外の人間の考え方や感情を推し量る能力」と定義される。このエンパシーの効果が、本書において具体的に示されているのは、坂上香監督のドキュメンタリー映画『プリズン・サークル』について語った第2章だ。この映画は、男子刑務所において「TC(回復共同体)」というプログラムを受講する受刑者たちの姿を撮影した作品だ。 TCとは、治療者と患者が一対一で行う通常のセラピーと違い、参加者全員が患者でありセラピストとして振る舞い、一緒に回復しようとするプログラムである。映画の中で参加者がサークル状に並んだ椅子に座り、ロール・プレイしている様子を映したシーンがある。そこで強盗傷害の罪で服役している青年が、自身の犯した罪の加害者の役を、他の参加者は彼の犯罪の被害者の役を演じた。 その時まで、この青年は「鉄仮面」と呼ばれ、心が動くということが分からないと言い、また自身の加害者としての責任も認識していなかった。しかし、被害者を演じた他の受刑者の言葉に応答するうちに、涙を流しはじめたという。彼は、自身の役を自ら演じるというロール・プレイを通じて、つまり、己を他者として演じることで自身の罪に向き合い、人間らしい感情を取り戻したのだ。 そのような事が可能になったのは、彼にとって他の受刑者との間に信頼関係があったからだろう。ブレイディは、子どもの健やかな発育には、外界から安心して戻れる「セキュア・ベース(安全基地)」すなわち、子どもと親や里親などとの間に強固な信頼関係がある場が必要だとするが、この受刑者にとって、他の受刑者たちとの、このTCがそうした場所であったのだ。「自分と他者の違いを担保しながら、他者の視点を取」るというコグニティブ・エンパシーを実践するには、何よりこの「自分」を持つことが重要だ。そして「セキュア・ベース」は、「自分」を持つことを可能にする基盤なのだ。『文学界(2021年10月号)』1:失われた時は求めない
2022.01.14
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図書館で『猫が歩いた近現代』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【猫が歩いた近現代】真辺将之著、吉川弘文館、2021年刊<「BOOK」データベース>より化ける・祟ると恐れられた猫は、どのように今日の地位を獲得したのか。文豪に愛されネズミ駆除で重宝される一方、三味線や毛皮用にも使われた猫たちへのまなざしの変化を描き、人間社会に猫の歴史を位置づける。<読む前の大使寸評>モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten猫が歩いた近現代「あとがき」がええので・・・見てみましょう。p217~219<「あとがき」> 子供の頃、猫が好きではなかった。なぜだかわからないのだが、猫は「狡い動物」だというイメージを抱いていた。猫が好きになったきっかけは、高校生の時、家族で茨城県に行った時に出会った猫だった。夜、弟たちと道路沿いの明かりに集まるクワガタを採りに出かけた時、おそらく二キロ近く、ずっと後をついてきた猫である。 車にひかれないかとハラハラするなか、交通量の多い横断歩道をしっかりと渡り、クワガタ採りから再び戻ってくるまで、時にわれわれと戯れながら、ずっとついてきた。我々は猫を「土左衛門」と名付け、撫でて可愛がり、最後には父に「家に連れて帰りたい」と懇願した。 しかし団地に住む我が家で、それは許されることではなかった。そんなやりとりをしているうちに、土左衛門は自分から姿を消した。ほんの数時間の出来事であったが、猫を好きになったのはこの時からである。 実家を出てから、初めて猫を飼った。そして、猫が持つ感情の豊かさを知り、驚いた。人間とこれほどコミュニケーションが可能な動物だとはそれまで思っていなかった。そして8年後、その猫が病気で死んだ時、数日間偲び泣いた。親族が死んだときにも涙は出なかったのに、なぜこんなに涙が出るのかと、自分で自分に驚いた。 猫が死んでも思い出は自分の心のなかで生きている。そう思って自分を慰めたが、しかしこの先自分が死ねばその思い出も跡形もなく消えてしまい、誰もかつてあの猫がいたことを知らなくなるだろう。それは歴史のなかに、自分と愛猫の間にあった日々が存在しなかったことと同じではないのか? そう思うと悲しくて仕方なかった。そして、同じように、過去に、私の知らない多くの猫の生があったであろうことに思いを致し、いつしかそうした過去の猫と人間が紡いできた関係を、歴史書として描くことはできないかと考えるようになった。 しかし着想はあっても、実際にそれを形にするにはきっかけがいる。そのきっかけを与えてくれたのは、2017年に雑誌『文芸ラジオ』から「猫の歴史」に関する執筆依頼をいただいたことにある。しかし、調べるほどに、猫と人間の歴史は、必ずしも幸せで美しいことばかりではないということもわかってきた。有名人に愛されたごく一部の猫の幸せ物語よりも、「普通の猫」たちのたどった歴史を書きたいとも思うようになった。 そして『文芸ラジオ』に掲載された文章をみた勤務先大学の職員から、今度は大学のウェブ上で、猫の歴史に関する短い記事の執筆を頼まれた。それが本書執筆への話へとつながっていった。(中略) 「普通の猫」の通史を書きたいと始めた本書だが、実際には「普通の猫」などどこにもいない。猫の近現代史の通史を描くことで、個性のあるそれぞれの猫を「普通の猫」に押し込めてしまった面もあるだろう。しかし、一匹一匹のかけがえのない個性を、どう通史的な歴史記述に組み込んでいくのかはとても難しい。 個別の猫の思い出を記したエッセイの類はたくさんある。しかしそうした思い出や記憶を集積したアンソロジーではなく、猫の個性を組み込んだ上でどうやってひとつの客観的な歴史像を書きうるのか、とりわけ言葉を語らない猫を題材にしてそれはいかにして可能なのか。その答えはまだ出せていない。今後の私自身の宿題である。『猫が歩いた近現』1
2022.01.14
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図書館で『猫が歩いた近現代』という本を、手にしたのです。ぱらぱらとめくると・・・モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪【猫が歩いた近現代】真辺将之著、吉川弘文館、2021年刊<「BOOK」データベース>より化ける・祟ると恐れられた猫は、どのように今日の地位を獲得したのか。文豪に愛されネズミ駆除で重宝される一方、三味線や毛皮用にも使われた猫たちへのまなざしの変化を描き、人間社会に猫の歴史を位置づける。<読む前の大使寸評>モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten猫が歩いた近現代冒頭のプロローグが、ええので・・・見てみましょう。p1~2<「猫の歴史」を考える意味 プロローグ> 猫の歴史の本を書く、と人に話すと、その反応は大きく二つに分かれる。「面白そう」という反応と、「何故そんなくだらないものを?」という反応である。おそらくいま本書を手にしているのは、前者の方が多いと思うが、もしかしたら、後者の感想をもって手にとってみた方もいるかもしれない。 そのような、猫なんて・・・という方にも、本書は読んでほしいと思って書かれている。ぜひちょっと我慢して、続きを読んでみてほしい。というのも、猫なんて・・・というあなたの考えもまた、「猫の歴史」の一部を構成しているのだから。 歴史学の世界では、文字を書き残さなかった人々の歴史の不在、ということが久しい昔から指摘され、それを克服すべくさまざまな試みが行われてきた。「語らない」あるいは「語ることができない」存在をどのようにして歴史の主体として描きうるのか、という問題である。こうした観点からいえば、動物は、下層民、マイノリティ、さまざまな被抑圧階級と比べても、それよりさらに語る言葉を持たない「弱者」である。 動物自身が言葉を持たない以上、動物を主体としてその歴史を描くことは、ほとんど不可能に近い。史料=人間の記録をもとに歴史を描けば、それは必然的に猫との関係を人間の側から見たもの、言い換えれば、人間の猫に対するまなざしの歴史にならざるをえない。 猫の歴史が猫に対する人間のまなざしの歴史だとするならば、猫に興味がないとか、猫が嫌い、ということもまた、「猫の歴史」の一部分ということになる。これは猫に限らず、「動物の歴史」というものが本質的に抱えるディレンマである。しかし同時に、だからこそ、「猫の歴史」は人間にとって重要である、ということにもなりうる。なぜならば猫の歴史は、猫を写し鏡にした人間自身の歴史であるからである。 考えてみれば、猫をはじめとする動物と人間の関係は、きわめて複雑なものである。動物を愛する人がたくさんいる一方で、動物を犠牲にして得られた毛皮を身に着け、動物実験を経て開発された商品を愛用するような人も多い。猫や犬をかわいがる人は、猫や犬を食べるなどとんでもないと考えているが、しかし、牛や豚を肉は何の疑問もなく口にしていたりもする。 (中略) そうした意味で、動物の歴史を考察することは、動物という他者、歴史という過去を通じて、人間社会のあり方を照らし返すことにつながるのである。 巷に溢れる俗流「猫の歴史」記述には、日本人は昔から猫が好きだった、猫を大切にしてきた、などと、夢のような話が書かれていることもある。著者自身、猫好きであり、本当に過去がそのようであったならばどんなに素晴らしいだろうと思うが、現実には、歴史はそのような夢物語ではない。猫が好きな人もいれば、猫は自分勝手だとか、不気味だとか言って嫌う人もおり、本書でみるように「猫を好き」ということの内実も、今と昔とでは異なっている。 かつては自他共に認める猫好きが、同時に平気で猫を捨てたり殴ったりする時代もあった。「日本人は猫をずっと愛してきた」というような単純で恣意的な歴史の描き方は、今の猫好きの願望を歴史に投影したものであっても、猫の歩んできた過去を直視してはおらず、過去に生きた猫に対しても不誠実なものであると著者は考える。こんな猫の本も、ええかも。
2022.01.13
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図書館に予約していた『みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』という本を、待つこと1週間ほどでゲットしたのです。ぱらぱらとめくると・・・カラー画像満載のビジュアル本となっているのがええでぇ♪【みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)】雑誌、平凡社、2020年刊<出版社>より国境を超えて活躍する絵本作家、五味太郎。400冊以上の著作から厳選した作品紹介、国内外の編集者や仲間の証言から人気の秘密を探る。書き下ろし絵本&年譜付き!<読む前の大使寸評>ぱらぱらとめくると・・・カラー画像満載のビジュアル本となっているのがええでぇ♪<図書館予約:(1/04予約、副本5、予約0)>rakutenみちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)冒頭の辺りが、ええので・・・見てみましょう。p4~6<1 ごみだろう。> 五味太郎は、おそらく世界でいちばんごみを散らかしている絵本作家である。その数、十指に余るどころか、二、三、四、五人目の片手までようするほどの作品の中で、道端やバス停には紙屑や缶が散乱し室内・屋外を問わずそこかしこにごみ箱が置かれ、数冊の絵本にいたっては、画面を大きく占める廃車置き場やごみ集積所が否応なく目に入ってくる。 まあ言うなれば、それらは頓知の利いた署名だろう。しかし、次の絵本のような事態に立ち会うと、単なる署名にとどまらない、ただならぬ気合いを感じてしまうのだ。『だれがすんでいるのかな』は、当初28ページの月刊絵本として刊行されたのだが、のちに別の出版社で単行本化する際に32ページに増えた。その追加された4ページ2画面がなかなかに味わい深い。 まず大型のヘリコプターが、大量の物資を屋根の開口部から屋内へ投下する場面。そしてそれをめくると、家から突き出た大ホースから、腐るほど多量のごみがどさどさと収集車に放出されている。なんという、ごみ好き。 わたしはこのように頻繁にくりかえされるごみ描写を、まずは署名を纏った社会批評だ、などと早くくりにしたくない。これらはたぶん、エントロピーのフラットな描写なのだ。ものをつくれば、ごみも出る。ものを食らえば、ごみが出る。失敗どころか成功しても、ごみは、出る。 ふだんの暮らしには、あたりまえにごみはつきものである。つきものならば、フラットに描けばいい。フラットにすればいい。校則風の画面内美化運動には決して与しないのが、五味太郎の面目なのである。それらのごみを放置するか否かは、わたしたち読者があらためて考えればいい。
2022.01.13
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「ビジュアル本」でしょうか♪<市立図書館>・『みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』・『浮世絵』・『猫が歩いた近現代』<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)】雑誌、平凡社、2020年刊<出版社>より国境を超えて活躍する絵本作家、五味太郎。400冊以上の著作から厳選した作品紹介、国内外の編集者や仲間の証言から人気の秘密を探る。書き下ろし絵本&年譜付き!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/04予約、副本5、予約0)>rakutenみちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)【浮世絵】大久保純一著、岩波書店、2008年刊<商品説明>より中古本につきデータ無し<読む前の大使寸評>カラー画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten浮世絵【猫が歩いた近現代】真辺将之著、吉川弘文館、2021年刊<「BOOK」データベース>より化ける・祟ると恐れられた猫は、どのように今日の地位を獲得したのか。文豪に愛されネズミ駆除で重宝される一方、三味線や毛皮用にも使われた猫たちへのまなざしの変化を描き、人間社会に猫の歴史を位置づける。<読む前の大使寸評>モノクロではあるが、画像が多くてビジュアル本となっているのがええでぇ♪rakuten猫が歩いた近現代************************************************************図書館大好き528
2022.01.12
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図書館で『ウイルス(ナショナルジオグラフィック2021年2月号)』という雑誌を、手にしたのです。おお ナショナルジオグラフィックのウイルス特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪【ウイルス(ナショナルジオグラフィック2021年2月号)】雑誌、ナショナルジオグラフィック、2021年刊<出版社>より2月号の特集「私たちはウイルスの世界に生きている」では、時には人々の生命を奪うウイルスが、生物の進化で果たしてきた役割について取り上げます。「コスタリカ 野生の楽園」はコロナ禍で保護活動が危機に直面している現地の状況をレポート<読む前の大使寸評>おお ナショナルジオグラフィックのウイルス特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪natgeoウイルス(ナショナルジオグラフィック2021年2月号)ウイルスの多面性が語られているので、見てみましょう。(文:デヴィッド・クアメン)p32~35<ウイルスが存在しない地球を想像してみよう。> 魔法の杖を一振りすると、ポリオのウイルスが消え、多くの人を死に至らしめるエボラウイルスが消え、麻疹(はしか)やおたふく風邪、インフルエンザのウイルスも消える。おかげで人の苦痛や死は大幅に減る。HIV(ヒト免疫不全ウイルス)も消えて、エイズ禍は二度と起きなくなる。水疱瘡や肝炎、帯状疱疹で苦しむ人はいなくなり、ただの風邪さえなくなる。2003年にSARS(重症急性呼吸器症候群)の流行を引き起こしたSARSコロナウイルスも消える。そしてもちろん、狡猾で極めて感染性の高い新型コロナウイルスも消える。そうすれば、少しは気が楽になるだろうか。 いや、話はそれほど単純ではない。 実のところ、私たちはウイルスの世界に生きている。ウイルスは人智を超えるほど多様で、その数も計り知れないほど膨大だ。哺乳類が保有するウイルスは少なくとも32万種に及ぶと推測されている。数の多さ以上に、その影響も大きい。ウイルスの多くは、人間も含め地球上の生物に害を及ぼすのではなく、さまざまな恩恵をもたらし、環境への適応を助けてきた。 ウイルスなしには人類は生存できなかった。たとえば、ヒトやほかの霊長類のゲノム(全遺伝情報)に含まれるウイルス由来のDNA(デオキシリボ核酸)断片なしには、妊娠が成り立たない。 (中略) がんに抵抗するなど、さまざまな役目を担うウイルス由来の遺伝子が見つかっている。こうした重要な働きは解明され始めたばかりだ。わかってきたのは、ウイルスが生物進化に不可欠な役割を果してきたこと。先ほど想像したように、すべてのウイルスが消えたら、地球上の豊かな生物多様性も幻のように消えてしまう。 ウイルスは寄生する性質を持つ。だが、居候がすみ着くことで、宿主も恩恵を受け、互いに依存し合う共生関係を築く場合もある。火と同じで、ウイルスも常に善でも常に悪でもない。いわば自愛に満ちた顔と恐ろしい顔を併せもち、生物進化を陰で操る堕天使のようなもの。だからこそ、とても興味深いのだ。(中略)<起源を探る> 最初のウイルスはどこから来たのか。この問いに答えるには、40億年近く時間をさかのぼらなければならない。長い分子、比較的単純な有機化合物、そしてエネルギーが入り交じった“原始のスープ”の中から生命が誕生したばかりの時期までだ。 ある種の長い分子(おそらくはRNA)が自己の複製をつくり始めたとしよう。そうした分子が最初のゲノムとなって複製され、変異し、進化するうちに、チャールズ・ダーウィンの唱えた自然選択が始まる。一部のゲノムは、手当たり次第に競争上の優位を探るなかで、自己を保護する膜や壁を見つけるか、つくり出し、最初の細胞が誕生する。 細胞は二つに分裂することで増えていく。そして、生物の大きな分類である三つのドメインのうち二つ、細菌と古最近に枝分かれする。さらにその後、第3のドメインである真核生物が登場する。私たちヒトを含め、複雑な構造を持つ細胞群から成るすべての生物はこの第3のドメインに属する。以上が、現在描かれている生命の系統樹の三つの大きな分岐だ。 では、ウイルスはこの系統樹のどこに位置するのか。第4のドメインなのか。それとも、枝に寄生した異物なのか。だいたいの系統中では、ウイルスは完全に除外されている。 そもそもウイルスは生きていないから、生命の系統樹に入れるべきではないという考え方もある。これは延々と続いている議論で、「生きている」という状態をどう定義するかによる。そのなかでも興味深いのは、「生命」の大きなくくりにウイルスを含め、どのようにして入り込んだかを考察するアプローチだ。
2022.01.11
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<ロゼッタストーンとは何か?>サイエンスジャーナルにロゼッタストーンやヒエログリフが出ていたので、見てみましょう。【ロゼッタストーンとは何か?】ロゼッタストーンとは何か?より ■古代エジプトの象形文字「ヒエログリフ」 ロゼッタストーンに刻まれていたのは、エジプトの古代文字「ヒエログリフ」であった。 「ヒエログリフ」とは、ヒエラティック、デモティックと並んで古代エジプトで使われた3種のエジプト文字のうちの1つ。エジプトの遺跡に多く記されており、紀元4世紀頃までは読み手がいたと考えられているが、その後読み方は忘れ去られてしまった。 ヒエログリフと聞いても、ピントこないかもしれないが、古代エジプトの象形文字(絵文字)で、エジプトの遺跡に刻まれた、ワシとかフクロウとか、王冠、穂...などの絵を模った文字、というと誰もが見たことがあるに違いない。 これはギリシャ語のヒエロス(聖なる)とグリフォ(彫る)という二つの言葉から来ている。実際には、エジプト語の書体を示す言葉であり、漢字でいえば楷書に相当するだろう。 現代の学者たちは、単純にエジプト語(Egyptian)と呼んでいる。時代によって書き方や文法などが変わるため、中エジプト語(Middle Egyptian)、末期エジプト語(Late Egyptian)などに区分されている。 映画「天空の城ラピュタ」に出てきたムスカ大佐を覚えているだろうか? 悪役ではあったが、手帳を片手に、ラピュタ語を「読める! 読めるぞ!」と興奮していた文字だ。 ■ヒエログリフの歴史 ヒエログリフがいつ頃使われ始めたかについてはまだ解明されていない。エジプト原始王朝時代以前の紀元前4000年のGerzeh cultureの壷に描かれたシンボルがヒエログリフに似ていることが知られている。 紀元前3200年頃、上エジプトにあったen:Nekhenの遺構から1890年に出土したナルメルのパレット(英語版)の文字を最古のヒエログリフとする見解が長い間一般的であった。 中世を通じてもヒエログリフは多くの人々の関心を惹き付けていた。近代に入ると多くの学者達がヒエログリフの解読に挑んだ。特に有名なのは16世紀のヨハンネス・ゴロピウス・ベカヌス(英語版)と17世紀のアタナシウス・キルヒャーであるが、解読に失敗したり、全く根拠のない独自の解釈に終わった。 初めて解読に成功したのは19世紀のフランス人学者ジャン=フランソワ・シャンポリオンであり、彼はキルヒャーの収集した資料を研究し、ロゼッタ・ストーンの解読を行うことで読み方を解明した。これが突破口になり、その後も研究が進んだため、現代ではヒエログリフは比較的簡単に読むことができる。
2022.01.11
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図書館で『にっぽんスズメ歳時記』という本を、手にしたのです。全ペ-ジにわたってカラー写真満載のビジュアル版で・・・ええでぇ♪【にっぽんスズメ歳時記】中野さとる、カンゼン、2016年刊<「BOOK」データベース>よりスズメがこんなに間近で、こんなに表情豊かに見られるなんて!インスタグラムで大人気のスズメ写真家、待望の初作品集!<読む前の大使寸評>全ペ-ジにわたってカラー写真満載のビジュアル版で・・・ええでぇ♪rakutenにっぽんスズメ歳時記まずスズメの基本を、見てみましょう。p22~23 <スズメと日本人の関係>■スズメが登場する最古の文献 古来、日本人にとってごく身近な存在として親しまれてきたスズメ。その名「スズ」と「メ」の2つの言葉が合わさったものといわれています。由来にはいくつか説があり、『雅言音声考』では「シュシュ(鳴声)と、メ(群)から」とされているほか、「スズ」は小さなことを表す「ササ(細小)」から、「メ」は鳥を指す接尾語といった説があります。 そんなスズメの名が文献に初めて登場するのは、8世紀に編まれた日本最古の歴史書とされる『古事記』。天若日子の葬式のシーンで確認できる「雀為スズメ」(米をつく役目)がそれです。 同じく8世紀、720年に完成したとされる伝存する最古の正史『日本書紀』にもスズメに関する表記は見られます。当時の有力権力者であった物部氏と蘇我氏の対立を決定的にしたエピソードとして、物部守屋が蘇我馬子を「如中猟前之雀鳥焉」(大きな矢で射られた雀のようだ)と評したと記されているのです。(中略)■スズメが登場する中世の文献 中世になると、貴族らの後援を得て随筆や小説といった文学作品が発展しますが、ここにもスズメは数多く登場します。清少納言の記した『枕草子』では「心ときめきするもの。雀の子飼ひ」のほか、数ヵ所でスズメについて言及されており、当時の貴族階級の人々がスズメをどう見ていたかを清少納言の筆を通してうかがい知ることができます。 また、紫式部『源氏物語』の光源氏と幼少時代の紫上の出会いの場面が描かれた「若紫」の章にある「すずめの子を犬君が逃がしつる」という一節も非常に有名。『枕草子』の記述と合わせ、スズメの飼育が貴族の子女の間に定着していたことがわかります。
2022.01.10
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図書館で『異国トーキョー漂流記』という文庫本を、手にしたのです。高野さんは自分を評して「間違う力」があると言っています。どういう方に間違うのか・・・興味深いではないか。【異国トーキョー漂流記】高野秀行著、集英社、2005年刊<商品レビュー>より外国に住んでる人は、ちょっと変わり者が多い。他の国と言語を共有しない日本に住んでる外国人は、さらにバラツキの多い「変さ」があるように思う。高野氏の文章は実感をそのまま記していく筆致で、「本の雑誌」らしい。それはネット時代には見つけづらくなった堅実なものだ。<読む前の大使寸評>高野さんは自分を評して「間違う力」があると言っています。どういう方に間違うのか・・・興味深いではないか。rakuten異国トーキョー漂流記第1章で変なフランス人(続き)を、見てみましょう。p16~20<日本をインド化するフランス人> 八王子はむやみと広い。私の実家は八王子の南部だが、彼女の家は北部だ。地図を見るかぎりかなり遠そうだ。 当時八王子に外国人が住んでいることがすでに意外だったが、彼女の家はJRの駅からバスで30分もかかるえらく不便なところだ。渋いというより、不可解なチョイスである。季節的には晩春にあたり、まだ肌寒かったが、日差しは強く明るく、「初夏」を思わせる気候だった。八王子は都内に比すれば、格段に環境がよいが、とりわけ駅から離れた北部は畑が多く、高い建物も大きな道路もないせいか、空気は澄み切り、丹沢や奥秩父の山並み、そしてその向こうにまだ雪を戴いた富士山がくっきり見えた。 遠足に出かけたような気分だ。しかし、いつになったら着くのか。もう家を出てから1時間が経過している。このまま、サマーランドまで行ってしまうんじゃないかと心配になった頃、ようやく教えられた停留所に着いた。ただ、住所がいまひとつわからない。 近所を掃除していたおばさんに訊ねると、「あー、ガイジン長屋ね」という。「え?」私が絶句していると、おばさんは手招きして、すたすた歩きだした。 そのあとについて、入り組んだ路地を入る。 おばさんが指差す方向を見て、私は再び絶句した。 築20年は軽く超えている二軒続きの古い平屋がいくつも並んでいる。サッシすらなく、木枠の窓と雨戸の戸袋、板を重ねた壁、すべてが色あせ、表面が崩壊しかかっていた。 まさに純和風の長屋群としか言いようがない。そして、その前に外国人が集まって、立ち話をしていた。 ほんとにガイジン長屋だ。 ガイジンたちはこっちに気づき、シルヴィ先生が、にこにことこちらに手をふった。「あら、やだ」と言って、おばさんはあわてて姿を消した。私もおばさんと一緒に逃げ出したい気分だったが、そうもいかないので、シルヴィイのあとについていった。「みんな、一緒にブトーをやってる友だちよ」と先生は言った。 シルヴィの部屋は殺風景の一言に尽きた。六畳一間に台所とトイレが申し訳程度についているが、ポスター、絵、小物など、居住者の趣味を表すものは何ひとつない。テレビも冷蔵庫も見当たらない。家具もない。 ただ居住者の性格を表すように部屋は乱雑を極めていた。古着なのか雑巾なのか判別のつかない布切れが脱ぎ捨てられ、本やカセットテープが散乱している。飲みかけのコーヒーカップがこたつの上にいくつものっかっていた。せめてもの救いはモノが絶対的に少ないことで、乱雑なのに閑散とした雰囲気を醸し出していた。 もっとも、実をいえば私はすこしホッとしていた。 先日は勢いでなにやら高尚なアートをやってらっしゃるパリジェンヌにレッスンをお願いしてしまったが、あとになって気後れしてしまっていたのだ。「エル・ジャポン」とか「フィガロ」とかに出てくる、シックなお部屋だったらもっと緊張していただろう。シルヴィ先生は少なくとも気取らない性格らしいから安心した。 私を招じ入れても、シルヴィは部屋を片付けようという気配すら見せなかった。お茶も入れようとしない。ただ、ものをザーッと手で押し分けてスペースを作り、畳の上にじかに座った。これはパリジェンヌのスタイルというより、私がいつもやっている方式である。 レッスンがまた意外だった。出だしこそ、「サ・ヴァ?(調子どう?)」「ウィ、サ・ヴァ・ビヤン(うん、いいよ)」という、今まで教科書では見たことがないが、すごく基本的らしいあいさつを教えてくれた。しかし、そこでハタと止まってしまったのだ。 シルヴィは「うーん・・・」と言いながら、しみのついた天井を見上げ、考えている。 パリジェンヌのせいか、アートをやっているせいか、系統だって教えることは嫌いなようだ。なにしろ、テキストも何も用意していない。というか、ほんとうにフランス語を教えたことがあるのだろうか。 でも、シルヴィ先生は泰然自若としていた。長い脚を前にどーんと投げ出し、「あーあ」とあくびをしている。脚だけでなく、授業そのものを投げている。 どういうことなんだろうと私は思った。 私は伝統的な日本の学校教育しか受けていなかったから、先生が熱心なのに自分が勉強を投げているという経験は腐るほどあったが、自分が熱心なのに先生が投げているという状況には不慣れだった。 困惑していたら、先生がポンと手を叩き、英語で「あ、いいこと思いついた!」と言った。「あなた、自分の話をしなさい。できるかぎりフランス語で。間違っていたら直すし、わからなかったら英語でいい。あたしがフランス語に直すから。それを繰り返しなさい」 これまた思い切り「投げた」打開策だ。 実は私の高校は第二外国語の授業があって私はフランス語をとっていた。大学でも同様である。つまりもう4年間も習っているのだが、日本の語学教育の典型で、会話の授業は経験がない。だいいち、それこそさんざん「投げて」きたので基本的な文法さえ浮遊霊のように怪しい。 だから、結局、全部これまたたどたどしい英語で説明しなければならなかった。英語の文法を考えるのに手一杯でフランス語まで気がまわらないくらいだが、しかたない。 今まで「投げた」ツケが回ってきたのだ。『異国トーキョー漂流記』1:変なフランス人
2022.01.10
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『朝日デジタルの書評から』フォームや『読みたい本』フォームを作っているのだが、これを市図書館の予約に利用しようと、思い立ったのです。これまでの予約内容と予約候補は以下のとおりです。<予約中>・52ヘルツのクジラたち(4/15予約、副本20、予約592)現在89位・『ザリガニの鳴くところ』(6/04予約、副本17、予約315)現在66・ブレイディみかこ『他者の靴を履く』(8/14予約、副本8、予約81)現在15位・養老先生、病院へ行く(9/30予約、副本12、予約252)現在160位・堤未果『デジタル・ファシズム』(10/04予約、副本5、予約40)現在9位・伊坂幸太郎『ペッパーズ・ゴースト』(10/30予約、副本7、予約202)現在159位・宮家邦彦『米中戦争』(11/09予約、副本1、予約14)現在10位・松村圭一郎『くらしのアナキズム』(11/27予約、副本1、予約15)現在15位・『猫が30歳まで生きる日』(12/06予約、副本2、予約24)現在22位・ 堀川恵子『暁の宇品』(12/14予約、副本6、予約61)現在61位・人新世の「資本論」(12/18予約、副本24、予約389)現在364位・グレゴリー・ケズナジャット『鴨川ランナー』(12/23予約、副本1、予約18)現在19位・ドードーをめぐる堂々めぐり(1/09予約、副本4、予約6)<カートで待機中>・N・ネフスキー著『月と不死』・8月の果て・ある日うっかりPTA(副本4、予約39)・グレタたったひとりのストライキ<予約候補>・『コロナ危機の政治』・村山斉『宇宙はなぜ美しいのか』:図書館未収蔵 ・「諸星大二郎の世界」・『スマホ脳』・日本文学100年の名作(6巻):西図書館でみっけ・松本大洋『東京ヒゴロ 1』:図書館未収蔵・『中国戦線、ある日本人兵士の日記』・山口晃『すヾしろ日記 参』:図書館未収蔵 ・『猫の文学館I』『猫の文学館Ⅱ』・半藤一利著『太平洋戦争への道 1931-1941』・本村凌二『馬の世界史』・藻谷浩介『進化する里山資本主義』・クレア・ベンサント『ネコ学入門』:図書館未収蔵・中園成生『日本捕鯨史』・ジョージ・ミーガン『世界最長の徒歩旅行』:図書館未収蔵・ネルケ無方著『迷える者の禅修業』:図書館未収蔵<予約分受取:11/09以降> ・向田邦子 『父の詫び状』(10/06予約、11/09受取)・高野秀行「怪獣記」(11/03予約、11/09受取)・白井聰『武器としての「資本論」』(4/06予約、11/13受取)・島田雅彦『君が異端だった頃』(11/12予約、11/19受取)・福岡伸一『生命海流』(7/24予約、11/19受取)・岡ノ谷一夫『さえずり言語起源論』(11/20予約、11/28受取)・ブリーディング・エッジ(8/22予約、12/01受取)・桐野夏生『日没』(4/24予約、12/05受取)・『生物の驚異的な形』(12/11予約、12/19受取)・みちはつづくよ…どこまでゆくの?(別冊太陽)』(1/04予約、1/10受取予定)**********************************************************************【52ヘルツのクジラたち】町田そのこ著、中央公論新社、2020年刊<「BOOK」データベース>より52ヘルツのクジラとはー他の鯨が聞き取れない高い周波数で鳴く、世界で一頭だけのクジラ。たくさんの仲間がいるはずなのに何も届かない、何も届けられない。そのため、世界で一番孤独だと言われている。自分の人生を家族に搾取されてきた女性・貴瑚と、母に虐待され「ムシ」と呼ばれていた少年。孤独ゆえ愛を欲し、裏切られてきた彼らが出会い、新たな魂の物語が生まれるー。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(4/15予約、副本20、予約592)>rakuten52ヘルツのクジラたち【ザリガニの鳴くところ】ディーリア・オーエンズ著、早川書房、2020年刊<商品の説明>よりノースカロライナ州の湿地で村の青年チェイスの死体が発見された。人々は真っ先に、「湿地の少女」と呼ばれているカイアを疑う。6歳のときからたったひとりで生き延びてきたカイアは、果たして犯人なのか? 不気味な殺人事件の?末と少女の成長が絡み合う長篇<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(6/04予約、副本17、予約315)>rakutenザリガニの鳴くところ【他者の靴を履く】ブレイディみかこ著、文藝春秋、2021年刊<「BOOK」データベース>より“負債道徳”、ジェンダーロール、自助の精神…エンパシー(意見の異なる相手を理解する知的能力)×アナキズムが融合した新しい思想的地平がここに。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(8/14予約、副本8、予約81)>rakuten他者の靴を履く【養老先生、病院へ行く】養老孟司著、エクスナレッジ、2021年刊<「BOOK」データベース>より自身の大病、そして愛猫「まる」の死ー。医療との関わり方、人生と死への向き合い方を、みずからもがん患者である東大病院の名医とともに語る。漫画家ヤマザキマリさんとの鼎談も収録。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(9/30予約、副本12、予約252)>rakuten養老先生、病院へ行く【デジタル・ファシズム】堤未果著、NHK出版、2021年刊<「BOOK」データベース>より行政、金融、教育。国の心臓部である日本の公共システムが、今まさに海外資本から狙われていることをご存知だろうか?コロナ禍で進むデジタル改革によって規制緩和され、米中をはじめとする巨大資本が日本に参入し放題。スーパーシティ、デジタル給与、オンライン教育…いったい今、日本で何が起きているのか?気鋭の国際ジャーナリストが緻密な取材と膨大な資料をもとに明かす、「日本デジタル化計画」驚きの裏側!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/04予約、副本5、予約40)>rakutenデジタル・ファシズム【ペッパーズ・ゴースト】伊坂幸太郎著、朝日新聞出版、2021年刊<出版社>より少しだけ不思議な力を持つ、中学校の国語教師・檀(だん)と、女子生徒の書いている風変わりな小説原稿。生徒の些細な校則違反をきっかけに、檀先生は思わぬ出来事に巻き込まれていく。伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(10/30予約、副本7、予約202)>amazonペッパーズ・ゴースト【米中戦争】宮家邦彦著、朝日新聞出版、2021年刊<「BOOK」データベース>よりこれは対岸の火事ではないー最新地政学で読み解く、米中攻防の行方。米中の武力衝突は決してフィクションではない。安全保障学の重鎮である著者が、米国と中国の最新情勢を分析した上で、平時と有事の隙間をつく“グレーゾーン事態”を含む、情報、サイバー、宇宙、電磁界など多次元に広がった「ハイブリッド戦争」の最前線に迫り、二つの大国間で起こりうる軍事対立の見取り図を描く!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/09予約、副本1、予約14)>amazon米中戦争【くらしのアナキズム】松村圭一郎著、 ミシマ社、2021年刊<「BOOK」データベース>より国家は何のためにあるのか?ほんとうに必要なのか?「国家なき社会」は絶望ではない。希望と可能性を孕んでいる。よりよく生きるきっかけとなる、“問い”と“技法”を人類学の視点からさぐる。アナキズム=無政府主義という捉え方を覆す、画期的論考!<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(11/27予約、副本1、予約15)>rakutenくらしのアナキズム【猫が30歳まで生きる日】宮崎徹著、 時事通信出版局、2021年刊<「BOOK」データベース>よりAIM治療で、医療革命が起こる!猫にとって宿命的な病、腎臓病。長らく不明だったその原因がついに解明された。血液中のタンパク質「AIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)」で治療が可能になるのだ。さらにAIMは、猫だけでなく人間にも効き、また腎臓病のみならず、アルツハイマー型認知症や自己免疫疾患など、これまで“治せない”と言われてきた病気への活用も期待できる。最新医療研究のリアルがここにある。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約12/06予約、副本2、予約24)>rakuten猫が30歳まで生きる日【暁の宇品】堀川恵子著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日清戦争、上海事変、ガダルカナル、そして8・6-。日本の「海の戦争」を支えた輸送基地=宇品港の三人の司令官と、軍都・広島が背負った「宿命」。日本軍事史上の最重要問題に光を当てる傑作。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/14予約、副本6、予約61)>rakuten暁の宇品【人新世の「資本論」】 斎藤幸平著、集英社、2020年刊<「BOOK」データベース>より人類の経済活動が地球を破壊する「人新世」=環境危機の時代。気候変動を放置すれば、この社会は野蛮状態に陥るだろう。それを阻止するためには資本主義の際限なき利潤追求を止めなければならないが、資本主義を捨てた文明に繁栄などありうるのか。いや、危機の解決策はある。ヒントは、著者が発掘した晩期マルクスの思想の中に眠っていた。世界的に注目を浴びる俊英が、豊かな未来社会への道筋を具体的に描きだす。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/18予約、副本24、予約389)>rakuten人新世の「資本論」【鴨川ランナー】グレゴリー・ケズナジャット著、講談社、2021年刊<「BOOK」データベース>より日本と世界の狭間で生まれた中篇二作。外国から京都に来た青年の日常や、周囲の扱い方に対する違和感、その中で生きる不安や葛藤等を、「きみ」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。京都文学賞受賞作(「鴨川ランナー」)。福井の英会話教室を突如やめる羽目になった主人公は、ある日同僚の紹介で結婚式の牧師役のバイトを紹介されるが…(「異言」)。第二回京都文学賞満票で受賞。日本語を母語としない著者が紡ぐ、新しい感性による越境文学。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(12/23予約、副本1、予約18)>rakuten鴨川ランナー【ドードーをめぐる堂々めぐり】川端裕人著、岩波書店、2021年刊<「BOOK」データベース>より江戸時代初期のこと。『不思議の国のアリス』や「ドラえもん」にも登場する絶滅鳥ドードーが、日本に来ていたらしい!四〇〇年の時を超え、その後の行方を追って、四国へ長崎へ、チェコ、イギリス、オランダへ…ついにはモーリシャス島に這いつくばり生命のワンダーに分け入る!日本史と西洋史、博物学と生物学の間を行き来する旅に、ご一緒しましょう。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(1/09予約、副本4、予約6)>rakutenドードーをめぐる堂々めぐり【月と不死】N・ネフスキー著、平凡社、1971年刊<出版社>より著者は日本民俗学界の異色の存在として知られるロシア人学者で,柳田国男,折口信夫らと親交を結び,沖縄,東北などの民俗を採録した。本書は日本語で発表された論文・書簡を網羅した唯一の著作集。<読む前の大使寸評>ロシア人にして、日本民俗学界の異色の存在が気になるのです。<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>heibonsha月と不死【8月の果て】柳美里著、新潮社、2007年刊<「BOOK」データベース>より日本統治下の朝鮮・密陽に生を受け、マラソンでの五輪出場を目指した亡き祖父・李雨哲。そのうしろ姿を追い、路上を駆けることを決意した柳美里。ふたりの息づかいが時空を越えて重なる瞬間、日本と朝鮮半島のあわいに消えた無数の魂が封印を解かれ、歴史の破れ目から白い頁に甦る。偉丈夫の雨哲と美丈夫の弟・雨根。血族をめぐる、ふたつの真実の物語が、いま日本文学を未踏の高みへと押し上げる。<読む前の大使寸評>追って記入<図書館予約:(とりあえずカートに入れておこう)>rakuten8月の果て図書館予約の運用にも慣れて、速攻で入手するコツも何となくつかんだと思うのだ♪・朝日書評欄で探すとしたら、3ヶ月前掲載くらいのモノが狙い目かも。・専門的すぎるほどのモノは、予約0となっていることが多い。・受取館に収蔵しているモノは、移送する手間が省けるので早くなるだろう。・本屋の店頭に出た直後の新刊本・ウィキペディアでめぼしい著作を探す・神戸市図書館の予約順位は毎週火曜日(午前1時~3時) に更新されます。・Kindle版を購入すれば、その本の全て読めるのだが、紙の本から書き写す手間が好きなわけでおます。予約分受取目録R26好書好日トップ図書館情報ネットワーク 蔵書検索システム
2022.01.09
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図書館で『文学界(2021年10月号)』という雑誌を、手にしたのです。表紙に出ているように『失われた時を求めて』が語られているので、これがゲットする決め手となりました。【文学界(2021年10月号)】雑誌、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【リレーエッセイ】「『失われた時を求めて』と日常」いつか読みたいと思いながら、その長大さに尻込みする人が多い20世紀文学の高峰を、これまで読み通したことがなかった14人が一人一巻ずつリレー形式で読む前代未聞の試み。プルーストを読む経験は作家たちの日常をどのように変えるのか?【創作】磯﨑憲一郎「日本蒙昧前史 第二部」魔術的に語られる、生真面目な外務大臣とパンダ飼育係の物語<読む前の大使寸評>表紙に出ているように『失われた時を求めて』が語られているので、これがゲットする決め手となりました。rakuten文学界(2021年10月号)『失われた時を求めて』の第1巻『スワン家のほうへ』のエッセイから、見てみましょう。p70~72 <失われた時は求めない:藤野可織> 分厚い本は苦手だ。終盤になって、いや中盤ですでに「あれ? これ誰やっけ?」と思わずにいられたためしがない。あるいは「ん? そんなことあったっけ?」。嫁が読むほど、すでに読んだページの厚みがそのまま私の失われた時となっていく。 物語の中で登場人物と生きたはずだったのに、いろいろな記憶があやふやだ。しかし、しかたがない。現実でだって、私はだいたいいつもそうではないか。私は失われた時は求めない。記憶は検索できない。なにかが失われたままでも、突き進むしかない。 『失われた時を求めて』の主人公は「私」で、名前は書かれていない。まさか名前がないわけではないと思うが、名前がないといえばメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』、名前をつけてもらえなかったクリーチャーが自分をつくったフランケンシュタイン博士を追い求めるみたいに、幼い主人公もまたお母さんが大好きで大好きで、ひとりで寝室においやられるのが悲しくてしかたがない、もうとにかくおかあさんにそばにいてほしいということが長々と書かれていて磯部涼『令和元年のテロリズム』とモーリーン・キャラハン『捕食者 全米を震撼させた、待ち伏せする連続殺人鬼』を読み終えてもまだぜんぜんそこから脱出できない。 『失われた時を求めて』はほとんどのページに註がつけられている。挿絵ではなく、図番までついている。私たち読者がプルーストの意図を見誤らないように、無知のせいでこの小説を味わい尽くせないなどということがないようにと実に懇切丁寧だ。これらの注釈はこの本にとって有益だし私が見境なく貼る付箋も無害だが、人につけられる注釈や付箋は愛するためだけのものではなくて殺すためのものにもなるなあと本を傍に積むとただでさえ暗い手元がまsます暗くなる。 明るくてちょっといいカフェで氷室冴子『新版 いっぱしの女』。この作家が男性だったら、男性作家だったら言われなかったはずのこと、されなかったはずのことを知って怒りと悔しさで手が震える。この作家がやっとのことで出会った「セクシャル・ハラアスメント」という言葉を、お前は、お前は知らんだろ! と糾弾するつもりでリュックからプルーストをつかみ出すと、「私」はいくつだかわからないけど幼い子どもではなくなっていて、お母さんにすすめられてマドレーヌと紅茶を口にしたら、『美味しんぼ』のワンシーンみたいに背景に稲妻が走っているところだった。 ああこれがあの有名な・・・と思う。私は『失われた時を求めて』についてはなにも知らなかったが、「なんかわからんけどマドレーヌを食べた瞬間、前にマドレーヌを食べた時の記憶が電撃的によみがえって、それに付随する記憶が次々と立ち現れるらしい」ということだけは小耳にはさんだことがある。(中略) ときどきうっかりして、「私」に名前がなかったことを忘れてしまう。フランソワーズという名前がよく出てくるので、うとうとしながら読んでいるとそれが彼の名前かと思うことが二度ほどあるが、さすがに一瞬で我に返る。フランソワーズは祖母やレオニ叔母の世話をしていた女中さんの名前だ。 しかし、状況はずいぶん厳しくなってきている。副題にもなっているスワン氏をはじめとして、「私」の親族とさまざまな人々との交際が語られるが、新しい名前が出てくるたびに私は不安におびえる。これはほんとに今はじめて出てきた名前だろうか? 記憶は検索できないが、電子書籍だったら検索できるのだろうか? 映画を見ているときも、私はこうだ。登場人物が一人増えるたびに、彼らのおでこに名前と登場回数が明記されたらいいのになと思う。ところで、3年前の図書館放出で入手した『文学界(2019年1月号)』が興味深いので、ときどき再読しております。『文学界(2019年1月号)』4:多和田葉子と温又柔との対談
2022.01.09
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今回借りた3冊ですだいたい支離滅裂に借りているけど、今回の傾向は、強いていえば、「雑誌」でしょうか♪<市立図書館>・『ウイルス(ナショナルジオグラフィック2021年2月号)』・『文学界(2021年10月号)』・にっぽんスズメ歳時記<大学図書館>(ただいま市民への開放サービスを休止中)図書館で手当たり次第で本を探すのがわりと楽しいが・・・これが、図書館での正しい探し方ではないかと思ったりする(笑)***********************************************************【ウイルス(ナショナルジオグラフィック2021年2月号)】雑誌、ナショナルジオグラフィック、2021年刊<出版社>より2月号の特集「私たちはウイルスの世界に生きている」では、時には人々の生命を奪うウイルスが、生物の進化で果たしてきた役割について取り上げます。「コスタリカ 野生の楽園」はコロナ禍で保護活動が危機に直面している現地の状況をレポート<読む前の大使寸評>おお ナショナルジオグラフィックのウイルス特集ではないか、これは借りるしかないでえ♪natgeoウイルス(ナショナルジオグラフィック2021年2月号)【文学界(2021年10月号)】雑誌、文藝春秋、2021年刊<出版社>より【リレーエッセイ】「『失われた時を求めて』と日常」いつか読みたいと思いながら、その長大さに尻込みする人が多い20世紀文学の高峰を、これまで読み通したことがなかった14人が一人一巻ずつリレー形式で読む前代未聞の試み。プルーストを読む経験は作家たちの日常をどのように変えるのか?【創作】磯﨑憲一郎「日本蒙昧前史 第二部」魔術的に語られる、生真面目な外務大臣とパンダ飼育係の物語<読む前の大使寸評>追って記入amazon文学界(2021年10月号)【にっぽんスズメ歳時記】中野さとる、カンゼン、2016年刊<「BOOK」データベース>よりスズメがこんなに間近で、こんなに表情豊かに見られるなんて!インスタグラムで大人気のスズメ写真家、待望の初作品集!<読む前の大使寸評>全ペ-ジにわたってカラー写真満載のビジュアル版で・・・ええでぇ♪rakutenにっぽんスズメ歳時記************************************************************図書館大好き527
2022.01.08
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